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政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
委員御
指摘のとおり、現行法では、会計監査人の報酬等の決定は取締役又は取締役会の権限とされ、監査役等にはそれに対する同意権が付与されているにすぎません。これに対しましては、
委員御
指摘のとおり、会計監査人の独立性を確保するためにこれを監査役等の権限とすべきであるとの
指摘があることは承知しております。
会計監査人の独立性の確保につきましては、
平成二十六年の会社法
改正に当たって設置されました法制審議会会社法制部会においても議論されまして、同年の会社法
改正により一定の
見直しがされたところでございます。すなわち、それ以前は、指名
委員会等設置会社以外の会計監査人の選解任等について、監査役等は同意権及び提案権を有するのみとされておりましたことを改めて、監査役等に決定権を付与することとされたものでございます。
他方で、会計監査人の報酬等の決定につきましては、会計監査人の選解任等に関する決定とは異なって、財務に関する経営判断と密接に関連するものであるために、業務執行
機関から分離された監査専門
機関である監査役等に決定させることは必ずしも適切ではないとの
指摘がされたところでございます。
また、監査役等に会計監査人の選解任等に関する決定権を付与することにより、監査役等はどのような者を会計監査人とすべきかを判断する過程において、会計監査人の報酬等についても取締役等から情報を入手するなどしてその適否を判断することが可能となりますため、監査役等の会計監査人の報酬等への同意権もより適切に行使されることが期待されると、こういったことで会計監査人の独立性を確保することも可能になるものと考えられるものでございます。
こういったことから、
平成二十六年の会社法
改正においては会計監査人の報酬等の決定権を監査役等に付与するという
見直しはしないこととされたものでございます。
このような議論もありますことから、現時点では法
改正により監査役等に会計監査人の報酬の決定権限を付与することが直ちに必要であるとは考えておりませんが、
平成二十六年の会社法
改正により監査役等に会計監査人の選解任等に関する決定権を付与しましたことから、この
改正後における監査役等の会計監査人の報酬等への同意権等の運用の
状況を注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。