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二之湯武史君 ありがとうございます。
特にこの教育、各段階の中でも私は義務教育と高等教育をちょっと更に取り上げて
議論をしていきたいなというふうに思っております。
先ほど茂木
大臣の方からありましたように、企業の人事とか
労働市場というのもまだまだ
改革しなきゃいけませんし、高校は私、非常に問題意識を持っていまして、いわゆる進学校なんかは、言葉は悪いですが、大学受験のための予備校化しているような
部分もございます。ただ一方で、かつては半分が職業高校だったんですね。それが今はもう九割が普通科高校ですから、この十五歳から十八歳という時期に本当に学ぶべき適切なカリキュラムとか意識というのは何なんだろうかということを
考えたときに、非常に
改革すべき機関だなというふうにも思っているんですが、やはり義務教育と高等教育、少し
お話を進めたいと思います。
資料三をお願いします。
まず、これは義務教育、これもちょっと私がまとめたので若干言葉がきついかもしれませんけれども、授業なんというのは、まだ一人で黒板にチョークで字を書くというあれでございます。前回も申し上げましたけど、黒板でチョークに字を書いて、それを黒板消しで消すわけですけれども、なかなか消えないんですね、あれ、もう昔から。それで、消えないですし、吸い込む機械も全然吸い込まないんですね。本当にイノベーションがなかなか働いていないわけです。
例えば、学校というものの運営に当たっても基本的には教員が運営をされておられます。いわゆる外部の方というのは、学校運営には実は関わる
仕組みはあるんですけれども、まだまだ少数派でございますし、個への対応、先ほど申し上げましたように、今の子供たちも非常に
能力も家庭環境も、価値観、多様化しておりますから、民間の塾なんかですともうほとんど授業はオンデマンドですね。映像授業なんかでそれぞれの学習段階に応じた、習熟度に応じたサービスできるわけですけれども、学校はまだまだそういう
意味ではマスでございます、ペーパーテストで一点単位で人を評価するとかですね。
そういう
意味で、一番下にありますように、かつては教師という
方々が社会のある
意味で知恵を独占していたという時代があったと思います。宗教
改革の前の教会の神父さんと同じだと思うんですね。それが活版印刷が発明をされて、みんなが聖書を手に取ることができたと。みんなが字を読めるようになると、そうした物を教えるという立場から、
皆さんに説法を説く、説くという立場に変わっていかれたと。
ですので、今も学校の先生も、そういう
意味では、教科書のみならず、検索をすればあらゆる知識が瞬時に手に入るという時代においては、学ぶを、知識をそのまま教授するような存在から、学びをサポートしていく、学びのモチベーションを引き出していく、このティーチャーからファシリテーターへという在り方が非常に重要なんじゃないかなというふうに思っております。
〔
委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
これもやっぱりコンセプトのもう革命的な転換が必要なんじゃないかなというふうに思っていたところ、先日、ある中学、しかも公立の中学校です、視察に行ってまいりました。これは千代田区立麹町中学という中学なんですが、まさに私の、ここ、示しているような、この右側の現場に非常に近い学校でありました。授業のスタイルでありますとか、民間企業なんかとタイアップして授業をやっております。また、学校運営そのものにも生徒が参加している。例えば、生徒に
年間行事を棚卸しさせて、この中で本当にやるべき行事と廃止すべき行事を生徒が
考えろと、こういうような形で、棚卸しした上でそれぞれの運営についても生徒たちが計画を作って運営すると。
私、一番感銘を受けたのが修学旅行の在り方。修学旅行というのは、私、個人的には、テーマパークに行ったり遊園地に行ったり観光地に行く、これも大事な旅行だとは思いますが、やはり修学ですから何か学びがないといけない。この麹町中学では、修学旅行の前から、ある旅行会社と提携をして、生徒に、最終ミッションはその旅行会社に旅行商品をプレゼンテーションするという、これが
年間のカリキュラムになっているわけです。
四月、五月辺りから、学生が、例えば京都、奈良、二泊三日のツアーということでいろいろ予備勉強を始めます。そして、いろんなほかの資料を取り寄せたりしながら大体の形をつくって、そしてその視察旅行として修学旅行に行くんですね。そこで現地のいろんなものを調べて、映像を撮ったり、またいろんなインタビューしたりして、そしてその視察旅行という形の修学旅行を終えた後にそれを旅行商品に仕上げて、そして民間企業にプレゼンテーションをする、そしてその中で優秀な作品を選ぶと。こういうふうな、非常に次世代型の学校だなというふうに思っておりました。
こんなことをされている校長先生ですから、きっと、これは失礼ではなくて、民間の
経営者の方なんじゃないかな、御出身がと思って聞いたら、いや、私は教員しか経験ないんですと、こうおっしゃるんですね。いや、でも先生、これだけのことをされるんだから、例えばいろんな
制度とかルールとかに抵触したでしょう、大変だったでしょう、教育
委員会とのやり取り、とか聞きますと、いや、
制度上も全然問題ないんです、できるんですよとおっしゃるんですね。
ですので、我々政治家というのはともすればすぐ
制度とかルールの話ばっかりするんですが、現場でこういうビジョンのあるリーダーが現れればこんな大転換も現行
制度で十分可能だということを、先日の視察で大変私は勇気付けられました。
実は、こうしたあるべき学校の姿を未来の教室として取り組んでいただいているのが実は
経済産業省なんですね。エデュケーションテクノロジー、ICTなんかを使って、こうした未来の学校の姿をという観点で経産省がこういう学校の在り方のプロジェクトをされておられるんですけれども、
世耕大臣、この略してエドテックですけれども、この取組について是非教えていただければと思います。