○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫でございます。
今日は、余り時間がないので、この
遺言書の方、
遺言書の
保管のことを中心に
お尋ねさせていただきます。
この自筆
遺言というのは、なかなかトラブルといいますか、
紛争が多い分野でして、いろんな形でトラブルがある。一つは、例えば
遺言書があるはずなのにどうも都合の悪い人がその
遺言書を捨てちゃったとか隠しちゃったとか、こんな例もあり得るんですけれども。
例えば、娘が、お父さんがあのマンションは娘のおまえにやるよということで
遺言書書いたよと生前聞いていたのに、いざ
相続が始まったら
遺言書がないと、こんなような場合もあるわけでありまして、そういうことだと、この
遺言書が公的機関が
保管するというのは私は非常に意義があって、その分野については全く賛同するんですがね。ただ、この自筆
遺言証書に関する
紛争は、それだけじゃなくて、
内容に関するもの、要件に関するものというトラブルも多い。少なくとも、この
保管は
内容に関しては全くチェックしないわけだから、そこの点については何の
紛争予防にもなっていないと思うんですが。
もう一つ、この自筆
遺言証書では、本当にこの被
相続人が本当に書いたのと、
遺言者が本当に書いたのかどうか分かんない、偽造じゃないかということがトラブルになることがよくあるし、実際に、
遺言書が不正に
作成されてしまうということも実際にあるわけでありまして。
〔
委員長退席、理事
若松謙維君着席〕
現行の
制度ですと自筆
遺言証書はそのままじゃ実際上使えないと。
家庭裁判所に検認といって、自筆
遺言証書があった場合には
家庭裁判所で検認という手続を経て、その検認の場においては、
相続人が全部呼び出されて、そこで呼び出された
相続人にも示された中で、それで裁判所が検認したということによって初めて法的に使える状態になると。そこによって、裁判所の検認を経た後に、
登記申請もできるし、預金の払戻しもできる、
遺言としてのそうした効果が実際上付与されるわけでありますけれども。
私は、今回のこの
法律について、その検認
制度を廃止しちゃっているんですよね。ああ、ちょっと語弊がある、検認
制度を廃止したんじゃなくて、この
法務局が
保管した自筆
遺言証書については検認は不要ということでなってしまっている。ただ、それでいいのかなと。そうすると、じゃ、この自筆
遺言証書が偽造された場合に、他の
相続人は知らないまま
財産が処分されてしまう危険が出てきて、かえってこの被害が、被害の防止にという
観点から見るとマイナスではないかというふうに思うわけであります。
まず、この自筆
遺言証書の偽造ということに関しまして、例えば、その
法務局が自筆
遺言証書を預かる、この法文上の規定は、
遺言者が本人じゃなくちゃいけないということで、本人でチェックするということになっておりますけれどもね。ただ、実際上そういう偽造者が悪意を持って現れてきたときに、いわゆる成り済ましですね、
遺言者に成り済ましてきたという場合に、これはどういうようなチェック体制というものを考えているんでしょうか。