○前原
委員 ありがとうございました。
お二人の御
答弁をいただいたわけでありますけれども、私も、まず
防衛大臣が
お答えになられたことで申し上げると、北朝鮮はなかなか安心ができない。米朝首脳会談というのは歴史的なものでありましたけれども、ショーに終わる
可能性もあるということで、これについてしっかりとやはり、もちろんこの
議論が進むようなサポートをしていくとともに、備えをしっかりやっていくということ。
そして、
外務大臣がおっしゃったことと
防衛大臣がおっしゃったこと、実は包括しているところがありまして、中国とどうつき合うのかというところが私はかなり大きな外交課題だろうというふうに思っております。
外務大臣は中国という言葉を名指しをされませんでしたけれども、一方的な現状変更、力による現状変更、そしてまた国家資本主義的な取組をしている。今までの価値観の挑戦を受けているということについては私も全く
認識は一緒でございまして、きょうは、この強大化する中国とどうつき合っていくのか。隣国ですから、我々引っ越しできませんので。しかも、敵対するとか対峙をするという意味では全くありません。これは、どううまくウイン・ウインの
関係をつくり出していくのか。しかし、彼らのしっかりとした意図を我々が
認識をした上で外交や
防衛体制というものをしっかりとるということが大事だということの中で
質問を順次していきたいというふうに思います。
まず、
外務大臣に対して
質問をしたいと思います。
中国というのは、ことしで改革・開放四十年なんです。一九七八年の十二月に中国共産党の三中全会というのが行われまして、私は、トウショウヘイという
政治家というのはすばらしい人だと。やはり中国、この四十年間でGDPと貿易量は二百倍になっているんですよ。きょうお配りをしている一枚目の資料を見ていただきますとおわかりですけれども、貿易量とGDPは二百倍、そして軍事費は公表ベースで六十倍ということですので、すさまじい発展をこの四十年で遂げた。その基礎をつくった、改革・開放という基礎をつくったこのトウショウヘイという人は私はすばらしい指導者だというふうに思っているわけでありますけれども、それをベースにしているのが、今、習近平国家主席でありますが、彼は中国の夢というのを言っています。この中国の夢って一体何なんだろうということなんですが、私は、これは中華民族の復興をなし遂げるということだと思うんです。
一八二〇年、まだ清国の時代ですけれども、一八二〇年のころの世界のGDPに占める経済のナンバーワンの国は中国だったわけですけれども、どのぐらいだったかといいますと、三六%なんです。今、
アメリカがナンバーワンの国ですけれども、二四%。ですから、今の
アメリカの存在感の一・五倍ぐらい中国があった。それが、アヘン戦争だ、あるいは第二次世界大戦だということの中で、言ってみれば本当に屈辱の歴史を
繰り返してきて、これを何とかもう一遍立ち直らせる、中華民族の偉大な復興をなし遂げるんだ、こういう
考え方が私はベースにあると思っています。
至るところにその文言が出てくるわけでありますが、
一つの山に二匹の虎はいない。つまりは、アジアという山には
日本という虎もインドという虎も要らないし、世界という山には
アメリカという虎も要らないんだ、中国という虎さえいればいいんだというのが彼らの基本的な
考え方であります。
そしてまた、自分たちに従う者は栄えて、自分たちに逆らう者は滅びるんだ、こういう
考え方を唱える向きもあるということの中で、中国の夢というのは、偉大な中華民族の復興をなし遂げようとしていると思うんです。それが、言ってみれば、この改革・開放に乗った経済については、さらに、中国製造二〇二五、あるいは一帯一路、一帯一路は、これはまさに今のマーシャル・プランだと。つまりは、中国の経済影響圏を拡大する、確保するための言ってみればツールであるということを言う人もいますし、あとは、先ほど
岩屋大臣がおっしゃったように、南シナ海、東シナ海に、どんどん内海化をしていって、そして太平洋、インド洋に出ていくということの中で、グローバルな、そして宇宙やサイバーにおける軍事力というものも非常にたけていて、ナンバーワンをとにかく目指すんだというふうに言っていますけれども。
外務大臣、名前はどうでもいいんですけれども、彼らは覇権という言葉を否定するんですけれども、覇権という言葉は別にして、今私が申し上げたような、中華民族の偉大な復興をなし遂げようとしている。そして、さまざまな国家戦略を極めて総括的に、ある意味見事にやり遂げて、みずからがナンバーワンの国になろうとしている。中国製造二〇二五なんてそうですよね。二〇四九年、建国百年には自分たちがナンバーワンの製造強国になるんだと。そして、これを軍事にも結びつけていくという、いろいろなことをやっているわけです。
この、ナンバーワンになろうとしている、覇権という言葉は彼らは使わないけれども、そういう目的で中国が世界戦略を持ってさまざまな手を打ってきているという
認識についてはいかがですか。