○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎です。
私は、
地域における
大学の
振興及び
若者の
雇用機会の
創出による
若者の
修学及び
就業の
促進に関する
法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。
これより、その
趣旨について御
説明いたします。
本法律原案は、
東京一極集中是正に向けた他の
施策と併せ、二〇二〇年時点で
地方、
東京圏の転出入者数の均衡を
目標とし、
我が国における急速な少子化の進行及び
地域の
若者の著しい減少により
地域の活力が低下していることを問題として認識した上、
地域における
若者の
修学及び
就業を
促進し、
地域の活力の向上及び持続的発展、
地方創生の
充実を図ることを目的としています。
原案には基本理念として、
地域における
若者の
修学及び
就業の
促進は、国、
地方公共団体及び
大学の相互の密接な
連携並びに事業者の理解と
協力の下に、
若者にとって魅力ある
修学の
環境の
整備及び
就業の機会の
創出を図ることを旨として行われなければならないこと等を定めており、このような本法律原案の目的、理念そのものは否定しません。
しかし、その目的を達成する手段として、的外れなものが散見されるのが本
法案の特徴です。
地域における
大学振興・
若者雇用創出のための
交付金制度を創設、ほんの一握りの限られたコンソーシアムしか享受できないシステムで、一体どうやって一極集中是正し、
地方衰退食い止めることができるというんでしょうか。
地方公共団体による
大学、事業者の選定や国の
認定の手続において明確な
基準を設けるとしたところで、選びたい相手に合わせた恣意的な運用がなされ、
加計学園問題のような公平性を疑われる結果を招きかねません。そもそも、
若者を呼び込む
施策と言いながら、交付先はあくまで
地方公共団体です。同じ予算を使うのであれば、
修学や居住に係る費用負担に苦しむ
若者をもっと広く直接支援すべきではないでしょうか。
二本目の柱である
東京二十三区内の
大学の
定員抑制については、十八歳人口が減少する中で、
東京二十三区への
学生の集中が進んでいることを理由に実施されようとしていますが、
東京の
大学の
定員を現状維持にとどめることで
地方の
大学に行く
学生が増えるという根拠もないばかりか、この
目標達成の一環として
平成二十八年度から厳格化された大
都市圏の
大学の
定員超過の
抑制策では、
平成二十八年、二十九年の合計実績として、
東京圏の
私立大学で約三千五百人の超過数を減らしたものの、その方々が
地方大学に進学したのか、
東京で就職したのか、追跡も行われず、本当の意味で効果があったかを測ることは不可能です。
このような方策を行っても、一部で少しばかり減らしたが、それを大きく上回る転入の状態は続いており、大
目標である
東京圏への転入超過
抑制ははるか遠く、全く届かない現実です。総務省の最新の調べで、
東京圏の転入超過は二十二年連続で増加、二年ぶりに前年数を上回る
状況で、減らすどころか大幅に増えていることが分かります。
思い付きのような
定員超過の
抑制策により、
東京圏の
大学入試が急激に難しくなり、受験しても先が全く見えないといった深刻な副作用、学ぶ権利が奪われるような事態が多数報告されています。
政府は、この方策の結果について、そこから生み出されたひずみをしっかり検証し、不利益を被った人々への救済策も併せて考えるべきですが、それさえも全く行わず、本
法案では、
東京二十三区の
大学の
定員抑制を十年間もの間実施するといいます。この二年間で実施された国の失策で人生を狂わされた受験生やその家族のような被害が本
法案により大規模に広がるのは火を見るよりも明らかであり、やるべきではありません。
本
法案では、既に実施している奨学金の返還支援
制度を
全国展開していくことなどが含まれることはいい部分と言えますが、
若者を直接支援する
施策を大胆に一層
充実させていくことが必要な現状を鑑みると、本
法案ではその部分がかなり弱く感じます。
地方の衰退を本気で止めるならば、少子化問題の根幹部分ともリンクしながら、どう
地方と結び付けるかの打開策を打ち出すことが有効ではないでしょうか。
大学を卒業し就職しても、奨学金の返済に苦しみ自己破産に追い込まれる
若者が後を絶たないこと、ハウジングファーストと言われるように、人が生きていくには、まず安定した基盤としての住まいが何よりも重要でありますが、住居を確保する上で非常に高いハードルが幾つも存在すること、それらをカバー、フォローする
施策が最低限必要と考えますが、全くそうなっていません。
例えば、
若者が地元や
地方の
大学に進学し、卒業後五年間、その
地域で
就業することを
前提に、
大学の入学金、
授業料等教育費は免除、
修学、
就業において住居費用の三分の二を国が支援するなどして、長期にわたり
若者が
地域の担い手として定着していただくための誘因となる大胆な
施策が今こそ必要です。地元で暮らせば生活がしやすい、
地方に行けば生活がしやすい、これがはっきりと示されなければなりません。
そこで、修正案では、
地域における
大学振興・
若者雇用創出のための
交付金制度等に関する
規定を削除すること、特定
地域内
学部収容定員の
抑制等に関する
規定を削除すること、
地域における
若者の
修学及び
就業を
促進するための
施策の例示として、
地域における
若者の
修学及び居住に係る経済的負担の軽減を追加することとしております。
以上が修正案の
趣旨であります。
何とぞ
委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。