○山本太郎君 弾力的な運用をなされている、そのような人権侵害が日常的に行われているような
指摘は当たらないということなんですけれども、じゃ、どうして日本の入管収容については、これまでも、二〇〇七年、二〇一三年に国連の拷問禁止
委員会、二〇一一年、移住者の人権に関する特別報告者の報告、二〇一四年、人種差別撤廃
委員会の総括所見でも、二〇一四年、国連人権理事会などから再三懸念を示されるんですか。いや、呼んでいませんよ、頼んでいません。
あるいは、改善に向けた勧告を受けてきたけれども、過酷な入管収容の現状に大きな変化は認められないというのが今までなんですよ。これもう実際に支援されている方々に直接聞き取りをしています。国連の
指摘を受けて、法務省入管が処遇を是正するというコメントとか文書出したことないでしょう。事実上無視なんです、スルーを決め込んでいるんです。
入管収容
施設に入っている被収容者たち自ら、長期収容や再収容、
職員による威嚇行為、まともな医療を受けられないなど処遇の改善などを求めて収容所内でハンガーストライキも行われている。二〇一三年は大阪、名古屋で、二〇一四年は名古屋と牛久で、二〇一五年、一六年は東京入管横浜支局で、二〇一六年の二月と六月は大阪入管で、二〇一七年五月には東京入管、名古屋入管で、毎年どこかの収容所で劣悪な処遇を何とかしてくれという人たちからハンガーストライキが中で起こっているんですよね。
彼らの訴えは何なのか。医師に会いたい、そう求めても何週間も待たされて、一向に改善の気配すら見せずに容体を悪化させていく被収容者が少なくない。何も教えられず、家族と引き離され、拘禁され続けている。電話もインターネットもできず、自分が難民認定にふさわしい人間であるという証拠すら集める機会を与えられないなどなどなど、資料の三、一
国会議員の私のところにも同様の改善要望が届くぐらいなんですよ。
特に、医療につながりにくい、つなげてもらえない、これ、深刻な人権侵害ですよ。全国の収容所は十七あるそうですが、そのうち二十四時間医師が常駐している
施設は何か所ありますかということをお聞きしたいんですけれども、先ほどみたいに、その前のその前の問いに対する言い訳をされるたびに時間が削られるので、私がお答えします。ありません。十七ある
施設のうち、二十四時間医師が居続ける
施設は一つもない。大体平日の九時から十七時。資料の四、五百人以上収容されている東京入管ですら週三日午後だけ。
突然ですけれども、皆さんは、くも膜下出血、御存じですよね。国立循環器病
研究センターの
説明によると、激しい頭痛はくも膜下出血の疑い、症状が百人百様といっても、判断の鍵となる症状は分かっています。突然バットで殴られたような激しい頭痛が生じた場合はくも膜下出血が疑われますとあるんですね。東海大学医学部脳神経外科サイトでは、くも膜下出血に関して、突然強い頭痛を訴えた後倒れた人を目の前にしたら、くも膜下出血を考えて救急車を呼ぶべきであると
説明しています。
資料の五、二〇一七年三月、収容されていたベトナム人がくも膜下出血で死亡した
事案、資料の五ですね。収容者のサポートをされている駒井知会弁護士、移住者と連帯する全国ネットワークが発行する「Mネット」に寄稿されたもの、時間の都合上、エッセンス部分のみ紹介します。
ベトナム人N氏は、東京入管から東日本入国管理センターに移収、当初から頭痛などを訴えていた。収容から二日後、口から血を吐き、泡を吹き、失禁。ちょうど三連休の初日でした。センターでは当時、平日午後の十三時から十七時しか医師が診療しておらず、医師がいる時間帯は全体の一二%にしか満たなかった。それまで収容されていたブロックからセンター内の別室で休養後、病院ではなく個室のある別ブロックに移動。連休後半も頭痛、頸部痛などを訴えていたが、外部の病院に運ばれることもなく、三月二十一日、
施設の医師の診療によって痛み止め、湿布などを渡された後も激しい痛みを訴え続け、亡くなる日まで同じブロックに収容されていた。ほかの被収容者によると、痛い、痛いと叫ぶN氏に、見回りの
職員はそのたびに静かにしろと言うだけ。被収容者の方々は眠れなくなるほどずっとN氏の叫び声を聞いていたそうです。
センターの担当
職員は、N氏による激痛の訴えをうそ病気、すなわち詐病だと被収容者たちに
説明をしていた。N氏は、三月二十五日未明、搬送先の病院で死亡が確認されていましたが、二十四日の段階で死亡していた可能性もあるといいます。N氏と同じブロックに収容されていた被収容者も、二十四日午後十時頃に、
職員がN氏に声掛けをしても反応がない様子であったと述べている。
ほかにも、二〇一四年十一月二十二日、東京入管に収容されていたスリランカ人男性が死亡。男性は、亡くなった日の朝八時前から激しい胸の痛みを
職員に訴えていた。私はクリスチャンだからうそはつかない、病院に連れていってくれないと死んでしまうと聖書を手に英語で叫んでいたとのこと。
職員が彼を別室に連れていく際、彼はようやく病院で治療が受けられると思って安心した表情を浮かべていたという。ところが、彼が移されたのは、病院ではなく収容所内の隔離室。そして、十三時過ぎ、別の被収容者が動かなくなった彼の異常を認め、十三時二十分頃に救急車が呼ばれ病院に運ばれたものの、間もなく死亡が確認された。
二〇一三年十月十四日に亡くなったロヒンギャ難民の男性に東京入管はどのような扱いをしたか。男性が手をけいれんさせ、口から泡を吹いて倒れたにもかかわらず、医者も呼ばず、四十分間放置。救急車に出動要請をしたのは一時間後だったとのこと。病院搬送後、くも膜下出血による昏睡状態が続き、五日後、この被収容者は入院先の病院で亡くなった。
職員たちは一向に医者を呼ぼうとせず、体温や血圧を測ったりするばかりで、同室の被収容者たちは早く医者を呼ぶよう再三にわたり
職員に要求。ところが、
職員は、てんかんの発作だろう、大丈夫、医者は食事中などと言って医者を呼ばなかった。
資料の六、二〇一三年十月、カメルーン人男性が成田空港に到着後、すぐ入管
施設に収容。同じ年の十一月、東日本入国管理センターに移された後、
施設内の診療を受けて糖尿病など病気を患っていることを確認されていた。事態が急変したのは二〇一四年二月下旬から。男性は繰り返し体の痛みを訴え始め、三月二十七日に血液検査。二十九日は胸の痛みと不眠を訴え、午後七時からは苦しみもがき始める。アイム・ダイイング、アイム・ダイイングと叫びながらベッドからもがき苦しみ、一度落ちた。入管
職員がやってきてもう一度ベッドに戻すが、苦しくもだえているのでまたベッドから落ちる。で、また戻す。次に落ちたとき、入管の人たちは面倒くさくなってシーツを床に敷いて彼を寝かせた。ところが、彼はそこでももがき苦しみ、独居房をのたうち回った。これを何時間も続けて、最終的に動かなくなった。少なくとも夜七時頃から苦しみもがき始めて、夜中三時に
職員が気付くまでそういった
状況だったそうです。
こんな悲惨な死に方されているんですよ。打合せしている場合じゃないんですね。弾力的に運用されているって話じゃないんですよ。こういう悲痛な話が、その支援者だったり当事者の方々から寄せられ続けているんです。収容者支援をしている方々によると、基本、医者に見せてくださいと言ってから二週間から一か月待ちということが本当に珍しくない
状況だそうです。同じようなケースで次の死者があした出てもおかしくない。
基本、詐病、仮病と考えろといった
職員への教育行われているんですか、これ。行われているとしか思えませんよね。極力病院には──ちょっと待ってくださいね、さっきの悪い記憶があるんですよ、遡っていろんなことを言い訳されて、しゃべる時間削られたら困るんですね。としか思えないんですね、さっき、話戻りますけど。基本的に、苦しんでいる様子があったとします、それうそかもしれぬということを前提にしていなかったら、こんなに連続でこんな悲惨なこと起こっていないんですよ。何度も手遅れになっていながら、収容者を殺していながらやり方変えないって、これもう人間じゃなくて鬼ですよ、はっきり言って。
こういった事故が起こる背景には、入国管理局には潜在的に難民申請者や非正規滞在者などの収容された人々に対して間違った差別意識を持っているということが根本的な原因ではないかと思います。
難民を受け入れる意思もほぼない。外国の労働者は都合よく使い捨て。残念ながら、これが美しい国の実態なんですって。クール・ジャパンどころか、これコールド・ジャパンと呼ぶんですよ。外国人実習生の奴隷労働や入管
施設での虐待、拷問について、これ世界中が冷ややかに見ていますよ、人間をどういう扱いにしているのか。こんな日本に触れた外国の方々は日本のこと大嫌いになりますよ。一生恨みますよ。反日勢力みたいな言葉がありますけど、その勢力になり得るような人たちをつくり出しているのは誰ですかって、国じゃないか、政治じゃないかって話なんですよ。これ何とかしてくださいよ。
この入管の中に閉じ込められていて、この先全くどうなるかも分からないような状態で三年間も暮らし続けている人もいる。いつまでいるのかも分からない
状況の中で、医療にもつながれないということが実際にあって、国連からもずっと言われているじゃないかという話なんですね。こんな
対応しかできないなら、日本は一切移民、難民を受け入れない、間違ってもそんな目的で来ないでくれよって、これ世界に向けて発信した方がいいんじゃないですか。そっちの方が私は誠実があると思います。
法務省に聞きたかったんです、本当は。すぐに医者に診せる、病院に連れていくということに、何でそんなに嫌がるんですかということを本当は聞きたかったんですよ。これ改善──いやいや、答えてもらわなくていいです、長くなるの分かっているから。しようがないじゃないですか、だって。収容者の人権保護、待遇の改善ができていないという認識、恐らく法務省は全くお持ちじゃないんですよ。
これは、これからオリンピックを迎える日本としては、このような
状況が世界中に知られる、全くその改善もしていないということになると、本当に恥ずかしい、余りにも。胸を張って日本人ですって言えないですよ。
オリンピック担当
大臣、この日本の恥ずべき部分、何とか是正できるように、入管
施設の収容者に対する処遇の改善、ホスト国として前進していけるように、法務
大臣とも是非お話をしていただきたいんです。これ、オリンピック担当
大臣ですけれども、これはオリンピックを迎えるホスト国として、そしてその担当
大臣として、日本の中で非人道的な行いが日常的に行われているということに関して改善をしていく、よかった、オリンピックが来るためにいろんなことが改善できたねということにつなげていただきたいんです。
是非、法務
大臣とこのことについて話し合って、処遇の改善に、一歩前に進めるような話合いをしていただけませんか。いかがでしょうか。