○西田実仁君 次に、児童虐待死についてお聞きしたいと思います。予期しない妊娠、計画していない妊娠について今日は質問させていただきたいと思います。
二ページ目に、児童虐待で亡くなる命の六割はゼロ歳児というグラフがございます。まずこれを御覧いただきたいと思います。これは、厚生労働省の
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門
委員会、いわゆる専門
委員会によります子供虐待による死亡事例等の検証結果等について、最新の第十三次報告から作成したものであります。
最新の
平成二十七年度等を見ても五八%となっておりますが、児童虐待で亡くなる方の六割がゼロ歳児ということでございます。人数でいいますと五十二人、
平成二十七年度、児童虐待で亡くなった子供さんがいらっしゃいます。そのうちゼロ歳児が三十人、六割がゼロ歳児と。そして、その月齢を見ますと、ゼロか月が十三人と、半分近く占めているのが、その次のページを見ていただきますと円グラフがございまして、ゼロか月ということであります。さらに、そのゼロか月で亡くなる方の八五%はゼロ日目に亡くなっているということでございますので、ゼロ歳ゼロか月ゼロ日と、つまり産んですぐ児童虐待という、亡くなっている方が数多くいらっしゃるという大変に悲惨な結果でございます。
このゼロか月ゼロ日の虐待死をなくすと、ここに私は目を向けなければ本当の子育て
支援にはならないのではないかという問題意識から、今日は質問させていただきたいと思います。
今日は松山
大臣にお越しをいただいておりますけれども、
内閣府が進めております子育て
支援というのは、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない
支援ということであります。しかし、その主なスタートラインというのはどうしても母子手帳交付の場でございます。そのため、その場に、その交付の場に姿を見せることができない、現れない超ハイリスクな特定妊婦とはなかなか
支援としてつながるのが難しいというのが現状であります。
次のページを、三枚目、③のところを見ていただきますと、まさにその子育て
支援のフローというか、を示させていただきました。母子手帳交付というところの右側に行きますと、保健師との面談とか妊婦健診への助成とか、
地域のママ友づくり等が、様々
支援が豊富になされておりますけれども、その前に医師による妊婦確定診断、あるいはその前に妊娠検査薬等によって判明していくということでありますが、その下の水色のところを見ていただきますと、妊婦健診未受診、あるいは母子手帳、その結果として未交付のハイリスクな特定妊婦の方はいつまでも
支援の場につながることなく、先ほどのゼロか月ゼロ日の虐待死ということに中にはつながってしまうという残念な結果になっているわけであります。
要は、
支援につながらないというのは孤立した妊婦というふうに言わざるを得ないわけですけれども、その孤立してしまっている妊婦とつながる仕組みとして、予期せぬ妊娠、計画しない妊娠の相談
支援事業に取り組んでいるところが幾つかございます。今日は、この中でも一般社団法人のにんしんSOS
東京の皆さんからお聞きしたことを基にして質問をさせていただきたいと思います。
先ほど見ていただきました専門
委員会第十三次報告に戻りたいと思います。
児童虐待で亡くなる命の六割がゼロ歳児であり、そのうちの半分近くが生まれたその日に亡くなっている月齢ゼロか月という事実を紹介させていただきました。その加害者を見ますと、
調査によると九割が母親であります。そして、その全ての母親は妊婦健診未受診でありまして、したがって、母子手帳の未発行が九割というのがこの専門
委員会の
調査結果であります。産婦人科受診のハードルの高さがうかがわれるわけであります。と同時に、予期せぬ妊娠、計画しない妊娠への
支援は、これまでのような母子手帳交付からの
支援をメーンとする
支援だけではどうしても切れ目が生じてしまうということが分かります。
どんな人でも妊娠すると助けが必要となります。しかし、家族やパートナー、友人など、個人で持っている依存先が元々少ない方や、
社会資源や
地域コミュニティーなどにアクセスできない妊婦さんは孤立していくわけであります。妊娠したかもしれないと思った瞬間に相談できる、そういう場が少ないためであります。にんしんSOS
東京は、そうした誰にも相談したくてもできない状況にある妊婦の相談
支援事業を行っている一般社団法人であります。
まず、松山
大臣にお聞きしたいと思います。
これまでの
資料等から見えてくる課題について、とりわけ児童虐待で亡くなる命の六割がゼロ歳児であり、そのうちの半分近くが生まれたその日に亡くなっているという事実について、どのように受け止められるでしょうか。なぜ、こうした超ハイリスクな妊婦は悩みを抱え込んでしまうと考えられるのか、その所感を伺いたいと思います。