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藤巻健史君 全く回答になっていなくて、非常に苦しい回答だったというふうに思いますけれ
ども、きっと頭のいい黒田総裁のことだから自分の御回答が矛盾しているということはお分かりだと思いますが、ここでそれはやめておきます。
ただ、もう一つ、
質問通告をしていなかったんですけれ
ども、なぜ
質問通告をしなかったかというと、
質問通告書を出した翌日の日経新聞に、米国、中国、中米の貿易戦争の話があったわけですよ。その記事の中に、日経新聞に書いてあったんですね。中国が米国債を売ったら大変だ、中国の米国債保有額は一兆一千八百億ドル、約百二十兆円です。この日経新聞、クオートした、米
財務省は、米国債を売られれば米景気、アメリカの経済はひとたまりもない、括弧、
関係者というふうに書いてあるわけですね。これは、百二十兆円売られるとアメリカ経済は大変だ、これはアメリカ経済規模というのは四倍ありますから、
日本に換算すると約三十兆円ですよ。誰かが
日本国債を三十兆円売ったらば大変なことになると。
今、日銀、四百五十兆もありますよ。これ、日銀が、バランスシートを縮めよう、インフレが加速してきた、バランスシートを縮めようといって四百五十兆円を売り出したら、もうとんでもないもいいところになっちゃうわけですよね。だから、言い方を変えると、これはもう国債は満期まで持つしかないということですね。売れないということなんですよ。満期待ちをしなくちゃいけないということだとすると、景気が加速する、インフレが加速したときに日銀は、さっき言いましたように短期金利を上げれば債務超過になるからできない、そしてバランスシートを縮めることもできない、もう袋小路ですよ。そのまま行ってしまったら、それはお金がもう、インフレになって、もうお金じゃぶじゃぶなんですから、それはインフレ懸念が出てくるのは当たり前なんですよね。
これは
質問通告していなかったので、ここでやめておきますけれ
ども、その前提で
安倍首相にお聞きしたいんですが、資料二にしていただけますか、要するに、日銀はインフレが始まってしまったらコントロールの手段がない、金利を上げることもできないし、お金がじゃぶじゃぶになっているものを引き揚げる手段もないということで、ここで
財務状況を見てみたいんですけれ
ども、
平成三十年度の
予算、六十四兆円の税収プラス税外収入に対して九十八兆円使って、三十四兆円使っている。そして、こういう巨大な赤字を積み重ねてきた結果、バブル崩壊以降積み重ねてきた結果、千八十六兆円もの借金がたまっているわけです。
この千八十六兆円の借金というのは、これ物すごいですよ、これ。十兆円ずつ返して百八年掛かるんですから。十兆円ずつ返すためにどうやって浮かせようかなと、税収プラス税外収入六十四兆円ですから、歳出を五十四兆円に抑えて十兆円を浮かせて、百八年も掛かっちゃうんですよ、返すのに。ましてや、累積赤字千八十六、ここまで元本が大きいと、支払金利大変ですよ、これ。今はゼロ金利だからいいですけど、一%上がったら十兆円ですよ、まあすぐにじゃないですけどね。五%上がったら五十兆円。税収プラス税外収入六十四兆円しかないんですよ。
今までの経済、じゃ景気が良くなれば税収良くなるかといったって、一番今まで史上最高の税収、一九九〇年の六十・一兆円ですよ。あのとき、あの狂乱経済、バブルの末期で。確かに消費税三%でしたけどね。あのときで六十・一兆円までにしかならないときに、これは税収プラス税外収入が三百、四百兆になれば支払金利が上がったっていいですけれ
ども、これはそんなに、そういう過去の実績から考えて上がるわけない。
そのときにどうしたらいいかとなると、こんな財政、何かもう尋常な方法で返せないですよね、これ。十兆円ずつ返して百八年掛かるんですから。そうすると、考えられる方策って何かなと考えると、私が考えられるのは、唯一考えられるのは、もう大増税ですよ、大増税。大増税といっても別に消費税を上げるとかそういうことじゃなくて、考え得るのはインフレ税です、インフレ税。
インフレというのは、これちょっと資料六を見ていただきたいんですが、インフレって何かというと、よく学者がインフレのことをインフレ税と言うんですよ。なぜインフレ税と言うかというと、ちょっと言葉は悪いですけど、税金というのは
国民の富を一時的にでも国が持っていくことですけれ
ども、インフレって何かというと、債権者から債務者への富の移行なんですよね。
よくお分かりにならなかったら、タクシーの運転手さんのことを考えていただきたい。個人タクシーの運転手さんのこと考えていただいて、ある銀行から一千万円借りました、今物すごく元利金返すのは大変かもしれないけれ
ども、タクシー初乗り、ちょっと極端ですけど、タクシー初乗り百万円というようなインフレが来たときに、もう借金をしている人、簡単ですよ、タクシーの運転手さんね、十人お客さん乗っけて、ぽんと一日で返せちゃう。ところが、債権者、汗水垂らして十年間お金を銀行預金した人、十回タクシー乗ったらパアになっちゃうわけです。そういう
意味で、要するに、お金を貸している人は富を失って、お金を借りている人はもう万々歳になっちゃうわけです。それがインフレなんですよ。
今、
日本の国情を考えると、債権者というのは
国民であって、債務者は国ですよ。インフレが来る、激しいインフレが来るということは、
国民から国への富の移行という
意味でインフレと全く同じ。要するに、大きいインフレ、物すごい悪性インフレが来れば、まさに大増税と同じ効果があって財政再建になっちゃうんですね、これ。非常に悪い政策だと思うんですけれ
ども、結果としてインフレを起こせばこれ財政再建になっちゃう。
国民は地獄です。まして、ここまで来ちゃうと、インフレ、なり始めたときに日銀は制御する方法はない。
安倍政権も、うちの片山共同代表が最初の
予算委員会で、どうも財政再建が二の次じゃないかという発言を、
質問をさせていただいたんですけれ
ども、どうも国も財政再建に一生懸命でない。となると、
二つ合わせると、日銀と
政府の政策を合わせると、どうもひょっとすると、
安倍政権、日銀はインフレをつくって大増税をしてしまうんじゃないかと。
インフレというのは、
予算というのは、税金というのは一応、税金、増税の場合には
国民の審査が必要、
国会審査が必要ですけど、インフレって
国会審査もなくて
国民の富を国が持っていっちゃうわけですよ、大増税。そういうような政策をしているような方向に見えてしまうんですけど、
総理、どうなんですか。大丈夫ですか、
国民生活は。