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藤巻健史君
日本維新の会の
藤巻健史です。よろしくお願いいたします。(
資料提示)
安倍総理は、去年とかおととしに比べて景気が良くなったとか、それから第二次
安倍政権が発足してから景気が良くなったとかいうふうにおっしゃるんですけれども、この表を見ていただきたいんですけれども、一九八五年と比べて二〇一五、三十年間で
日本の名目GDPって一・五倍にしかなっていないんですよ。この八五年というのはバブルの始まった年なんですけれども、たった一・五倍にしかならない。見ていただくと分かるように、ほかの国に比べると断トツに劣等生なんですよね。名目GDP、要するに国内総生産、国の
活力、国の
経済規模ですけれども、これが一・五倍にしかなっていないということは、
人口は変わっていなかったら
国民の富も
国民の豊かさも一・五倍にしかなっていないということなんですよね。ほかの国とはえらい差が付いている。
ですから、こういう状態が続いてしまうと
日本は二流国、三流国におっこってしまいますので、本当に、我が党はグレートリセットという言葉を使っている、
日本維新の会はグレートリセット、大
改革が必要であって、単なるちょこまかした
改革じゃ、これ大変なことになっちゃうんですよね。我々
政治家というのは、こういう現象を見て、どうしてほかの国に比べて遅れたかということを考えてグレートリセットをすることが重要かなと思います。
何をすればグレートリセットになるかということを
議論しちゃうともう何日間も掛かっちゃいますので、今日は一つだけちょっとお話ししておきたいんですけれども、やはり
日本の産業、未来の
日本がどうやって食べていけるか、生きていけるかということを十分国が認識して、それをきちんとサポートしていかなくちゃいけないんですね。この国、とかく何かの産業をリードしていこうというと
政府が旗を振っちゃうんですけど、そうじゃなくて、余計なことをするなということが一つ重要、余計な規制とかそういうことをしないということも一つ重要だと思うんです。
私、JPモルガンという、金融界長い、ところにいたんですけれども、実は、一九八〇年代の後半、ウェザストンというJPモルガンの会長が東京に来て演説をやったんです。そのときに彼が言ったことは、五年前に存在しなかったビジネスで今の収益の四〇%たたき出していると言ったんですね。かなりの利益、モルガンありました、四兆か五兆円ぐらいありましたけれども、そのうちの四割は五年前に存在していなかったビジネスで稼いでいると、こう演説したんです。
問題は、そのときに
日本の銀行は全く金利スワップ、新しいビジネスというのはデリバティブの中の金利スワップというやつなんですけど、それを
日本の銀行は全くやっていなかった。なぜかといいますと、
日本にはその当時、長短分離
政策というのがありました。運用の長期の金融は興長銀とか信託銀行、短期の方は地方銀行とか都銀がやるということで、まさに垣根があったんです、長期金融と短期金融。金利スワップというのは、その垣根を取り壊しちゃう商品だったものですから、その長短分離
政策が、怖いという規制、それをバイオレンス、侵すということが怖いということで、
日本の銀行は五年間も非常にもうかるビジネスをやっていなかった。それが、五年の遅れというのはやはり今の
日本の銀行とアメリカの銀行の差につながっていると思うんですね。
今のウェルズ・ファーゴとかJPモルガンというのは
日本のメガバンクの五倍から十倍の利益を稼いでいます。
世界でも断トツに存在感があるんですね。
日本の銀行、確かにちょっとは出ていますけれども、全然米銀なんかと存在感が違う。五年間、規制によって
日本の銀行は遅れちゃったんですよ。同じように、将来稼ぐような業界というのは、これは
政府は規制とか何かでブロックしちゃいけないんですね、妨げちゃいけない。
今、私が一番気にしているのは、やっぱりブロックチェーンなんですよね。ブロックチェーンというのは、インターネットの技術、インターネットの次の
日本の
成長産業じゃないかなというふうに言われていまして、これは
政府が
成長というか発展をブロックするということはないと思うんですね。
ブロックチェーン、よく公文書の決裁で
安倍総理は電子決裁をしろというふうに御指
示しているという話を聞きますけれども、電子決裁というのは、これはやっぱり、確かに改ざん記録というのは残るんですけれども、それを消去しちゃうプログラムってあるんですよ。だから、完璧なものではない。ブロックチェーンだったら改ざん自身ができませんから、まさに公文書の対策、改ざんしないということに対しては非常に優れた技術です。行政だけじゃなくて、先ほどちょっと申し上げましたけれども、インターネットビジネスに次ぐ偉大なる技術だという可能性が非常に強いですから、それを国は守らなくちゃいけない。
で、そこまではいいんですけれども、問題は、ブロックチェーンと表裏の関係にある仮想通貨だと思うんです。それで、ブロックチェーンというのは仮想通貨の発展のための技術なので、ブロックチェーンはいいからこれはサポートしよう、だけど仮想通貨は駄目よということになると、当然のことながら、ブロックチェーンの
世界って来ない、
世界に遅れちゃうんですよ。
日本がこれから非常に期待できるブロックチェーンという技術をブロックしちゃうんですよね。
ということで、やはりブロックチェーンと仮想通貨を一体に発展させなくちゃいけない。そのときに何が仮想通貨の問題になるかというと、これは金融庁がやっている消費者保護とか、これは非常に重要だと思うんですけれども、実は税制なんですよ。今の仮想通貨というのは、もうけは雑所得、総合所得である雑所得なんですね。去年、確かに仮想通貨非常に大きく上がりましたから、非常に大きい税金を払っている人がいる、高い税金を払っている人、五五%税金払っている人もいる。しかし、今年は仮想通貨の値段が落ちている、大損する、何にも補填がないわけです。特に、雑所得ですと、他の給料とか不動産収入というようなものと損益通算できませんし、それから翌年にも繰り越すことができない。
要するに、もうかればごっそり税金もらって、損したら何にもしないというのは、余りにも余りの税制だと思うんですよね。ほかに総合課税でそんなような税制ないですよ、やっぱり。給料とかああいうの、不動産所得、これいろいろ、最高税率行くかもしれませんけれども、大損するということはないですからね。もうけたり大損したりするというような商品というか、ものが総合課税になるというのはない。要は、分離課税みたいに、ほかの株とかFXとかいうのはやはり税率の低い分離課税になっているわけです。
私、財政金融
委員会で、参議院の、聞いていますけれども、確かに税務当局からいろいろお話あります。これ、税の論理からいえば、それは納得するところもあるんですよね。それは、税務当局というのは税の論理でいろんなことを考えますから、それは納得することもある。しかし、
日本の未来を築くかもしれないブロックチェーン並びに仮想通貨については税の論理でいっちゃいけないと思うんですね。やっぱり、
日本の未来の論理、
日本のをどうやって食べていくかということの論理で考えなくちゃいけない。ということは、やっぱり税制で
日本の未来を殺しちゃいけないと思うんですよね。
そういう意味でいうと、やはり今の税制というのは
日本の未来を殺しているんじゃないかと思いますので、仮想通貨については、税の論理じゃなくて、首相がリーダーシップを取ってきちんと改正をしていくということが重要かと思うんですが、いかがでしょう。