○
白眞勲君
立憲民主党・
民友会の
白眞勲です。
私は、
会派を代表しまして、
特定複合観光施設区域整備法案、いわゆる
カジノ法案に
反対の
立場から
討論をいたします。
その前に、
西日本を
中心とする
豪雨災害において多くの亡くなられた
方々に対し、心より追悼の意を表します。また、被災された
方々に対し、お
見舞い申し上げます。
政府におかれては、
全力を挙げて
救助活動、
災害復興対策に取り組んでいただきたいと
思います。
そういう中において、私は
政府・
与党の
皆さんにお聞きしたい。私
たちは、
与野党を問わず、
人命を第一に
政治をしていかなければならないことは当たり前のことだと
思います。また、
国民の大多数も
世論調査で、この
カジノ法案の今
国会成立は不要とされています。しかるに、なぜこの
賭博ができる
法律を今通そうとするのか、その
理由を教えてもらいたい。
これだけ大きな
災害が生じているさなか、私
たち野党は、この
カジノ法案の
審議は先延ばしして
被災者の
救助に
全力を注ぐべきだ、そう再三にわたって申し上げておりました。しかし、結局、
与党が主張するとおり、まだ
被害がどれくらいか分からない段階、すなわち、
政府が八日に
災害対策本部を
設置してからまだ七十二時間もたっていない今月の十日から
委員会を始めて、五回にわたって
委員長職権で開いているのです。
自民党と公明党は、完全に
人命よりも
カジノ、要は
賭博優先だとしか言いようがないのです。厳しく抗議したいと
思います。
この猛烈な暑さの中にいる
被災者の
方々のことを考えれば、
国会で
カジノ、幾らもうかりますか、こんなことはあり得ない、そういうふうに
思います。
では、そこまで通そうとしているこの
カジノ法案は、穴ぼ
こだらけの
法案じゃありませんか。本則二百五十一条の
法案は、何と
条文よりも多い三百三十一の
政省令、
規則への委任があるのです。この
政省令、
規則の
内容を
理事会に出してきたのが
質疑最終局面、どうやって精査しろというんですか。それをその日の
理事会で提起したら、私の大好きな
藤川政人理事が、それは私も感じますとおっしゃっていたじゃありませんか。
そもそも我々は、
参議院における
行政監視機能を強化しようと
与野党で議論している中で、
カジノでは
与党が全て
政府に丸投げしている。矛盾していませんか。
要するに、
条文等にも書かれないルールを忍び込ませ、極めて不透明な中で、
カジノ事業者に大きな自由を委ねるためと取られかねない
内容ではありませんか。
特に、当初、
カジノゲーミング区域の
面積上限値一万五千平米又は
IR施設全域の
延べ床面積の三%のいずれか小さい数字とされていましたが、一万五千平米の
規制がなぜか削除されて、結局
カジノ業者が好き勝手にもうかる
仕組みになっているのではありませんか。
そもそも
政府は、これまでにない
スケールと
クオリティーを有する総合的な
リゾート施設として
世界中から
観光客を集め、
日本各地の豊かな自然、
固有の
歴史、
文化、伝統、食などの
魅力を紹介し、
IR区域の
来訪客を
チケット手配などを通じて
全国各地に送り出すことにより、
IRが
世界と
日本の
各地をつなぐ交流のハブとなっていくことが期待されますと胸を張っていますが、そんなに
外人が
カジノに来ますか。実際、
政府の
答弁で、浅草の浅草寺でさえ
外国人の
訪問率は三〇%だという現状を認めているじゃありませんか。つまり、
外人が来る来ると言っていながら、この
IR自体が
日本人をターゲットにしていることが
政府も認めているんじゃないんですか。
そういう中、
海外の
カジノ企業は百億ドル
規模の
投資をするようなことを主張していますが、
投資をするというのは、それ以上に
日本でもうかるということ、つまり、一兆円以上の回収が数年でできるという見込みを立てていることにほかなりません。ということは、十万円負ける客が一千万人必要なんですよ。で、その大部分が
日本人であるということになるわけです。
それに併せて
刑法の
賭博罪の
違法性阻却だって怪しい。つまり、
カジノ収益の粗利が七〇%
カジノ事業者の
収益となって、
事業者が
外国企業なら、
日本人の財布から
海外に
お金がどんどん持っていかれているということじゃありませんか。これ、どこが
公益性なんですか。
それに、本当に問題なのが
賭け金が不足した客に
施設内で融資できる
特定金融業務、これ、
カジノ業者がもらっちゃうわけですよ。とんでもない
制度じゃありませんか。
貸金業法にとらわれない、つまり、
総量規制もないのに、この
制度は
カジノ事業者が客に融資をちらつかせ、巨額の
賭け金を使うよう促すおそれを排除できません。
ギャンブルで負けが込んだ人が陥るのは、あともう一回、あともう一回やれば取り返せるのではないかという
気持ちで、
業者は
顧客ごとに
自分たちで決めた
限度額まで金を貸し、二か月以内に返せなかったら一四・六%の
遅延金を付けて、場合によってはその債権を第三者に委ねる取立てもできるという、これ恐るべき
貸金業務ですよ。
先日の
参考人質疑について、この件に関し、二つ以上の
業者への
転売が認められているわけだから、実際そういう
関係でいうと、
各種の
転売が次々と行われて、いわゆる
闇金であるとかあるいは反
社会勢力のやっぱり
格好の仕事場といいますか、彼らに
格好の仕事を与えると発言されています。
また、この
カジノができることによって、間違いなく
ギャンブル依存症が増えるということです。
参考人のお一人はこう
説明されています。アメリカでは、要するに、ギャンブラーが健全だったら
カジノは全部潰れると、で、
依存症状態になっていてくれるからその
収益が確保できるんだとして、
カジノはその
破壊力が強いものであるとされています。
それで、
入場料二十四時間で六千円、週で七十二時間ですか。
私自身が
委員会で質問したんですけど、マイナンバーカードまず見せるでしょう。それから六千円払って
カジノに
入場します、二十四時間まで、二十四時間。もう二十五時間とか何か続けていたら出るときには残りのまた六千円、あるいは四十八時間以上たったら一万二千円を払わなきゃいけない。でもね、
皆さん、
カジノで
すってんてんになっちゃったら、これどうするのよ、
お金どうやるのと聞いたんです。そうしたら、満足な
答弁は得られない。要は、
カジノ事業者が請求するということで
法律はなっているので、つまり、
事業者任せ。ということは、その場で支払えなくなって、カードを持っていなければですよ、極端な話、
すってんてんになった客は出口で本当にすっぽんぽんになっちゃう。いや、そうなるとほかの
法律に触れるからとかの
説明でしたから、要は身に着けている時計とか、要するに身ぐるみ剥がされるとか、さもなくばそこで働くしかなくなるじゃありませんか。
さらに、我が党の小川敏夫
議員が
説明したとおり、一週間七十二時間ですよ、十二時間、ずっといれば週六日
カジノにいられる。さらに、週の最後の一日を競馬などほかの
ギャンブルをすればですよ、毎日、月月火水木金金、
ギャンブル三昧じゃありませんか。これでどうやって
ギャンブル依存症を防げるんですか。分からない、さっぱり。
この
カジノ法案の
審議に出ていて感じることは、
政府はシンガポールなどの例を成功例として取り上げるわけ。そして、逆に
野党は、韓国の江原ランドなどを失敗例として取り上げている。これは議論が、こうなんですよね、こう、こう。これ何ていうの、これ。
だから、だから、リスクを考慮しながら
判断するんです、やっぱりこういう場合は。幾ら
入場を
制限しても、これ同じく朝日新聞によりますと、
西日本の暴力団
関係者が言っていますよ。一度
カジノの楽しみを知れば、
制限なく入れる店に絶対に行きたくなる、地方でも違法
カジノが増えると予想しているんですね。だから、実際、韓国のマスコミによりますと、江原ランドができた後、ソウル市内でも違法
カジノが蔓延して、一町内、一つの町で一
カジノ時代だと皮肉られているんですね。
そして最後に、
皆さん、
カジノというと、ほら、ルーレットとかスロットマシンとか、要は、よく出てくる、何ていうの、007がボンドガールと戯れるような「
カジノ・ロワイヤル」みたいなものを想像するじゃありませんか。そうではなくて、これ
説明では、
日本の伝統、
文化、芸術を生かした
日本らしい
国際競争力の高い
魅力ある
観光資源を
整備すること。そうなると、何と驚くべきことに、これ映画で、ほら、着物姿で入れ墨をした女優さんが、よござんすか、入りますなんて、丁か半かのばくちもできる、入る可能性あるんですよ。いいですか、今まで御用だ御用だと言っていたわけですよ。これ、御用だ御用だ、できなくなるじゃありませんか。
もちろん、
総理は
答弁でこう言ったんです。
総理こう言ったんですよ、私自身もやったことはないわけでございます。当たり前じゃありませんか。
総理がしたら大変ですよ。私は、丁半ばくちをしたことがありますかなんて聞いていませんよ。こんなばくちができるような
法案はやめさせた方がいいと聞いたんですよ。そうして、
皆さん、こんな丁か半かができるばくち、こんな
法案、やめさせようじゃありませんか。
先週の
参考人質疑で、
カジノが今回できるようになることにより、ばくちに頼らなければ事業活動ができないのかという、これが蔓延することが怖いと
参考人は断言されました。本当にそうだと
思います。
日本のすばらしい物づくりの
文化が崩れていく。そして、
政府は、
依存症防止
対策などに万全を期すと
説明していますが、でも、増えることは間違いないんだ。この
依存症になってしまった
方々の御
家族は大変な
思いをされるんですよ。
私が
皆さんに僣越ですが申し上げたいのは、これ本当に
与野党を問わず、一人でも多くの人々を我々
政治家は幸せにしようと頑張っているんじゃないんですか。
家族まで不幸にさせるような
法律を作ってはいけないと
思います。場内の
参議院議員の
皆さんの良心に私は本当に訴えたい。この
法案を
皆さんで廃案にしていこうじゃありませんか。
以上で私の
反対討論を終わります。(
拍手)