○櫻井
委員 大臣から、再生可能エネルギーの
分野においてもしっかり取り組んでいくという、いろいろ
お話をいただきました。ありがとうございます。
また、その中で、蓄エネルギーという
技術についても
お話しいただきました。まさにこれも、今目の前にある
課題としまして、例えば、九州電力管内におきましては、太陽光発電、昼間にできてもそれを運んでいけない、また、蓄えておくことができない、だから捨てちゃっているんだというような話も報道されているところでございます。
やはり、これは、蓄電池という、電気をためておくという
技術が発達すれば、ちゃんとコストに合うように、低コストでちゃんと電気をためておくということができれば、昼間の電気をしっかりと夜間に回すなり、また、再生可能エネルギー、発電のタイミングというのが、発電が必ずしも安定しないという
課題はありますけれども、電気を蓄えておくことができれば、こうした再生可能エネルギーの
推進にも非常に大きな貢献があろうかと思いますので、
大臣のイニシアチブで、また
関係閣僚と連携して、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、
大臣所信の中で、
大学改革や
若手研究者の
活躍促進、破壊的な
イノベーションを通じた新
事業、新産業の創出という
お話がございました。これは、先ほど
井林委員からの
質問の中で、
理系の
大学教育のあり方について
質問がありました。私も、これは非常に重要な
分野、問題だと考えております。
一方で、
イノベーションに関する
政府の文書の中で、学長のリーダーシップによるガバナンス強化というようなことも書いてございました。ただ、このガバナンス強化というのが
一つのくせ者でございまして、一方で、
若手研究者は五年の期限つきといったような不安定な雇用形態、先ほどの
古屋委員からの
質問にもございましたけれども、そういった状況があるという中で目先の成果を求められるというふうになると、五年先にはちゃんと成果は出るんです、そうした見通しが立った
研究しかできないということになってしまいます。そうすると、もう先が見えているわけですから、どうしても小粒な
研究になってしまう。そもそも、大体五年先にこんな成果が出そうだというような
研究であれば、
世界じゅう、いろいろな
研究者がいるわけですから、もう既に誰かがやっているわけですよね。
一方で、ノーベル賞を受賞するような非常にイノベーティブな
研究というのは、
研究者が好奇心の赴くままに進めていったら、たまたま大発見につながったというようなことが少なからずあるというふうにも思います。
例えば、iPS細胞で有名な山中伸弥教授は、最初、
科学技術振興機構の
研究費をもらいに行った面接の中で、その面接を担当した側の、大阪
大学の学長も務められた岸本先生が、山中伸弥さんの方法ではどう見てもうまくいくはずがないと思ったが、彼の迫力に感心した、何かやらかすはずだ、何かそういう、よくわからないけれども、多分無理だろうけれども、何か期待してみよう、そういう何かわくわく感みたいなものをある種直観的に、ある種独善的な
判断でやってみたら大当たりしたというようなことで、やはり、先を見通せない
研究にこそ、もしかしたら何か大きな
可能性、破壊的な
イノベーションの
可能性があるのではないのか。
また、オプジーボでこの間ノーベル賞を受賞された本庶佑教授におかれましても、御自身のモットーとして、知りたいという好奇心、常識を疑うことというようなことをおっしゃっています。やはり、成果を求めるというよりは、これは何でだろう、不思議だな、明らかにしたい、そういう気持ちをずっと追っかけていくと新しい
分野にたどり着くというようなことなんだろうと思います。
したがいまして、先ほど冒頭申し上げました、学長のリーダーシップによるガバナンス強化、ガバナンス強化をして成果主義でどんどんやっていくと、かえって成果が得られないというパラドックスのような状況になるのではないか、このようにも考えるんですね。
もちろん、
大学だから無秩序にやっていいというわけにはなりませんけれども、そのガバナンスのやり方というのは非常に難しいというか、従来の
経営の発想ではだめだと思うんですけれども、
イノベーションを起こすための基礎
研究の進め方について、
大臣のお考えをお聞かせください。