○徳永エリ君
農水省の方から人を派遣して確認をしたということでありますが、やっぱりこのシロシストセンチュウ、大変に大きな問題なんですね。
二〇一五年に国内未確認だったジャガイモシロシストセンチュウが北海道網走市の二
地区で発見されました。
農水省も緊急防除など
対策を打っていただきましたけれ
ども、いまだ根絶どころか、十二
地区百六十三圃場にまで広がっています。これも皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。
このシロシストセンチュウの前は、一九七二年に北海道後志の真狩村でシストセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウが確認されました。その後、道内各地に広がりまして、青森、長崎、そして三重でも確認されていて、このジャガイモシストセンチュウもいまだに根絶されていないと。
現場では、もうこれ共存せざるを得ないというような声も聞かれるような
状況であります。
ジャガイモシストセンチュウの侵入経路は、
原発国であるペルーから輸入されたてん菜の育苗床土ではないかというふうに言われていますけれ
ども、このジャガイモシロシストセンチュウについては、いろいろいろんなうわさが実は飛んでいます。いずれにせよ、輸入したジャガイモや土などに付着して海外から侵入したものであります。
ジャガイモシストセンチュウやシロシストセンチュウは、食べても害があるわけではありませんけれ
ども、ジャガイモの
育成が悪くなって、
農家の皆さんの減収につながるわけであります。圃場の平均収益の五〇%ほどになるというところもありまして、さらには北海道で大変に重要な輪作体系にも影響があるということでありますから、ジャガイモ生産
農家にとっては大変に深刻な問題なんですね。
ですから、今回のこの輸入の解禁に対しては、いやいや大丈夫だろうかと。本当に確認したといってもなくなっているとは、そのアイダホ州の二郡でも二郡以外のところでも本当にないとは言い切れないんじゃないかということを大変心配しています。
北海道のオホーツク、ここでは種芋の生産
農家もあるんですね。種芋の生産
農家といえば、抜取りとか防除
対策のための労力や、それから金銭的な
負担も非常に大きい、また
高齢化もあって種芋生産
農家も今は減少していて、北海道全体でジャガイモの作付面積が減少しているということは
農林水産省の皆さんも御案内だと思います。
そんな
状況ではありますけれ
ども、ポテトチップスなどジャガイモ加工品の需要がどんどん高まっている、作れば作っただけ売れるということであります。ですから、需要に供給が追い付かないと、そういう中でリスクの高い輸入バレイショが入ってくることは、ますます、足りないところに米国産が入ってくるという不安と、それとこのシストセンチュウ、シロシストセンチュウの問題と合わさって生産意欲の減退にもつながりかねないという大変に大きな問題であります。
先ほ
どもお話ありましたけれ
ども、やはり今までずっとこの米国産バレイショの輸入に係る経緯を見てみると、やっぱり米国からいろんな圧力、要請があるわけですね。今、ジャガイモは輸入可能
期間が国内産の端境期である二月の一日から七月三十一日ということでありますけれ
ども、二〇一八年版の米国USTRの外国貿易障壁報告書を見てみますと、国産の端境期であるこの二月一日から七月三十一日に限った輸入可能
期間をもっと延ばせと。もっと長い
期間輸入できるようにしてくれということや、それから検疫についても余り厳しくやる必要がないんじゃないかと、港に入ったときに検疫すればそれでいいんじゃないかと。今、二
施設だけで輸入バレイショの加工ができるという
状況になっていますけれ
ども、これをもっと内陸まで移動して、
施設ももっと造って、もっと加工できるようなところも増やすべきだと、こういうような要求をしてきているということも聞いております。
恐らく、今までの経緯を見てみますと、我が国としてはこういった米国の要求にどんどん応えていくということになるのではないかと思いますけれ
ども、需要がこれだけあるんだったら、まずは国内問題にしっかり対応して、国内の生産をしっかり増やしていくと、生産面積を広げていくと、それが一番
最初にするべきことなのではないでしょうか。
農水省では、
平成三十
年度の予算で初めてジャガイモの増産
対策に三十億円を計上していただきました。これは、一昨年の北海道の台風
被害でジャガイモが足りなくてポテトチップスパニックが起きたと、こういうことも背景にあるんでしょうけれ
ども、北海道の先ほど申し上げた輪作体系の維持も含めて、輸入に頼ることなく国産で需要に応えられるように、積極的に生産面も、それからシストセンチュウ、シロシストセンチュウの問題も
課題解決に御尽力をいただきたいと思いますけれ
ども、
大臣、いかがでしょうか。