○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。
もう今から二十三年前になりますけれども、一九九五年三月三十日、地下鉄サリン事件が起きて十日目に、国松孝次当時の警察庁長官銃撃事件が発生しました。当時から公安部の幹部の
方々は一二〇%オウム真理教の犯罪であると、九五年だけではなく、その後何年もそういう捜査を続けていらっしゃいました。
しかし、私、最近、数年前にはあるジャーナリストが本を一冊書きましたけれども、二十三年間その国松警察庁長官銃撃事件を捜査を続けてきた捜査第一課元刑事の原雄一さんが、最近「宿命」という本を出されました。その「宿命」という本を読んで、もう愕然としました。
つまり、結論から言うと、国松長官銃撃事件についてはオウム真理教の犯行ではなくて、東大卒の
テロリストで、四月で八十八歳になり、別の事件で無期懲役の判決を受けて、今、岐阜刑務所におりますけれども、その人物が、私が国松長官銃撃事件を起こしたんだと、で、供述調書までできている。まあ本の中には詳細が書かれておりますけれども、銃器、弾薬の物証も追い付いた、そしてまた秘密の暴露もあって、オウム真理教ではなくこの人物が実行犯なんだということがよく分かる優れた記録なんですけれども。
この本を読んでびっくりしたことは、これだけ執念を持って捜査をされる刑事さんがいらっしゃることへの驚きでした。本は原雄一さんの著作になっているんですけれども、多くの刑事さんたちが、もうアメリカまで行って取材や
調査を、捜査を重ねてこられた。こういう優れた警察官がいらっしゃる。これ、警視庁、警察庁の公安部の
方々も優れた捜査をなさっていることは私よく知っております。
一方で、例えば足利事件に象徴されるような冤罪事件というのはなぜ起きるのか。あるいは、私
自身の経験でいえば、いわゆるヘイトスピーチのデモの
現場などに行って驚くようなことがある。そしてまた、今日の、今からお聞きをしたいテーマなんですけれども、一般の警察官の中で本当に刑事としての資質というものを十分理解されている人がどのぐらいいるんだろうかという、そういうことを疑わざるを得ないような経験もしてまいりました。
そこで、今日お聞きをしたいのは、そういう優れた刑事さんたちがもういっぱいいらっしゃると同時に、冤罪事件が起きるのはなぜなのか。システムなのか、
個人の資質なのか、まあそんな単純なものではなくて恐らく複合的なものであるだろうというふうに理解しておりまして、いずれまとまって
質問をしなければいけないというふうに思っておりますが、今日まずお聞きをしたいのは、森友問題をきっかけとして、政府を批判する多くの市民の
方々が特に金曜日に官邸前で
抗議行動を始めていらっしゃいます。三月十二日、三月十六日、今に至るも、あしたもあるでしょう、夜六時半、夜七時半からいろんな団体が
抗議行動をやっていらっしゃる。でも、そこにおいて過剰な警備がどうして起きるんだろうかということを
現場で見ておりましても疑問に思わざるを得ません。
そこで、最初に警察庁の方にお聞きをしたいんですけれども、私はこの官邸前の
抗議行動というのは、当然、憲法十九条、思想、信条の自由、集会の問題など憲法二十一条の一項、そして憲法十三条、さらには警察法二条一項に、二条二項に基づいても、やはり今官邸前に行われている
抗議行動に対する過剰警備ではないかというふうに思っておりますので、その観点から
お話を伺いたいというふうに
思います。
まず、警察庁に伺いたいのは、警察法二条二項というのはどういう内容なんでしょうか。条文と併せて、具体的に思想というのか、趣旨を
お話しいただきたいというふうに
思います。