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高木かおり君
日本維新の会の
高木かおりでございます。
まず最初に、ちょっとまだ
大臣が今いらっしゃいませんので、
質問の順番を変えて
質疑を進めさせていただきたいと思います。今日は、
日本の
科学技術の競争力についてお伺いをしたいと思います。
日本の研究開発投資の総額、これは、
政府の予算が約三兆五千億円で横ばいの状態で推移している、そういった
状況なんですけど、これに企業等の研究費を加味しますと、二〇一六年の
科学技術研究費は合計で十八兆四千三百二十六億円に上ると言われています。この金額は、アメリカ、中国に次いで
世界第三位ですけれども、この、オランダのアムステルダムに本社を置く
学術出版大手の
調査によりますと、一定額当たりの論文数で見ると、主要九か国の中では最低水準だと。一本の論文を書くのに、カナダや英国の五倍以上の研究開発費を使っている計算になると言われています。
様々な比較の仕方があるとは思いますけれども、引用数がトップ一〇%の論文数、これは、中国などが伸びる一方、
韓国もそれに続くんですが、
日本は徐々に下がってきていて、平成二十五年には八・四%を占めるにすぎない、研究開発費を増やしても競争力の
向上につながっていないと、こういった現状が見えてくるわけです。論文を書く研究者に対しまして、日経新聞が二十代から四十代の研究者を対象に実施したアンケートがあります。その中で、
日本の
科学技術の競争力が低下したと回答をしたのは八割に上る。その要因を聞きますと、不安定な雇用や予算の制約、それから短絡的な成果を求められると、こういったことを疑問視する声も目立ったということでございます。
そこで、まず研究者の雇用についてお伺いをしていきたいと思いますが、今、
大学の若手研究者の多くは、五年の任期付きなどの不安定な待遇で、研究とその付加業務の板挟みに遭っているというのが現状だそうです。これは数字にも表れておりまして、
日本の
科学技術論文がピークを迎えたのは二〇〇〇年代前半。この時点で、独創性が高いとされる質の高い論文数は、お手元に資料を配付しておりますが、表の左下を見ていただきますと、アメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ四位だったわけですね。しかしながら、直近のデータがある二〇一三年から一五年度は、中国、フランスに抜かれて九位まで落ちていってしまっている。
この右下の図は、引用される回数が上位一〇%の質の高い論文数を示しているんですが、ドイツは七千八百五十七本、フランスは約五千本、イギリスは約八千五百本、これに比べまして
日本は四千二百四十二本という結果であります。
任期という制約があるために、任期が切れても再雇用してもらうとか、あ
るいは次の職を見付けるためにすぐに成果が出るような小粒のテーマで論文数を稼ぐというような
事態も常態化しているというふうにお聞きをしております。
まずはこのような不安定な
状況を変えるために、研究者の雇用の流動性ですとかキャリアパスの多様性、こういったことを考える必要があるんじゃないかなと思うんですが、安定かつ恒常的な
地位を研究者の方々に用意するためにも何か方策をお考えなんでしょうか。任期付きという制度が研究力低下の一因ともなっているという声もお聞きいたしますが、その制度は今後も維持していくというお考えなんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。