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伊藤孝恵君 民進党・新緑風会の
伊藤孝恵です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました
平成二十九年度
補正予算二案に対し、反対の
立場から討論を行います。
総理は、先般、景気回復の温かい風は地方にも広がりつつありますなどと、まるで危機感のない年頭所感を出されましたが、全国四千人を対象に行った日銀の
調査では、一年前と比べて景気が良くなったと感じている国民は僅か八・三%でした。都合のいい数字を引用して、そんなはずはないとはねつけるだけの
答弁ではなく、温かい風を感じないのはなぜなのか、どこかに見落としがあるのではないか、そういった謙虚な姿勢と
政権運営をお願いしつつ、以下、本
補正予算に反対する理由を申し述べます。
第一に、財政を顧みない予算となっている点です。
我が国の危機的な財政
状況を鑑みれば、本
補正予算の財源である二十八年度剰余金は全額を国債償還に充てることを
検討すべきであり、建設国債の追加発行一兆二千億円についても、将来世代の負担を思えば到底容認できるものではありません。
第二に、公共予算ばらまき予算となっている点です。
九州北部地域で発生した豪雨災害を始め、被災地の復旧復興、被災者の生活再建に迅速に
対応するための予算は当然必要だと思っています。しかしながら、本
補正予算における事業
内容を見ると、利権の温床との批判も多い土地改良事業に一千四百億円など、ばらまきとのそしりを免れない事業が紛れ込んでおり、反対せざるを得ません。
第三に、防衛
関係費の精査が不十分な点です。
例えば、陸上型イージスについては、アメリカからの情報等取得費だけで二十八億円もの大きな額が計上されています。
最後に、
補正予算編成の要件とされる緊要性に欠ける点です。
環境大臣、教えてください。生産性革命名目で九億円計上されている子
どもの健康と環境に関する全国
調査は差し迫って必要な
調査ですか。どの辺りが生産性なんでしょうか、革命なんでしょうか。健康どころか貧困と言われる子供たち、おなかがすいて眠れないと言っている子供たちが今この国には四十八万人いるとも言われています。こちらの方が緊急ではありませんか。
総務大臣、女性活躍推進に資するとしてマイナンバーカードに旧姓併記をするため、そのためだけのシステム改修費に百億円って必要ですか。昨年の補正でも九十三億八千万円が計上されております。このような改修、いつまで続くのでしょうか。
大臣はお分かりになっているはずです。今は、旧姓併記より保育園を、システム改修より保育の質の方が喫緊の課題です。
民進党は、国民本位の政治を取り戻す努力を続ける決意を申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)