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2018-03-16 第196回国会 参議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月十六日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第七号   平成三十年三月十六日    午前十時開議  第一 国家公務員等任命に関する件     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一  一、国務大臣報告に関する件(平成三十年度   地方財政計画について)  一、地方税法等の一部を改正する法律案及び地   方交付税法及び特別会計に関する法律の一部   を改正する法律案趣旨説明)      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 国家公務員等任命に関する件  内閣から、人事官食品安全委員会委員、再就職等監視委員会委員長及び同委員行政不服審査会委員国地方係争処理委員会委員日本銀行総裁及び同副総裁労働保険審査会委員運輸審議会委員並びに公害健康被害補償不服審査会委員任命について、本院の同意を求めてまいりました。  これより採決をいたします。  まず、人事官立花宏君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  3. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  4. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            二百十五     反対              十八    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  5. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、日本銀行総裁黒田東彦君任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  6. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  7. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四     賛成            百六十一     反対             七十三    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  8. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、日本銀行総裁若田部昌澄君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  9. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  10. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百六十五     反対             六十八    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  11. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、日本銀行総裁雨宮正佳君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  12. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  13. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成            百七十一     反対             六十四    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  14. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、食品安全委員会委員佐藤洋君、川西徹君、香西みどり君、堀口逸子君及び伊藤充君を、行政不服審査会委員交告尚史君及び中山ひとみ君を、国地方係争処理委員会委員富越和厚君、成瀬純子君、牛尾陽子君、辻琢也君、齋藤誠君を、労働保険審査会委員渡邉英寿君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  15. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  16. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十六     賛成           二百三十六     反対               〇    よって、全会一致をもって同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  17. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、食品安全委員会委員吉田緑君を、行政不服審査会委員戸塚誠君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  18. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  19. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四     賛成           二百二十七     反対               七    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  20. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、再就職等監視委員会委員長井上弘通君を、同委員伊東研祐君、篠原文也君、平田眞理子君及び鍋島美香君を、公害健康被害補償不服審査会委員佐脇浩君及び佐々木隆一郎君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  21. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  22. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成           二百二十一     反対              十四    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  23. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、運輸審議会委員和田貴志君を任命することについて採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  24. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  25. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十六     賛成            二百十九     反対              十七    よって、同意することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  26. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) この際、日程に追加して、  平成三十年度地方財政計画についての国務大臣報告並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案についての提出者趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 御異議ないと認めます。総務大臣野田聖子君。    〔国務大臣野田聖子登壇拍手
  28. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 平成三十年度地方財政計画概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案趣旨について御説明申し上げます。  まず、平成三十年度地方財政計画概要について御説明申し上げます。  本計画策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政現状及び現下経済情勢等を踏まえ、子ども・子育て支援地方創生公共施設等適正管理対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしています。  あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方一般財源総額について、前年度地方財政計画を上回る額を確保することとしています。  なお、地方公共団体金融機構に係る地方債資金については、地方公共団体金融機構法附則に基づく同機構の業務の在り方全般に関する検討の結果を踏まえ、現行制度枠組みの下で、引き続き所要額確保することとしています。  また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税確保することとしています。  以上の方針の下に、平成三十年度地方財政計画策定いたしました結果、歳入歳出総額規模は、通常収支分については、前年度に比べ二千七百七十五億円増の八十六兆八千九百七十三億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ千七百六十三億円減の一兆一千七十九億円などとなっています。  次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  現下経済情勢等を踏まえ、地方創生の推進の基盤となる地方税財源確保する等の観点から、個人住民税基礎控除等の見直し、平成三十年度評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税負担調整措置等継続地方たばこ税の税率の引上げ等を行うこととしています。  また、法人住民税法人事業税等に係る電子情報処理組織による申告義務の創設、地方団体共通電子納税に係る手続の整備等を行うほか、税負担軽減措置等整理合理化等を行うこととしています。  次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  地方交付税総額について、平成三十年度分の通常収支に係る地方交付税総額を十六兆八十五億円確保するとともに、平成二十八年度における地方交付税精算減額について後年度地方交付税総額から減額するほか、普通交付税の算定に用いる単位費用改正を行うこととしています。また、平成三十年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千二百五十七億円を確保し、総額四千二百二十七億円とすることとしています。  以上が、平成三十年度地方財政計画概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案趣旨であります。(拍手)     ─────────────
  29. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。森本真治君。    〔森本真治登壇拍手
  30. 森本真治

    森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治です。  ただいま議題となりました平成三十年度地方財政計画及び地方税法等改正案地方交付税法等改正案につき、会派を代表して質問いたします。  法案の質問に入る前に、今般明らかになった森友学園への土地売却等決裁文書改ざん問題について触れなければなりません。  本件は、憲法六十二条に基づく国政調査権の行使を妨害し、憲法六十六条に定める国会への連帯責任に違背し、公文書管理法情報公開法会計検査院法、刑法等々に違反するものであり、憲政史上類のない前代未聞の問題です。これは、憲法が定める議会制民主主義及びそれが立脚する国民主権原理そのものを破壊する絶対にあってはならない言語道断の暴挙であり、我が国の法秩序に対する重大な違反行為であります。  安倍総理には憲法七十二条にある行政各部に関する指揮監督責任があるところ、未曽有改ざん問題が明らかになった以上、もはや安倍内閣そのものへの国民国会信頼は修復できないまでに毀損しており、このまま安倍内閣国会への連帯責任を果たし国民主権の理念にのっとった行政を営むことは、到底不可能であると断ぜざるを得ません。  また、安倍総理は、森友学園の事案について、私自身、さきの衆議院選挙における各種の討論会やこれまでの国会において、いただいた質問に丁寧に説明してきたと述べており、昨年の総選挙による安倍内閣存在そのものについて、国民主権に基づく正当性も成り立ち得なくなりました。  一方、我々参議院に身を置く者は、国民の疑念を一日も早く払拭し、何より憲法の定める国民主権議会制民主主義を守るため、問題の徹底的な真相解明再発防止策策定は責務であります。特別委員会を設置するなどして集中的に調査を行っていくべきと考えます。与党の皆さんにも呼びかけたいと思います。  その観点から、以下質問いたします。  今般の改ざん事件財務省本省の十八人が関わっていたとされ、これは省ぐるみの意図的な改ざんであり、財務省内で刑事訴訟法第二百三十九条第二項に規定される国家公務員告発義務が機能していないばかりか、都合よく文書を書き換える省として、国民からの信頼は失墜しました。与党からも、役人だけに責任を押し付けることはあってはならず、政府・与党としての責任を取る必要があるとの声も聞かれます。  しかしながら、財務大臣は、これまで、書き換えたのは理財局の一部の職員、最終責任者は当時の佐川理財局長であるとしていますが、決裁文書改ざん刑事罰に科せられる可能性がある行為であり、一官僚が軽々に行うことができるとは到底思えません。  また、財務省は、書き換えた理由として、佐川理財局長国会における答弁整合性を取るためではないかとしています。しかし、そもそもこれがおかしいのであって、既に決裁された公文書に沿って正確に丁寧に答弁するのが本来の姿のはずです。国会答弁が先にあって、これに合わせて公文書改ざんするなど、言語道断であり、到底許されるものではありません。  どこかからの圧力があったのか、あるいはどうしてもそんたくせざるを得ない本件特殊性があったとしか考えられません。財務大臣やその周辺から改ざんするよう指示や圧力は絶対になかったと断言できますでしょうか。財務大臣、お答えください。  また、昨年二月十七日の衆議院予算委員会安倍総理は、私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞めるなどと答弁しましたが、この発言の影響はどう考えますか。財務大臣、お答えください。  総理周辺財務大臣周辺からの圧力があったから、佐川局長国会虚偽答弁を繰り返し、決裁文書改ざんという行為に出たと考えればよいのでしょうか。財務大臣、御所見をお伺いします。  佐川国税庁長官については、就任直後から適性が疑問視され、野党から度々更迭すべきであると麻生大臣には強く求めてきました。一方、麻生大臣は、これまで、佐川氏は適材適所であるとしてかばい続けてきました。九日にその佐川氏は辞任しましたが、麻生大臣は、その際、佐川氏が国税庁長官に適任であるとして慰留したのでしょうか、お答えください。これまでの経緯からすると、最後まで慰留するのが当然と考えますが、いかがでしょうか。  また、現時点では、佐川氏が決裁文書改ざん最終責任者であるとしていますが、これまで佐川氏が国税庁長官に適任であるとの適材適所は撤回されるのでしょうか。佐川氏を国税庁長官任命した責任とともに、所感をお伺いします。  森友学園問題の真相を究明するには、当事者が公の場でしっかりと説明することが重要であると考えています。その当事者の一人である森友学園籠池泰典理事長は、昨年七月末に逮捕され、詐欺罪などで起訴された後、家族の接見も禁止されたまま長時間勾留されています。籠池氏に今更証拠隠滅や逃亡のおそれはないと考えられ、保釈しない理由はないと思われます。逆に、財務省側証拠隠滅のおそれがあるくらいです。籠池氏が長期間にわたって勾留されている理由について、法務大臣に御答弁をお願いいたします。  さらに、森友学園の国有地売却問題について、その疑惑解明を進める上でも、安倍昭恵総理夫人関与は大きな焦点です。総理は、これまで、関与はないと本人が言っていると伝聞での説明に終始しています。しかし、世間はにわかに信じ難いとの声が強くあります。関与していない、知らないということであるならば、なおさら皆の前で堂々と御説明されればよいと考えます。  真相解明の上で、佐川国税庁長官安倍昭恵総理夫人証人喚問は必須であると考えますが、財務大臣の御所見をお伺いします。  平成三十年度地方財政計画について、以下質問をいたします。  まずは、一般財源総額確保について。平成三十年度地方財政は、一般財源総額が六十二兆一千百五十九億円と、僅かながら前年度を上回る額が確保されました。しかしながら、この原資としては、平成二十八年度国税決算の精算繰延べ、交付税特別会計剰余金活用地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金活用や国と地方折半ルールによる特例措置を駆使し、ぎりぎりの結果であったと認識しています。  特例措置は、平成十三年度から三年間の時限措置であったはずが、その後も継続が繰り返され、特例が常態化しているのが現状で、参議院総務委員会が毎年決議している自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方財政制度とは程遠い状況が続いています。  野田総務大臣にとっては初めての地方財政計画策定であったと思いますが、今回の結果についてどのように評価しているのか、お伺いします。  次に、臨時財政対策債についてお伺いします。  近年、地方債残高は全体としては緩やかな減少傾向にありますが、このうち臨時財政対策債残高は一貫して増加を続け、平成三十年度末には五十四兆円に迫る見込みとなっています。  現在の地方財政臨財債なしでは回っていかない。しかし、これは将来の地方交付税の前借りであり、残高が増すほどに地方財政硬直化が進んでいくことになります。  今や、臨財債の発行を縮小するだけでなく、残高についても減らしていく具体的方策、言わば臨財債出口政策議論を始めるべきではないかと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いします。  次に、公庫債権金利変動準備金活用についてお伺いします。  公庫債権金利変動準備金については、平成二十四年度以降、ほぼ毎年度、数千億円の規模での活用が続いています。現行枠組みは、平成二十九年度地方財政対策において、平成三十一年度までの三年間で総額九千億円の範囲内で活用することができることとされています。  しかし、平成二十九年度に四千億円、平成三十年度に四千億円活用したことから、平成三十一年度活用可能額は一千億円しか残されていません。これまでの公庫準備金活用額の累計と、今後活用可能な額が幾ら残されているかについて、総務大臣にお伺いします。  また、このほかの特例措置による活用については、特別会計剰余金活用特別会計借入金の償還の繰延べなども考えられますが、巨額の地方財源不足対応することはできません。  こうした特例措置に依存することが期待できない中、地方に必要な一般財源総額確保を図るためには地方交付税法定率引上げしか残されていないし、地方交付税法第六条の三第二項の規定に従えば、法定率引上げ義務でもあります。総務大臣の御所見をお伺いします。  あわせて、持続可能な地方行政基盤の確立に向け、大胆な税源移譲も必要です。抜本的な地方税制改革が必要だと思いますが、野田大臣にお伺いします。  歳出特別枠廃止についてお伺いします。  今回の地方財政対策の特徴の一つとして、歳出特別枠である地域経済基盤強化雇用等対策費廃止されたことが挙げられます。  経済財政再生計画においては、危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていくとされていますが、今回の特別枠廃止により、地方財政における危機対応モードは終了したと考えているのでしょうか。  無論、リーマン・ショックに起因する危機対応モードはおおむね解消したかもしれませんが、毎年毎年臨時財政対策債特例措置に依存しなければならない地方財政現状は、とても平時モードとは言えないのではないか。現状危機対応モードであるのか平時モードであるのか、総務大臣の認識をお伺いします。  あわせて、歳出特別枠廃止に当たっては、公共施設等老朽化対策維持補修のための経費社会保障関係地方単独事業費の増に対応した歳出について、前年度歳出特別枠に相当する一千九百五十億円を確保したとされていますが、来年度以降もこの経費継続して確保されるのか、総務大臣にお伺いします。  次に、一般財源総額実質水準ルールの今後についてお伺いします。  経済財政再生計画において、地方歳出水準については、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、平成三十年度までにおいて、平成二十七年度地方財政計画水準を下回らないよう実質的に同水準確保するという、いわゆる一般財源総額実質水準ルールが定められています。一方で、地方財政は、社会保障関係経費自然増公共施設等老朽化など、重要課題は山積しており、地方財政需要は今後も増大を続けていくことが見込まれています。  こうした中、これまでのような同水準ルールという下限額を定めるルールでの対応はもはや限界ではないか。現行ルールに代わる新たな枠組み策定していくことは重要だと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いします。  地方自治体基金についてお伺いします。  地方自治体基金については、昨年来、経済財政諮問会議国会においても様々な議論が行われてきました。結果として、平成三十年度においては基金増加理由とした地方交付税の削減は行っていないとされていますが、麻生財務大臣は、基金について、二月の衆議院会議でも、「毎年度赤字公債を発行して地方交付税を手当てしている現状を踏まえれば、国、地方を通じて財政資金効率的配分につなげていくことが重要と考えておるところです。」と述べており、この考え方は野田大臣とは真っ向から対立するものではないかと考えます。  このような財務大臣姿勢を見る限り、平成三十一年度地方財政対策に向けても基金をめぐる議論が続いていくものと思われますが、財務大臣の主張に対して総務大臣はどのような姿勢で臨むのか。間違っても、地方自治体基金について、平成三十一年度地方財政対策の過程で、総務大臣財務大臣の折衝における何らかの取引材料にすることはあってはならないと考えますが、総務大臣の決意をお伺いします。  そもそも、基金の一部を成す積立金制度については、昭和二十九年に、それまでの地方財政平衡交付金制度地方交付税制度に切り替えられた際に、地方自治体における財源年度間調整の必要から、地方財政法改正において現行の第四条の三の規定が設けられたものです。  地方交付税制度では、交付税総額国税一定割合とリンクされ、自動的に定められるようになったことから、ある年度では交付税額財源不足額を上回り、ある年度においてはその逆となることが当然に想定されることとなり、地方自治体においてもこれに対応して各年度における財源調整に配慮しなければならなくなったものです。  このような地方財政法改正経緯を考えれば、地方交付税制度積立金による財源年度間調整は不可分の関係にあり、地方交付税制度の下において、基金が積み上がっているから地方財政に余裕があるとの議論はそもそも成り立たないのではないかと考えますが、このような法律上の位置付けも踏まえた総務大臣の御所見をお伺いします。  そもそも、昨今の地方基金の問題について、国の側からその残高増加の是非等について介入することは、地方自治体の自主的な財政運営、ひいては地方自治の本旨からも問題が生じるおそれなしとは言えないのではないか。国が具体的に関与することは現行の法令上は不可能ではないかと思いますが、そのような認識でよいか、総務大臣にお伺いします。  次に、ふるさと納税についてお伺いします。  野田大臣は、昨年の九月二十六日、ふるさと納税に関して、全国の都道府県知事及び市区町村長宛てに書簡を発出し、一つとして、ふるさと納税の使い道を地域の実情に応じて工夫し、ふるさと納税を活用する事業の趣旨や内容、成果をできる限り明確化すること、二つとして、ふるさと納税をした方と継続的なつながりを持つことなどを訴えていらっしゃいます。  野田大臣は、ふるさと納税について、地方団体が自ら財源確保し、地域の活性化に向けた様々な政策を実現する手段として重要な役割を果たす制度として、積極的に評価し、活用することを期待しているように思われますが、お考えをお伺いします。  一方、趣旨に反する過剰な返礼品を送付する事例が後を絶ちません。このため、平成二十七年、二十八年、二十九年と三年連続で総務大臣通知を発出し、返礼品競争の過熱を抑制しようとしてきたところです。とりわけ、昨年の通知では、寄附に対する返礼割合を三割以内とすることを明示しています。  そこで、昨年の通知発出後にも返礼割合が三割を超える返礼品の送付を続けている団体はどのくらいあると把握し、どのように対応しているのか、総務大臣にお伺いします。  次に、償却資産に係る固定資産税特例措置についてお伺いします。  今回の改正案では、生産性革命集中投資期間中における臨時異例の措置として、市町村が主体的に作成した計画に基づき行われた中小企業の一定の設備投資について、固定資産税を二分の一からゼロまで軽減することを可能とする特例措置を創設することとされております。  この特例措置については、政府は、平成二十八年度税制改正において創設された償却資産に係る固定資産税特例措置とは異なる新たな制度と説明していますが、市町村の自主財源を減少させることになる点では変わりありません。  今回創設される特例措置については、地方から、あくまでも生産性革命の実現に向けた集中投資期間における臨時異例の措置であって、その期限をもって確実に終了すること及び今後対象の拡充は行わないよう強く求めるとの意見が示されているところであります。このような要望に対する総務大臣の御所見をお伺いいたします。  さらに、総務大臣は、衆議院の本会議において、平成二十八年度創設の既存の特例措置について、「この特例措置の適用期限は平成三十年度までであることから、その政策効果については、今後、経済産業省において検証が進められるものと理解しています。」と答弁しておられます。この点、具体的にどのように検証し、いつまでに結果を公表するのか、経済産業大臣に伺います。  また、新たな特例措置を創設するのであれば、既存の特例措置の政策効果を適用期限の終了後にしっかりと検証し、その結果を踏まえて創設すべきだったのではないかと考えますが、総務大臣の見解を伺います。  最後に、教員の働き方改革について。平成三十年度地方財政計画によると、義務教育教職員の平成三十年度計画人員は、小学校教職員が一千三百四十人増、特別支援学校教職員が九百三十五人増となったものの、中学校教職員が三千六百五十六人減となり、全体で一千三百八十一人の減となっています。  文部科学省による教員勤務実態調査によれば、小学校教諭の約三割、中学校教諭の約六割は一週間当たりの勤務時間が六十時間以上に上っていることが明らかになっています。これは、厚生労働省が過労死の労災認定基準として定める一か月当たり八十時間以上の時間外労働に相当します。  このような状況を踏まえれば、子供の数や学級数が減少したからといってその分だけ一律に教職員の人員を減らすということは大いに疑問であり、必要な人員は確保されるべきです。今回の地方財政計画において教職員が減となった理由、とりわけ中学校教職員が大幅減となった理由を文部科学大臣にお伺いします。  また、文部科学大臣は、昨年十二月二十六日に学校における働き方改革に関する緊急対策を決定し、部活動や授業準備、学校行事等の準備、運営など、教員の多忙の要因となる業務を適正化するための取組を示していますが、平成三十年度における教員の働き方改革の実現に向けた具体的施策と予算額をお示しください。  一方で、文科省の予算で対応できるのは限られた学校でしかなく、各自治体においても取組を徹底していただかなければなりません。地方財政計画策定する際、文部科学省は、例えばICT、タイムカードによる適切な出退勤記録の整備などの所要額交付税措置していただくよう総務省に要求しているのか、文科大臣にお伺いします。  以上、るる質問いたしましたが、それぞれ明瞭な御答弁を期待し、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣野田聖子登壇拍手
  31. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 森本議員にお答えします。  まず、平成三十年度地方財政計画の評価についてお尋ねがありました。  平成三十年度一般財源総額は、地方団体が子ども・子育て支援地方創生等の重要課題に取り組みつつ安定的な財政運営を行うことができるよう、前年度を上回る六十二・一兆円を確保することができました。また、精算額の繰延べなど、様々な工夫を行うことにより、地方交付税を十六・〇兆円確保しつつ、臨時財政対策債については前年度から〇・一兆円減の四・〇兆円に抑制しました。  このように、平成三十年度地方財政計画は、厳しい状況の中で最大限の対応ができたと考えています。  なお、地方六団体からも、平成三十年度一般財源総額確保等について評価するとの声明をいただいているところです。  次に、臨時財政対策債についてのお尋ねがありました。  地方財政の健全な運営のためには、本来的には臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要です。  このため、歳入面では、地域経済の好循環を一層拡大することなどにより地方税等の増収を図るとともに、歳出面では、国の取組と基調を合わせ、めり張りを付けて歳出構造を見直すことが必要であると考えています。  今後とも、地方財政の健全化に努め、まずは国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び平成二十年度のような状況をなるべく早く実現することを目指してまいります。  次に、公庫債権金利変動準備金活用についてお尋ねがありました。  地方公共団体金融機構公庫債権金利変動準備金については、平成二十九年度までに総額二・二兆円を国に帰属させ地方交付税等の財源として活用してきたところであり、平成三十年度においては四千億円を活用することとしています。  公庫債権金利変動準備金の今後の活用可能額については、金利情勢次第で変動し得ることから、現時点において明確なことを申し上げることは困難です。  次に、法定率引上げについてお尋ねがありました。  地方財政は、平成三十年度においても六・二兆円の財源不足が生じており、地方財政の健全な運営のためには、本来的には、法定率引上げ等により地方交付税を安定的に確保することが望ましいと考えています。  国、地方とも厳しい財政状況にあることなどから、法定率引上げは容易ではありませんが、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保について粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。  次に、抜本的な地方税制改革についてお尋ねがありました。  地方行財政基盤の強化に向けた地方税制の抜本的改革としては、これまでも個人住民税の一〇%比例税率化による三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充などに取り組んできたところです。  今後も、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組みつつ、地方行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう、地方税の充実確保に努めてまいります。  次に、歳出特別枠廃止についてお尋ねがありました。  歳出特別枠については、経済財政再生計画において、経済再生に合わせ、リーマン・ショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていくこととされています。これまでも、この考え方に沿って必要な歳出確保しながら、順次歳出特別枠を縮小してきました。  平成三十年度においては、国税地方税とも税収が増加する見込みであることを踏まえ、公共施設等老朽化対策等の歳出を〇・二兆円確保した上で歳出特別枠廃止することとしました。  今後とも、必要な歳出を適切に地方財政計画に計上し、一般財源総額をしっかりと確保してまいります。  次に、地方一般財源総額の在り方についてお尋ねがありました。  政府においては、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、本年の骨太方針においてプライマリーバランスの黒字化達成時期及びその裏付けとなる具体的な計画を示すこととしており、二〇一九年度以降の地方一般財源総額の在り方についてもこの中で議論されるものと考えております。  その際には、地方団体が予見可能性を持ちながら、社会保障など必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行っていけるよう、地方が自由に使える一般財源総額確保すべく最大限の努力をしてまいります。  次に、地方団体の基金についてお尋ねがありました。  地方団体は、行革や経費節減に努めながら、様々な将来への備えのために基金を積み立てており、基金残高理由として地方交付税等を削減することは妥当でないと考えています。  平成三十年度地方財政対策においては、基金残高増加理由として地方交付税等を削減するといったことは行っていません。その上で、前年度を上回る一般財源総額六十二・一兆円を確保したところです。  今後とも、地方団体が安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税を始めとした一般財源総額確保に努めてまいります。  次に、地方財政制度も踏まえた基金の見解についてお尋ねがありました。  地方財政においては、赤字地方債は例外的に認められている範囲内でのみ発行が可能であり、歳入歳出の変動は基金対応することが制度上の前提となっています。  また、基金増加していることをもって地方財政に余裕があるとの議論については、先ほども申し上げたとおり、妥当ではないと考えています。  次に、基金についてお尋ねがありました。  基金の積立てや取崩しは、基金設置のための条例案や予算、決算の議会での審議を通じて、各地方公共団体が住民に対する説明責任を果たしながら、それぞれの責任で行われています。  このように、基金残高の状況は、地域の様々な実情を踏まえた各地方公共団体の自主的な判断に基づく財政運営の結果であることから、各地方公共団体の基金残高水準の是非等について国が判断すべきものではないと考えています。  次に、ふるさと納税についてお尋ねがありました。  ふるさと納税は、ふるさとや地方団体を応援する気持ちを橋渡しする仕組みであり、地方団体が自ら財源確保し、様々な施策を実現するために有効な手段です。また、人口減少が深刻化する中で、地域資源を最大限に活用し、地域経済を再生していく上で重要な役割を果たす制度であると考えています。  今後、ふるさと納税の裾野を拡大し、制度を更に活用するため、地方団体においては、ふるさと納税の使い道の明確化、寄附者との継続的なつながりを持つことという二つの視点を重視しながら、創意工夫にあふれた取組を進めていただきたいと考えています。  総務省としても、こうした地方団体の取組を後押しするため、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用したプロジェクトを新たに実施するとともに、ふるさと納税を活用した地域活性化の好事例を全国に広げていくため、優良事例集を作成することとしています。  次に、ふるさと納税の返礼品についてですが、返礼品についての考え方は昨年四月に発出した通知においてお示ししており、全国市長会、全国町村会から御賛同いただくとともに、多くの地方団体から通知に沿った見直しを行う旨の意向を示していただいています。  一方で、依然として高い返礼割合の返礼品を送付している団体が一部にあると承知しており、こうした状況が続くことによって制度そのものが批判を受けることはあってはならないと考えています。  各地方団体においては通知の趣旨をしっかり受け止めていただきたいと考えており、今後とも、責任と良識のある対応をお願いしてまいります。  次に、償却資産に係る特例措置に対する地方の意見についてお尋ねがありました。  固定資産税は市町村の行政サービスを支える基幹税であり、特例措置の創設については、政策の必要性などを十分に勘案して、真に必要なものに限定すべきと考えています。  一方、生産性革命の実現は、大胆な税制、予算等あらゆる施策を総動員すべき政府の大きな政策課題であることから、生産性革命集中投資期間中における臨時異例の措置として、今般の三年間の時限的な特例措置が創設されることとなりました。この点については、平成三十年度税制改正大綱においても、本特例措置については、生産性革命集中投資期間限りの措置とすると明記されているところです。  最後に、既存の特例措置の政策効果を踏まえた上で創設すべきだったのではないかとのお尋ねがありました。  平成二十八年度に創設した既存の償却資産の特例は、地域経済の活性化に向けて、地域の中小企業による設備投資の促進を図るために創設されたものであり、経済産業省によれば、特例の対象となる設備投資は平成三十年一月末時点で約三万二千者、約一・七兆円とされています。  一方、今回創設する特例は、生産性革命の実現が二〇二〇年に向けた政府における大きな政策課題であることを踏まえ、生産性向上に大きく貢献する設備投資を対象として、生産性革命集中投資期間中における臨時異例の措置として講じるものです。この特例措置が積極的に活用され、中小企業の生産性革命が実現することを期待しています。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇拍手
  32. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 森本議員から、森友学園に関する決裁文書の書換えなどについて計六問お尋ねがあっております。  初めに、公文書の書換えについて指示や圧力があったかどうかとお尋ねがあっております。  今回の決裁文書の書換えについて私より指示したことはありません。書換えが行われた経緯や目的については、最終的に書換えの経緯などについて調査結果を踏まえる必要がありますが、本件書換えは、昨年二月下旬から四月にかけて、国会答弁について誤解を受けることのないよう、国会対応を担当する当時の理財局の一部の職員が行ったものと考えております。  次に、昨年二月の十七日の総理大臣の答弁についてのお尋ねがありました。  書換えが行われた経緯や目的については、最終的には書換えの経緯などについて調査結果を踏まえる必要がありますが、書換えが行われた文書を見る限り、国会での答弁が誤解を受けることとならないようにするために行われたと見られます。したがって、御指摘の答弁が影響を与えたとは考えておりません。  次に、佐川国税庁長官による国会答弁文書の書換えについてのお尋ねがありました。  私や官邸が佐川前局長の答弁圧力を加えたとの事実はありません。また、決裁文書の書換えは国会対応を担当する当時の理財局の一部の職員が行ったものであり、書き換えられた文言を見る限り、それまでの国会での答弁が誤解を与えることとならないようにするために行われたと考えられております。  次に、佐川国税庁長官が退職した経緯についてお尋ねがありました。  佐川前長官は、三月九日金曜日に退職したいと申し出てまいっております。本人がそうした意向であるならば、それ以上国税庁長官の重責を担わせるわけにはいかないことから、その日のうちに退職を認めることとしたものであります。  次に、佐川国税庁長官が長官に適任であるとした私の認識についてのお尋ねがあっております。  佐川前長官は決裁文書国会提出時の担当局長であり、国会審議を混乱させ、行政文書の管理状況について批判を集めるなど、国有財産行政に対する信頼を損なったと言わざるを得ないと考えております。佐川前長官を理財局長に任命したのは私であり、先週金曜日に懲戒処分を行った上で退職させたものであります。  他方、私としては、佐川前長官の行政官としての能力が全て否定されるものでもないとも考えております。実際に、国税庁長官として、国税分野における豊富な行政経験等を生かして職務を適切に行ったものと考えております。  次に、国会への証人喚問についてのお尋ねがありました。  国会への証人喚問につきましては、国会の運営に関する話であり、国会においてお決めになることだと考えております。(拍手)    〔国務大臣上川陽子君登壇拍手
  33. 上川陽子

    国務大臣(上川陽子君) 森本真治議員にお答え申し上げます。  個別の事件における勾留の理由についてお尋ねがありました。  現在公判係属中の個別の事件に関することですので、法務大臣として所見を述べることは差し控えさせていただきます。また、勾留や保釈の判断は、その要件に照らして裁判所においてなされる事柄ですので、これについて所見を述べることも差し控えさせていただきます。(拍手)    〔国務大臣世耕弘成君登壇拍手
  34. 世耕弘成

    国務大臣(世耕弘成君) 固定資産税特例措置についてお尋ねがありました。  平成二十八年七月に施行した中小企業等経営強化法に基づき、経営力向上計画の認定を受けた中小企業に対しては、計画に基づく新規の設備投資を行う場合に固定資産税を三年間、二分の一に軽減することとしております。  平成三十年一月末時点で四万六千者が経営力向上計画の認定を受けており、そのうち認定計画に基づき新規の設備投資をした企業は三万二千者に上ると推定され、約一・七兆円の設備投資が対象となっております。その多くが固定資産税特例活用しているものと考えられます。  お尋ねの政策効果の検証については、昨年十月に固定資産税特例措置活用した企業に対して調査を行い、本年一月に公表したところでありますが、その結果によりますと、約七五%が固定資産税の軽減を受けることにより新たな設備投資を行うことができたと回答しているところです。このように、固定資産税の軽減は、中小企業の生産性向上に向けた新たな設備投資を後押しする効果があるとの結果が既に明らかになっております。  引き続き、特例措置を受けた事業者の生産性向上に向けた取組の状況、特例措置の効果についての調査、検証を行い、しかるべきタイミングまでにその検証結果を公表したいと考えております。(拍手)    〔国務大臣林芳正君登壇拍手
  35. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 森本議員から三問御質問をいただきました。  最初に、地方財政計画で教職員が減った理由についてお尋ねがありました。  小学校については、児童数の減少幅が比較的小さいことに加え、新学習指導要領における小学校外国語教育の授業時数の増加対応した専科教員を確保するための加配措置が行われることなどから、全体として必要な教職員数が増加することとなっております。  これに対し、中学校については、いじめ、不登校への対応強化のための教員を充実する一方で、生徒数の減少幅が小学校と比較して大きいことなどから、必要な教職員数が減少することになっております。  この中学校分の減少数が小学校分と特別支援学校分の増加数を上回ることから、教職員数全体で見ると減少することとなっております。  次に、平成三十年度における教員の働き方改革の実現に向けた具体的施策と予算額についてのお尋ねでありますが、昨年十二月二十六日、文部科学省では、学校や教師の業務の役割分担や適正化を着実に実行するための方策などを盛り込んだ緊急対策を取りまとめました。  これを踏まえ、平成三十年度政府予算案において、小学校の英語教育の早期化、教科化に伴う専科教員に対する加配など、千五百九十五人の定数改善を始め、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置促進として六十一億円、授業準備の補助等を担当するスクールサポートスタッフの配置として新たに十二億円、中学校における部活動指導員の配置として新たに五億円、地域と学校の連携、協働を通じた登下校等の見守り活動の充実として一・一億円等を盛り込んでおります。  文科省としては、今後とも、学校における働き方改革についてしっかりと取り組んでまいります。  次に、出退勤記録の整備などに関する交付税措置のお尋ねでありますが、勤務時間の適正な把握のため、タイムカード等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録することは有効であると考えております。  文科省では、これまでも各教育委員会に対して教師の勤務時間の適正な把握に関する取組を求めてきたところですが、本年二月九日付けで発出した学校における働き方改革に関する通知においても、ICTの活用やタイムカードなどにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを直ちに構築するよう努めることとして、各教育委員会に勤務時間の適正な把握を促したところです。  労働法制上、労働時間の管理を適切に行う責務は使用者にあることから、現時点において勤務時間管理についての地方財政措置要望を行うことは考えておりませんが、その他の学校における働き方改革関係では、国の予算で措置する各種施策に係る地方負担分も含め、必要な財政措置について総務省に対して要望し、平成三十年度地方財政計画に盛り込まれております。  文科省としては、引き続き、教師が心身共に健康を維持して教育活動に携われるよう、取組を進めてまいります。(拍手)     ─────────────
  36. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 秋野公造君。    〔秋野公造君登壇拍手
  37. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造です。  私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました平成三十年度地方財政計画地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問いたします。  まず、地方財政計画について質問をいたします。  初めに、平成三十年度地方財政計画において、平成二十九年度を上回る六十二兆一千百五十九億円の一般財源総額確保したことや、概算要求時点で見込まれた地方交付税の減額、赤字地方債である臨時財政対策債の増額について、地方交付税を前年度比と同水準である十六兆円確保し、臨時財政対策債も最終的にはしっかりと抑制されたことを評価いたします。  また、リーマン・ショック後に地方経済、雇用情勢の悪化等の対策として創設された歳出特別枠については、景気回復に伴って順次縮減され、平成三十年度地方財政計画廃止が決定しました。歳出特別枠廃止に伴い、喫緊の課題となっているインフラの老朽化整備や社会保障関係地方単独事業に資金を回すなど、国民の生命と財産を守る施策にかじを切ったことを重ねて評価をします。  特に昨年は、九州北部豪雨災害や台風二十一号など、大規模災害が多く発生し、各地で甚大な被害をもたらしました。こうした災害に備え、自治体の基金を有効活用して、地域住民が安心、安全に暮らすことができるよう、今後更新時期を迎える公共施設のインフラ老朽化対策を迅速に進めることが重要です。  地方自治体における老朽化対策について総務大臣の決意を伺うとともに、公共施設の適正管理を図るためにどのような対策を講じていくのか、答弁を求めます。  加えて、公共施設の対象範囲については更なる拡大が必要です。今回の対象拡充も地方自治体の要望を踏まえてのものと聞いていますが、今後も地方の更なる対象拡充の声やニーズをしっかり受け止め、必要な地方自治体の公共施設の老朽化対策を進めていただきたいと考えますが、重ねて総務大臣の御所見をお伺いいたします。  さらに、道路、橋梁等のインフラの老朽化対策においては、資金面の支援だけではなく、点検や診断の質を担保しなくてはなりません。特に、橋梁等の点検を行う技術者の適正な技術力の有無を確認する上では、適正な技術力を有する技術者の登用が重要であり、例えば、インフラ調査士のような国から認定された民間資格を活用し、点検を通じたインフラの信頼性と安全性を確保すべきと考えます。  次に、障害児保育に要する費用への交付税措置についてお伺いします。  これまで障害児保育への交付税措置は約四百億円と算定されていましたが、平成三十年度からは約八百億円に拡充することとされております。保育の分野において障害児によるニーズが増大しており、より実態に即した措置の拡充が行われたことは評価しますが、ここで言う障害児については、発達障害を含め、また軽度の方まで手厚く対象範囲に含んでいるのか。また、市町村ごとに受入れ障害児数の差があることから、障害児の受入れに積極的な自治体に対しては、しっかりと支援が行き届くよう精密な算定を行うことが必要と考えますが、併せて総務大臣答弁を求めます。  次に、地方税法の改正法案について伺います。  まず、償却資産に係る固定資産税特例措置についてです。  固定資産税は市町村の財政を支える安定した基幹税であり、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持することが重要です。その上で、デフレ脱却と経済再生に向け、生産性向上のための設備投資を強力に後押しする観点から、生産性革命集中投資期間に限った臨時異例の措置である中小企業の設備投資を促進するために、固定資産税を二分の一からゼロまで軽減することを可能にする特例措置を創設したことは、中小企業支援策として大きな意義があると考えます。  今回の措置については、市町村が主体的に作成した計画に基づき行われた中小企業の設備投資を対象とするなど、市町村の主体性が発揮できる仕組みとされており、地域経済の活性化につながる効果的な設備投資が促進されると期待しています。  この制度の活用を促していくため、今後、地方団体や事業者の制度理解を促進する必要があると考えます。新たな特例制度においては、市町村が地域の課題等を踏まえて計画を作成し、事業者が市町村計画に基づく設備投資計画を作成するなど、市町村や事業者の対応が必要になります。こうした仕組みが活用され、効果がしっかり出るよう、どのように取り組んでいくのか、総務大臣答弁を求めます。  しかしながら、本制度の周知状況においては、十分に徹底がなされていないように思えてなりません。本制度の活用促進を図るため、より一層の周知徹底を図り、計画作成などについて地方団体や事業者の制度理解を深める必要があると考えます。  また、先般、経済産業省が行った固定資産税の各自治体の取組状況アンケートは既に締め切られておりますが、締切りに間に合わなかったが真にやる気のある自治体に対して、地域経済の活性化のために何らかの配慮を行うべきと考えますが、経済産業大臣に対して今後の対応を求めます。  次に、森林環境税についてお伺いします。  我が国の森林面積は国土面積の三分の二に当たり、地方自治体では、急速な人口減少などにより、森林整備や林業への体制が不十分です。  これらに対応するため、森林環境税の使途については、人材育成や間伐、木材利用の促進などに充てられるとしておりますが、ほかにも、自然教育や野外教育を推進する教育プログラムの開発などにも活用すべきと考えます。  また、森林は、中山間地域と平地農業地域のような地域で差があり、整備の手間は大きく異なります。しかし、地域の防災対策としては同じ機能を持つことから、地域差を考慮しつつ、めり張りのある使途配分を行われるべきと考えますが、総務大臣答弁を求めます。  また、地方自治体の中には、既に森林環境、水源環境の保全を目的とした超過課税を行っているところもありますが、これらの自治体においては、森林環境税が創設された際、地方自治体の超過課税との役割分担について今後どのように取り組んでいくのか、総務大臣答弁を求めます。  最後に、個人所得課税についてお伺いします。  今回の所得税改革では、当初、増税となる給与収入の線引きを八百万円超とする案が示されておりましたが、公明党が中間層の生活に配慮するよう強く訴えさせていただき、増税の対象が八百五十万円超までに引き上げられたことを高く評価いたします。  一方で、フリーランスは減税となる予定ですが、地方の商店街等を支える自営業者は必ずしも減税となるわけではないとの観点から、今回の地方税にも関わる所得税改革はどのような意義があるのか、また、フリーランスとは具体的にどのような方々を指し、どのような政策効果が期待できるのか、総務大臣答弁を求めます。  本法案は、地方財政の健全化に努力を払いながら、防災・減災の強化、日本経済の再生など、山積する課題に対応した税制上の措置を実行するものであると認識をしております。平成三十年度予算と併せて早期に成立させる必要があることを訴え、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣野田聖子登壇拍手
  38. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 秋野議員にお答えいたします。  まず、公共施設の適正管理についてお尋ねがありました。  昨年行った地方公共団体の基金積立状況等に関する調査において、公共施設等老朽化対策への備えが基金積立ての大きな目的の一つとなっていることが確認できました。  公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進することは、地方公共団体にとって極めて重要な課題です。公共施設等総合管理計画はほぼ全ての団体において策定されており、現在は、個別施設計画策定し、これらの計画に基づいた具体的な取組を進めていく段階に入っています。  総務省としても、各地方公共団体における取組を後押しするため、公共施設等適正管理推進事業債について、来年度から長寿命化事業の対象を拡充するとともに、長寿命化事業等について財政力に応じて交付税措置率を引き上げることとしています。こうした措置により、地方公共団体における公共施設等適正管理の取組がより一層進むことを期待しています。  次に、老朽化対策の対象の更なる拡充についてのお尋ねがありました。  インフラの老朽化対策地方の重要な課題であり、地方からは公共施設等適正管理推進事業債の拡充の要望がありました。  この度の長寿命化事業の拡充は、地方から寄せられた要望を踏まえ、所管省庁と協議をした上で、河川、港湾、砂防及び治山等の対象事業の追加を行ったものです。地方団体において必要な公共施設等老朽化対策をしっかり進めていただけるよう、引き続き、地方の御意見を丁寧に伺いながら、所管省庁と連携して適切に対応してまいります。  次に、障害児保育に係る交付税措置についてお尋ねがありました。  地方交付税の算定においては障害児保育に要する経費を算定しており、その障害児には、発達障害児や軽度の障害児も含まれます。保育所の受入れ障害児数が十年前の約二倍に増加している実態を踏まえ、平成三十年度より、算定額を約四百億円から約八百億円に拡充することとしています。  また、市町村ごとの受入れ障害児数に差があることから、各市町村における実際の受入れ障害児数に応じて算定し、障害児保育に係る財政需要をより的確に反映することとしています。  次に、償却資産に係る固定資産税特例措置についてお尋ねがありました。  今回創設する仕組みにおいて、地域の中小企業の投資を生産性向上に資する実効性あるものとするためには、市町村や事業者、経済界など、地域の関係者が制度の内容を理解し、一体となって取り組んでいくことが不可欠です。  そのため、総務省として、経済産業省と連携して特例措置の制度内容について周知を図るとともに、関係者が協力する中で市町村計画の作成などが円滑に行われるよう、市町村と商工会議所等の支援機関との十分な連携について様々な機会にお願いしているところであり、引き続き制度理解の促進にしっかり努めてまいります。  生産性革命集中投資期間中における臨時異例の措置であるこの特例を積極的に活用していただき、地域経済が大いに活性化することを期待しています。  次に、森林環境税の使途及び配分についてお尋ねがありました。  森林環境税は、都市、地方を通じて国民一人一人がひとしく負担を分かち合うことで、温室効果ガスの吸収源等として重要な役割を担う森林を国民全体で支える仕組みを創設するものです。  このため、森林環境税の使途については、都市部の住民を含めた国民全体の理解を得る必要があることから、平成三十年度税制改正の大綱において、市町村分の森林環境譲与税の使途を森林整備及びその促進に関する費用としています。各地方団体においては、こうした使途の範囲内で、それぞれの地域の実情に応じて、森林整備や木材利用の促進のほか、森林環境教育、森林の有する公益的機能に関する普及啓発などにも取り組んでいただけるものと考えています。  また、配分に関しては、譲与基準に、使途と相関の高い指標として、私有林の人工林面積、林業就業者数及び人口を用いることにしていますが、森林が多い市町村においては森林整備に係る経費が掛かり増しになると考えられることから、林野率の高い市町村について私有林の人工林面積を割増しする補正を行うこととしています。  次に、国の森林環境税と地方団体が実施している超過課税とのすみ分けについてお尋ねがありました。  現在、森林整備等を目的として、三十七府県、一政令市において、独自に超過課税が行われていると承知しています。一方、国の森林環境税は、農林水産省が今国会に提出した森林経営管理法案を踏まえ、主に市町村が行う森林の公的な管理を始めとする森林整備等財源として創設するものです。  したがって、両者は財源の帰属主体が基本的に異なりますが、府県等が行う超過課税の使途は様々であるため、使途において重複する可能性があります。  その点、国の森林環境税は平成三十六年度から課税することとしており、それまでの間に全ての超過課税の期限や見直し時期が到来するため、関係府県等において必要に応じて超過課税の取扱いを検討いただけるものと考えています。  総務省としても、森林環境税との関係の整理が円滑に進むとともに、森林整備等が一層推進されるよう、林野庁と共に連携しながら、関係府県等の相談に応じ、助言を行ってまいります。  最後に、今回の個人所得課税の見直しとフリーランスについてのお尋ねがありました。  議員御指摘のフリーランスについては、明確な定義があるわけではなく、自営業者との線引きは難しいものの、近年、システムエンジニアなどで、特定の企業や組織に属さず業務単位で仕事を請け負うなどのいわゆるフリーランスと呼ばれる方を含め、多様な働き方が増えつつあります。  こうした働き方の多様化を踏まえ、今回の個人所得課税の見直しにおいては、個人住民税においても、所得税と同様、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から、どのような所得にでも適用される基礎控除に控除額の一部を振り替えることとしています。これは、働き方に左右されない税制に向け、意義のある見直しだと考えています。  なお、御指摘の地方の商店街を支える自営業者については、一定の要件を満たす青色申告者であれば、電子申告等を行うことで税負担が減ることとなります。(拍手)    〔国務大臣世耕弘成君登壇拍手
  39. 世耕弘成

    国務大臣(世耕弘成君) 固定資産税特例措置に係る自治体への配慮についてお尋ねがありました。  今国会に提出した新法において、自治体の判断により固定資産税をゼロにする新たな制度を導入します。  固定資産税特例については、まず、自治体向けの説明として、三月十五日時点で三百七十二の市町村に経済産業省職員が実際に足を運ぶとともに、全国で四十回以上の説明会を開催し、合計で千百四十三の市町村に対して直接新制度について説明を行ってきており、引き続き新制度の理解を求めていく予定です。  また、事業者に対しては、これまで全国十三か所で説明会を開催してきましたが、今後、より一層の周知を図ってまいりたいと考えております。  御指摘のアンケートは、固定資産税特例に対する自治体の意向を確認し、ものづくり補助金等の優先採択に係る事務の参考にするとともに、結果を公表することで、ものづくり補助金等に応募する事業者が事業計画策定する際に参考とできるよう、期限を設けております。  他方、ものづくり補助金の一次公募期間は四月二十七日まででありまして、アンケートの三月七日の締切りに間に合わなかった自治体についても、一定期間内に回答があった場合には、同様に、ものづくり補助金等の優先採択に係る事務の参考にするなどの配慮を検討してまいります。(拍手)     ─────────────
  40. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 山下芳生君。    〔山下芳生君登壇拍手
  41. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党を代表して質問します。  法案の質疑に入る前に、麻生副総理財務大臣質問します。  学校法人森友学園への国有地貸付け、売却に関して、財務省決裁文書改ざん、捏造して国会に提出していた事実が明らかとなりました。この文書は、国政調査権を持つ本院の予算委員会が要求し提出されたものであり、まさに本院を冒涜するものであります。  行政府が立法府を一年以上にわたって欺き続けていたなどという事態は前代未聞であり、これでは国会審議も議会制民主主義も成り立ちません。そもそも公文書管理法第一条には、公文書が民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であると記されています。その公文書改ざんすることは、何より主権者である国民を欺くものにほかなりません。  麻生副総理、事の性格は、日本国憲法に明記された国民主権議会制民主主義を踏みにじる歴史的犯罪行為であるとの認識はありますか。直接の監督責任が問われる財務大臣として、自らの責任についてどう考えますか、お答えください。  国民を欺き、国会を欺いた内閣は、総辞職に値すると言わなければなりません。  麻生大臣は、今回の公文書改ざんについて、佐川理財局長答弁に合わせるため、理財局の一部の職員が行った、最終責任理財局長だった佐川にあると述べ、理財局だけに責任をなすりつけようとしています。しかし、犯罪行為になるような公文書改ざん財務省の一部局が進んでやるはずはありません。もっと大きな圧力が働かなければこんなことは起こり得ません。麻生大臣にそうした認識はないのですか。  そもそも改ざん答弁に合わせて行われたというなら、それは佐川氏ではなく安倍首相の答弁だったのではありませんか。  財務省は、改ざんした時期について昨年二月下旬以降から四月と説明しています。ところが、佐川理財局長が、学園側に国有地の価格を提示したことも、先方から幾らで買いたいといった希望があったこともないなど、事実と異なる答弁を行ったのは昨年三月に入ってからです。  一方、安倍首相は、改ざんが行われる前の昨年二月十七日の衆議院予算委員会で、森友学園の国有地取引に関わって私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたいと二度にわたって答弁しています。既にこの頃から、首相は、学園が開校を予定していた小学校の名誉校長を妻昭恵氏が務めていたことへの責任回避に躍起になっていたのであります。  佐川氏は、安倍昭恵氏のことについてはほとんど答弁していません。佐川氏の答弁に合わせるためというのなら、なぜ昭恵氏の名前を決裁文書から削除しなければならなかったのか、説明が付かないではありませんか。  加えて、籠池氏が関与していた改憲右翼団体日本会議、同会議と安倍首相の関わりについての説明文も改ざんによって削除されていました。これは、森友学園への国有地貸付け、売却が安倍首相が関わる案件として特別に扱われたことを隠そうとしたからではありませんか。  これらはまさに安倍首相に関わる問題であり、誰が見ても、改ざんのきっかけは安倍首相の答弁とのつじつまを合わせるためだったと考えるのが自然ではありませんか。答弁を求めます。  今回の森友文書改ざん、捏造事件は、国民国会が欺かれた事件です。真相を徹底的に明らかにすることは、憲法に定められた国民に対する国会の最大の使命です。この使命には、与党も野党もありません。真相を究明するためには、当事者の直接の証言を求めることがどうしても必要です。佐川宣寿前理財局長、そして安倍昭恵氏の証人喚問は絶対不可欠だと言わねばなりません。国会の使命を果たすつもりがあるのなら、政府・与党として、野党が要求している二人の証人喚問に速やかに応じるべきではありませんか。麻生副総理答弁を求めます。  次に、所得税法等改定案について質問します。  アベノミクスの五年間で貧富の格差は確実に拡大しました。株高で富裕層が増加する一方、貯蓄ゼロの世帯は全世帯の三割を超えて増加しています。上位一〇%の富裕層が持つ資産が全体に占める割合は増加し続け、反対に下位三〇%の低所得世帯の資産の割合は縮小の一途をたどっています。  以下、格差が拡大している現状を踏まえ、今回の改定案の主な問題点について質問します。  第一は、給与所得控除の見直しによるサラリーマン増税です。政府は、改正の目的を、高収入の労働者や公務員などへの課税を強化し、フリーで働く人に恩恵が及ぶ仕組みにするとしています。しかし、所得の再配分を言うのであれば、中間層を含むサラリーマンに増税するのではなく、株取引で大もうけしている富裕層への課税こそ強化すべきではありませんか。  第二の問題は、賃金引上げ促進税制です。大企業は既に四百兆円を超える巨額の内部留保をため込んでいます。なぜ賃上げを支援する措置が必要なのでしょうか。全く理由が分かりません。説明してください。  中小企業への減税措置についても、中小企業団体から、恩恵を受けるのは黒字企業だけ、七割の中小企業には関係ないという声が上がっています。赤字の中小企業の賃金引上げはどう支援するのですか。  賃金引上げを言うなら、裁量労働制や残業代ゼロ法案を含む労働法制の大改悪をやめるべきです。中小企業の賃上げ促進を言うなら、我が党が提案してきたように、最低賃金の大幅引上げと赤字企業を含む中小企業への大規模支援をセットにした大胆な経済対策に踏み出すべきではありませんか。  第三の問題点は、法人税の引下げ競争を加速することです。今回の改正は、賃金引上げや投資促進などを看板にしていますが、実際はアメリカ・トランプ政権の法人税の大減税を見習って、日本も更に実効税率を引き下げろという経団連の要望に正面から応えたものです。  際限のない法人税減税競争は、各国の国家財政を侵食し、社会保障の切下げや庶民増税につながります。IMFのラガルド専務理事も、トランプ減税によりアメリカ自身の国家財政が悪化することに懸念を表明しています。これ以上各国が愚かなる減税競争に走るのではなく、引下げ競争に終止符を打つための国際協調こそ求められているのではありませんか。  以上、いずれも麻生財務大臣答弁を求めます。  次に、地方財政計画及び二法案について質問します。  地方自治体の役割は、住民の暮らしと福祉の増進を図ることです。その責任を果たすには、地方税や地方交付税など必要な財源が保障されなければなりません。しかし、地方財源不足が二十三年間も連続する異常な事態となっています。政府は、財源不足は国と地方で折半して負担するとして、自治体に地方交付税の代替財源として臨時財政対策債の発行を認めてきました。しかし、自治体からすれば、臨財債は新たな借金にほかならず、その累積残高は五十兆円を超えています。今や総務省が認めた額よりも臨財債発行を抑制する自治体が二割に上り、結果として住民サービスの低下を招いています。  野田総務大臣、臨時と言いながら十八年間にわたって続けてきた地方に負担を肩代わりさせるやり方は、もはや限界ではありませんか。財源不足が続いたときには地方交付税法定率を引き上げるとしている地方交付税法の原則に従って、今こそ法定率を引き上げ、必要な一般財源確保すべきではありませんか。  研究開発減税など、大企業優遇、金融資産に関わる富裕層優遇税制にメスを入れるなど、国、地方財源確保を真剣に検討し、地方交付税を拡充することを強く求めます。財務大臣総務大臣の見解を求めます。  安倍政権が地方交付税制度に導入したトップランナー方式は、民間委託や民営化などでコストカットをした自治体の経費に合わせて全ての自治体に関わる標準経費を削減するものです。  例えば、学校用務員事務にも、昨年度からこの方式が導入され、小中学校では一校当たり七十八万円、高校では一県当たり五千六百三十六万円も削減されようとしています。しかし、学校用務員は、様々な業務に関わりながら円滑な学校の運営を支え、教師とは違った角度で子供たちの成長を支えています。震災の際には、避難所となった学校で、なくてはならない役割を果たしてきました。  自治体職員の業務をコストだけで評価し、豊かで多面的な役割を否定する、自治体職場で非正規雇用、官製ワーキングプアを一層増大させる、地方交付税の在り方をゆがめるトップランナー方式の中止を強く求めます。  全国には、豊かな自然、人々の持つ技術や技能など、地域の資源を生かした経済の活性化に挑戦している自治体が数多くあります。自然災害と格闘しながら、住民の暮らしとコミュニティー、国土を守るために奮闘している自治体も少なくありません。  ところが、安倍政権は、東京圏で国家戦略特区を活用した大規模開発を進め、国際的な経済活動の拠点をつくる一方、地方での大幅な人口減少は避けられないとして、行政サービスと公共施設等の集約化を図ろうとしています。  総務大臣、これではさきに述べたような自治体の貴重な営みが困難になるのではありませんか。とりわけ、中山間地域で、国土を守り、都会に住む人々に食料、水を供給し、心のふるさととして安らぎを提供してくれている自治体の役割が果たせなくなるのではありませんか。  住民の暮らしと国土を守るために懸命に努力する自治体を支えることこそ国の責務です。総務大臣の見解を求めて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣野田聖子登壇拍手
  42. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 山下議員にお答えいたします。  まず、臨時財政対策債についてお尋ねがありました。  地方財政の健全な財政運営のためには、地方財源不足を解消し、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要です。  平成三十年度は、地方財源不足が七・〇兆円から六・二兆円に縮小し、臨時財政対策債の発行額を前年度から〇・一兆円抑制していますが、引き続き巨額の財源不足継続しており、厳しい財政状況にあると認識しています。  このため、今後とも、歳入面では、地域経済の好循環を一層拡大することなどにより地方税等の増収を図るとともに、歳出面では、国の取組と基調を合わせ、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで、財務体質の強化を図り、地方財源不足の縮小に努めてまいります。  次に、法定率引上げについてお尋ねがありました。  地方財政は、平成三十年度においても六・二兆円の財源不足が生じており、地方財政の健全な運営のためには、本来的には、法定率引上げ等により地方交付税を安定的に確保することが望ましいと考えています。  国、地方とも厳しい財政状況にあることなどから、法定率引上げは容易ではありませんが、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保について粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。  次に、金融所得課税や地方交付税についてお尋ねがありました。  御指摘の金融所得に対する課税の在り方については、平成三十年度与党税制改正大綱において、家計の安定的な資産形成を支援するとともに税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度のあり方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討するとされているところであり、丁寧に検討する必要があると考えています。  いずれにしても、地方団体が引き続き安定的に財政運営を行っていけるよう、地方税、地方交付税などの一般財源総額確保してまいります。  次に、トップランナー方式についてお尋ねがありました。  トップランナー方式においては、既に多くの団体が民間委託等に取り組んでいる業務について、その経費水準地方交付税の算定基礎としています。  また、導入に当たっては、地方団体への影響等を考慮し、複数年掛けて段階的に反映するとともに、小規模団体において民間委託等が進んでいない状況を踏まえて算定を行っており、地方交付税制度をゆがめるものではないと考えています。  なお、地方団体に対しては、委託先等の事業者における労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮などについて留意するよう要請しています。  最後に、人口減少社会に対応する地方行政体制についてのお尋ねがありました。  今後本格化する人口減少と急速に進む少子化は、我が国が抱える最大の危機、そして見えざる有事だと考えています。人口減少社会においても持続可能な行政サービスの提供体制を構築することは重要な課題です。  そのため、総務省では、全国の市町村が単独であらゆる行政サービスを提供するフルセットの行政の考え方から転換し、近隣市町村との有機的な連携を視野に入れて対応することが必要と考えており、連携中枢都市圏や定住自立圏などの広域連携施策を推進するとともに、連携協約や事務の代替執行などの制度を設け、市町村が多様な手法の中から最も適したものを選択できる環境を整えてきました。  引き続き、全国の市町村が基礎自治体として持続可能な形で住民に行政サービスを提供していけるよう、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇拍手
  43. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 山下議員からは、森友学園関係、所得税法等改正法などにつきまして計十問お尋ねがあっております。  まず、森友学園への国有地の売却手続に関する公文書の書換えに対する私の責任についてのお尋ねがあっております。  決裁を経た行政文書について書換えを行うというようなことはゆゆしきことであって、誠に遺憾であります。私としても、深くおわび申し上げねばならないと考えております。  昨日、三月十五日でありますけれども、事務次官以下の幹部を部屋に呼び、本件について真摯に反省する必要がある、理財局だけの話ではない、調査を進めて説明責任を果たした上で、信頼回復に向けて財務省全体で取り組むよう、同時に、配下の職員の心身の負担にも気を配ってほしいと訓示をしたところであります。  今後、進行中の捜査にも全面的に協力するとともに、財務省として引き続き更なる調査を進め、その上で、二度とこうした事態が起こらないよう、信頼回復に向けて必要な対応を行っていくことで職責を果たしてまいりたいと考えておるところであります。  次に、今回の決裁文書の書換えに対する外部からの圧力の有無についてのお尋ねがありました。  書換えが行われた経緯や目的については、最終的には書換えの経緯等について調査結果を踏まえる必要がありますが、本件の書換えは、昨年二月下旬から四月にかけて、森友学園に対する国有地売却についての国会対応を担当する本省理財局からの指示の下行われたものであり、書き換えられた文言を見る限り、それまでの国会での答弁が誤解を受けることとならないようにするために行われたと見られます。  財務省としては、今後の進行中の捜査にも全面的に協力するとともに、このような書換えを行った理由についても引き続き更なる調査を進めてまいりたいと考えております。  次に、決裁文書から総理夫人の名前が削除した理由についてお尋ねがありました。  決裁文書の書換えが行われた目的、経緯等につきましては、最終的に調査結果を踏まえる必要があろうかと存じます。書き換えられた文言を見る限りは、それまでの国会答弁が誤解を受けることのないようにするために行われたものと見られます。  いずれにしても、財務省では、相手方がどのような方であるかに関係なく、法令に基づき国有地の管理処分を行っております。  次に、決裁文書の書換えと森友学園に対する国有地売却についてお尋ねがありました。  決裁文書の書換えが行われた目的、経緯等につきましては、最終的に調査結果を踏まえる必要があろうと存じます。書き換えられた文言を見る限りは、それまでの国会答弁が誤解を受けることのないようにするために行われたものと見られます。  また、森友学園に対する国有地売却については、相手方の役職等にかかわらず、法令に沿って行われたものであります。  次に、決裁文書の書換えのきっかけについてのお尋ねがありました。  決裁文書の書換えの行われた目的、経緯等については、最終的に調査結果を踏まえる必要があろうと存じますが、その上で、書き換えられた文言を見る限りでは、それまでの国会答弁が誤解を受けることのないようにするために行われたものだと考えております。  次に、国会への証人喚問についてのお尋ねがありました。  国会への証人喚問につきましては、これは国会の運営に関する話であり、国会においてお決めになることだと考えております。  次に、給与所得控除の見直し等についてのお尋ねがありました。  給与所得控除につきましては、給与所得者の勤務関連支出や主要国の概算控除額と比べて過大となっているということを踏まえまして、控除が頭打ちとなる給与収入が八百五十万円超に引き下げることといたしております。ただし、子育て世帯等に配慮することによって、九六%の給与所得者は負担増とならない見込みといたしております。  御指摘の金融所得に関する課税の在り方につきましては、平成三十年度与党税制改正大綱において、家計の安定的な資産形成を支援するとともに税負担の垂直的な公平性を確保する観点から、関連する各種制度の在り方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討するとされております。したがいまして、私どもとしては丁寧に検討する必要があろうと考えております。  次に、企業の賃金引上げを促すための税制等の政策支援についてのお尋ねがあっております。  経済の好循環を実現する上で、賃金引上げは重要な課題であります。平成三十年度税制改正では、賃金引上げ等に積極的な企業の税負担を引き下げることなどにより、過去最高の企業収益をしっかり賃金引上げや設備投資に循環させる取組を進めていくことといたしております。  近年、中小企業を含め、利益計上法人割合は増加傾向にあります。こうした税制支援の恩恵を受けられる企業数は確実に増加をしているところでありまして、今般の税制の効果が小さいという考えはありません。  また、政府としては、年率三%をめどに最低賃金を引き上げることを目指しながら、中小企業の賃金引上げに向けた環境整備を行っているところであります。  具体的には、高い賃金アップを行う中小企業に対する賃金引上げの促進に係る税制の税額控除の拡充、赤字など厳しい経営環境の下でも新たな設備投資を後押しする固定資産税の軽減措置の拡充、生産性向上のための設備投資やIT導入等を行う中小企業に対する支援の拡充など、税制、予算措置を総合的に講じていくことといたしております。  なお、御指摘の裁量労働制につきましては、今回の改正から全面削除することにしたものと承知をいたしております。  他方、今回の働き方改革は、働く方一人一人がより良い将来の展望を持ち得るようにするためのものであり、働く人々の視点に立った改革を着実に進めていくものだと私どもは考えております。  次に、法人税の引下げ競争についてのお尋ねがありました。  法人税率の水準そのものに関しましては、これは各国それぞれの経済社会情勢を踏まえて決定すべき問題であります。一般論として法人税引下げ競争について申し上げれば、各国が競争の下、極端な法人税の引下げを続けていけば、各国とも財政が立ち行かないということになりかねないと思っております。  こうした問題意識を背景に、日本はこれまで、他国の税源を奪うような軽減競争を避け、各国が協調して租税回避に対応していくという考え方で、OECD、G20のBEPSプロジェクト、税源浸食、利益移転のことですが、BEPSプロジェクトを主導してきたところです。今後とも、このBEPSプロジェクトにおいて合意した対策をより多くの国が着実に実施していくなど、国際的に各国が問題意識を共有していくことが重要と考えております。  なお、先ほど申し上げましたとおり、今般の改正は、過去最高の企業利益を賃金引上げや消費に循環させていく取組を進めていくために行うものであり、経団連の法人実効税率引上げの要望に応えて行うものではありません。  最後に、研究開発税制や地方交付税についてのお尋ねがありました。  御指摘の研究開発税制につきましては、大企業を優遇するものではなく、将来の経済成長の礎となる企業の研究開発投資を後押しするものであり、利用件数を見ますと、中小企業も含めまして幅広く利用されていると考えております。  また、金融所得に対する課税の在り方につきましては、先ほど申し上げましたとおり、平成三十年度与党税制改正大綱を踏まえまして丁寧に検討をしていく必要があると考えております。  地方交付税額につきましては、地方による必要な行政サービスの安定的な実施を勘案しながら、毎年度地方財政計画において、総務省と十分に協議してまいりたいと考えております。(拍手
  44. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 先ほどの山下君の発言につきましては、速記録を調査の上、議長において適切に措置したいと存じます。     ─────────────
  45. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 高木かおり君。    〔高木かおり君登壇拍手
  46. 高木かおり

    ○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  私は、党を代表し、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。  まず、質問に入る前に与党の皆様に申し上げます。  本日の議題は、そもそも同意人事案件と地方税についての趣旨説明質疑です。それにもかかわらず、先週本会議を欠席した会派に対し既に終わった所得税の補充質疑を認めたことは、今後も、欠席した会派に後から質疑を認める悪例であり、国会の秩序を壊すことになります。猛省を求めるとともに、是非とも真摯に国会運営をお考えいただきたいと思います。(発言する者あり)
  47. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 静粛に願います。
  48. 高木かおり

    ○高木かおり君(続) また、森友問題についても、一言申し上げておきます。  森友学園への国有地売却の公文書改ざんは、ゆるがせにできない重要問題であり、財務省大臣官房による調査ではなく、中立な第三者機関による調査に踏み切るべきです。一方、現在止まったままになっている法案質疑は、国民生活に影響させないようしっかりと進めるべきであり、森友問題は特別委員会をつくり、その中で徹底的に事実究明をすべきであると考えます。  それでは、質問に入ります。  我々日本維新の会は、東京一極集中の是正と、統治機構改革による完全な地方自治の実現、多極分散型の国家の実現を目指しています。少子高齢化が加速する中、住民に身近な地方自治体が担う住民サービスに対する需要もますますの増加が見込まれています。一方で、それを支える地方財政については巨額の財源不足が生じており、三十年度地方財政計画では六兆円を超えています。地域の自立に向けた税源と権限の大幅な移譲が不可欠であるとともに、地方財政基盤となる地方税の充実を図る必要があると考えます。  以上のような考え方から、まず固定資産税についてお伺いします。  固定資産税は市町村の基幹税目であり、安定的な税収の確保が必要となります。平成三十年度土地及び家屋に係る三年に一度の評価替えの年となりますが、三大都市圏を中心に地価動向は上昇傾向にあることから、評価替え固定資産税の負担が大きく上昇することのないよう、商業地における負担調整措置の延長が提案されています。しかしながら、措置延長によって恩恵を受けるのは地価が上昇している大都市が中心となり、地価が下落している地方においては負担水準が上昇する土地が数多く発生することが見込まれます。また、措置特例の存在により、評価額が低い一部の土地の税額が、評価額が高い土地の税額を上回る逆転現象も生じることになります。  地方団体は、負担の公平化を図る観点から、土地に係る固定資産税の負担調整措置の見直しを求めていたと聞きますが、それにもかかわらず、今回、負担調整措置を延長せざるを得なかった理由について、総務大臣の御所見をお伺いいたします。  次に、生産性革命の実現に向けた償却資産課税に係る措置についてお伺いします。  固定資産税の償却資産に係る特例が今回新たに設けられました。市町村計画策定を通して、各自治体が主体性を持って地域の中小企業の生産性向上に取り組むことができるスキームについては、地方へ一定の配慮がされているものの、社会保障や地方創生等、今後ますます増大する市町村の財政需要を支えるため、固定資産税の安定的な確保が重要であります。  今回の特例措置の創設により、国の推進する経済対策のために償却資産に係る固定資産税の税収に影響が出る点については疑問が残ります。  経済政策を行う場合には、税制ではなく歳出により対応することが基本であります。経済対策などの国の政策目的のために地方税制を用いることは、地方税における応益課税の原則や税負担の公平性をゆがめるものであり、可能な限り行うべきではないと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いいたします。  次に、地方拠点強化税制についてです。  地方へ本社機能の移転等を行う企業に対する税制上の優遇措置に係る適用期限が二年間の延長や拡充は、東京一極是正の点から評価をしています。  実績を見ますと、拡充型事業一千百二十三件に対して、より一極集中の解消に寄与する移転型事業は二百八十件にとどまっています。今回、近畿圏及び中部圏の中心部までが移転型事業の対象地域として拡充されたことから、更なる移転促進を期待しているところですが、政府はこれまで、二〇二〇年までに企業の地方拠点強化の件数を七千五百件増加地方拠点における雇用者数を四万人増加と目標設定していますが、この数値は妥当なのでしょうか。地方創生という観点から、梶山大臣のお考えをお聞かせください。  地方拠点強化税制については、二〇一五年にスタートして以来、企業誘致策の一つでしかなく、決め手にならないという声も出始めています。税制優遇があるから企業は移るわけではありません。また、移転先で雇用を促進することも目指していたかと思いますが、そのためには、地方に優秀な人材が育っていかなければなりません。やはりどうしても人材育成に係る教育に力を入れていく必要があるのです。  地方再生のためには、企業の移転のみではなく、その地方での人材育成が必要不可欠です。地方再生、地方の自立が地方税の確保につながっていくことと思いますが、今後のビジョンについて、地方創生大臣のお考えをお聞かせください。  次に、地方法人課税についてです。  平成二十七年度及び平成二十八年度税制改正におきまして、法人事業税所得割の税率の引下げとともに、外形標準課税が拡大されました。これは応益課税の原則にのっとったものであり、評価いたします。  しかしながら、外形標準課税の対象法人については資本金一億円超の法人に限定されており、全法人の〇・九%弱にとどまっています。企業の規模は資本金という指標だけで測れるものではありません。一律に中小法人まで拡大すべきという議論は乱暴ですが、中小法人でも、事業規模に比して所得が大きい法人にとっては、外形標準課税の適用は、法人事業税所得割の税率引下げと同時に行われるならば、実は負担減となります。  資本金一億円以下の法人に対して一律に同一の制度を適用するのではなく、地域経済や企業経営への影響等も踏まえた制度設計の検討を速やかに行うべきかと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いいたします。  また、資本金の額等により、外形標準課税の適用の有無や法人住民税均等割の税額が変動することから、減資により節税が行われるケースが見られますが、こうした動きに対して政府として今後どのような対応を検討されているか、総務大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に、地方交付税について御質問いたします。  今回、地方交付税については、地方の実情に沿った行政サービスの提供に必要な一般財源総額確保に向け十六兆円を確保したことについては一定の評価をしていますが、臨時財政対策債の発行が恒常化しており、この残高は五十兆円を超えていることについては、財政健全化には程遠い状況であり、強い危機感を持っています。地方の独自財源が限られ、地方交付税と借金に依存せざるを得ない中、交付税法定率引上げ税源移譲等が必要と考えますが、地方創生観点から総務大臣の御所見をお聞かせください。  最後に、臨時財政対策債についてお伺いをいたします。  臨時財政対策債平成三十年度の累積残高、推計で五十三・八兆円になる見込みとなっています。この金額は地方交付税の不足分で国が負担すべきものですが、地方は国の代わりに地方債を発行させられている状況にあります。さらに、将来、地方債であるから地方の借金であり、地方が払えと言われることを恐れています。平成二十八年一月十三日の総務委員会の政府参考人答弁では、「後年度に元利償還金の全額について交付税措置がなされる」とありますが、どのような経済財政状況になったときに実現されるのでしょうか。地方自治体の不安を払拭するために、総務大臣、明確にお答えいただきたいと思います。  我が党は、各地域の自立を支える地方財政制度の確立とそのための統治機構改革、そして国税地方税を通じた合理的で抜本的な税制改革を今後も目指してまいります。  御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣野田聖子登壇拍手
  49. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 高木議員にお答えいたします。  まず、固定資産税の負担調整措置についてお尋ねがありました。  今回、土地に係る負担調整措置の仕組みを三年間延長することとしました。これは、固定資産税は市町村財政を支える基幹税であり、その税収の安定的な確保が必要であるとともに、商業地等の負担水準を六〇%から七〇%の据置きゾーン内に再び収れんさせることに優先的に取り組むべき状況であること、現下の最優先の政策課題はデフレからの脱却を確実なものにすることであり、納税者に対して一定の配慮を行う必要があること等を総合的に勘案したものです。  一方、御指摘のとおり、据置特例が存在することで評価額と税額の高低が逆転する現象が生じるなど、据置きゾーン内における負担水準の不均衡が解消されないという課題があり、税負担の公平性の観点から更なる均衡化に向けた取組が求められます。  今後、地価の動向等を踏まえつつ、税負担の公平性や市町村の基幹税である固定資産税の充実確保観点から、固定資産税の負担調整措置の在り方について十分な検討を行ってまいりたいと考えています。  次に、償却資産に係る固定資産税特例措置についてお尋ねがありました。  固定資産税は市町村の行政サービスを支える基幹税であり、地方税における応益課税の原則や税負担の公平性の観点からも、特例措置の創設については、政策の必要性やそれを実現するための税制特例の必要性などを十分に勘案して真に必要なものに限定すべきだと考えています。  一方、生産性革命の実現は政府の大きな政策課題であり、生産性向上を促進するため、税制、予算など施策を総動員することとしています。その一環として、ものづくり補助金等による重点的な予算措置を講じるとともに、税制面においては、地域経済の主役を担う中小企業の生産性向上を図るため、三年間限定の臨時異例の措置として固定資産税特例措置を講じることとしたものです。  今回創設する仕組みは、市町村が地域の実情を踏まえ、必要と判断した場合に、税制面での支援を行うことができる仕組みとし、市町村の地域活性化に向けた取組を支援するものとなっています。全国市長会等からは、今回創設する仕組みについて、全国一律に実施するのではなく、市町村の主体性を尊重した仕組みであるとの評価もいただいています。  次に、中小法人に対する法人事業税の外形標準課税についてお尋ねがありました。  法人事業税は、法人が事業活動を行うに当たって都道府県から行政サービスを受けることから、これに必要な経費を分担すべきとの考え方に基づくものであり、法人の事業活動規模に応じた負担を求める外形標準課税は、応益課税の明確化の観点などから望ましいものです。  一方、外形標準課税の適用対象法人の拡大については、経済界等から様々な意見があるものと承知しており、平成二十八年度与党税制改正大綱においても、適用対象法人の在り方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行うとされているところです。  今後、こうした方針を踏まえて、引き続き検討していくことになるものと考えています。  次に、企業の減資による法人事業税、法人住民税への影響についてのお尋ねがありました。  法人事業税の外形標準課税の適用対象法人や法人住民税均等割の税率区分は、資本金の額などが基準とされていることから、減資などにより税額が変動し得るものです。平成二十七年度税制改正では、外形標準課税のうち、資本割の課税標準である資本金等の額が自社株式の取得などにより著しく小さくなる状況を是正するための見直しを行うとともに、法人住民税均等割の税率区分についても同様の措置を講じたところです。  一方、減資により会社財産の減少や信用力の低下などの影響も生じるため、企業が減資を行う事情や目的は様々と承知しており、今後、企業の組織形態の実態や経営への影響も踏まえながら、必要に応じ、課税の在り方について検討していくことになるものと考えています。  次に、地方創生地方財源確保についてお尋ねがありました。  地方団体が自主性、主体性を最大限発揮して地方創生の推進などに取り組むためには、安定的な税財政基盤確保することが重要です。このため、平成三十年度は、地方財政計画にまち・ひと・しごと創生事業費を一兆円計上するとともに、前年度を上回る一般財源総額確保しました。  地方交付税法定率引上げについては、国、地方とも厳しい財政状況であることから容易ではないと考えていますが、今後とも、粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。また、地方税については、税収の充実確保に努めるとともに、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を目指します。  今後とも、地方団体が地方創生などの重要課題に取り組みつつ安定的な財政運営を行っていけるよう、地方税、地方交付税などの一般財源総額確保してまいります。  次に、臨時財政対策債交付税措置についてお尋ねがありました。  臨時財政対策債の償還については、地方財政計画において、元利償還金の全額を公債費として歳出に計上することにより所要の財源地方全体で確保した上で、個別団体についての地方交付税の算定において、臨時財政対策債の元利償還金の全額を基準財政需要額に算入することにより、各地方団体が確実に償還できるよう財源保障しています。  今後とも、地方財政計画策定地方交付税の算定を通じ、確実に対応してまいります。(拍手)    〔国務大臣梶山弘志君登壇拍手
  50. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) まず、企業の地方拠点強化に関する目標についてお尋ねがありました。  まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一七改訂版において、本社機能の一部移転等により強化した企業の地方拠点強化における雇用者数を二〇二〇年までの五年間で四万人増加、雇用者増加のために必要な企業の地方拠点強化の件数七千五百件増加をKPIとして掲げております。  本社等の特定業務施設の整備に係る地域再生計画については、これまでに四十四道府県が計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けており、その計画において、千四百三件の特定業務施設の整備、一万一千五百六十人の雇用創出が見込まれております。  平成三十年度の税制改正において、小規模オフィスの移転や拡充などが支援対象となるよう、要件の緩和や、移転型事業に限り近畿圏中心部及び中部圏中心部を対象地域に追加する等の制度拡充を講じることとしており、これらの措置や更なる周知活動の促進を通じて、引き続き、KPI達成に向けて努力を続けて、地方創生の実現に取り組んでまいります。  次に、地方での人材育成についてのお尋ねがありました。  地方において地方創生を担う人材の育成は重要であり、地方創生版三本の矢の一つとして支援を行っているところであります。  具体的には、地方創生に必要なカリキュラムをe―ラーニング形式で幅広く提供する取組として地方創生カレッジを開講し、多くの方に受講をいただいております。このほか、地方創生の人材支援策として、地方創生人材支援制度やプロフェッショナル人材事業による取組を進めています。  また、移転先で企業が優秀な人材を確保する環境を整える観点から、地域において魅力ある雇用の拡大や創出のため、地方創生推進交付金の活用等を通じて地域の特性に応じた働き方改革の推進を支援するなどの施策を講じたところであります。  さらに、知事等のリーダーシップの下、産官学連携により、地域の中核的産業の振興や専門人材育成などを行う優れた取組を新たな交付金により重点的に支援し、きらりと光る地方大学づくりを進めることとしております。  これらの施策により地方創生を推進するため、人材の側面から支援を進めてまいります。(拍手
  51. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会