○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
ただいま
議題となりました
生活困窮者自立支援法等の一部を改正する
法律案について、日本共産党を代表して
質問いたします。
平成二十五年度労働時間等総合実態調査は、
データ捏造により、働き方改革一括
法案から企画業務型裁量労働制拡大を削除する原因となりました。さらに、一般労働者の
データの中にも分かっているだけで九百六十六件の誤りが判明し、もはや
データそのものの信憑性は完全に失われております。働き方改革一括
法案を撤回し、労働
政策審議会に差し戻すことを強く求めます。
本年十月からの
生活扶助基準引下げに、利用者から、
子供の人生に不安と絶望をもたらしたなど、悲痛な訴えが届いています。
生活保護基準は、二〇〇四年からの老齢加算廃止、一三年には
生活扶助基準が最大一〇%も引き下げられ、一五年には住宅扶助、冬季加算が削減されました。それに続く今回の引下げは、利用者を更に追い詰める過酷な仕打ちと言うほかありません。
生活保護法第八条二項は、
生活保護基準を、必要な
事情を考慮した最低限度の需要を満たすに十分なものとしています。今回の引下げは、この
規定を全く無視するものです。
低
所得者との比較が理由とされた今回の基準引下げ、母子加算、児童養育加算等の削減は、
子供を持つ
世帯ほど大きな打撃となっています。
子供二人の母子
家庭の
生活扶助基準は、一九九〇年前後とほぼ同じ水準であり、ナショナルミニマムの水準が四半世紀分後退することとなります。
子供の
貧困の解決に逆行するものではありませんか。
シングルマザーを
支援する団体は、
生活保護以下の
生活を余儀なくされ、命さえ危うい
状況に置かれている親子も少なくないと指摘しています。これら
困窮世帯との均衡のみをもって、どうして健康で文化的な最低限度の
生活を保障することになるのか、その根拠の
説明を求めます。
昨年十二月に行われた緊急ホットラインには、食事の回数を減らしている、暖房も冷房も付けない、夕方には布団に入り寒さをしのいでいる、下着も買えないなど、深刻な実態が寄せられました。これが、必要な
事情を考慮した最低限度の需要を満たすと言えるのですか。
生活保護利用当事者を審議会に参加させ、意見を聴取するとともに、具体的な家計
状況の大規模調査を
実施すべきです。答弁を求めます。
生活保護基準は、最低賃金、住民税非
課税基準、就学援助など、様々な
制度と連動しています。基準引下げの他
制度への
影響について、どう認識していますか。
生活保護基準は、低
所得者
対策と連動し、ナショナルミニマムとして
生活を下支えする重要な機能を果たしています。
生活保護基準の引下げスパイラルは、市民全般の
生活水準の引下げスパイラルにつながるのではありませんか。
だからこそ、
生活保護基準部会長の駒村康平氏は、
生活保護水準は全ての最低
生活保障を下支えするために、安易に水準を引き下げることができない岩盤と指摘しているのです。基準引下げは撤回すべきです。答弁を求めます。
生活保護法案は、
生活保護利用者が
医療を受ける場合、より安価な
後発医薬品の
使用を
原則とし、保護利用を理由に、本人の意思による先発薬の選択を認めないというものです。
生活保護利用者の後発薬の
使用割合は七二・二%で、国民全体の六五・八%より高いのに、なぜ
生活保護利用者にのみ義務付けるのですか。保護利用者は、税金の世話になりながら高額な先発医薬品を使うのはぜいたく、安い薬で我慢すべき、制限されて当然ということですか。
保護利用者のみ選択権を奪い薬剤アクセスを制限することは、差別であり、劣等処遇そのものです。厚労省は、
制度に対する国民の信頼性を
確保するためと
説明していますが、差別と偏見を拡大することがなぜ
制度の信頼を高めることになるのですか。お答えください。
生活保護に対する強い偏見のために、
困窮しても保護を受けず、
医療費が払えず命を落とす人が毎年多数報告されています。
制度への信頼を高めるためには、
生活保護への偏見をなくし、必要なときに安心して利用できる
制度にすることこそ必要です。答弁を求めます。
本
法案は、払い過ぎた保護費について、現在の返還
規定に加え、国税徴収法によるとし、保護費からの天引き等、強制的に徴収することを可能にするものです。最近、
福祉事務所の誤りによる保護費の過誤払が多発しています。これも六十三条を基に返還が求められますが、利用者に落ち度が全くないにもかかわらず、故意による不正受給と同等に強制徴収、天引きされることがあってはなりません。
大臣の答弁を求めます。
国税徴収法によるとされれば、自己破産しても免責されなくなり、支払義務が残ることとなります。天引きは、本人同意を前提にするものの、保護決定の権限を持つ
福祉事務所に対し、利用者は対等な
関係ではなく、同意を拒むことができるでしょうか。これ以上削りようがない限界の
生活を強いられる中で、分割して支払う二千円、三千円の額であっても、数日分の食費に当たるのです。
保護費から返還金の天引きを可能とすれば、手取りは最低
生活水準を割ることになるのは明らかです。最低
生活を下回る
生活を強いることはあってはなりません。答弁を求めます。
無料低額宿泊所は、住宅
確保が困難な
生活保護利用者を劣悪な
環境で入居させ、高額の家賃、費用を徴収、保護費を
事業者が管理するなど、悪質業者の人権侵害が重大な問題となってきました。
本
法案は、
無料低額宿泊所に
最低基準を設け、
要件を満たしたものは
生活保護利用者のついの住みかとなります。
最低基準、
要件、入居対象はどのように考えられていますか。
一時利用を前提とした現在の指針の居室面積は、
生活保護基準と比べても半分程度です。それを踏襲するのでは、利用者の人権を保障する質が担保されていることにはなりません。適切な福祉サービス等の
支援があれば一般住宅での
生活が可能な人たちが、居宅保護の
原則に反し、低質な住
環境に固定化されることがあってはなりません。答弁を求めます。
生活困窮者自立支援法について伺います。
生活困窮者の定義の見直しにより、各
事業の
支援対象は拡大するのでしょうか。
現在の
生活困窮者支援制度は
就労支援が基本で、
就労し収入を増やさなければ
生活困窮状態から脱することは困難です。
居住保障の機能も弱く、唯一の
経済給付である住宅
確保給付は、資産、
所得要件が厳しく、期間も短いなどの問題点も多く指摘されています。
貧困は個人責任にしないという
社会的合意を基につくられた
制度でありながら、
現場の献身的な努力にもかかわらず、自助努力への
支援にとどまらざるを得ません。
事業内容、対象
要件を抜本的に改め、真に
困窮し
社会的孤立を強いられる人たちの
支援となるよう見直すべきです。
今行うべきは、
生活保護制度の名称を
生活保障法に変更し、全ての国民に生存権が保障され、使いやすい
制度にすることです。国民への周知義務付けなど緊急の
法改正の
実現を強く求めまして、
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣加藤勝信君
登壇、
拍手〕