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山田俊男君 私に与えられている時間はほんの僅かでありますので、早口にぱっとしゃべりまして、一番最後に
齋藤大臣から決意のほどをお聞きするという形にしたいというふうに思います。
本来、川田先生、今
質疑されていました後半の部分、大変いい
質疑をされておられまして、私もそれをフォローする形でやりたかったわけでありますが、まあ、この次の機会に残しておこうということであります。
お手元にこの資料があります。見ていただきまして、
都市農業振興施策の策定の推移なんですが、
平成十一年、食料・農業・農村基本法というのができまして、ここに基本法第三十六条においてと書いてあります。
都市について書いてございます。
都市及びその周辺において農業について云々ということを入れてあるわけでありまして、この文言を入れるのにえらい苦労をしたんです。私は、全国農協中央会の常務をやっておりましたが、その際、もう農林省へ何度も通って、何としてもこれを入れましょうといって取り組んできた
経緯があります。
そして、それから
平成二十七年に
都市農業振興基本法を策定させていただきました。これも各党の皆さんに本当に足しげく通って、先ほ
どもありましたが、これ、各党全部満場一致、どこの
委員会も本
会議も全部満場一致で決めてきた法律なんですよ、この法律。いや、涙が出るほどうれしかったわけであります。
さて、
都市農業振興基本計画、
平成二十八年は、この基本法にのっとって、それこそ
農林水産省だけじゃなくて国交省も、それから総務省も、よく連携取ってこれを作り上げていただいたというふうに思います。その流れをもって、そしてやっていただいたのが、
平成二十九年の
生産緑地法等の改正であったり、ここにありますような税制上の改正措置でありまして、これも各省庁が本当に連携してやってくれたというふうに思います。まさに、
都市農地、
都市農業をどんなふうに生かすかということはこの日本の国土の在り方として当然みんなで考えなきゃいかぬという一致した思想の下、
努力の下になされたものというふうに思っておりまして、感謝申し上げます。
ところで、私事で恐縮ですが、ちょっと言いますと、私が今日のこの法案をやっぱりやらなきゃいかぬのじゃないかといって思ったのが、東京都内の農業者を、杉並の農業者を訪ねた際、老農業者から聞いたんです。それは、
自分のこの
農地と緑を残したいが、息子はサラリーマンやっていて後は継がないと。しかし、孫は農業が好きそうで手伝ってくれてもいると。この孫が
自分の後を継ぐまでこの
農地と環境を維持しておきたいということだったんです。だったら、これを何とかできないかということで、今度よく仕上げていただいたというふうに思っております。
しかし、この今の掛けている法案、そしてこれを税制上の措置も含めてちゃんとやれるということになるためには、先ほど川田先生もおっしゃってもらったけれ
ども、要は
生産緑地化しなきゃ駄目なんだ。ところが、その
生産緑地化をするのに、各市町村、先進的な市町村、町づくりをかくのごとくやっているよ、見事だろうというふうに市長が誇っているところで、それじゃ農業者はどうかといったら、宅地並み課税で、水田作ったって八万円にしかならない。しかし、税金は宅地並み課税と
都市計画税入れて十二万円ぐらいになっちゃう。これじゃもうかなわないと言っている。
だったら、そういうところをもう一回ゾーニングし直して、市街化区域を
生産緑地化することも含めて手だてを講じられないかといったら、行政は自治体の行政も、いい町つくっているというならいい町つくっていることを誇りに思ってよく考えればいいのに、とてもじゃありません、そのうちに住宅地化しますからとんでもありませんという話なんですよ。これでは駄目なんですよ。何としてでも、これはきちっとやはり
生産緑地化していく取組の中で、どうぞ税制の問題も、住みよい緑の町づくりをしっかりつくっていくという
立場からも
努力が徹底して必要、こんなふうに思っているところであります。
ところで、私が懸念しているところもありまして、要は税制の問題であって、先進的な町づくりの評判の市でも、今言いましたように、市街化区域もしっかり定めているけれ
ども、耕作者は、場合によったら、宅地並み課税と
都市計画税を払ってこれやっているんだけど、そのうちに売れるかもしらぬなんて思いがあるものだから、これまた乗ってこないという難しいところがあって、広域に市街化区域設定したのに、ばらばら、ばらばら。これじゃ、何のために、大事な狭い国土をどうするんだという大変心配があるというふうに思っております。また
繰り返して言いますが、農林省、国交省、総務省、徹底して連携してこの
地域づくりのために全力を挙げてもらいたい。そのまず第一歩の法律がこうしてできたわけでありますから、それに依拠してどうぞどうぞ進めていただきたいというふうに思います。
以上で終わりまして、それで、
大臣に対して今言ったことの決意で、しっかり緑の町、住みよい町づくりをつくり上げる、その
努力、頑張ってもらいたいということを申し上げて、早くこの法律を押し上げましょう。よろしくお願いします。