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2018-04-04 第196回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年四月四日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十二日     辞任         補欠選任      浜口  誠君     舟山 康江君      山本 博司君     三浦 信祐君      高木かおり君     清水 貴之君  四月三日     辞任         補欠選任      舟山 康江君     古賀 之士君  四月四日     辞任         補欠選任      古賀 之士君     舟山 康江君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         江島  潔君     理 事                 愛知 治郎君                 片山さつき君                 滝波 宏文君                 平野 達男君                渡辺美知太郎君                 杉尾 秀哉君                 田名部匡代君                 秋野 公造君     委 員                 足立 敏之君                 阿達 雅志君                 太田 房江君                 岡田  広君                 こやり隆史君                 進藤金日子君                 高階恵美子君                 高橋 克法君                 豊田 俊郎君                 中西  哲君                 中野 正志君                 羽生田 俊君                 宮本 周司君                 森 まさこ君                 和田 政宗君                 古賀 之士君                 櫻井  充君                 那谷屋正義君                 藤田 幸久君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 伊藤 孝江君                 浜田 昌良君                 三浦 信祐君                 岩渕  友君                 紙  智子君                 石井 苗子君                 清水 貴之君                 山本 太郎君                 川田 龍平君                 行田 邦子君                 藤末 健三君    国務大臣        文部科学大臣   林  芳正君        国務大臣        (復興大臣)   吉野 正芳君    副大臣        復興大臣    浜田 昌良君        内閣府副大臣   あかま二郎君        経済産業大臣  武藤 容治君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        山下 雄平君        文部科学大臣政        務官       新妻 秀規君        経済産業大臣政        務官       平木 大作君        国土交通大臣政        務官       秋本 真利君        環境大臣政務官  武部  新君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      米澤  健君        内閣地方創生        推進事務局審議        官        村上 敬亮君        復興庁統括官   加藤 久喜君        復興庁統括官   黒田 憲司君        復興庁統括官   小糸 正樹君        外務大臣官房参        事官       市川 恵一君        文部科学大臣官        房審議官     下間 康行君        文部科学大臣官        房審議官     増子  宏君        農林水産大臣官        房輸出促進審議        官        新井ゆたか君        農林水産大臣官        房生産振興審議        官        鈴木 良典君        林野庁林政部長  渡邊  毅君        経済産業大臣官        房原子力事故災        害対処審議官   星野 岳穂君        経済産業大臣官        房審議官     上田 洋二君        経済産業省経済        産業政策局地域        経済産業政策統        括調整官     田川 和幸君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      村瀬 佳史君        特許庁総務部長  小山  智君        国土交通大臣官        房審議官     寺田 吉道君        国土交通大臣官        房審議官     山口 敏彦君        観光庁審議官   瓦林 康人君        環境大臣官房環        境保健部長    梅田 珠実君        環境省環境再生        ・資源循環局長  縄田  正君    参考人        東京電力ホール        ディングス株式        会社代表執行役        副社長      文挾 誠一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興総合的対策に関する調査  (東日本大震災復興基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 江島潔

    委員長江島潔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、高木かおり君、山本博司君及び浜口誠君が委員辞任され、その補欠として清水貴之君、三浦信祐君及び古賀之士君が選任されました。     ─────────────
  3. 江島潔

    委員長江島潔君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江島潔

    委員長江島潔君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 江島潔

    委員長江島潔君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、本日の委員会東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長文挾誠一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 江島潔

    委員長江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 江島潔

    委員長江島潔君) 東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、東日本大震災復興基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 森まさこ

    森まさこ君 福島県選挙区の森まさこでございます。  今年の三月十一日からまだ一か月たっておりませんけれども、我々福島に生きる者は、東日本大震災津波、地震、さらには原発事故、甚大な被害と、そして生き残った者の筆舌に尽くし難い苦しみ、悲しみ、そこから七年間、様々な皆様の各方面からの御支援をいただいて今日まで来ました。そのことは福島県に生きる者の誇りであります。しかしながら、現在もまだ復旧復興は道半ばであり、解決すべき課題が山積しております。  本日は、そのうち三つについて質問をしたいと思います。福祉施設について、病院について、そして津波被害からの避難訓練について質問をしたいと思います。  吉野大臣に対する質問は二回目でございます。大臣就任時に私から質問をさせていただきました。復興庁十年の期間満了をしても延長すべきという質問をいたしました。特に帰還困難区域、まだ戻れない区域を抱える福島についてだけでも、これは復興庁残すべきという質問をさせていただいて、大臣から前向きな答弁、役所が用意した以上の踏み込んだ答弁いただきまして、その後もその答弁に沿って取組を進んでいただいていること、感謝を申し上げます。  今日は、福祉施設について御質問をしたいと思うんです。  資料をお配りしておりますので、御覧ください。  これは復興庁調査でございまして、原子力被災自治体における住民意向調査調査結果の平成二十九年度と、それから、中を見ると前年度の分との比較をしております。帰還をするのか戻らないのか意向調査し、その理由を聞いています。帰還をするという方の理由を見ますと、オレンジに塗られている部分、これが福祉施設医療、この施設について含む理由になっているんです。まとめのところに書いてあるものをちょっと読み上げますと、復興庁がこんなふうにまとめています。帰還意向においてまだ判断が付かないと回答する人が判断するために必要な条件として、医療介護等の再開が上位である町村が多くと書いてあります。今回と前回の二回連続とも、被災地双葉郡七町村のうち六町村が一位か二位に医療介護施設が必要なんだと、帰るための判断理由として必要なんだと挙げています。  そして、次のページは、戻らないと回答した人の理由でございます。それも、上位医療介護環境への不安があるから戻らないんだというふうに述べているわけです。ここのまとめも読み上げますと、帰還意向において、戻らないと回答している人が戻らない理由として、生活基盤ができている、医療介護環境への不安が上位である町村が多いということです。今年度は七町村のうち四町村、その前は七町村のうち六町村が一位か二位に医療介護環境を挙げているわけです。  このように、医療介護環境が帰る人も戻れないと言っている人もトップ理由を挙げている中で、今年度の予算に、介護環境支援について新規予算が付きました。吉野大臣のリーダーシップによって新しく設けられた制度と伺っておりますので、その内容とその設けた趣旨について、吉野大臣から具体的に御説明をいただけますでしょうか。
  9. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 森議員には、今度三十年度に予算計上しました介護に関する質問をしていただいて、本当にありがとうございます。  というのは、この事業、この施策は、かなり復興庁として力を入れたところなんです。現場は浜田大臣を始めとして一生懸命頑張ってくれたんですけど、まずは厚労省の御理解を得ること、そして財務省の御理解を得ること、かなり苦労してつくった制度でございます。  実は、介護保険を見ますと、職員の数が利用者の何人入っていいという形で決められております。ですから、職員が、利用者の定数いっぱいでないと、職員の数が少ないと。利用する方が少ないんです。ですから、介護保険料が入ってくるのが少ない、当然赤字になってしまうわけであります。  二つ、今度の予算でございます。一つ人材確保です。いわゆるこういうラインだと思います。職員の数が少ない、そして職員の数が多い。もう一つは、いわゆる運営費補助職員の数が少ないと運営費補助が高くなるというこっちのライン、いわゆるバッテンのラインでつくらさせていただきました。  まず、職員の数を、人材を確保するということで、これは普通、被災地域十五市町村というんですけど、川俣町が特別養護老人ホーム等がございませんので、対象は十四市町村ということでございます、浜通り中心として。ここは従来三十万円の貸付けだったんですけど、これを拡充して五十万円に貸付けをするようにしました。そして、二年間勤務をしていただくと返す必要はないという制度です。最初からあげちゃうと辞められちゃう危険性がございますので、まずは貸付けをする。もう一つは、今まで三十万を五十万に増やしたんですけど、三十万、去年の制度なんですけど、これが、県外から福島県に来た方という形で制約がございました。でも、福島県内から施設に、特養等々の施設に勤めることができればこれは五十万の貸付けをするという、こういう制度でございます。これが人材確保一つの線です。  もう一つは、運営費補助なんです。この運営費補助は、三か年、いわゆる平成三十三年三月三十一日までを限度として、残り三年間の限度があるんですけど、いわゆる運営費補助をして赤字補填をしていく制度でございます。  この二つ制度で、原発被災地域における介護人材確保、そして運営費補助、いわゆるきちんと運営ができる、この制度ができたわけでありまして、三十年度のある意味の目玉の予算としてこれができたこと、本当にうれしく思っております。  今後とも、福島県や厚生労働省と連携しながら、相双地域等における介護サービス提供体制取組に全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げたいと思います。  以上です。
  10. 森まさこ

    森まさこ君 ありがとうございます。  卵が先か鶏が先かという話でございまして、今見たように帰還アンケートを見ると、帰らないという人も介護病院、そして帰りたいという人も必要なのが介護施設病院と言っている中で、介護施設病院利用者が一定程度いないと職員も雇えないんです。赤字補填赤字経営を黒字にできないんです。だから、一定程度人が帰るまで待っていますよというと、帰還する人も帰らない、お見合い状態になって、なかなか帰還が進まないんです。その状態を、介護施設に今のような思い切った支援をしていただくことで一歩前に進んだということ、高く評価いたします。私も大臣時代新規予算を取るということがどんなに大変か分かっているつもりですので、本当に御苦労だったと思います。  ただし、もう一つ私の方から要望をしたいのは、介護施設をやったら次は病院と思うわけでございます。ここの意向調査も一位は病院介護施設です。医療スタッフの数が相双地域は今ほとんどいません、もちろん避難しておりましたから。そして、その最も近くのいわき市、ここは、この復興特でも私以前質問に挙げさせていただきましたが、全国ワースト二位なんですね。人口当たり医師の数がいわき市はワースト二位です。非常に医師不足。そこに双葉郡の皆様避難をしてきていますから、住民票上でワーストツーでも実際の住んでいる人の数でいえば私は最下位ではないかと肌感覚で思っています。ワースト一位の埼玉県という首都圏を除けば、本当にこの浜通り医師不足、深刻なわけです。今後も大臣の御奮闘を御期待申し上げます。  そして次に、病院の話に本格的に入っていきたいと思いますけれども、被災地病院協議会というものがございます。病院協議会は各県にあると思いますが、福島県の場合は被災地のこの双葉郡を中心とする被災地域病院協議会があるんです。毎月開かれています。私は国会と重ならない限り必ず参加をしておりまして、今まで六回参加をし、参加できないときには秘書が代理で参加をして議事録を取ってきます。  その中、課題が様々あります。双葉被災地域病院は、その中でも歯を食いしばって存続をしている病院もあれば、もう帰還困難地域の中にあるから休止をしている病院もあれば、もう立ち行かなくなってやむなく廃業した病院もあります。さらに、それぞれが損害賠償請求の問題、そして人材確保の問題に面しているわけです。  本日は、その中から、再開できないで休止をしている病院損害賠償の問題について絞ってお伺いをしたいと思います。  私が今手に持っている文書、これはただいま御紹介をいたしました東電原発事故被災病院協議会代表である前原代表からの手紙です。東電から回答書が来たということです。  被災病院協議会の中で、今読み上げますが、最も早く損害賠償請求を昨年七月三十一日に提出した某病院全館休止中に対する回答書が、八か月を経て三月十四日に届きました。三月届いたんです。そして、その結果は、今回の御請求に応じることは困難であるとのゼロ回答でした。その根拠として、損害とは事故前と事故後の利益差をいう、賠償により赤字は縮小しており、損害そのものが生じていないものと考えられるということです。  そして、前原代表がここに書いております。病院そのものを消滅させておいて損害そのものが生じていないとは、その論理が分かりません、そのとおりです。だって、この病院全館休止中なんです。原発に一番近いところにある病院ですから休止中なんです。休止中なのに、事故前と事故後の利益差をいう、損害とは事故前と事故後の利益差をいうっておかしいと思いませんか。事故後は営業できないんですから、利益の差なんか測りようがないんです。そして、賠償により赤字は縮小しておりって、今まで少しでも賠償したらそれは赤字は縮小しますね。ですから、損害が生じていないというこれは、私も弁護士ですけれども、論理矛盾していると思います。  このような文書が来て、ここからが問題なんです。ここに東電からの回答書が添付されていたんですが、そこに、中間部分に書いてあります。中間指針においても示されている差額方式によれば、事故前と事故後の利益差損害と捉えます。この中間指針というのは、文科省に設置されてある原発事故損害賠償審査会のことを指すと思われます。  文科省にお尋ねしますけれども、東京電力が言っているこの損害計算方式、これは休止中の病院休止中の企業にも当てはまるものなんですか。御回答を願います。
  11. 新妻秀規

    大臣政務官新妻秀規君) 御回答申し上げます。  今、中間指針のことなんですけれども、この中間指針のまず対象なんですけれども、これは医療業対象としておりまして、この中間指針においては、事業者多様性に鑑みて、一律的に設けるのではなく、事業者ごと特性等において避難指示等により事業に支障が生じた逸失利益分を個別に適切に賠償することが適当であるとの考え方を示しておりますので、病院公益性被災地特殊性等を考慮して賠償すべきであるとの考え方となっております。  以上です。
  12. 森まさこ

    森まさこ君 今、新妻政務官が御説明くださったとおり、文科省中間指針をよく読めば、一律ではないと、そして、事案の特殊性をよく、特性をよく勘案して判断すべきと言われているんです。  それが、この休止したものにまでまるで一律に適用されるかのような、中間指針をまるで水戸黄門の印籠か何かのように使って言ってくるということは私には理解できないんです。  今、文科省回答していただいたように、個別に判断すべきというのが中間指針趣旨だとすれば、この被災地休止をしている病院については個別の特性があると思います。重要性公益性必要性特殊性というものがあると思うんです。  具体的に申し上げますと、今、帰還アンケートで先ほどお示ししたとおり、帰る理由トップ病院、帰らない理由トップ病院です。政府帰還を進めています。チェルノブイリが帰還を諦めて、百以上の村が廃村になりました。しかし、日本政府帰還をする、吉野大臣帰還をするんだというその旗を掲げて進めているんです。ところが、帰還をするための一番の必要なこの病院について全く、廃業に至るように損害賠償を打ち切ったら、帰還をする人が果たしているんでしょうか。  この四月一日にふたば医療センター附属病院、これが開院いたしまして、私も吉野大臣と一緒に開院式に出てテープカットをさせていただきましたけれども、このふたば医療センター附属病院は第一次救急です。重病のときにはどうするんですかと聞いたら、いわき市に搬送するんですというお答えでした。しかし、先ほど述べたとおり、いわき市は医師不足病院が足りないんです。そのような中、搬送されてきても、十分に受け入れることができるんでしょうか。双葉郡内にある病院が再開しようとして一生懸命努力をしているのに、それを見捨ててやむなく廃業するようなことをしたら、国の方針と逆行するようなことにはならないでしょうか。  そして、もう一つ私が掲げたのは特殊性です。先ほど吉野大臣介護のときにおっしゃったのと同じようなことが医療にもございますね。つまり、ベッド数によって、地域によってベッド数厚労省が決めています。それによって病院の数も決まっているから、簡単に他地域に行って営業するということができないんです。ですから、双葉郡内の休止をしている病院はそこに人員を抱えて、いざというとき戻れるように余剰人員はほかの病院で預かってもらって何とか耐え忍んでいる。その部分損害をどうして東電賠償しないんでしょうか。  このような重要性公益性必要性特殊性からして、私は損害賠償につき一律に考えるのはおかしいと考えます。しかし、東京電力は同じようなペーパーを病院以外も企業にもいつも使って、同じ言い回しです。そして、二言目には、文科省の御意向です、中間指針に書いてあります。このような態度では、帰還を進めている政府姿勢帰還を進めている経産省の姿勢と矛盾しませんか。  東電を監督する立場の経産省さんに説明していただきたいと思います。
  13. 武藤容治

    ○副大臣武藤容治君) ただいまの御質問でございますけれども、まずは今、森委員から御紹介ありましたように、この前の双葉医療センター附属病院開院式には私もお邪魔をしておりまして、森先生の御挨拶に今の県民調査お話も引用されて、ある意味でこれからまさに復興という中で寄り添っていくことの大事さを先生お話からも承りました。  今回の、今の文科省新妻政務官からの答弁にもありましたように、いわゆる中間指針の問題ですけれども、病院を含めた商工業営業損害ということになりますと、東京電力は、損害一括賠償額を超過した場合には、先生おっしゃられるように、個別事情を確認の上に、事故との相当因果関係が確認されれば追加賠償されるということだとしております。  経済産業省としましても、今後とも東京電力に対して、被災された事業者皆様の御相談に対応して、個別の事情を丁寧に把握をしながら、公平かつ適切な賠償を行えるようにしっかり指導してまいりたいと思っています。  また、関係省庁、もちろん復興庁文科省、あるいは厚労省も入りますけれども、福島県、地方自治体と連携をしながら、被災地域医療体制の充実に向けてどのような対応が可能であるか、今後とも検討してまいりたいと思いますので、今後ともひとつよろしく御指導のほどお願いしたいと思います。
  14. 森まさこ

    森まさこ君 しっかり東京電力を指導してください。  文科省にもう一度お伺いしますけれども、中間指針がこのように誤解をして利用されているということで、中間指針自体を見直すつもりはないですか。  私、この間、病院協議会参加したときに、文科省の方が参加していないので今後は参加するようにというふうに文科省に要望いたしました。その後、参加をしているんでしょうか。そして、もう一つ要望いたしました。中間指針を作っている損害賠償審査会委員の方に、被災地に実際に足を運んで、被災地病院に足を運んでちゃんと調査をしていただくように、それまで一度も行っていないということでした、そういう要望いたしましたが、行ってくださったんでしょうか。その結果、どのようなことに結果がなったんでしょうか。御説明ください。
  15. 新妻秀規

    大臣政務官新妻秀規君) まず、中間指針の見直しについての状況なんでございますけれども、紛争審査会におきましては、紛争審査会の開催とか、また紛争審査会委員による現地視察を通して、中間指針等に基づく賠償の実施状況をフォローアップをしていただいておりまして、現時点では、直ちに中間指針等の見直しが必要な状況はないと考えておると聞いております。  また、この現地視察の状況どうだというお問合せなんですけれども、御指摘のとおり、紛争審査会の事務局として現地の状況を確認するために、まず二か月に一回程度の頻度で開催されております東電原発事故被災病院協議会に当省の職員をオブザーバーとして参加させておりまして、状況の把握に努めております。  また、紛争審査会におきましては、中間指針等に基づく賠償の実施状況を確認するため、先ほど申し上げましたとおり、被災地域の現場を視察していただいておるんですが、昨年の十月には、南相馬市にある雲雀ケ丘病院に、鎌田会長を始めとした紛争審査会委員による視察を行うとともに、関係者との意見交換を実施しております。  以上です。
  16. 森まさこ

    森まさこ君 今後もしっかり被災地に寄り添って対応していただくようにお願いをいたします。  最後の質問に入りたいと思います。  津波避難訓練についてお伺いをしたいと思います。  私、三・一一の日は、毎年必ず仮設住宅に泊まって三・一一の朝を迎えるということを繰り返してまいりました。今年は、仮設住宅から今度は復興住宅に移りまして、浪江町の、帰還困難区域なのでまだ戻れない方が南相馬市にあります復興住宅に住んでいるところに泊めていただきまして、三・一一、あの日はこうだったねというお話をしながら朝を迎えました。そして、南相馬市の萱浜地区を始めとした津波被害区域に行って、犠牲者の皆様の御冥福と、御遺族が少しでも心安らかにとお祈りをし、帰還困難区域の大熊町、浪江町に入りました。ここで訪れた南相馬市の萱浜地区では、小さい子供が犠牲になったおうちがございました。  私、自分が子育て中の母でございますので、特にやはり小さい子供が津波の犠牲になって親が残されるということは本当に身につまされます。そして、その逆もございます。親が亡くなり、子供だけ残される場合もございます。子供だけ残された場合には養子縁組ということになりますが、私の方で仲間と一緒に遺児、孤児支援施設いわき市につくらせていただきました。  子供が先に亡くなるお宅、上野敬幸さんのお宅に、私は吉野大臣にお願いをいたしまして行ってもらったんです。お忍びで、マスコミもなく行っていただきました。三・一一の日、上野さんも奥様も働いています、奥様は看護婦さんで病院で働いていました。ですから、小さい子供たちはそのまま祖父母と一緒に津波の犠牲になりました。親がいつでも子供の近くにいて守ってやれるわけではない、避難させてやれるわけではない、上野さんがおっしゃっておりました。大臣もそのお話を聞いていただきました。  上野さんの願いは、二度とこんなつらい思いを、子供を先に亡くすようなつらい思いをする人が少しでも少なくなるように、津波被害があったとき、子供たちが自分たちの力で逃げられるような避難訓練を展開してほしいという、そういう御要望でございました。  そこでお伺いをいたしますが、内閣府にお伺いします。津波避難について、今どのような対策を取っていますか。
  17. 山下雄平

    大臣政務官(山下雄平君) お答えいたします。  津波対策の推進に関する法律により、津波防災の日を定めて、国及び地方公共団体は、その趣旨にふさわしい行事の実施に努めることとしております。このため、中央防災会議においては、毎年、津波防災の日に先立って、地方公共団体などに津波防災の日の前後における住民参加型の避難訓練の実施などを呼びかけ、国民の防災意識の向上等、実践的な行動の定着を促しているところであります。  昨年度においては、十月二十八日から十一月十二日の十六日間を主たる取組期間といたしまして、国の十四府省庁、地方公共団体の百五十五団体、民間企業など九十三団体、合わせて合計二百六十二団体、約八十万人の方々の参加を得て訓練を実施しました。また、内閣府としても、全国九か所で住民参加型の地震・津波防災訓練を地方公共団体と共催したところであります。  今後とも、こうした取組を通じて、地域の方々がもし何かあったときに自主的な避難行動を取っていただけるように、引き続き地震・津波防災訓練の実施を促していきたいというふうに考えております。
  18. 森まさこ

    森まさこ君 百五十五団体というお話でしたけれども、全国に約千八百の自治体があるんですから全く足りないと私は思います。上野さんもおっしゃっていました。津波のおそれがある地域だけじゃなくて、全国でやってほしい。だって、子供たちは修学旅行で別の場所に行っているかもしれないし、大人になって別の地域で仕事をするかもしれないし、出張に行くかもしれないし、外国に行くかもしれないし、どこで災害に遭うか分からないんです。  ここで、文科省にもお尋ねします。文科省では、学校で津波のときの避難についてどのような対応を取っていますか。
  19. 下間康行

    政府参考人(下間康行君) お答え申し上げます。  文部科学省が全国の国公私立全ての小中高等学校、特別支援学校、幼稚園等を対象として隔年で実施する学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査によりますと、平成二十七年度の実績の調査対象校四万八千四百九十七校のうち、津波による浸水が予想される区域内に所在する五千二百五十二校における津波被害を想定した避難訓練の実施状況は九〇・五%となってございます。  文部科学省といたしましては、これまで、都道府県教育委員会等に対しまして、津波防災地域づくりに関する法律等の施行に係る留意点に関する通知でございますとか、津波防災の日に係る緊急地震速報訓練の実施についての内閣府等の要請を受けた学校におけるこの機会を利用した訓練の実施について求める通知を行いますとともに、想定される危険等を踏まえた地域の関係機関等と連携した適切な避難訓練等の実施について、関係会議等を通じて機会あるごとに周知してきたところでございます。  引き続き、各教育委員会等に対しまして必要な避難訓練等を実施するよう強く働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  20. 森まさこ

    森まさこ君 文科省が今説明した資料、私もいただいたんですけどね、九五%と書いてあって、ううんと見たら、これ、対象地域津波浸水予想区域だけしか調べていないんです。津波が浸水する予想区域以外の学校はどうですかと言ったら、データがありませんということでした。  子供たち、先ほど言ったように、将来どこで暮らすか分かりません。また、その子供たちからその子供たちにも伝えてもらわないといけないんです。全国の学校で実施をしてほしいと思います。  また、いわき市内の小学校で実際に行われている津波避難訓練、その保護者の方にお話を聞くと、子供たちは地震の避難訓練と同じように先生の後を付いて歩いて移動しているだけだと。それでは意味がないんです。地震のときと地震の後津波が来そうなときは取るべき行動が全然違います。机の下に潜って待っていたら津波が来てしまうんです。海の近くだったら、机の下に潜らず、家から飛び出してすぐ高台に逃げないといけないんです。そのことをしっかりと子供たちに認識をさせるような教え方をしないといけないです。  それから、上野さんが言っていました。学校だけじゃなく、家にいるときにどうしたらいいんだというのは町内会レベルで、もっと言えば隣組レベルでちゃんと話し合って訓練をしておく、そういう機会をつくらなければならない。  こんなに津波が多い日本です。こんなに海に囲まれている日本です。何人の方が亡くなったんでしょうか、約一万九千人。震災関連死の方を除いても、津波で亡くなられた方は約一万五千人かそれに近い数字ではないんでしょうか。正確なデータがないと内閣府が言っていましたが、それだけの方が犠牲になったその経験を生かして、しっかりとした対策を進めてほしいと思うんです。  私は、自然災害からどうやって今後地域と子供たちを守っていくかということを考えて、新しい資格を取ったんです。エマージェンシーマネジャーという国際資格です。日本人で初めて取りました。これは、五十か国の方が一万人資格を持っている、私が日本人で初めて取って五十一か国になったんです。そのエマージェンシーマネジャー協会では、災害ごとにきめ細かい避難訓練避難の仕方、防災の仕方を共有して対策を取っています。  どうか、この東日本大震災、世界の中でも津波被害に関しては日本が一番犠牲者、そして経験があると思います。これについてしっかりとしたスキームを組んでいくということについて、吉野大臣に私から御提案をしたいと思います。大臣の今の感想でいいので、お述べいただきたいと思います。
  21. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 森先生と一緒に上野さんのお宅を訪問させていただき、おっしゃるとおり、上野さんのあのような悲しみをほかの誰も受けてはいけないという、そういう思いがひしひしと伝わってきたわけであります。  まさに、森先生のおっしゃるとおり、避難訓練、これが一番大事です。頭で覚えていては駄目なんであって、体で覚える。逃げろという頭じゃなくて、体が黙って付いていく、避難をするという、そこまで訓練をしていく。そして、教訓、いわゆるアーカイブのように、震災の記録を収集、整理し、保存することは教訓の後世への伝承を行う上で重要である、このように考えます。  今後、各種訓練や被災アーカイブを通じ、震災の教訓が活用、継承されることを期待しております。
  22. 森まさこ

    森まさこ君 ありがとうございます。  最後に、上野さんの体験を、吉野大臣と一緒に聞いたお話を皆さんに御紹介したいと思います。地震が起きて津波が来たとき、お父さんとお母さんは仕事をしていて、子供たちが津波の犠牲になって、お父さんが自宅のあったところに戻ったときには家は全部流され、そして、津波というのはすぐ全部水が引きませんので、津波が去った後も膝ぐらいまで水がずっと残っていて、一面水たまりになっているんです。自分の家があったところがどこかも分からないんです。でも、大体この辺りだろうというところの水たまりの中に入って。その後、原発事故もありました。幸い、南相馬市にはそんなに放射能が風向きで流れてきておりませんでしたが、その当時、そんなことは皆さん分かりませんでした。原発事故があって、すぐ近くの南相馬市ですから、放射能があるんじゃないか、そういうことで、すぐに救援の手は来なかったんです。行政の手は来なかったんです。ですから、お父さん一人で、そして駆け付けてくれた友人と数人で冷たい水の中に膝までつかって、そして、その辺りに落ちている棒切れで、子供たちの名前を呼びながら捜していました。ちょうど私がそこに到着をして、その光景を見たわけです。  時間になりました。質問を終わります。ありがとうございました。
  23. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。この復興特では初めて質問させていただきます。どうかよろしくお願いします。  復興関連の質問の前に、一つ、森友文書関連で吉野大臣に伺いたいと思いますけれども、佐川前局長の証人喚問から一週間たちました。相変わらず国民の見る目は非常に厳しいと思いますけれども、吉野大臣はこの事態の深刻さというのをどういうふうに認識していらっしゃるか、まずそれをお聞かせください。
  24. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 行政全体への信頼を失う行為であり、国民の皆様方から信頼を本当に失ってしまっていると極めて重く受け止めております。信頼回復のために政府全体で取り組む必要がある、このように考えております。
  25. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 もう一問だけ。  世論調査によりますと、大体四人に三人ぐらいの方が、証人喚問での佐川氏の説明が信用できない、納得できないと、こういうふうに答えているんですが、大臣は先週の佐川喚問をどういうふうに御覧になったのかということと、そして、その真相解明と再発防止に向けた取組ですね、とりわけ文書の改ざんであったりその隠蔽であったり、どういうふうに取り組まれるおつもりなのか、お聞かせください。
  26. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 現在、今回の事案の経過等を解明するために、財務省において徹底した調査が行われております。その解明を踏まえ、公文書管理の在り方について政府を挙げての見直しが行われるもの、このように承知をしているところです。  いずれにしても、復興庁においては適切な公文書の管理にしっかりと努めてまいります。
  27. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 分かりました。  それでは、復興関連の質問に入らせていただきます。  七年前の三月十一日、私は当時テレビ局に勤務をしておりまして、震災の一報を受けて、当時テレビに出る仕事をしていたものですからすぐスタジオに入りまして、ずうっと生放送で特別番組として伝えておりました。あの津波の第一波が襲った瞬間、あの宮古の漁港に備えられた情報カメラ、お天気カメラとも言いますけれども、そこに細い黒い帯が映りまして、その黒い帯がどんどんどんどん漁港の方に迫ってきまして、その黒い帯が白い帯となって、その帯がどんどんどんどん幅が広がって、漁港の施設をのみ込み、車そして全てのものをのみ込んだその瞬間を私は生放送で伝えておりました。今でもあのときの映像、あのときの衝撃は忘れられません。それは、あの三月十一日を経験した全ての人にとって共通する思いだったのではないかというふうに思います。  大臣、所信の中で復興は着実に進展しているというふうにおっしゃいました。確かに、外見的には、表向きはそうだろうとは思います。ただ、内実をつぶさに見てみますと、やっぱり理想と現実のギャップというのがどんどん広がってきている部分があるような気がしてしようがないんですね。  そこで、まず伺いたいんですが、高台移転、防災集団移転促進事業についてなんですけれども、被災三県についての事業の進捗状況、これはどういうふうになっていますでしょうか。
  28. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) お答えを申し上げます。  被災三県におきますかさ上げの土地区画整理事業のことかと思いますけれども、平成三十年二月末の時点で、計画戸数九千三百戸のうち約七一%が完成しているところでございます。  今後の見通しといたしましては、平成三十年度末には計画戸数の約九六%、三十二年度には全ての宅地が完成する見込みとなってございます。
  29. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今の御説明のように、ほぼかさ上げ事業自体は完成に近づいている、その面では着実だというふうに思います。  そのように、土地造成がほぼその完了に向かって進んでいる中で、土地区画整理事業で土地の利活用が決まらなくて、場所によっては、これ、広い空き地が出かねない状況だというふうにも聞いております。これは、先日の三月十一日前後の震災七年のいろんな番組とか、それから新聞の記事でもそういうことが大きくクローズアップされていました。  そこで伺いますけれども、整備はしたものの今のところ利用予定がない土地、これはどれぐらいあるんでしょうか。
  30. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) お答えいたします。  被災地における土地利用の促進を図るために行われております土地利用意向調査の結果に基づきますと、土地区画整理事業、五十の地区全体で約七六%の宅地が利用意向があるということとなってございます。
  31. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今、七六%は土地利用の意向があるということだったんですが、残りの二四%はどうなっていますでしょうか。
  32. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) お答えいたします。  残りでございますが、土地利用の意向がまだないというものが一七%、その他、まだ決められないですとかその他の項目が七%となってございます。
  33. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今御説明ありましたように、まだ四分の一は土地利用の意向がなかったり決まっていないということなんですね。土地利用の意向があるというその数字を見ても、時期がまだ決まっていない、時期未決定というのが四分の一あって、かなりの割合に上っているんですよね。  そこで伺いたいんですけれども、どうしてこういう状況になっているのか、その本来の計画、見通し自体が過大だったのではないかとも思われるんですけれども、いかがでしょうか。
  34. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 先ほどの意向調査の中におきまして、土地利用、土地所有者の方々に利用が進んでいないということについてお伺いしておりますけれども、その中では、現地ができ上がってこないと利用するかどうかが分からない、資金不足ですとか、町の生活環境が不明である、あるいは、かさ上げの状況や周囲の再建状況を見て判断をしていきたいと、そのようなことを伺ってございます。
  35. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今御説明ありました、その利活用がまだ決まっていない、様々理由はあると思います。実際にまだ土地ができていないので見てみないと分からないということもあると思うんですけれども、このままの状況で、もし仮にこれ土地利用意向がない土地というのがそのまま残ってしまった場合、それから計画が未決定のものが結局最後は決まらなかった場合は、これは空き地のままになってしまうわけですよね。場合によっては虫食いの土地がいろんなところでできてきてしまう。特に陸前高田などではまだ未決定の土地が相当数あるというふうに聞いていますけれども、こうした利活用の予定がない土地を空き地にしないためにどういうふうな方策を講じているんでしょうか。
  36. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) お答えをいたします。  先ほど来御指摘のとおり、区画整理事業では地区によっては利用が進んでいない状況にございますが、現在、市町村ではその土地利用を高めるために懸命に努力を始めている段階でございます。  先ほど申し上げました意向利用調査でどのような原因かと申し上げたとおり、周囲の再建状況を見てから判断したいと、そういった声もございますので、市町村におきましては、町の将来のイメージを提示するといったような取組でありますとか、利活用をしたい人、それから土地を提供したい人、そういう人同士のマッチングなどの取組も行われております。  国でも、このような利用の促進を図る取組を現地に直接出向いて助言をしたり様々な支援を行っておりますし、また具体的な土地利用に結び付く住まいの再建でありますとか産業、なりわいの再生、そういったところに対しましても様々な支援措置を動員いたしまして、支援をしているところでございます。
  37. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 その土地代の負担をできるだけ減らしてあげるというのも重要なことだと思うんですけど、例えば賃貸の場合、これ賃料の引下げとか、そういうようなことはできないんでしょうか。
  38. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 各市町村におきまして、独自の取組として賃料を安くすると、そういったような取組もされているということを伺っております。
  39. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 確かにこれ、自治体ではもう本当に必死になってこの土地の利活用というのをやっていらっしゃると思うんですけれども、これ国としても最大限後押しをしていただきたいというふうに思うんですね。  それともう一つ、こうした土地の利用に関しては官民連携による土地活用ニーズの掘り起こしというのが有効ではないかと、こういう報道が散見されました。実際に、官民連携で土地の利活用が進められている具体例があるというふうに聞いておりますけれども、そういうのがあれば教えていただきたいということと、そうしたその官民連携のための普及促進策、これについて伺いたいと思います。
  40. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 被災地におきましては、例えば防災集団移転事業の跡地、こういったところでは、特に市町村が買い取った公有地とそれから残っている民有地とがモザイク状に混在しているといったようなことがございますので、そういったところを支援するために復興庁としては、土地を交換した場合の登録免許税の免税措置でありますとか、あるいは具体的な土地利用計画をお立てになっておられるところには基盤整備の助成を行ってまいっておるところでございまして、そういった支援措置の結果としまして、公有地を集約した産業用地への企業の進出でありますとか民間事業者による農業施設の整備などの活用の事例もございますし、先ほどの税制について申し上げれば、先生御指摘の陸前高田市などでも活用が図られております。
  41. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 もう一つ、移転跡地の方の利活用なんですけれども、被災三県の市町村が被災者の皆様から買い取った沿岸部の土地、大体二千八十八ヘクタールぐらい、二千百ヘクタール弱ぐらいあるというふうに聞いているんですが、このうち、その利活用が固まっている土地の割合というのはどれぐらいあるんでしょうか。
  42. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 各県への聞き取りを行いました結果によりますと、買い取った土地の約六割で利用開始が図られております。そして、そのほかに、相当数の地区では利用計画の検討でありますとか土地利用ニーズの掘り起こしと、こういったことが進められてございます。
  43. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今ちょっと語尾がよく分からなかったんですけれども、六割が利用をもう既に開始しているという、そういう表現でしたかね。
  44. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 失礼いたしました。  六割で利用開始済みとなってございます。
  45. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 で、この跡地の利活用の、これは大ざっぱな数字だと思うんですけれども、公園、緑地、それから施設などの公共用地がほぼ七割、残りの三割ぐらいが企業誘致などの産業用地と、こういうふうに聞いているんですけれども、これでいいんでしょうか。
  46. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) ちょっと今、申し訳ございません、手元のデータでは、その割合についてはちょっと今持っておりません。
  47. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 これも七年の報道で、これ現地の新聞なんかがそうなんですけれども、企業誘致の方がなかなかやっぱり難しくて進んでいないと、こういう報道が散見されました。その企業誘致、確かに、これ一度浸水した土地でまたそこに事業を再建するというのは、これはこれで再建する側にとっても大変だというふうに思うんですけれども、こうした産業用地の企業誘致、これについて国として何らか対策考えていませんでしょうか。
  48. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。  防集移転跡地を含む被災地への企業立地ということに対して、国は手厚い支援策を用意してございます。具体的には、工場や設備の新増設に対しまして、企業立地補助金によりその費用の一部を補助しております。また、復興特区の制度によりまして、設備投資や雇用等に係る税制上の特例、設備資金の借入れに対する利子補給といった金融上の特例が受けられるようになってございます。その他、求職者の雇入れあるいは住宅の費用に対する助成も行ってございます。  そして、こうした支援策につきまして、先般、復興大臣の方から、経済三団体のトップに対しまして会員企業への周知を要請するなど、企業に対する対外広報を行い、その活用を促しているところでございます。
  49. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 もう一つ、防集跡地が、さっき申し上げましたように公園、緑地として利用されるケースが多いということなんですけれども、基本的にこうした土地は、税収も賃料も発生しない、逆に維持管理にこれからどんどんお金が掛かっていく、こういう状況。  それで、岩手県が去年、用地未定の土地の維持管理費に対する国の財政支援というのを要望したというふうに思います。こうした自治体からの要望、土地の維持管理に関する、これは公園とか緑地として利用する予定のケースも含めてなんですけれども、これ、国として何らかの支援策というのは考えているんでしょうか。
  50. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) お答えをいたします。  被災地におきまして、公園、緑地といったものを含めまして、買い取った後の公有地の維持管理が負担となっているということについては承知いたしておりますが、公園、緑地の維持管理でありますとか、経常的な経費につきまして新たな助成措置を講ずることはなかなか課題が多いところでございます。  ただ、被災地市町村にお伺いいたしますと、移転跡地の問題は、いかに利用を促進していくかということが一番大きな御要望として私どもいただいてございますので、先ほど少し説明してしまいましたが、登録免許税の措置でございますとか基盤整備の支援と、そういったものを最大限活用いたしまして、しっかりと利用促進というものについて支援をしてまいっておるところでございます。
  51. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今の御説明いただきましたのは税制上の措置、これは確かに欠かせないと思います。それからマッチングですね、官民連携の話もありましたけれども、それは国として更にしっかり進めていただきたいというふうに思います。  もう一つ、災害公営住宅についてなんですけれども、こちらの方も、ほぼ計画戸数の建設が一〇〇%に近づいているという状況だと聞いています。一方で、入居希望者が減って空き部屋が、空き室が目立っているところも出始めているというふうに聞いています。これ、今後更に一層深刻な問題になるというふうに予想されていまして、ある予測によりますと、今後二十年で五〇%ぐらい空き室が出ると、こういう衝撃的な試算もあるようなんですね。こうした空き室の解消に向けた工夫というのが求められると思うんですけれども、具体的な対策というのは講じているんでしょうか。
  52. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 災害公営住宅につきましては、被災自治体において被災者の住まいの意向を踏まえまして整備を進めてきたところでございますが、御意向の変化、様々な御事情により入居を辞退されるケースなどもございまして、現時点では入居率は九四%となってございます。  今後も被災者の入居が見込まれない、そういった住居につきましては、自治体の判断によりまして被災者以外の方にも御入居をいただく、募集をいたしまして空き室を解消すると、そういった取組を既に自治体においては始めてございますので、復興庁としましても、そういった自治体の御相談に応じて支援をしてまいりたいと考えております。
  53. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 一般公営住宅と同じような扱いにやっぱりしていかざるを得ない部分というのもあると思うんですが、実際に特別家賃低減事業で三県で入居世帯七割ぐらいがこれ対象になっているという、こういう報道もございました。  入居六年目から、この事業、低減率が縮小して、五年間掛けて一般の公営住宅と同じ水準まで引き上げられていくと、こういう制度なんですよね。一部の自治体でこれもう既に独自の軽減措置で家賃を据え置く方針を決めたところもあるようなんですが、これ、国としてこの期限を延長するということはできないんでしょうか。
  54. 黒田憲司

    政府参考人(黒田憲司君) 東日本大震災の災害公営住宅の整備につきましては、激甚災害の場合と比べましても、整備費ですとか家賃低廉化のための補助、これを大幅に拡充をいたしまして自治体の負担軽減を図っているところでございます。したがいまして、自治体が今後も家賃の減免を継続して入居者の負担を引き続き軽減していくことは可能な状況となってございます。事実、今月から低所得者の家賃が上がる可能性のある自治体では全てそのような減免措置の継続が図られているところでございます。  したがいまして、復興庁としましては、今後とも家賃の減免ができると、そういったことについて自治体に丁寧な説明を行い、入居者の居住の安定が図られるように取り組んでまいります。  それから一点、先ほど、私、区画整理事業、官民連携の取組についての御支援のところで移転跡地に関する助成措置の内容をお答えしてしまいましたけれども、先生御指摘の官民連携の土地活用の問題につきましては、例えばランドバンク、そういった取組がございますので、そういった活動への支援も行っているところでございます。訂正させていただきます。
  55. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 それともう一つ、生活支援なんですけれども、災害援助資金、これ五百二十億ぐらいもう既に貸し付けられているそうなんですね。返済期間十三年、猶予期間六年ということで、震災から七年たって今年度から回収が本格化するわけですけれども、年金生活をされている方で返済が困難と見られる利用者の方が少なくないと言われています。実際に、阪神・淡路大震災では五十五億円がいまだ未回収だということだそうですけれども、こうした返済が難しい人への特例措置等、何らかの配慮が必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  56. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) お答えいたします。  災害援護資金につきましては、まず、返済につきまして、疾病、負傷などその他やむを得ない理由によりまして支払期日に償還金を支払うことが著しく困難になったと認められるときには、市町村判断によりまして支払を猶予することができることとなってございます。  また、東日本大震災の災害援護資金につきましては、最終支払期日から更に十年経過した後においてなお無資力等である場合に市町村が償還を免除できることとなってございます。  このような制度の運用につきまして市町村が債務者個々の事情を丁寧に勘案して適切に判断できますよう、関係県を通じまして市町村によくお伝えをしてまいりたいと考えてございます。
  57. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 時間が来ましたので、最後に吉野大臣に伺いたいんですけれども、所信の中で新しい東北の創造という言葉が最後の方に出てくるんですけれども、これ非常に漠然とした言葉、ただ、これ本当に大事なことだと思うんですよね。  今、本当に復興、正念場だというふうに思いますけれども、これを手短に、どういうことを具体的に意味、言わんとされているのか、それをお願いします。
  58. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) お答えします。  私も初めて新しい東北という言葉を聞いたとき、どういうことなんだろうというふうに思った一人でございます。  東日本大震災からの復興に当たっては、原状復帰にとどまらず、震災前から抱えている人口減少等の地域課題を解決し、活力と魅力あふれる地域の創造を目指すこととしております。
  59. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
  60. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 民進党の藤田幸久でございます。茨城県選出でございまして、大臣とはいつも常磐線でお世話になっております。  まず、復興特区における単独型の訪問リハビリ事業でございますけれども、これはお医者さんや看護師の確保が困難な被災地においては、療法士のみで訪問リハビリが行えると、非常に意義は大きいと思われております。復興庁として、この事業被災地において果たしてきた役割、効果についてどのように認識しているか、お答えをいただきたいと思います。
  61. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 訪問リハビリの特例は、震災後の医師不足に対処するため、病院等の綿密な連携により、病院等以外の事業者による訪問リハビリの実施を可能とするものでございます。岩手、宮城、福島の各県に十二事業所が開設され、介護を必要とする高齢者に対し、医師不足の中、在宅でのリハビリテーションを提供するという役割を適切に果たしているものでございます。
  62. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 二〇二〇年に、復興庁解体によりまして、訪問リハビリステーションを訪問看護ステーションに移行される方針だと伺っております。しかしながら、通常の訪問看護ステーションに移行するには人材の確保が大きな課題と思われます。実質的に事業を継続するのはなかなか難しいというふうに懸念されるわけであります。陸前高田市、大船渡市、気仙沼市などの被災自治体は、療法士のみで行える訪問リハビリ事業の継続を求めているというふうに伺っております。  現行法の適用する方法としての構造改革特区のメニューに載せられるように国はどのような支援とサポートができるのか、あるいは復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法もあると思われますが、政府の対応についてお伺いしたいと思います。
  63. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 訪問リハビリの特例の期限については、昨年一月に延長し、岩手県及び宮城県では平成三十二年三月末、福島県では平成三十三年三月末となっております。岩手県及び宮城県からは、現在の特例事業所の今後の運営形態について、訪問看護ステーションへの移行を含め検討中と聞いておるところです。  復興庁として、高齢者がサービスを継続的に受けられることが重要でございます。今後の復興特区の取扱いについては、計画策定主体である県、厚生労働省と相談をしてまいりたいと思っております。
  64. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 その最後の私の質問の、その復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法についてはいかがでしょうか。
  65. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 繰り返しになりますけど、復興特区の計画策定主体である県の意見を聞いて、必要に応じ厚生労働省等関係府省とも相談をしてまいりたいと思っています。
  66. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 東日本大震災におけるひたちなか海浜鉄道湊線というのがございました。それから、数年前の鬼怒川の決壊の際には、関東鉄道という鉄道が大きな被害を受けて、国民生活にも大きな障害が生じました。現在の制度の下では、被害を受けた路線の年間収入の一割以上の復興費用が掛かるという場合には国の補助の対象となっておりますけれども、年間収入の一割以下であれば対象外と紋切りのようになっているわけですが、収支は黒字であっても、復旧に大変大きな財政負担、急に必要になるわけですから、災害時の復旧復興に対する補助、これはほかのいろんな鉄道会社でもそうだったと聞いておりますけれども、この補充の拡充を検討すべきだろうと思いますけれども、その対策について国交省からお答えをいただきたいと思います。
  67. 秋本真利

    大臣政務官(秋本真利君) 鉄道事業は、営利を目的とする鉄道事業者により営まれるものでございますので、鉄道施設が災害により被害を受けた場合には自らの資力により復旧することを基本といたしております。しかしながら、経営が厳しく、鉄道事業者の資力のみでは復旧が著しく困難な場合につきましては、鉄道軌道整備法に基づきまして国が助成を行う制度もございます。  現在、黒字鉄道事業者赤字路線につきましては、一定の要件を満たす場合に助成することを可能とする鉄道軌道整備法の改正案が議員立法の形で検討されているというふうに聞いております。
  68. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 人ごとのように改正案と言うだけではなくて、営利とおっしゃいますけれども、被害を受けた場合に市民全体に影響が及ぶという意味では公益性が非常に強いと思いますので、そういう観点からの対応もお願いしたいと思っております。  それから、こういう中小のある意味では公共交通機関と思いますけれども、災害時における被害は非常に広い範囲に及ぶわけでございまして、安全輸送確保などの低下も生じるということが実際に起こるわけであります。したがいまして、復旧以外にも更なる安全対策のための費用負担が大きくなると思いますけれども、このような費用負担への対応策についてもお伺いしたいと思います。
  69. 秋本真利

    大臣政務官(秋本真利君) 鉄道の運行におきまして、安全の確保は極めて重要でございます。一方で、地域鉄道の中には、利用者の減少等により運営赤字が生じるなど厳しい経営状況に置かれ、安全確保のために必要な投資について事業者単独では困難な場合があることも承知しておるところでございます。  このため、国土交通省では、経営基盤の脆弱な地域鉄道事業者が行うレール、枕木、踏切などの安全性向上に必要な施設整備等につきまして支援を行っているところでございます。
  70. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、通信とかいうものについてはどうですか。あるいは警報機。
  71. 秋本真利

    大臣政務官(秋本真利君) 先ほど申し上げました制度につきましては、災害復旧を目的とするものではございませんけれども、先生の御地元の関東鉄道等におきましても、この制度を活用してレール、枕木、踏切等の支援を行ったところでございまして、また、対象設備につきましては、軌道改良、のり面固定、ATS等、こういったものにつきましても使えるということでございます。踏切等につきましても当然使えるわけでございます。
  72. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ありがとうございます。  こういう中小の公共交通機関からの復旧は、実際に経済負担が掛かるわけでございますので、実際には人件費とか人員の削減によって運営せざるを得ないと、そうやって持ちこたえているというふうに聞いております。したがいまして、更なる安全対策が劣化するということにもつながりかねないわけですから、復旧についてももっと手厚い支援を検討すべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
  73. 秋本真利

    大臣政務官(秋本真利君) これまでも鉄道軌道整備法に基づく国の助成制度により災害復旧の支援を行ってきたところでございますが、例えば東日本大震災や熊本地震につきましては、その被害の甚大さに鑑み、復旧後の鉄道施設を公的主体が保有すること等を条件として特別な支援制度を設けるなど、必要な対応を行ってきたところでございます。  引き続き、鉄道軌道整備法に基づく助成制度の活用を基本としつつ、経営や被害の状況をしっかりと把握いたしまして、被災地域のニーズ等を踏まえ、被災した鉄道の早期の復旧を今後とも支援してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  74. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。これ茨城県の新聞でございますけれども、東日本大震災の影響で原木シイタケの生産者が事故前の半数に落ち込んでいると、それから、国の出荷制限や県の出荷自粛制限が解除されていない生産者が百人もいるという記事でございます。解除が進んだ後も実は栽培用の原木が不足している、結局、関東では取れないので、高知とか遠くから取り寄せるために価格が高騰していると。それが二枚目の資料で、これだけ随分価格が上がっているということでございます。  原発事故による出荷の自粛が続いている期間は、この掛かり増し費用の損害賠償支払があるわけですが、これを継続していただかないとこれは大変なことになると思っておりますけれども、政府の対応を、これは経産省ですか、お伺いしたいと思います。
  75. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  原木シイタケの生産者の方々に対しまして東京電力では、逸失利益ですとか、今御指摘いただきました原木の調達に関して追加的に負担をいたしました費用等を賠償しているところでございます。  原木シイタケ等を含みます農林業に対する賠償につきましては、平成二十八年十二月に閣議決定をいたしました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針におきまして、損害がある限り賠償するという方針の下で、農林業の風評被害が当面は継続する可能性が高いという認識に基づきまして、引き続き適切な賠償を行うよう、東京電力に対して指導を行うという国の方針を明確にしているところでございます。  経済産業省といたしましては、東京電力がこうした政府の方針に沿って農林業関係者の方々の御意見を真摯に踏まえて適切な賠償を行っていくように、引き続きしっかりと指導してまいりたいと考えております。
  76. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 同様に、この原木シイタケ関連の政府からの補助事業、これは農水省関係だろうと思いますが、これも継続する方向なのか、その確認をしていただきたいと思います。
  77. 渡邊毅

    政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。  シイタケ栽培の原木につきましては、先生御指摘のとおり、原発事故によりまして東日本の広範囲に放射性物質の影響が発生をした関係で、特に福島県がキノコの原木であるコナラの主要な供給県だったことから、全国的にコナラの原木が不足をしているという状況でございます。そういう状況を反映して、先生御指摘のとおり、栽培用の原木価格は震災前の平成二十二年に比べて全国平均で一・二倍から一・三倍の価格に上昇をしていると。  こういう状況を踏まえまして、国では、平成二十五年度予算から復興予算におきまして、被災地における原木シイタケの生産継続に向けて、原発事故前の原木価格の二分の一相当額の経費などにつきまして助成を行っているということで、本年度予算についても同様の措置を講じているところでございます。  今後とも、原木シイタケを始めとした特用林産物の生産継続に向けて必要な支援を講ずるよう、検討してまいりたいと考えております。
  78. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 三枚目から資料を何枚か付けておりますけれども、昨年、この委員会質問したテーマでございます。天理教災害救援ひのきしん隊という百二十年以上の経験のある日本最大の民間災害支援組織があります。この部隊のすごいところは、全部機材を持っているんですね、ダンプカー、パワーショベル、クレーン車、給水車。衣食住も自己完結です。炊事設備、医療活動、給水支援、宿泊場所まで確保していると。明治二十四年の濃尾地震、関東大震災、阪神・淡路大震災、そして七年前の東日本大震災でも三万人以上の方々が出動されたと。  ただ、この存在が政府や都道府県全体で余り知られていないという実態があります。資料にもありますように、陸前高田の戸羽市長、東松島の阿部市長、阿蘇市の佐藤市長など、支援を受けた市ではこの部隊がすごいということが分かるわけですが、事前にこういうことを、部隊があるということを知っているかが非常に重要なわけです。  昨年、この委員会でこの点を取り上げましたところ、今村雅弘復興担当大臣理解をいただき、政府がこの活動を研究し、連携を図っていきたいということで動いてこられたと聞いておりますけれども、どのような対応を取ってこられたのか、お答えをいただきたいと思います。
  79. あかま二郎

    ○副大臣(あかま二郎君) 先生御指摘のとおり、天理教の災害救援隊でありますひのきしん隊、大変な高い技術力、また自己完結型の救援活動を行っているということでございます。  まず、災害時重要なのは、行政と民間の支援団体との連携、これが重要でございます。一昨年の熊本地震を例に取りますると、熊本地震・支援団体火の国会議、またさらには、昨年の九州北部豪雨における情報共有会議、これらによって、行政とNPOとの連携、情報共有、これが図られました。今先生の御質疑の中にあります天理教の災害救援隊もこれらに参加をして、こうした連携の輪の中で行政や他の支援団体との連携をした支援活動が繰り広げられたと承知しております。  内閣府といたしまして、一昨年に防災基本計画を改定をし、行政とNPO等との連携について規定をしたところでございますけれども、今後もNPO等が効率的な活動ができるよう、環境整備、これに努めてまいりたいと思っています。
  80. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 吉野大臣、通告していないことでございますが、昨今、自衛隊のイラク、スーダンの日報問題が話題になっております。日報問題が出てきたそのファイルが、教訓業務、つまり経験を生かすためにこの記録を取っていた日報です。  そうすると、今回の災害においても、私はそういう日報のような、各省庁が何をやっていたか記録が非常に重要で、まさに教訓を生かすという意味では、自衛隊も日報を作ったように、災害関係も各省庁の日報的な記録が重要じゃないかと思っておりますが、この政府の公文書という観点も含めて、災害関係の日報的な業務、記録についてどう取り組むべきかについて見解をいただきたいと思います。
  81. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) おっしゃるとおり、災害への、災害は必ずやってくるものでございますので、教訓等々をきちんと残すこと、これは本当に大事なことだ、このように認識をしているところです。  日報といっても、なかなか、各最前線の地方自治体等々が現場で向かっているわけでございますので、復興庁としては公文書の管理はきちんとやっているわけでございますので、それらを踏まえながら、教訓がどうできるか、それをこれから検討していきたい、このように考えています。
  82. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 是非、記録を提出をしていただきたいと、そういったものを検討していただきたいと、それを是非委員会の方にも報告いただくように委員長に取り計らいをお願いしたいと思いますが。
  83. 江島潔

    委員長江島潔君) ただいまの件に関しましては、後刻また理事会にて協議をいたします。
  84. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 最後に、大臣の後輩に佐川さんという方がいらっしゃいます。いわきの出身です。そして、復興大臣の平野さんのときに復興庁で大変活躍をされました。大変当時は復興庁で頑張られました。その佐川さんが今ああいう状況に置かれ、私非常に残念であります。真面目な人です。恐らく何かを抱えていらっしゃる。  私は、佐川さんが、ああいう真面目な人がいろんなことについてはっきり物をおっしゃっていただいて、そして郷土の後輩として、そういうことが私は重要だと思いますが、何かコメントがあれば大臣からいただきたいと思います。
  85. 江島潔

    委員長江島潔君) 吉野大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
  86. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 佐川氏は同じいわき市生まれでございます。中学校も高校も違うわけでございまして、ただ、いわき市出身ということで、本当に今度の事件が起きる前は復興庁にも御尽力をいただいた方で、すばらしい、私のいわゆる大きな意味での後輩がいるんだな、こんな思いで思っておりました。
  87. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 終わらせてもらいます。ありがとうございました。
  88. 三浦信祐

    三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  東日本大震災発災より八年目となります。改めて、お亡くなりになられた方へ哀悼の誠をささげるとともに、被災された皆様方、また、いまだふるさとへ戻れず、望郷の念と将来への不安を抱えておられる方もたくさんおられます。改めてお見舞いを申し上げたいと思います。我々は仕事で皆さんにお応えを必ずしていかなければいけないと思います。  その上で、初めに、復興、生活再建の前提となる除染について伺います。  先月、本委員会委員派遣に参加をさせていただきました。そして、福島県を視察させていただきました。バスの車窓から、除染土が入っている数多くのフレコンバッグを見ることができました。各地域で除染の進展を感じるとともに、今後、除染土の処理の必要性も痛感をいたしました。  各地域で除染をしていく、この結果、今どのようになっているのか。また、帰還困難区域の除染の対応について、特定復興再生拠点区域も指定されている中、今後どのようになってくるのか、御答弁いただければと思います。
  89. 縄田正

    政府参考人(縄田正君) お答えいたします。  除染につきましては、本年三月に帰還困難区域を除き、除染特別地域及び汚染状況重点調査地域、合わせまして八県百市町村における全ての面的除染を完了いたしました。また、このうち帰還困難区域につきましては、福島復興再生特別措置法に基づきまして、現時点で四つの町で復興再生計画が認定されております。環境省といたしましては、これらの計画に沿って家屋等の解体、除染を順次開始してございます。  引き続き、関係省庁、地元の市町村皆様方、地元の方々と連携しつつ、しっかりと役割を果たしてまいりたいと考えております。
  90. 三浦信祐

    三浦信祐君 住民の皆さんは、除染をしっかりされているということを信じています。一方で、時には不安を感じておられるところもあると思いますので、柔軟に今後も対応していただきたいと思います。  次に、被災自治体の職員派遣継続について伺います。  被災した自治体は、いわゆる一般業務のみならず、被災者への細部にわたるケア、避難先との連携、帰還準備をされている方への対応、事業者への相談や支援、従来環境とは異なる医療介護、子育てへの取組等、業務過多の状態が続いております。これまで、国のみならず全国多くの自治体から職員派遣という具体的支援を全国でしていただいています。そして、派遣された職員の方々は、地元の一員となって業務を一緒になって行っていただいております。しかし、帰還困難区域の継続と復興支援拠点が指定される等、復興へ向けて日々変化の連続であり、業務量がむしろ増えていくことも予想をされます。  復興なくして日本の再生なし、今後も、被災自治体への国及び全国ほかの自治体からの職員派遣の継続、また、引き続いて大臣も筆頭になってやっていただいていますけれども、支援依頼を全国にお願いをしていただく。加えて、職員受入れ経費の支援継続を強く求めていきたいと思います。  吉野大臣、いかがでしょうか。
  91. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 被災自治体のマンパワー確保は、引き続き非常に重要な課題と認識をしております。そのため、全国の自治体からの職員派遣や被災自治体による任期付職員の採用等に要する経費については、引き続き全額国費で支援をしております。また、全国知事会等、様々な機会を通じて職員派遣の継続、協力の要請や任期付職員採用の支援を行っているところでございます。加えて、復興庁でも、一般公募によって採用した国家公務員の非常勤職員等を被災自治体、被災市町村に駐在させ、人材確保に努力をしているところです。  今後とも、総務省等の関係省庁や県等とも連携し、様々な形で地域の実情に応じた人材確保に取り組んでまいる所存でございます。
  92. 三浦信祐

    三浦信祐君 大臣、引き続き先頭に立って確保と予算支援、また人材の、そこで得られた知見をちゃんと引き継いでいっていただける体制も取っていただきたいというふうに思います。  被災三県の復興再生へ、中長期的な対応の必要性は増しております。避難先からの帰還支援帰還された方への生活支援の継続、高齢化社会への対応、なりわいの再生と新たな事業創出、農業支援と販路拡大、風評被害打破への継続的取組復興道路、復興支援道路等を含めたインフラの整備、福島では、安全な生活環境のための除染と中間貯蔵施設の安全管理と拡充、そして戦略的に進める福島イノベーション・コースト構想の進展と人材育成、列記しただけでもまだまだ足りないと思いますけれども、省庁横断、人的支援必要性が皆さんに分かっていただけると思います。  全ての事業を円滑に、そして効果を生み出すためには、司令塔の役割を担ってきた復興庁の存在というのは欠かすことはできません。復興・創生期間の終了は、法的に復興庁の終局を意味しております。しかし、このままで本当にいいんでしょうか。被災地選出の大臣であればこそ、また本委員会委員全ての方々も、復興庁を継続すべし、復興庁の役割に代わる機関は不可欠との思いは一つではないでしょうか。  吉野大臣復興庁の継続、機能、役割の継続、実現へ向けて先頭に立っていただけませんでしょうか。
  93. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 地震・津波被災地域については、生活に密着したインフラの復旧や住まいの再建はおおむね完了するなど、復興は着実に進んでおります。復興・創生期間に復興をやり遂げるという決意の下、復興事業に、復興事業の加速化にまずは全力を尽くしていく、そういう決意でございます。  一方、復興のステージの進展に伴い、地域や個人が抱える課題は細分化してきております。これらに適切に対応していくことが重要でございます。そのため、避難生活の長期化に伴う心身のケア等、地域や被災者のニーズにきめ細かく対応していく考えでございます。また、委員おっしゃったように、帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備など、福島の原子力災害被災地域復興再生には中長期的な対応が必要であり、国が前面に立って取り組む必要があるというふうに考えております。  このような観点から、復興施策の進捗状況等を踏まえながら、復興・創生期間以降の復興の進め方を検討してまいりたい、このように考えております。
  94. 三浦信祐

    三浦信祐君 心の復興、それが本当の復興であります。どうか、制度の問題だけではなく、その思いが伝わるような支援をしっかり今後も継続をしていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  少し飛ばさせていただきます。イノベーション・コースト構想の中でも、特にロボット、ドローン関係について伺います。  ロボットテストフィールドの建設が始まっていると承知をいたしております。ここから世界最先端の技術が生まれる、新たな産業が創出をされる、そして、人材が陸続と集い輩出をされていくこと、一つ一つ現実にしていかなければなりません。  その上で、テストフィールドを軸とした先端技術の集積への取組はどのようになっていくのでしょうか。周辺に企業が立地、集積することとともに、起業しやすい環境整備も併せることで、世界に誇るべきテストフィールドの可能性が存分に発揮されると私は思います。このロボットテストフィールドの完成を待つのではなく、ビジョンを持って企業集積支援を行って新たな企業創出を行っていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  95. 上田洋二

    政府参考人(上田洋二君) お答え申し上げます。  福島ロボットテストフィールドは、様々な分野のロボットやドローンの実証試験と性能評価が一か所でできる世界に類を見ない拠点であるということでございます。政府一丸となってこの施設の整備に取り組んできたところでありまして、この夏にはいよいよその一部が開所をするということになっております。  この福島ロボットテストフィールドも利用して開催される二〇二〇年のワールドロボットサミットでは、国内外から最先端のロボット技術が集まるものでありまして、この機会も利用して、福島にロボット産業の集積を是非図っていきたいという具合に考えております。そのために、福島ロボットテストフィールドを活用する企業の立地でありますとか研究開発、あるいは地元企業のロボット、ドローン産業への参画の促進、これを強力に今支援をしていく所存でございます。  具体的には、ロボット、ドローン等の分野で実用化開発に挑戦する地元の企業向けの資金支援でありますとか、官民合同チームと連携した地元企業のシーズと進出企業のニーズのマッチング支援、さらには、福島県や南相馬市等の地元自治体と連携した人材育成でありますとか、ロボットセミナー等による情報発信というところに取り組んでいくところでございます。  今後は、この四月から体制強化された福島イノベーション・コースト構想推進機構とも連携をしまして、ロボット、ドローン関係の先端技術の集積をしっかり進めていきたいというように思っております。
  96. 三浦信祐

    三浦信祐君 フィールドのそばに企業がこれだけ進出をしてくださった。そして、人も集まってきた。これが一番見える化になりますから、一方的に宣伝をするのではなくて、本当に泥まみれになる覚悟で一緒になって我々も応援していきたいと思いますので、是非、目に見えるように進展をしていくように頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。  昨年の決算委員会にて、ロボットテストフィールドの活用に関連して、ワールドロボットコンテスト等、世界から多くのロボット技術者が集まって競技大会を開催してはと提案をさせていただきました。これに対して、二〇二〇年にワールドロボットサミットが開催される、成功へ尽力する旨の答弁をいただきました。今し方も触れていただきました。これはまたとない機会であり、成功へ国を挙げて取り組むべきです。加えて、これをスタートとして、定期的開催、大会の質の向上と参加人員増加を目指し続けていくことをしっかりと今のうちから決めて進んでいくことが私は大事だと思います。  ワールドロボットサミットの現状の準備状況、また課題についても伺いたいと思います。
  97. 平木大作

    大臣政務官(平木大作君) ワールドロボットサミットは、高度なロボット技術を内外から我が国に結集をいたしまして、ロボットの研究開発や、あるいは社会実装、これを加速化するための国際大会でございます。今委員から御紹介もいただきましたとおり、二〇二〇年には、福島ロボットテストフィールドにおきましてワールドロボットサミットの一部の競技を実施することが既に決まっております。  この二〇二〇年本大会に向けまして、今年の十月にはプレ大会を東京で開催することとなっております。このプレ大会、参加を募りましたところ、本年の一月から三月までのこの募集期間の間に、アメリカ、ドイツ、中国など二十三か国・地域から、二百四十九のチームから既に応募をいただいたところでございます。現在、参加チームの選定に取り組んでおります。  また、今年の三月には、南相馬市におきまして、一部競技についての運営などを実地で試行するトライアルを実施をいたしました。このトライアルで見付かりました、例えば競技の順番、スケジューリングですとか、あるいは一般の方が見ていて分かりやすい解説の仕方、あるいは見に来ていただいた方に盛り上がっていただくための工夫、こういった課題が今見付かっておりますので、こういったところをしっかりと課題をクリアをいたしましてプレ大会の運営にも生かしていきたいというふうに考えております。  今後、福島県ほか開催自治体などともしっかりと連携をいたしまして、国内外の幅広い層に対して広報活動を行い、円滑な競技運営のための準備を加速化いたしまして、二〇一八年、本年のプレ大会、そして二〇二〇年、本大会、成功に導いていきたいと考えております。
  98. 三浦信祐

    三浦信祐君 もう是非、子供さんがみんな見ていますから、本当にここは世界の一番の場所なんだと、携わっていただいている方も是非誇りを持って、そして世界で一番の大会にしていくんだ、オリンピックまで昇格するんだというぐらい是非ロマンを持って取り組んでいただきたいというふうに思います。  その上で、ハードの整備のみならずソフトの構築、多面的充実がイノベーション・コースト構想成功の鍵だと私は思います。福島復興特措法に盛り込まれた特許取得への経済支援だけでなく、知財マネジメントの充実、いわゆる知財特区のようなところまで引き上げることで、中小企業の活力、世界からの企業人材集積を、集結を図ることもできると考えます。試験や機会の提供のみならず、マネジメント自体を求めて企業人材が集まるのが福島イノベーション・コースト構想だと言われるように、知財の集積、将来的には知財特区まで進めることも検討していただきたいと思います。具体的取組について伺います。
  99. 小山智

    政府参考人(小山智君) お答えいたします。  福島浜通りの新産業創出を目指す福島イノベーション・コースト構想は、今御指摘のありましたとおり、復興の重要な鍵であり、その実現のためには地元中小企業のチャレンジや新たな中小企業の誘致を後押しすることが不可欠と私たちも認識しております。  議員御指摘のとおり、研究開発により生まれた知財につきましては、それをいかにうまくマネジメントしていくか、いかに活用していくかということが重要であります。そのため、特許庁としましても、福島県内の知財総合支援窓口を通じまして、中小企業の知財に関する悩みや相談にワンストップで対応し、窓口でのアドバイスや専門家派遣などの支援を無料で行っているところであります。  具体的な支援内容につきましては、弁理士、弁護士等の専門家によるオープン・クローズ戦略やブランド育成、販売戦略、知財に関する契約についてのアドバイスなど知財のマネジメントに関する総合的な支援を行っております。相談実績は、既に二十八年度、二十九年度とも千五百件を超えると、こういう状況になっております。  また、私たちも東北経済産業局、福島県とも協議を重ねてきておりますが、福島県におきましては、今お話のあったロボット、さらに医療、再生可能エネルギー関連産業などが有望であるということでありますので、これらの分野の知財取得、活用について重点的に支援していきたいと考えております。  今お話のありました現在通常国会に提出しております特許法改正につきまして、福島イノベーション・コースト構想を推進する中小企業に対しましては、特許料を現在の二分の一から来年の四月に四分の一まで引き下げることとしておりますが、今申し上げました支援も相まって、特許庁としても、今後とも福島イノベーション・コースト構想を知財の面から一層しっかりと後押ししてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  100. 三浦信祐

    三浦信祐君 是非しっかり進めていただきたいと思います。  次に、福島第一原発の廃炉の状況について伺います。  廃炉計画へのロードマップに対して現状どのように進展をしている状況なのか。また、浮き彫りとなっている課題は何か。国民の皆様が、また被災者の皆様がよく分かるように御説明をいただければと思います。
  101. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策は、中長期ロードマップに基づきまして国も前面に立って安全かつ着実に進めてきているところでございます。  廃炉対策につきましては、これまで二号機、三号機の調査で燃料デブリの可能性があるものを確認するなど、画像あるいは線量等の多くのデータを、内部のデータを収集しておりまして、燃料デブリの取り出しに向けて炉内状況の把握が着実に進展してきております。  今後、二〇二一年内の燃料デブリの取り出し開始というスケジュールに向けまして、更なる内部調査ですとか、あるいは取り出しのときの放射性物質の閉じ込め方法の確立といった研究開発を行うこととしております。  汚染水対策につきましては、サブドレーンと呼ばれます地下水のくみ上げ井戸の能力の強化、口径の拡大ですとか浄化設備の二系列化等々を進めておりますし、また凍土壁が完成しまして効果が発現するなど、予防的、重層的な対策が着実に進んでおります。これらによりまして、汚染水発生量も、対策前の一日当たり約五百トン発生しておりましたが、これが約二百トンまで大幅に減少してきておりまして、対策の効果が着実に現れてきていると認識しております。引き続き、この汚染水対策に向けても、雨水の対応など必要な対策に取り組んでまいります。  これ、今後ともまた予測の難しい困難な作業が発生するということも想定されますけれども、ロードマップに基づきまして、安全確保を最優先、リスクの低減重視という姿勢を堅持しながら、地域社会とのコミュニケーションを一層強化しつつ、廃炉・汚染水対策をしっかりと着実に進めてまいる所存でございます。
  102. 三浦信祐

    三浦信祐君 国民の皆さんは、本当に現実的に廃炉が進んでいるかという情報に触れることがまずは安心の入口だと思います。一方で、都合の悪いことだってしっかりとお伝えいただくことの方が、それも安心に関わってくると思います。そこから新しい能力が生まれたり、そこに挑戦をしてこの国を守っていこうという若者も出てくると思います。是非、積極的に広報をしていただきたいと思います。廃炉へ向けた着実かつ確実な進展を我々もしっかり全力と応援をさせていただきたいと思います。  さて、御答弁の中にありました汚染水対策、これも生活再生や漁業者への不安要素となってまいります。ALPS処理水の処分方法について、今後どのように進めていくのか、検討状況を伺いたいと思います。その上で、技術の進展も促進することを踏まえつつ、一刻も早い対応が必要だと思います。いずれにしましても、風評への影響も考慮した処分方法を検討をすべきだと私は思います。いかがでしょうか。
  103. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  御指摘いただきましたALPS処理水の処分につきましては、その長期的な扱いの決定に向けまして、風評被害などの社会的な観点を含めた総合的な議論が極めて必要でございます。このため、現在、国の小委員会におきまして、風評被害に関する専門家あるいは福島県など御地元の御意見を丁寧に伺っているところでございます。  このALPSでの処理水を処分するということになりますと、安全性に関して要求される規制基準を満たした上で処分するということになりますが、しかし一方で、どのような方法で処分するといたしましても風評被害を生じる可能性があると指摘をされておりますので、そうした中で処分を見据えた適切な風評対策が極めて重要になってまいります。  まずは、どういった風評対策が必要なのかなど、風評被害やリスクコミュニケーションの問題も含めまして国の小委員会において議論を尽くすことが極めて重要でございまして、引き続きしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
  104. 三浦信祐

    三浦信祐君 現場の声も聞き続けていただくとともに、一番いい方法を見出していければなというふうに思います。  段階的に進む廃炉処理で生じている廃炉技術のニーズとシーズのマッチングについて、現状の状況と具体例について伺いたいと思います。  ニーズとシーズの整理は、IRIDや東京電力中心となって一つ一つ取り組んでいると思います。しかし、全国にはいまだ活用されていない技術もあることがもう予想には難くありません。また、最終製品状態だけでの判断ではなくて、部品製造、性能検討時点や設計段階からもシーズの掘り起こしを起こしていくことも重要だと思います。これらについて、国としても関わっていく責任を持って進めていくべきだと思います。その上で、どこがどのようにこれらのニーズ、シーズの掘り起こしを担ってつないでいくのか、明確にしておく必要もあると思います。  総合的な質問でありますけれども、是非御答弁いただければと思います。
  105. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、世界的にも前例のない困難な取組でございますので、この廃炉におきましては、ニーズの発信、シーズの洗い出しを行いながらマッチングを行っていくということが非常に重要でございます。  まず、この原子炉の設置主体でございます東京電力におきましては、具体的なニーズをホームページを活用いたしまして国内外から技術や知見を広く募集するという取組を既に行っておりまして、実際に数十社から提案があったと伺っております。また、技術のシーズにつきましても、日本原子力研究開発機構におきまして、将来的なニーズを念頭に置いた上で、大学あるいは研究機関が進める技術の研究の中から将来的にマッチングにつながるようなシーズの洗い出しを行っております。  さらに、こうした個別の取組が一体となって効果的に進められることが非常に重要でございまして、現在、原子力損害賠償・廃炉等支援機構におきまして研究開発連携会議というのを設置しております。ここで、東京電力、メーカー、研究機関、有識者等々が一堂に会しまして、マッチングを促進するに当たっての課題、対応策について検討を行い、実行を進めてございます。実際に、マッチングの結果として六つの重要研究課題を抽出して、その上で、それぞれ研究開発に進める段階に移行してございます。  今後とも、本日の御指摘も踏まえまして、ニーズとシーズのマッチングをしっかりと行いながら、廃炉・汚染水対策に全力で取り組んでまいりたいと思います。
  106. 三浦信祐

    三浦信祐君 是非、大手企業の皆さんの能力は本当に高いものがあります。一方で、中小企業の活力、能力、かなりありますので、是非、網羅的にしっかりと技術のニーズ、シーズをしっかり取り込んでいけるように体制を整えていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  107. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  東日本大震災東京電力福島原発事故から七年がたちました。引き続き被災者の生活となりわいの復興支援することが必要であるということは当然ですけれども、七年たって、更に充実させる事業もあれば、事業の打切りによって新たに苦難になっていることもあります。  例えば、復興公営住宅の家賃が六年目から段階的に引き上がる、あるいは収入超過者の家賃が高額になる問題ですとか、公的補助を活用したために仮設住宅に入れなかった在宅被災者の問題もあります。災害援護資金、この返済が始まりますので、生活への影響が心配されると。それから、なりわいの再生では、仮設施設、店舗の入居の期限が切れる問題があります。それから、固定資産税の減免が打ち切られたという問題もあります。  七年たって今まで行われてきた制度が打ち切られることが被災者に苦難を強いるものにならないかどうかということでは、大臣、この総合的な制度のチェックを行って、被災者に寄り添った対策を取ることが必要な時期に来ているのではないんでしょうか。
  108. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 東日本大震災から七年が経過し、地震・津波被災地域については、生活インフラの復旧や住まいの再建など、ハード面を中心復興は着実に進展をしております。復興・創生期間に復興をやり遂げるという決意の下、復興事業の加速化に全力をまずは尽くしていきたい、このように考えております。  原発事故で大きな被害を受けた福島については、帰還困難区域を除くほとんどの地域避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格的に始まっております。ふるさとへの帰還促進のため、介護サービス、医療提供体制の確保、子供たちの教育環境の整備、福島イノベーション・コースト構想の推進などに取り組んでまいります。  一方、復興のステージの進展に伴い地域や個人が抱える課題は細分化してきており、これらに適切に対応していくことが重要となっております。そのため、心のケアや被災者支援に携わる方々への支援、風評払拭のための放射線リスクに関する情報発信など、ソフト面の施策の充実を図り、地域や被災者のニーズにきめ細かく対応してまいります。  引き続き、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、被災地の実情を踏まえた施策の効果的な活用に配慮しつつ、被災地域復興を後押しをしてまいりたいと思っております。  また、総合的なチェックをすべきだというおただしでございます。  平成二十八年の三月に策定された復興の基本方針というのがございます。ここに、三年後を目途に必要な見直しを行うという規定が書かれております。二十八、二十九、三十、まさに今年度は見直しの始まる年でございますので、基本方針の見直しを行う予定でございますので、その際に復興施策の実施状況等を把握しながら所要の見直しを進めてまいる所存でございます。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 見直しの年に入るということでは、総合的に自治体における進捗状況も把握されるということをお答えいただきました。  そこで、今日は津波補助金についてお聞きをしたいと思います。  津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金、これは、東日本大震災によって被害を受けた津波浸水地域福島県を対象に、工場等の新増設を行う企業支援し、雇用の創出を通じて地域経済の活性化を図る補助金です。ポイントは、災害復旧ではなくて新増設と雇用の創出ということに説明を聞いています。  水産加工業などでもこれは活用されているわけですけれども、申請状況などを聞きましたら、申請数で八百七十一件、不採択数が二百二十九件だと。約二六%が不採択になっているんですね。なぜ四分の一もの事業者が不採択になっているのか、お答え願いたいと思います。
  110. 武藤容治

    ○副大臣武藤容治君) 先生から御質問いただきました、いわゆる津波補助金の件であります。今先生おっしゃっていただいたように、いわゆる工場の新増設、あるいはその雇用の創出というポイントがあります。  御指摘の不採択の実績につきましては、本補助金に関する事務手続を取り扱う事務局、これが、いわゆるみずほ情報総研に設置された外部有識者による第三者委員会において、投資計画の熟度ですとか、雇用創出効果ですとか、被災地への貢献度などの審査項目について審査をされた結果であると承知しております。  被災地復興の現場では、事業者にとって事業環境の不確実性が高い中で、例えば用地や雇用の確保等で困難な状況にあるのは私ども承知をしております。このため、審査の結果に、投資計画の熟度が低いなどの理由によりまして不採択となる事業が出てくるものと承知をしております。  他方で、本補助金につきましては、これまでの実績といたしまして、二百九十四件の交付決定を行い、三千七百五十四名の地元雇用を創出することとなっております。  被災地の迅速な復興に向けて、このような雇用創出の効果が期待できる本補助金を事業者により一層御理解、御活用いただくことが大事なことと思っております。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 まあ熟度が低いというのは、果たして全部そうなのかというのはちょっと疑問なんですが。  不採択数も多いんですけれども、驚いたのは辞退者が多いことなんですね。採択数で六百四十二件のうち辞退者数が二百八十一件もあるんです。約四三%の方が辞退されているんですね。それで、採択されても半分近くの方が辞退しているというのは、これちょっと多過ぎるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  112. 武藤容治

    ○副大臣武藤容治君) 紙委員の御指摘のとおり、本補助金の辞退数は今の数字のとおりであります。採択後に辞退される案件が結果的に多いと私も承知をしております。  本補助金の採択後の辞退につきましては、事務局が事業者に確認しているところによりますと、事業費の高騰等による事業計画の見直し、あるいは、用地交渉の不調ですとか資金不足による事業計画の変更、廃止などが主な理由だというふうに承知をしております。
  113. 紙智子

    ○紙智子君 それで、ちょっと復興大臣にお聞きしたいんですけれども、震災からの復旧復興支援するためにいろんな制度事業が活用されているわけです。今年に入って、本委員会において例えば二重ローンの対策法を延長したり、それからまた、水産庁は水産加工資金法を延長しました。  私、二月に岩手県に訪問して被災地の現状をお聞きしたんですけれども、例えば陸前高田市では、震災から再建した水産加工業者八社で二百五十人を雇用しているとか、そういう漁業者の経営や雇用に大きな役割を発揮しているというのもあるんですけれども、地域経済を活性化させるための支援というのは引き続きやっぱり大事だということを痛感しました。  ところが、津波補助金は、申請して採択されたのに今のお話のように辞退される方が二百八十一件もあると。これはやっぱり多過ぎるというように思うんですけど、いかがでしょうか。
  114. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 津波立地企業補助金については、ただいま経産省の答弁のとおり、事業者側の様々な事情によって一定数の辞退が生じているものと承知をしているところです。他方、本補助金は、被災地に雇用を生み地域経済を活性化させるための重要な施策と認識をしております。  私も今年に入り、経済三団体のトップに対して企業立地補助金等の支援施策を会員企業に周知していただくよう改めて要請をしたところでございます。今後もこうした支援施策の積極的な対外周知を図り、被災地に一社でも多くの企業が立地するよう取り組んでまいりたい、このように考えております。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 それで、ちょっと先ほどの続きなんですけど、津波浸水地域の補助率は、中小企業は二分の一から六分の一というふうに幅があるんですよね。辞退した業者から話を聞くと、補助率が二分の一だというふうに聞いて応募したんだけど、実際に蓋を開けてみたら四分の一だったと。それで、自己負担が二分の一と四分の一ということになるとこれ全然違うわけで、なぜ四分の一になったのかということは分からないんだと言うんですね。それで、二分の一を期待したのに四分の一ということになると、資金繰りが今度大変になるわけですよね。  補助金の目的というのは、工場等の新増設、雇用の創出のはずなんですけれども、四分の一になった理由を現場でどういうふうに説明されているんでしょうか。
  116. 田川和幸

    政府参考人(田川和幸君) お答えいたします。  先ほど武藤大臣から答弁ありましたように、採択後の辞退につきましては、事業費の高騰による事業計画の見直し、用地交渉の不調、あるいは資金不足による事業計画の変更などが主な要因であるというふうに承知をしております。  では、この補助率につきましては、採択される、私ども、この補助制度の内容につきましては、公募の開始後に複数回にわたりまして被災地及び東京で説明会を開催するほか、事業者に対しまして事務局が一対一で対応するなど、個別相談会での対応等を行っております。その中では、申請書の記載方法でございますとか、あるいは補助率等についてもきちんと丁寧に細かい説明を行っているところでございます。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 丁寧に説明していると言うんですけど、丁寧に説明されていないから分からないと、どうしてこうなるんだろうかといって辞退しなきゃいけなくなったわけですよ。  やっぱり郵送で通知しているだけで、一方的に言っているというだけでは、これ納得できないというように思うんですね。  それで、津波補助金の制度設計や審査体制、それから審査内容がどうなっているのかということをちょっと長くならないように端的に説明してください。
  118. 田川和幸

    政府参考人(田川和幸君) お答えいたします。  この補助金でございますけれども、被災地の雇用創出を通じた地域経済の活性化を図るという観点から、投資額に応じた一定の雇用の創出を主な要件としているところでございます。  まず、補助率につきまして幅を設定しているという趣旨でございますが、限られた予算の中で、審査の結果高い評価となった事業を重点的に支援するということで、復興を加速するという趣旨での制度設計でございます。  審査体制につきましては、事務局みずほ情報総研に設置をされ、財務会計あるいは企業立地等の分野に知見を有する外部有識者で構成される第三者委員会で審査を行っているところでございます。  この審査の内容につきましては、立地する県の知事から提出された意見書を踏まえまして、投資計画の熟度、雇用創出効果、被災地への貢献度等の審査項目について審査を行っているところでございます。  さらに、きちんとした事業者に対する説明、引き続き私ども取り組んでまいりたいと思います。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 津波補助金は、大震災で被害を受けた津波浸水地域支援する制度ということになっているんです。財源は税金ですよね。それで、津波補助金は、国が基金を造成して、一般社団法人地域デザインオフィスが民間事業者等に補助するという複雑なちょっと仕組みになっていると思います。審査は民間事業者の第三者委員会が行っていると今ちょっと説明ありましたけど、辞退した事業者は、国の制度なのに希望どおり支援されていないと、第三者委員会が審査しているようなんだけれども何が問題なのか分からないというふうに言っているんですね。  それで、宮城県議会が三月に、内閣と衆参議長宛てに津波補助金の改善を求める意見書を出しました。被災地は人手不足だと、補助金制度上の雇用要件の緩和が必要だとして、被災地の実情に合わせて、雇用要件の緩和を含めて審査基準の見直し、改善を求めているんですね。  それで、この審査内容、審査結果の透明性を図って、やっぱり事業者が納得できる仕組み、使い勝手の良い仕組みに改善すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  120. 武藤容治

    ○副大臣武藤容治君) 紙先生おっしゃるとおり、透明性は大変私も大事だというふうに思っております。  本補助金につきましては、先ほど復興大臣からもちょっと御答弁ありましたけれども、これまでの政策効果や被災地復興の状況をしっかりとこれを検証する必要がございまして、その上で、吉野復興大臣を始めとして関係省庁と連携をしまして、御指摘の点も踏まえて今後の在り方を議論していきたいというふうに考えております。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 津波補助金の申請期間が二〇一八年度の末ということなのでもうすぐなんですけど、この制度を使いたいと言っている業者もいます。意見書では、土地の区画整備が終わっていない地域があるので、本年度でこの制度が終わったら活用できないというふうに言う人もいるんですね。  津波補助金を延長するように求めたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。是非お願いしたいということなんですが。
  122. 武藤容治

    ○副大臣武藤容治君) 延長といいますか、先ほど申しましたとおり、吉野大臣を始めとして関係省庁と連携をしながら今後しっかりと詰めていきたいと、議論させていただきたいと思います。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 是非、事業者が困らないように、延長の方向でというか、検討いただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  124. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) まさに、一番ダメージを受けた地域が遅れているわけでございますので、これから十分経産省とも議論をして検討してまいりたい、このように思います。
  125. 紙智子

    ○紙智子君 前向きに、是非、いい方向に喜ばれるように検討していただきたいと思います。  最後、ちょっと自主避難者の問題もお聞きしたいと思います。  二〇一七年の三月末に自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られました。この問題は、先日、我が党の岩渕議員が詳しく質問いたしました。福島県と連携しながら、支援団体と意見交換を行うというふうに大臣答弁でも言われました。  昨年度、住宅の無償提供が打ち切られて以降、これ復興庁が行った新たな支援策というのはあるんでしょうか。復興庁が行った新たな支援策。
  126. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 復興庁として新たな支援策はございませんけれども、住宅打切りについて、福島県が独自の家賃補助制度、また住宅確保のための相談支援、これは福島県が主体的に行っているところですけど、そういう相談支援のところは、復興庁も一生懸命、県と一体となって今やっているところです。
  127. 紙智子

    ○紙智子君 だから、今までの答え方って、大体もう福島県がやっていることを復興庁としても応援するというやり方でしかないんですね。直接復興庁支援していないと、やってないということなんですよ。  やっぱり今回のこの東電福島原発事故の責任というのは、東電と国にその責任があるわけです。自主避難者への支援というのは、災害救助法の枠組みで行ったわけですけれども、事故が発生してから二年、三年ならともかく、五年、六年たってもやっぱり自治体任せにしてきていると。やっぱり新たな枠が必要だったんですよ。この災害救助法の枠組みでは限界があったわけで、国がやっぱり新たな制度をつくらなかったということが自主避難者に新たな苦難を強いているんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、その検証を是非行うべきだというふうに求めたいと思います。どうですか。
  128. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 私も、自主避難者の相談窓口が全国で二十六か所ございます、そのうちの約十八か所訪問をさせていただきました。そういう意味で、自主避難者の、支援する団体、NPO等々は生活再建をまずやってほしいという、そこのところに全力を尽くしておりますので、本当に全てのよろず相談でございますので、一生懸命やっている姿を見させていただいて、そこは福島県がやっている事業なんですけど、県も市も一体となってやっている。  そして、一番大事なのは、被災を受けた被災者自身の生活をどう再建していくかというところが一番大事なところで、国がやっている、県がやっているというところよりも、国と県が一体となって取り組んでいるというところが、私は、被災者が一番大事なんだという点が一番私にとっての大事なところというふうに認識をしておるところです。
  129. 紙智子

    ○紙智子君 時間になりましたので、是非自主避難者を支援する仕組みをつくっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。     ─────────────
  130. 江島潔

    委員長江島潔君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、古賀之士君が委員辞任され、その補欠として舟山康江君が選任されました。     ─────────────
  131. 清水貴之

    清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。どうぞよろしくお願いをいたします。  まずは、震災のその経験であったり教訓であったり、こういったものをどう受け継いでいくか、継承していくか、こういった視点から質問したいと思います。  東日本大震災から七年で、まだ復興の過程にある今の段階でその経験を継承する、こういった話をするのはもしかしたらまだ早いのかもしれませんけれども、でも、人の記憶というのはだんだんだんだんやっぱり薄れていってしまいます。そのときの様々なデータというのも、ほっといたらどっか行ってしまったり、失われてしまうこともあります。こういったことが起きる前にやっぱり経験というのは受け継いでいくことも必要ではないかなというふうに思っておりまして、そういった視点から質問をしたいと思います。  共同通信が少し前にこれまとめているものなんですけれども、岩手、宮城、福島の被災三県の四十二の市町村のうち、その検証作業ですね、当時の震災が起きたときの行政の対応ですとか市民がどういった避難行動を取った、こういった検証作業をしたというのが三十一でして、四分の一に当たる十一の市町村でそういった検証作業ができていないということなんです。  まず、大臣にお聞きします。  そういった検証作業をする必要性というのについてどのように考えられますでしょうか。
  132. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 東日本大震災については、政府では、発災後、中央防災会議の下で災害対応の検証や教訓の総括を行い、災害対策基本法等を改正し、防災対策の充実強化を図ったところでございます。  このように、震災対応について検証し、経験や教訓を後世に伝え生かしていくということは、大変重要であるというふうに考えております。  被災の状況など地域の実情にもよりますが、被災市町村におかれても、震災が発生した際の対応を検証し、教訓を得て後世に伝えていくことは大変有意義である、このように考えております。
  133. 清水貴之

    清水貴之君 今、中央では、政府ではそういうことをされていたと。一方で、その必要性を認めていただいたわけなんですが、ただ、やはりなぜ、じゃ十一の市町村でそういうことができていないかと。やっぱり人手が足りない、そういったところまで手が回らないというのが回答だそうです。もちろんそうだと思います。  やっぱり今は目の前にまだまだ復興でやらなければいけないことがもう山積している中で、そのデータをまとめたり、人々からいろいろ意見聞いてまとめる作業というのは大変な手間も掛かってしまうわけですね。ですから、やっぱり後回しになってしまっているところがあるわけですね。  そういった中で、じゃ、大臣おっしゃったとおり、どう進めていくかという問題なんですけど、いろいろなやり方があると思います。国から支援をするのか、人の手助けをするのか、自治体に任せて、これはもうちょっとしてからやってくださいというふうに言うのか、もういろんなやり方があると思いますが、ただ、やっぱりやるべきだというのはお認めいただいたので、どう進めていくかということを是非大臣お話聞かせていただけたらと思います。
  134. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) まだ検証作業をしていない自治体は、多分おっしゃるとおりマンパワーの不足の問題だというのは一番大きな原因だと思っていますので、そういう自治体に対してマンパワーの確保はこれは大事なことでございますので、マンパワーの確保に全力を尽くしていきたい、このように考えています。
  135. 清水貴之

    清水貴之君 私、選挙区兵庫県です。兵庫県では阪神・淡路大震災、今から二十三年前に発生をしました。その後なんですけれども、そういった震災の記憶を伝える人と未来防災センターというものが二〇〇二年にできました。非常に立派な建物、神戸の海側のところに建っておりますけれども、開館してから今まで六百万人の方が訪問してくださいまして、平日昼間など行きますと、本当に学生さんなんかが課外学習というんですかね、そういったもので来て、いろいろ学んで帰られている姿を目にします。  そこで、語り部の方、当時の経験を語る語り部の方々いらっしゃるんですが、ちょっと古いデータで三年前のデータになってしまうんですが、四十四人いらっしゃいまして、三人に二人がもう七十歳以上の方なんですね。これ、その地域、神戸、兵庫県でいいますと、震災後に生まれた人がもう二〇%ほどになっています。震災を体験していない住民というのも四割を超えているんですね。じゃ、こういった中で、先ほどお聞きしたのは、そういった検証作業の話です。次にお聞きしたいのは、そういった経験を、大分質問としては近くなってしまうのかもしれませんが、次世代にどうつないでいくかということについて考えをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  136. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 阪神・淡路は、もう二割の方が震災を経験していないということでございます。実は、私の孫も四月から小学校一年生になるんですけど、当時、孫はおなかの中にいたんです。ですから、東日本大震災でももう新一年生があの大災害を経験していない。我々は忘れようとしても忘れられない経験なんですけど、東日本大震災でもそうでございます。東日本大震災に係る経験、そして教訓の継承は、今後起こり得る大災害へ備える上で最も重要である、このように認識をしております。  今後、しかるべき時期に関係省庁や自治体と連携して政府部内で検討してまいりたい、このように考えています。
  137. 清水貴之

    清水貴之君 是非よろしくお願いいたします。  そして、次も阪神・淡路大震災のその御経験からになるんですが、孤独死、復興住宅などについてお一人で亡くなってしまわれる方々、独居死、孤独死の問題です。  阪神大震災の復興住宅では、二〇〇〇年から二〇一七年を調べますと一千人以上、一千二十七人の方がお一人で亡くなっているのが発見をされました。これ、東日本大震災復興住宅でも、これは読売新聞の調べになるんですが、去年一年間でそのような形で亡くなられた方は五十五人と、前年の二・五倍になっているということです。兵庫県内の災害復興住宅というのは、六十五歳以上の高齢化率、五〇%を超えています。一般の県営住宅の高齢化率が三〇・五%ですから、災害復興住宅の高齢化率というのは、その一般の住宅よりも二割も高くなっているわけですね。ということは、こういったことが、今後、東日本大震災災害復興住宅入られる被災した方の人数というのは阪神・淡路大震災より相当数多いわけですから、更にその人数も増えていく可能性、それはもう予測としてできることだというふうに思うんですね。  ですから、是非今から対策を取っていただきたいというふうに思うわけですが、こういったお一人で亡くなられてしまう方、若しくはコミュニティーを、もうお一人で生活していて、やっぱりなかなか周りになじめなくて、寂しい老後を送らなければいけない方々というのも多く阪神・淡路大震災では発生をしてしまいました。こういったことを是非なくすための対策、大臣、今からもうお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  138. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 仮設住宅から災害公営住宅等へ新たな住まいに転居された被災者の孤独死を防止する観点からも、孤立防止やコミュニティーづくりは大変重要なものである、このように認識をしております。このため、自治体と連携して被災者の見守りやコミュニティーの形成に向けた取組を実施をしております。  具体的には、災害公営住宅の入居者に対する生活相談員による見守り、相談の実施、そして新たに完成した災害公営住宅に入居する方を対象とした交流会の開催によるコミュニティーの形成など、自治体の取組支援しているところでございます。  特に、独り暮らしの方や高齢の方が人とのつながりをつくり、生きがいを持って暮らしていただけるよう、NPO等とも連携して心の復興を進めていくことが極めて重要でございます。  生きがいづくりということで、ある町なんですけど、男性の方がなかなか女性よりは表に出ないという傾向がございます。それで、羊を飼って、羊のお世話をしてもらう。羊ですから、もう一年に一遍は毛を刈って羊毛にするわけなんですけど、そういう生きがいづくりをしている町もございます。  関係自治体とも連携しながら、これらの活動がそれぞれの地域に更に根付き、被災者の孤立防止が図られるよう、復興庁としても今後しっかりと支援をしてまいる所存でございます。
  139. 清水貴之

    清水貴之君 今お話しいただいたとおり、入居した後にそういったコミュニティーをつくる、そういった見守りをする、こういう対策も必要ですし、これは大分されているというふうには聞いているんですけれども、その入る段階で、どこかばらばらに割り当てるのではなくて、それまで例えば一つの仮設住宅のそのエリアで住んでいた皆さんを同じように、もう一旦コミュニティーができているわけですから、元々住んでいた地域の皆さん、コミュニティーできているわけですから、是非その皆さんをまた同じような地域で生活していく、こういうことも、大臣、僕は大事じゃないかなというふうに思いますが、御意見ありましたら。
  140. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) せっかく仮設住宅でコミュニティー、仲間が、友達ができた、でも災害公営住宅に移るときは抽せんで行くものですからまた新たにコミュニティーをつくっていかねばならないという問題がございます。  ある町では、もう仮設に入るときから同じコミュニティーの方を一つの固まりの仮設住宅に移って、コミュニティーをずっと維持している町村もございますので、それは町村独自の考え方でやっていることですから、我々としては、新しいコミュニティーをつくらねばならないところへはきちんと支援をしてコミュニティーをつくっていただきたい、そういう支援を今しているところです。
  141. 清水貴之

    清水貴之君 大臣、もう一点なんですけれども、今これも兵庫県内で起きている問題、まさに今起きている問題なんですが、借り上げ復興住宅の二十年契約問題というのが起きています。  借り上げ復興住宅、自治体が費用負担をして二十年契約で住民の皆さんに入っていただいた、民間のところを借り上げて入っていただいたと。そのちょうど阪神・淡路大震災から二十三年なわけですから、入られた方のその二十年の契約がちょうど今満了する時期に来ているわけですね。市側、自治体側からすると、もう契約だからこれは立ち退いてください、ほかのところに移り住んでくださいということを言うわけです。住んでいる方からすると、いやいや、もうもうずっと住んだ場所なんだから離れたくないですということをおっしゃるわけですね。こういったことが実際に今もう裁判になってしまいまして、こういったことがニュースにもなっています。結果的に今どういうことが起きているかといいますと、裁判所の判断なども、二十年の契約期間というのもあるわけですから、もう立ち退いてください、出ていってくださいという、そういった判断を示されています。  私も筋としてはそうだなというのは分かるんです。市民の税金が投入されて借り上げている住宅ではありますし、そもそも二十年という期間を区切って入っていただいていたわけですから、立ち退いてくださいよというその判断はまあそうだろうなと分かるんです。その一方で、いや、その今まで住んでいたところでやっと二十年間掛けて、またコミュニティーの話になりますが、住んで仲間がたくさんできたところから急に出ていけと言われてもとか、もう高齢でほかに移るその元気も気力もないなんて方がいらっしゃってニュースに登場したりされるわけで、そうすると、すごくやっぱり悲しい、さみしい気持ちになるわけなんですね。ですから、この契約問題というのも東日本大震災でも僕は起きる可能性があるんではないかというふうに思っておりまして、そうならないためにやっぱり今から是非対策を取っていただきたいなというふうに思っています。  これ、事前に私レクを受けていないので、どういう今契約状況で、どういった民間のものを借りる、若しくは一般の方に貸し出す、どういった状況でやっているのか、つまびらかに知っているわけではないんですけれども、そういった対策を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  142. 山口敏彦

    政府参考人(山口敏彦君) お答えいたします。  東日本大震災における借り上げ公営住宅につきましては、今、石巻市において、昨年末時点で管理戸数が二百九戸、そのうち入居戸数が百八十九戸というふうに聞いてございます。石巻市におきましては、借り上げ公営住宅の入居時におきまして、それぞれの入居者に対しまして、借り上げ期間満了時までに転居又は退去する必要があること、その際には他の市営住宅への転居が可能であること、これを通知いたすとともに、この趣旨について十分に説明をした上で入居していただいているというふうに聞いてございます。  国土交通省といたしましては、入居者の居住の安定が図られますように、今後とも石巻市とよく連携をして考えてまいりたいというふうに考えております。  以上です。
  143. 清水貴之

    清水貴之君 今御説明いただいたとおり、きっちり説明はしてだとは思うんです。恐らく阪神・淡路大震災でもそうだったんじゃないかと思いますが、やっぱり時間がたつとなかなかその辺がうまくいかなくなったりトラブルのもとになったりする可能性があると思いますので、もう本当にこれは是非丁寧に丁寧にやっていただきたいなというふうに思います。  続いて、福島県に今ちょうど造っております大熊町と双葉町の中間貯蔵施設についてお聞きをしたいと思います。  用地の取得状況とか、これは大分進捗しているということですので質問飛ばさせていただいて、私がやっぱりここ一番聞きたいのは、これ三十年期間限定で福島県で中間貯蔵するという約束で運び込みが今進められています。期限、二〇一五年から始まっていますから、二〇四五年の三月までです。これをもう必ず私は、やっぱり福島県の方にこれだけ負担を掛けているわけですから、最終処分する、この約束を改めてしていただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  144. 武部新

    大臣政務官(武部新君) 除去土壌の最終処分につきましての御質問でございますが、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外最終処分を完了するために必要な措置を講ずる旨を定めております中間貯蔵・環境安全事業株式会社法にのっとりまして、国としてしっかりと取り組んでいくこととしております。
  145. 清水貴之

    清水貴之君 やっていただくんですが、ただ、じゃ、その後のことがやっぱりこれ決まっていないわけですね。じゃ、三十年後どうするのか。これ、福島県外に運び出さなければいけなくなるわけですが、最終処分場というのがめどが立っていません。まだまだ時間があるから、その間に技術が進展してとかいろいろあるのかもしれませんが、決めずにその約束だけしているというのは私はどうもやっぱり納得ができないところがあります。  最終処分に向けてどのように進めていくのか、聞かせてください。
  146. 縄田正

    政府参考人(縄田正君) お答えいたします。  環境省では、二〇一六年度に取りまとめました技術開発戦略、それから工程表に基づきまして、今現在、除去土壌の再生利用に関する実証事業を実施するなど、取組を着実に進めてございます。  この中で、まずは二〇二四年度を目標にいたしまして、技術開発の進捗状況や再生利用の将来見込みを踏まえます。最終処分の量、質を見極めた上で、最終処分場の構造、必要面積等について一定の見通しを立て、その後、最終処分の具体案を検討することとしております。当面、この工程表に沿った取組を着実に進めてまいります。
  147. 清水貴之

    清水貴之君 その技術面は分かるんですが、じゃ、場所ですよね、大事なのは場所をどうするか。場所をどうやって決めていくんですか。
  148. 縄田正

    政府参考人(縄田正君) お答えいたします。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、技術開発の進展を見極めた上で、最終的に処分する土壌等の量、それからどれぐらいの放射性濃度を有するものがあるか、これを見極めた上で次の施設の構造あるいは面積等を検討しなければなりません。そういう意味で、その目標を二〇二四年度ということで工程表で定めさせていただいて、着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
  149. 清水貴之

    清水貴之君 もう技術革新すると思うので、大分量も減ると思うんですが、ただ、絶対に残りますよね。残るものはどこかにやっぱり運び出さなければいけない。  もう一個、質問用意していまして、核のごみ最終処分場、これも用意していたんですが、これも同じ話でして、やっぱりどこかに必ず対応する場所を造らなきゃいけない中で、先に先にになっているわけですが、やっぱり場所があって、それからいろんなことを進めていく、若しくは同時並行で進めていくのが僕は筋じゃないかと思いますが、改めて最後にもう一度お願いします。
  150. 江島潔

    委員長江島潔君) 時間が来ていますので、簡潔に。
  151. 縄田正

    政府参考人(縄田正君) はい。  繰り返しになって恐縮でございますが、今現在、場所等を特定する段階にはなく、技術開発等を踏まえて、二〇二四年度を目標に進めてまいりたいというふうに考えております。
  152. 清水貴之

    清水貴之君 質問を終わります。ありがとうございました。
  153. 山本太郎

    山本太郎君 自由党共同代表山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問いたします。  始める前に、憲法三十二条を読ませてください。「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」。個々人の権利や自由が侵害されたとき、究極的に救済し得るのは裁判所です。だからこそ、裁判で何人も裁判を受ける権利を奪われないと規定している。しかし、この裁判を受ける権利さえも脅かすような恫喝まがいの被災者いじめを行っている企業が存在します。東京電力です。  資料の一、東電の三つの誓い、副社長、三つ目の赤線部分を読んでください。
  154. 文挾誠一

    参考人文挾誠一君) 東京電力ホールディングス副社長文挾です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、お配りさせていただいております資料を読ませていただきます。三ポツでございますが、「和解仲介案の尊重」、「紛争審査会の下で和解仲介手続きを実施する機関である原子力損害賠償紛争解決センターから提示された和解仲介案を尊重するとともに、手続きの迅速化に引き続き取り組む」、以上でございます。
  155. 山本太郎

    山本太郎君 副社長さん、忙しいところ来ていただいたのに、早速読んでいただいてありがとうございます。  最後の和解仲介案の尊重というのは、これ、ADRから和解案が出たらそれを尊重するということを誓ったものですよね。  東電自ら作った三つの誓い、特に今読んでいただいた部分東電は守っていますか、副社長、どうでしょうか。短めにお答えください。
  156. 文挾誠一

    参考人文挾誠一君) 御質問ありがとうございます。お答えさせていただきます。  訴訟とADRにおいて、訴訟の対象とされております損害の内容が同じ場合には、判決とADRの和解の内容が重複、矛盾、抵触する可能性があるというのが、今日、先生がお配りしたものの後ろのページのものに記載がされてございます。そのため、判決確定まではADRの和解案の全部又は一部の諾否につきましては留保させていただきたいと考えております。  該当する事案につきましては、和解案の諾否を留保する可能性のある旨の文書をADRセンターに提出するということと同時に、その請求者様に対しましてもお送りをしているという次第でございます。  以上でございます。
  157. 山本太郎

    山本太郎君 私がこれから説明することを先に先回りして説明して、そのことについて、申し訳ないけれどもそれは除外する的なことを今おっしゃったんですか。  東電が作った三つの誓い、東電、守っているのかと聞いたんですよ。守っていないじゃないですか。守っておりませんと答えるのが普通なんですよ。残念ながら守られておりません。  東電自らその誓いを破りに行っている実態をお伝えする前に、東電事故後の賠償の仕組みについてざっくり説明いたします。  資料の二。被害を受けたとされる人々が東電賠償を求める方法は大きく分けて三つ。  一、東電への直接請求賠償金を早く受け取ることは可能ですが、東電による判断基準からの支払で賠償額は最低レベル。二、原子力損害賠償紛争解決センター、いわゆるADRが中立的な和解案を作るという方法。東電側の賠償額に納得いかないなどの方々のために賠償金額を東電基準にプラスアルファできる可能性がありますけれども、強制力、拘束力はない。三、個別、集団による民事訴訟。こちらは司法ですので、一応公正中立で、強制力、拘束力もありますが、期間が長期化するなどにより経済的、心理的負担が大きいものですね。  では、先ほどの話に戻りたいと思います。憲法上保障された裁判を受ける権利さえも脅かすような恫喝まがいの被災者いじめを行っている東京電力についてお話です。  資料の三。訴訟の判決が確定するまではADRの和解案を留保するという旨が書かれたADR宛ての東電からの上申書若しくは連絡書という書面、資料の三、何枚か重なっていると思います。  原子力災害の賠償を求めて、国、東京電力を訴える原告の方々に対して、関連訴訟の内容と重複する可能性があるので、関連訴訟の判決が確定するまで和解案全部又は一部の諾否を原則留保するというのが東電の言い分。これまで東電は、裁判をやっている、原告であるといったことを理由にADRなどでの和解には応じないと態度を示したことはなかったと言います。今回、文書の中で、和解案への態度を留保する理由として、関連訴訟の内容を重複する可能性、こう挙げられています。先ほどもそう言われましたよね、副社長もね。  これ、分かりやすく翻訳しますね。ADRでの和解案の請求内容と訴訟での請求内容が重複する部分がある。かぶるんですよ、二重払いの可能性が出てくるんです。だから、結果出るまで留保にするんですという意味合いのことを言っているんですね。  しかし、これまで、こういった場合であっても東電はADRの和解案を受け入れ、支払行ってきたという過去があるんですよ。訴訟において、弁済の抗弁、つまり、かぶっている部分は既に支払っていますから、裁判で賠償責任が認められたとしても既に支払った部分損害額から控除してくださいよねという主張で対応することにしていたんですよね。  関連訴訟の内容を重複する可能性、これがあったとしても後で調整する方向で対応していたのに、一転、とにかく留保の方向にかじを切った。被災者支援の弁護士の方々は、昨年夏辺りからこのような傾向が強まり、顕著に現れていると言います。この東電の対応、かなり大問題です。  東電、このような関連訴訟の判決が確定するまで和解案全部の諾否を原則留保という書面、何人、何件に対して送ったんですか。
  158. 文挾誠一

    参考人文挾誠一君) お答えさせていただきます。  御質問の件数に関してでございますけれども、こちらの件数につきましては、今和解手続が非公開で手続が進められております。それと、被災者様、御請求者様に当たりますが、個別事案に関わることでございますので、この件数についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  以上でございます。
  159. 山本太郎

    山本太郎君 原告になるなら賠償はお預け、和解案は留保だ、東電のこのスタンスにより東電がどう得をするんでしょうか。裁判で地裁に提訴を行い最高裁で判決が確定するまでどのぐらいの時間が掛かるのかを知れば、東電の思惑が透けて見える。裁判は、地裁での一審が終わっても高裁、最高裁と続くので、判決が確定するまでは十年以上掛かることはざら。もっと時間が掛かるケースが公害問題では散見されます。  例えば水俣病関西訴訟は、提訴から最高裁での判決確定まで二十二年。例えば第一次厚木基地騒音訴訟では、提訴から最高裁での確定まで十六年、その後の差戻し控訴結審までは十九年。例えば西淀川大気汚染公害裁判では、一次提訴から国との和解まで二十年以上。  今回の東電による和解案への留保は、裁判で決着が付くまでの向こう十年以上の期間にわたって賠償を果たすことを拒否するものですよね。東電にはその自覚があるんですか。お答えください。
  160. 文挾誠一

    参考人文挾誠一君) お答え申し上げます。  ただいま御質問いただいた件でございますけれども、あくまでも、判決確定までの和解案の諾否につきましては留保させていただいているということでございますけれども、これは、あくまでも損害の、対象とされる損害が同じであると考えられるものに限ってございます。  したがいまして、訴訟とADRで賠償対象とされる損害が同じではないというものにつきましては、判断できるものにつきましては、通常どおりADR手続による紛争の解決を引き続き進めさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。  以上でございます。
  161. 山本太郎

    山本太郎君 何人に対して、何件に対してこのような書類を送り付けたかも答えられない人たちが、ほかではちゃんとやっていますからこれは例外なんです風な答弁やめてもらえませんか。時間稼ぎは何のためということはもう透けて見えているという話したじゃないですか。時間稼ぎはやめろというんですよ。  東電の現在の姿勢は、地裁から最高裁までの期間、とにかく裁判をやっている間は、ADRの和解案にも応じない、直接請求にも応えないというもの。これは事実上、裁判なんてやるなという原告へのメッセージにもなります。支払われるべきものが支払われない、賠償金が払われない状況が長く続くほど首が締まり困るのは被災者、被害者です。  東電のこのような工作には二つの狙いがあると見られます。一、裁判の回避。原告を降りなければ賠償に応じない、経済的問題を人質にされた原告側が屈することになれば裁判回避できる。二、賠償金の値引き。原告が屈することなく最高裁まで争ったとしても、判決確定した結果、安い賠償額を出してもらえる可能性。  このただいま言った二について説明したいと思います。  資料の四。これまで原子力災害に対する集団訴訟での判決、全部で七つです。  昨年の三月、集団訴訟で最初に判決が出されたのが前橋での地裁、前橋地裁。そこで認められた金額が非常に少なかった。それで、東電としてはADRの和解仲介案に従うよりも裁判をやった方が支払う額が少なくなるというふうに考えて、東電は裁判の行方を見守るという方向に転換したんじゃないかという疑いを持っています。  裁判所での判決が賠償額を低く出してくれた場合、こつこつと賠償を続けるよりも結果安く上げられる、これが、最初に御紹介した資料の三の上申書、連絡書につながったのではないでしょうか。実際、この前橋の判決後にこれらが原告側に送られています。裁判の行方を見るという建前を利用し、実際は損害賠償のコストカットを実現しようとするものなんじゃないですか。  加えて、もう一つの疑惑があります。時間切れです。先ほど、判決までに長い年月が掛かった訴訟例のうち、例えば西淀川大気汚染公害裁判では、提訴後に死亡した原告患者は百名ほどいると言われ、首都圏建設アスベスト訴訟は原告約四百名のうち六十名ほどがお亡くなりになっている。既に原子力災害の訴訟でも、二〇一七年三月、前橋地裁での判決前に三人、二〇一七年九月、千葉地裁での判決前に六人が亡くなってきており、そのほかの裁判でも、地裁の判決を待たずに亡くなった方、出ているようです。  このような高齢の方、どんどんどんどんこの先、タイムリミット迫ってきているって言い方は失礼だけれども、実際時間切れということを狙っているんじゃないのかなと。東電、時間切れ狙っているんですか。
  162. 文挾誠一

    参考人文挾誠一君) お答えさせていただきます。  決してそういうことはございません。  以上でございます。
  163. 山本太郎

    山本太郎君 原告であることを理由に直接請求やADR和解案を受けないというのは、ちょっと質が違う異様さ。東電によるこの裁判の原告いじめ及び裁判を受ける権利の侵害について、これ本当に何とかしていただきたいんですよ。  ADRを所管する文科省、そして直接請求にお金を出している支援機構を所管している経産省、この事態を、まずここは、時間がもうないので、把握しているのか把握していないのか、この件に関して、それだけをお答えください。後ほどまたお話しいただきますので。
  164. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 東京電力から、個別の案件におきまして、申立人が申し立てた和解仲介手続とその申立人が提起した損害賠償請求訴訟の内容が重複していることを理由として、当該訴訟の判決が確定するまでの間、和解案の諾否を留保する旨の意見を示す書面が送られていることは承知をしております。
  165. 平木大作

    大臣政務官(平木大作君) 東京電力が、訴訟とADRとの間で賠償対象とされる損害の内容が同じ場合、判決確定まではADRの和解案の諾否を留保し、賠償対象とされる損害内容が異なる場合にはきちんと対応する旨の書面を請求者に送付している旨承知をしております。
  166. 山本太郎

    山本太郎君 これ、文科省さん、ADRというのは紛争を早期に解決するための制度なんだと。こんな長期戦を意図的に仕組んでくる加害企業に対して、何とか助言なりなんなりやる方法がないかということを考えていただきたいんですね。  そして、もちろん経産省にも、昨年五月に東電と共同で出した新々総合特別事業計画の中に、「和解仲介案の尊重」って部分には、「被害者の方との間に認識の齟齬がある場合でも被害者の方の立場を慮り、真摯に対応するとともに、手続の迅速化等に引き続き取り組む。」とあるんですね。少なくとも、この計画に沿った行いを東電に求めていただきたいんですよ。  加えて、やはり復興大臣、加害者側が被害者側をこんな何度も踏みにじるみたいなことがあってはならないと思うんです、私。是非ともこれは、全ての閣僚が復興担当大臣だ、みんなが復興担当なんだということに鑑みて、この東電がやっているような、今までやってきたことを急にやらなくなったというのはあり得ないですから、それを何とか改めていただきたいんです。是非お力を貸していただきたい。  復興大臣、そして文科大臣、そして政務官共にお言葉をいただけませんか。
  167. 江島潔

    委員長江島潔君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  168. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 経済産業省共々、東京電力に対して指導を徹底してまいりたい、このように考えています。
  169. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 東電被害者に寄り添って誠意ある対応を行うことは重要であると考えておりまして、文科省としては、東京電力に対して和解仲介案の尊重の遵守などの要請を、三月二十日付けでございますが、行ったところでございます。
  170. 平木大作

    大臣政務官(平木大作君) 東京電力に対しましては、三つの誓いに基づき迅速かつ適切な賠償を実施していく方針、東京電力が明らかにしているわけでありますので、そこの趣旨にしっかりのっとった形で丁寧な対応をしていくようにこれからも指導してまいりたいと思います。
  171. 山本太郎

    山本太郎君 終わります。
  172. 川田龍平

    ○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。  昨年の十一月に、国連人権理事会の人権状況審査、普遍的・定期審査、UPRのこの作業部会で、オーストリア、ポルトガル、ドイツ、メキシコの四か国から、福島原発事故被害者への支援の継続、政策への住民参加、許容放射線量年間一ミリシーベルト遵守、そして医療サービスへのアクセスなどが日本政府に対して勧告がなされ、外務省は、三月十九日、この四つの勧告全てのフォローアップに同意しました。  被害を受けた当事者を始め、この院内集会などで三月八日に政府に働きかけをした日弁連やNGO、市民の活動の成果だと思いますが、外務省にお尋ねします。勧告受入れに当たって日本政府としてどのような回答をしたのか、御答弁ください。
  173. 市川恵一

    政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  ただいま御質問にありましたように、昨年十一月に行われた国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー、対日審査における各国・地域からの勧告につきましては、国連高等弁務官事務所に我が国政府として回答を提出したところでございます。その回答におきましては、いずれの勧告に対してもフォローアップすることに同意するという回答をしてきているところでございます。  以上でございます。
  174. 川田龍平

    ○川田龍平君 この回答を受け入れるに当たっての見解というのは、既に必要な支援は提供しているということのようですが、明らかに事実と異なります。  フォローアップすることに同意するに当たって男女のプロセスへの参加を確保することを特記していませんか。どのような趣旨で特記したのでしょうか。
  175. 市川恵一

    政府参考人(市川恵一君) ただいまの御指摘の男女の参画のところにつきましては、ポルトガルからの勧告であると承知しております。そこにおきましては、フォローアップすることに同意するとお答え申し上げた上で、我が国は指導原則の趣旨を尊重しており、男性及び女性のプロセスへの参画を確保すべく尽力していくと、その旨、併せて回答書の中に記載したところでございます。
  176. 川田龍平

    ○川田龍平君 ポルトガル政府からの勧告で、住民の男性及び女性の両方に対して再定住に関する意思決定プロセスへの完全かつ平等な参加を確保するとあります。  これまで、帰還に関する説明会や住民意向調査がなされてきましたが、先ほど森委員からも指摘されましたが、避難指示解除、その後の賠償の継続や生活支援について、政策の意思決定プロセスへの男女両性の完全かつ平等な参加及び、そもそも被害を受けた地域住民の完全な参加は確保されてこなかったではないでしょうか。
  177. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  避難指示の解除や復興におきましては、UPR勧告で指摘されておりますように、住民の方々の御意思を踏まえて進めることが重要でございまして、これまでも、避難指示の解除につきましては、もちろん性別を問わず、住民説明会あるいは地元の自治体との意見交換を複数回にわたって実施するなど、地元の自治体あるいは住民の方々との十分な協議を経て進めてきてございます。  それから、住民の方々への賠償につきましても、お一人お一人の御事情に応じた賠償を行うよう、先ほどもございましたが、国としても東電に丁寧な対応を求めてきたところでございまして、生活支援につきましても、住民の方々の声に耳を傾けつつ、関係府省庁や福島県、被災自治体とも連携しながら取り組んでいるところでございます。  今回の勧告も踏まえながら、引き続き、住民お一人お一人に寄り添いながら、関係府省庁と連携しまして一刻も早い復興に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
  178. 川田龍平

    ○川田龍平君 この勧告というのを生かすために、これまでの意思決定プロセスを継続するのでは意味がないと思います。これを改めて見直して改善していくことが必要ではないでしょうか。  例えば、先ほど、これ森委員からの資料で住民意向調査の概要というのがありますけれども、この調査方法を見ると、この調査対象は各世帯の代表者となっております。こういったところに男女の両性の完全な平等というのはないのかと思うんですけど、こういうところ改める必要ないんでしょうか。
  179. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。  調査につきましては、世帯としてどういう考え方かということを問いたいということもあって代表者の方に聞いているということでございまして、その点を御理解いただきたいと思います。
  180. 川田龍平

    ○川田龍平君 こういったところが両性の完全な平等になっていないんじゃないですか。いかがですか。
  181. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) 世帯としてお考えを聞くというときにどなたからか聞くということになりますので、その際に代表者ということで私どもとして聞かせていただいているところでございます。
  182. 川田龍平

    ○川田龍平君 これ国際的に外務省がフォローアップすると言っていて、わざわざこの男性と女性というのを、男性及び女性のプロセスへの参加を確保すべく尽力していくと回答しているんですよ、国際的に。これしっかりやってくださいよ。復興庁、どうですか。
  183. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) しかるべき時期までにフォローアップをしてお答えするということになっておりますので、その中でまた検討させていただきたいと思います。
  184. 川田龍平

    ○川田龍平君 しかるべき時期というのはいつですか。(発言する者あり)
  185. 江島潔

    委員長江島潔君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  186. 江島潔

    委員長江島潔君) 速記を起こしてください。
  187. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。  次期審査会までの間ということでございまして、四年半ございます。
  188. 川田龍平

    ○川田龍平君 それ、遅過ぎると思いませんか、四年半って。やっぱり今年からやるべきでしょう。  そもそも、この福島第一原発事故の全ての被災者に国内避難民に関する指導原則というのが適用されるのは、いつからどのように適用されるのかを確認していきたいと思いますが、これ、いつからどのように適用されるんでしょうか。
  189. 小糸正樹

    政府参考人(小糸正樹君) お答えいたします。  復興庁としましては、帰還される方、そして避難の継続をされる方、いずれについても必要な支援を行っていくという、そういう構えで支援をしております。避難されている方々が帰還される場合には、安心して生活できるように医療介護、買物環境、教育などの生活環境の整備を支援をしております。また、地元を離れて生活する方々につきましては、ふるさととのつながりを維持しながら生きがいを持って健康的に暮らしていけるよう、様々な支援を行っているところでございます。  そういった意味で、今後とも、御指摘の指導原則の尊重をしながら、被災者の方々の声に耳を傾けながらできる限りの支援を行ってまいりたい、このように考えております。
  190. 川田龍平

    ○川田龍平君 とりわけ、この指導原則の二十八、二十九にもありますけれども、帰還、再定住及び再統合に関する原則というのを実現するために、具体的に今後政府は何をしていく予定でしょうか。
  191. 小糸正樹

    政府参考人(小糸正樹君) 御指摘がありました再定住等につきましては、昨年の四月、おおむね帰還困難区域以外の多くの市町村避難指示が解除されたところでございます。また、それ以外の帰還困難区域につきましても、順次、特定復興再生拠点の整備を行っていくということでございます。  そうした中で、避難されている方々が帰還される際に安心して生活できるような生活環境の整備を整えながら支援を行っていくと、こういう考え方で取り組んでまいります。
  192. 川田龍平

    ○川田龍平君 実態として、帰還しているのは高齢者の方が多く、自殺者も出ている中で、大々的にこの帰還というのをアピールすることで、子供を抱えている自主避難者の方が避難先で暮らしにくい、生きにくい状況に追い込んではいないでしょうか。いじめも起きています。避難者を受け入れている全国の自治体に対してこの指導原則の周知が必要だと考えますが、どのように周知されるんでしょうか。(発言する者あり)
  193. 江島潔

    委員長江島潔君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  194. 江島潔

    委員長江島潔君) 速記を起こしてください。
  195. 小糸正樹

    政府参考人(小糸正樹君) お答えいたします。  避難者に対する、特に御指摘の自主避難者に対する情報発信でございます。全国二十六か所に避難者向けの生活再建支援拠点というのを設置をしております。そういった拠点の情報発信等を通じて、様々な情報につきまして被災者の方々に提供しているという取組を進めているというところでございます。
  196. 川田龍平

    ○川田龍平君 これは自主避難者に限らないんですね。避難者に対して、いじめなどを受けている学校などもありますけれども、この自治体、そういったものにどうやってこういうのを、この周知を、指導原則というのを周知するんですか。
  197. 小糸正樹

    政府参考人(小糸正樹君) お答えいたします。  いじめの問題等々、一昨年の年末以降いろいろな形で報道もされましたし、昨年の福島特措法の改正におきましても、いじめの防止の徹底につきましては法改正を行ったところでございます。そうした点につきまして、文部科学省を経由いたしまして全国の教育委員会に周知徹底をされているというふうに承知をいたしております。いろんな政策分野ごとにそうした形で必要に応じて全国に発信をしているというふうに承知をいたしております。
  198. 川田龍平

    ○川田龍平君 この国内避難民に対する指導原則、これはやっぱり周知徹底していただきたいと思います。是非これ、じゃ、しっかり文科省を通じてやっていただけますね。それから、自治体にもしっかりやっていただけますね。
  199. 小糸正樹

    政府参考人(小糸正樹君) 様々な情報発信につきましてしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  200. 川田龍平

    ○川田龍平君 次に、ドイツ政府からの勧告に関連して伺います。  いつからこの許容放射線量を年間一ミリシーベルトに戻すのでしょうか。現在、年間二十ミリシーベルトまでが許容されている地域がありますが、これらの地域での許容放射線量をどのようなスケジュールでどのような取組をして一ミリシーベルトに戻すのでしょうか。
  201. 星野岳穂

    政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。  政府といたしましては、今御指摘ありましたように、避難指示の解除の基準としては年間二十ミリシーベルトを用いております。その上で、長期の目標として、個人が受ける追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下になることを目指すこととしてございます。実際、これまで避難指示が解除された地域におきまして、除染を始めとする線量低減に向けた取組の結果、個人の被曝線量は、解除要件である二十ミリシーベルトと比べてもはるかに低い値となってございます。  いずれにしましても、帰還された後においても住民の方々の受ける被曝線量をできるだけ低減していくということは極めて重要なことでございますので、今後とも、引き続き、関係府省庁と連携をいたしまして、食品の安全管理などの被曝低減対策ですとか、あるいは個人線量計を配付できる体制の整備、相談員等による相談体制の整備の支援など、総合的、重層的に防護措置を行いまして、被曝線量の低減のための取組を進めてまいりたいと思います。
  202. 川田龍平

    ○川田龍平君 安倍政権の下で、原子力規制委員会は二〇一三年十一月二十日に帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方まとめ、その中でも、帰還後に個人が受ける追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下になるよう目指すと明記しています。  浜田大臣、これ、昨日の質疑通告の際に、経産省、復興庁、環境省がこの答弁を押し付け合っていたんですけれども、誠に見苦しい限りでした。これ是非、復興庁が残りの三年間、もっとリーダーシップを発揮して関係省庁を束ねて、この一ミリシーベルトという長期目標への道筋を付けていただきたいと考えますが、御決意を伺います。
  203. 浜田昌良

    ○副大臣浜田昌良君) ただいま川田委員より、長期目標としての年間一ミリシーベルト以下に向けての政府の対応について御質問いただきました。  政府としては、平成二十五年十二月に原子力災害対策本部で決定されました「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」に基づきまして、個人が受ける追加被曝線量が長期目標として年間一ミリシーベルト以下になることを目指し、原子力災害対策本部が中心となって総合的、重層的な防護措置を講じているところでございます。  例えば、内閣府の原子力被災者生活支援チームにおいては、個人線量計の貸与、測定、食物や飲料水等の線量測定活動を支援しているほか、加えて、住民の方々が放射線に向き合いながら生活していくために、住民の身近で様々な相談に応じる放射線相談員を配置しております。  また、環境省においては、平成二十六年度から放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターを開設しておりまして、住民を身近で支え、放射線不安等に対応していく相談員や自治体職員等に対して、研修会の開催や専門家の派遣など、科学的、技術的面からも支援をしております。  さらに、復興庁としても、帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージに基づき、関係府省庁と連携し、個々の方々の健康不安に対応したきめ細かな取組を更に充実していく決意でございます。
  204. 江島潔

    委員長江島潔君) 川田龍平君、時間が来ております。
  205. 川田龍平

    ○川田龍平君 将来的に一ミリシーベルトを目指す具体的なスケジュールが何もないんですね。だから、しっかりと決めていただきたいと思います。  昨日は、女子高生が国会まで来ていましたけれども、もう海外にみんな行って、日本を捨てたいと言って、みんなじゃないですけれども、そういう女子高生が一人いました。もう本当に残念です。みんなじゃなくて一人ですけれども、そういう声を聞くと本当に情けないなと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  206. 行田邦子

    ○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  私は、まず初めに、東北の観光復興について伺いたいと思います。  平成二十九年に福島県の外国人宿泊者数が震災前を初めて上回りました。ようやく東北六県全てで震災前を超すこととなりましたけれども、全国的なインバウンドの急増と比べると、まだまだ東北の観光振興、大幅に遅れていると言わざるを得ないような状況です。平成二十二年比で、全国ですと二七五・九%の伸びを示しているところ、東北六県は一八七・一%という状況です。また、日本人宿泊者数を見ましても、平成二十二年度比で、全国平均は一〇九・四%伸びているんですけれども、東北六県は一〇四・三%と、こちらも下回っている状況です。  多くの旅行客、お客様を迎えることによって東北の復興に弾みが付くはずであると思っております。東北の観光振興に国としてもしっかりと力を入れて取り組むことが肝要と考えておりますけれども、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
  207. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 観光は地域産業全体に影響する裾野が広い分野であり、東北における産業、なりわいの再生の重要な柱でございます。このため、政府では、観光先進地東北を目指して、平成二十八年度より東北の観光振興の取組を大幅に強化をしてきたところでございます。  具体的には、地域が行うインバウンド誘客に対する支援や、海外への観光地としての魅力発信強化等を実施をしております。また、いまだ風評被害が根強い福島県については、教育旅行の再生を含めた国内観光振興の取組支援をしております。こうしたこともあって、東北六県の外国人宿泊者数は、昨年も全国の伸び率を上回るなど、全体としては堅調に推移をしております。  引き続き、東北の外国人宿泊者数を百五十万人泊とする目標の達成に向け、二〇二〇年東京大会等の機会も活用しながら、関係機関と連携し、観光復興取組を力強く推し進めていきたい、このように考えております。
  208. 行田邦子

    ○行田邦子君 それでは、具体的な取組について幾つか伺っていきたいと思います。  先ほど大臣の御答弁にもありましたけれども、観光振興の中でもやはりインバウンド誘客に力を入れていただきたいと思っております。観光庁の取組一つとして、全世界を対象とした東北デスティネーション・キャンペーンというものを実施していますけれども、どのような効果が出ていますでしょうか。そして、また、海外のメディアや旅行会社を東北へ招聘活動というのを行っているわけでありますけれども、実際にこうしてメディアや旅行会社の方に来てもらって、旅してもらって、彼らからどのような感想や、またリクエストをもらっているのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
  209. 瓦林康人

    政府参考人(瓦林康人君) お答え申し上げます。  東北観光の本格的な復興を実現する上では、御指摘のとおり、特にインバウンドに重点を置いて取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、観光庁におきましては、東北六県とも緊密に連携しながら、海外向けプロモーションの展開でありますとか、外国人受入れ環境の整備などを進めております。  このうち、プロモーションにつきましては、平成二十八年度以降、日本政府観光局、JNTOにおきまして、東北に特化した海外主要市場向けのデスティネーション・キャンペーンといたしまして、海外の著名ブロガーでありますとか旅行会社、メディアなどを招いて東北の魅力を集中的に発信する事業を展開してございます。  これに対しまして、外国人延べ宿泊者数の最新の動きを見てみますと、二〇一六年から昨年、二〇一七年にかけては、全国の伸びが一二%であるのに対しまして、東北六県では四六%と、東北六県の伸びが全国の伸びを大幅に上回る結果となっておりまして、一定の効果が出始めているというふうに認識してございます。  また、招聘いたしました海外のメディアや旅行会社からは、今後更に時間を掛けて幅広く取材をしたい、あるいは東北の旅行商品を積極的に企画して販売したいなど、おおむね高い評価をいただいております一方で、例えば現地交通機関の利用方法などについて情報提供の仕方を工夫すべきなどといった御要望をいただいているところでございまして、JNTOや地元DMOなどにおきまして対応しているところでございます。  観光庁といたしましては、東北への外国人旅行者数の増加が始まっているこの傾向を更に加速させまして、二〇二〇年の目標でございます外国人延べ宿泊者数百五十万人泊が実現するよう引き続き取り組んでまいります。
  210. 行田邦子

    ○行田邦子君 特に、やはり外国人旅行客数を見ますと平成二十八年から二十九年が大変伸びている、伸び率は良いようであります。少しずつこういったキャンペーンの効果も出始めているのかなというふうに思っておりますが、ただ、このキャンペーンなんですけれども、全世界を対象というふうになっているんですが、年間予算は十億円です。十億円というのは小さな額ではありませんけれども、全世界を対象としたキャンペーンとしてはそれほどの額ではない、予算規模が小さいと思います。  そこで、地域や国、またターゲット層などを絞り込んだ方がより高い費用対効果が見込まれるのではないでしょうか。
  211. 瓦林康人

    政府参考人(瓦林康人君) 東北への外国人旅行者を着実に増加させていく上では、この海外向けのプロモーションにつきましても予算を最大限効果的に活用して展開していくことが重要でございまして、対象とする国あるいは地域ごとにターゲット層の設定でありますとか活用する媒体につきましてきめ細かく対応することとしております。  例えば、東北での外国人延べ宿泊者数の約七割を占めております東アジアの国や地域につきましては、既に一定の認知度があるということを踏まえまして、個人旅行客でありますとかリピーター客の取り込みに重点を置きます一方、訪日客数がまだまだ少ない欧米豪につきましては、まずは旅行先としての認知度向上を図った上で新規の需要の掘り起こしを図るなど、国や地域ごとの市場環境に応じましてきめ細かなプロモーションを実施しております。  観光庁といたしましては、今後とも東北六県などとも緊密に連携しながら、効果的な海外プロモーションを図ってまいります。
  212. 行田邦子

    ○行田邦子君 リピーター客の取り込み、非常に重要だと思っております。私が生まれた岩手県、多くのお客様を迎えていますけれども、まず平泉に行って、私が生まれた遠野ですけど、遠野に行ってと、あるいは花巻ということが第一回目だとすると、リピーター客は、次は三陸の方にも行ってみよう、釜石に行ってみよう、あるいは大槌に行ってみようというふうにもなるかもしれません。こうしたお客様をしっかりと外から取り込んでいただきたいと思っております。  続きまして、具体的な取組、インバウンド誘客の具体的な取組について、もう一つ伺いたいと思います。  「新しい東北」交流拡大モデル事業というのを展開しておりまして、成功事例も出ているようであります。テーマを決めて、そして海外のお客様にいろいろ体験してもらって楽しんでもらうという取組でありますけれども、これは個々の事業への単なる補助金交付で終わってしまっては意味がないと思います。これはあくまでもモデル事業であります。  このモデル事業の好事例を他の事業へとどのように横展開していくおつもりでしょうか。
  213. 加藤久喜

    政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。  復興庁では、東北への外国人交流人口拡大につながる民間の新たなビジネスモデルの立ち上げを支援するために、先生御指摘いただきました「新しい東北」交流拡大モデル事業平成二十八年度から実施をしてございます。モデル事業として好事例も出てきておりますので、これを広く普及させまして展開していくということは極めて重要であると認識をしております。  このため、本事業では、毎年、観光庁や東北六県、それから観光関係事業者などを集めた報告会、これを開催してございます。そのようなことで、各事業者取組の成果あるいはノウハウの共有を積極的に行っているところでございます。  引き続き、観光関係事業者や自治体などと連携しながら、観光先進地東北の実現に向けた取組を力強く進めてまいります。
  214. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。  次に、大臣に伺いたいと思います。福島ホープツーリズムについてです。  先ほどの質疑の中で、大臣のお孫さん、小学校一年生になられてと、新一年生にとっては、この東日本大震災、経験をしていないということを改めて気付かされました。これからどんどんどんどん東日本大震災を経験していない子供たちというのが増えてきて、私たち大人にとっては、あの記憶というのは本当にいまだにもう忘れることができないものですけれども、その経験をしていないという子供たちが増えていくという時代であります。  より多くの人々に福島の被災からの復興を現地で見て、また触れて、そして体感してもらうことが三・一一の記憶を風化させないためにも重要であると思いますし、また、福島復興にも貢献すると思っております。  福島では、今、教育旅行の一環としてホープツーリズムを展開をしていますけれども、その実績と、それから今後の展開についてお聞かせいただけますでしょうか。
  215. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 福島の観光の目玉として、切り札としてホープツーリズムを挙げております。質問していただいて本当にありがとうございます。  震災や原発事故の記憶の風化防止は重要であり、風評被害払拭のためにも、実際に来てもらうということは大変重要なことというふうに認識をしております。福島県では、ホープツーリズムとして、震災と原発事故を経験した福島ならではの教育旅行プログラムの造成を進めており、政府としてもこれを支援しているところでございます。  具体的には、コンテンツの魅力を磨くため、平成二十八年度から高校生等を対象にしたモニターツアーを実施し、これまで十三の団体から二百七十八名が参加したと聞いております。また、参加者の反応も高い評価を受けておりまして、一部の学校ではモニターツアー後、自主的に再訪していることから、福島県では今後より多くの学校等へ働きかけを行っていくというふうに聞いております。  ホープツーリズムは、教育旅行再生、ひいては福島の観光の切り札となると認識をしております。引き続き、観光庁と連携しながら福島県の取組支援してまいる所存でございます。
  216. 行田邦子

    ○行田邦子君 福島のホープツーリズム、このことによって福島復興に貢献をする、そしてまた、ちょっと停滞してしまっている教育旅行というものの活性化にもつながるのではないかと思っております。  それでは次に、食品の主な輸出先における輸入規制について伺いたいと思います。  福島第一原発事故に伴って、農林水産物の輸入規制を諸外国・地域において行うことが続けられてきました。五十四の国・地域によって輸入規制が行われていた、当初はそういった状況でありましたけれども、これまでの食品中の放射性物質の検査結果を説明するなどのこうした国としての根気強い働きかけがあったことによりまして、今は五十四の国・地域のうち、何らかの輸入規制を行っているという国・地域が二十七まで減ったということでありますが、裏を返せば、まだ何らかの輸入規制を行い続けている国・地域は二十七もあるという状況と承知をしております。  そして、お配りしましたお手元の配付資料にもありますとおり、幾つかの国におきましては輸入停止措置というものを講じておりまして、大変にゆゆしき事態であります。こうした輸入停止措置を講じている国の中には、農林水産物・食品の輸出額上位を占める国も含まれております。日本の農業、輸出振興にとっても、極めてこのような輸入停止措置が行われているというのは大変残念なことであります。  輸入規制の撤廃に向けてあらゆる努力を尽くすべきと考えておりますけれども、取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。
  217. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴いまして、諸外国の国・地域におきまして日本産の農林水産物・食品に対して放射能物質に係る輸入規制が設けられております。  今御指摘ありましたとおり、こうした規制に対しまして政府一丸となって取り組んでまいりました結果、事故直後は輸入規制が講じられた国、五十四の国・地域でございましたが、これまで二十七か国が規制を撤廃いたしました。規制が残る二十七の国・地域のうちでも、二十四の国・地域におきましては何らかの規制緩和が行われているところでございます。しかしながら、日本からの農林水産物・食品の有力な輸出先でございます香港では、五県からの一部食品の農林水産物・食品に対して、それから中国では十都県の農林水産物・食品に対して、それぞれ輸入停止の措置がまだ講じられているところでございます。  このような中、先般、WTOパネルにおきましては、韓国による日本産水産物等の輸入規制措置がWTO協定に反すると認定の報告書を公表いたしまして、韓国に対して措置を協定に適合させるよう勧告をいたしました。このことはこれまでの我が国の主張に沿うものでございまして、パネルの報告書も踏まえて、韓国と同様に日本産食品の輸入規制措置を継続している国・地域に対しまして撤廃、緩和に向けて一層の働きかけを行っているところでございます。  引き続き、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づく輸入規制の緩和、撤廃が進むよう、粘り強く働きかけてまいりたいというふうに考えております。
  218. 江島潔

    委員長江島潔君) 行田邦子君、時間が来ております。
  219. 行田邦子

    ○行田邦子君 はい。  中国の状況なんか見ますと、これ非関税障壁じゃないでしょうか。あらゆる機会を捉えて、しっかりと説明をしていっていただきたいと思います。  終わります。
  220. 藤末健三

    ○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。  私は、本日は、高齢者の孤独死について、そして住宅の問題、そして生活の格差について、三点について御質問をさせていただきたいと思います。限られた時間でございますので、是非答弁は簡潔にポイントを得ていただきたいと思います。  まず、高齢者の孤独死につきましては、東日本大震災における被災者の住居の移転に伴いまして、新たなコミュニティーをどうつくるかと、そしてどう維持するかというのが大きな課題だと思っております。特に高齢者の見守りの活動につきましては必要性が非常に高まっておりまして、災害の公営住宅の入居者アンケートにおいても、高齢者の方々の見守りサービスを是非やってほしいという結果が出ております。  是非、大臣におかれましては、入居者が安心して暮らせるようなコミュニティーの形成について、特に高齢者の独居世帯の見守り対策について政府としてどう取り組むか、お答えいただきたいと思います。大臣、お願いいたします。
  221. 吉野正芳

    国務大臣吉野正芳君) 仮設住宅から災害公営住宅等へ新たな住まいに転居された被災者の孤立防止やコミュニティーづくりは大変重要なことでございます。このため、自治体と連携して被災者の見守りやコミュニティー形成に向けた取組を実施しております。  具体的には、災害公営住宅の入居者に対する生活相談員による見守り、相談の実施や、新たに完成した災害公営住宅に入居する方を対象とした交流会の開催によるコミュニティーの形成の促進など、自治体の取組支援しているところでございます。特に、独り暮らしの方や高齢の方が人とのつながりをつくり、生きがいを持って暮らしていただけるよう、NPO等とも連携し、心の復興を進めていくことが極めて大事でございます。  関係自治体とも連携しながら、これらの活動がそれぞれの地域に更に根付き、被災者の孤立防止が図られるよう、復興庁としても今後しっかりと支援をしてまいる所存でございます。
  222. 藤末健三

    ○藤末健三君 大臣、どうもありがとうございます。  私、熊本が出身地でございまして、熊本におきましても現在でも約四万人近い方々が自宅に帰れない状況でございます。そして、やはり実際に熊本を回らせていただく中でも高齢者の孤独死がもう実際に発生している状況でございまして、東日本のみならず、熊本においてもこの見守りの体制が必要だと考えておりますが、特に熊本において高齢者独居世帯の見守りシステムの導入経費などを災害救助法の対象経費とすべきではないかと思うんですが、その点、いかがでしょうか。お願いします。
  223. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) 災害救助法につきましては、発災直後から発災後間もない時期におきます応急的な救助といたしまして、避難所の設置、運営、応急仮設住宅の提供等を迅速かつ適切に実施するための法律でございます。そういった趣旨からいたしますと、お尋ねの高齢独居世帯の見守り支援につきましてこの制度対象とすることは難しいものと考えてございます。  一方で、地方財政措置ではございますけれども、熊本地震を踏まえまして、新たに緊急防災・減災事業債というもので被災者関連機能等を有します防災情報システムが支援されるといったこともございます。地方公共団体におきましては、このような制度も御活用いただきながら、引き続き被災者情報を集約、共有するシステムの構築に努めていただければと考えております。
  224. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、是非検討していただきたいんですよ。東日本大震災対象については様々な手当てがありながら、熊本には手当てがない、コミュニティーの支援ができないという、そういうふうに聞こえるわけですが、いかがですか。より深い検討をお願いしたいんですが、是非お答えいただきたいと思います、内閣府に。これ、大事なことですよ。
  225. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) お答えいたします。  高齢者を始めといたしまして、仮設住宅等にお住まいの方々の見守りをすることは大事なことであるというふうに認識してございます。  一方で、それぞれの法律の制度趣旨といったものがございまして、先ほどの答弁と重なりますが、災害救助法につきましては先ほど申し上げましたような趣旨で構築されているものでございますので、その他の様々な制度を御活用できるように、私どもといたしましても熊本県始め関係自治体と相談をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  226. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非協力して検討させていただきたいと思います。  高齢者の方々を見守るためにコミュニティーが必要だということもありますけれど、一方で、様々な携帯でありPadであり、新しいシステムができる中で、携帯やWiFiなんかのシステムを使うことでより容易に高齢者の方々を守ることができるわけですけれど、是非やると、検討やるということだけここで答えてください。お願いします。
  227. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) 災害救助法に限らず、被災者の方々の支援に資するような形でどのような取組ができるかといったことはしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
  228. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、共に検討させていただきますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、住宅についてお話をさせていただきたいと思います。  東日本大震災避難者数は四十七万人から減少したものの、今なお七万三千人の方々が不自由な生活を余儀なくされているという状況です。大震災で設置しました応急仮設住宅につきましては、被災地復興状況や被災者の実情を踏まえまして、特定非常災害特別措置法に基づき、一年を超えない期限ごとに延長を行うことが可能となっております。  平成二十八年度、いわゆる自主避難者への仮設住宅の提供が終了するに当たっては、改めて住宅支援の在り方が議論となったところであります。このような応急仮設住宅の提供に関する政府の基本的な考え方について、まずお聞かせいただけますでしょうか。お願いします。
  229. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) 災害救助法に基づきます応急仮設住宅につきましては、災害によって住家が全壊、全焼又は流出し居住する住家がない者であって、自らの資力では住家を得ることができない被災者に対しまして、恒久的な住家等に移るまでの一時的、応急的な住まいを提供する制度でございます。  災害救助法が適用される災害に際しまして、関係する地方公共団体と緊密に連携をいたしまして、このような趣旨での応急仮設住宅が必要な方々に適切に提供されるようにする、これが政府の基本的な考え方でございます。
  230. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、この基本的な考え方、進んでいただきたいんですが、先ほど申し上げましたけれど、熊本においてもやはりまだ四万人近い方々が自宅に帰れない、そして仮設住宅に住んでいるという状況でございます。  この仮設住宅の期限が延長されましたけれど、あと一年ではその後の見通しがなかなか立たないという状況でございます。理由としては、経済的に難しいということ、そしてなかなか時間的な検討する余裕がない、また、よく聞きますのが二重ローンであるというようなこともございまして、特に建設業者がいないところは、あと土地区画整備事業や地盤改良工事等の公共事業が遅れているという話もございます。これは前回のこの委員会で議論させていただきました。  これらの問題を解決をやることも大事でありますけれど、仮設住宅の期限についても柔軟に対応していただきたいと思うわけでございますけれど、熊本におけるこの仮設住宅の期限の延長についてはいかがでございましょうか。お願いします。
  231. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) ただいま御指摘をいただきましたように、二重ローンを始めとした経済的な理由あるいは公共事業の遅れ等によりまして恒久的な住家等が確保できないということは、被災者にとっても生活再建に向けた不安が伴うものでございまして、重要な課題であると認識してございます。問題解決に向けまして、所管する関係省庁と情報共有を密にして連携して対応してまいりたいと考えてございます。  さらに、災害救助法におきます応急仮設住宅の供与期間についてでございますが、原則二年とされておりますが、熊本地震で設置された応急仮設住宅につきましては、特定非常災害特別措置法によりまして指定された災害でございまして、一年を超えない期間ごとに供与期間の延長が可能となっているものでございます。  また、供与期間の延長に当たりましては、都道府県知事がその必要性判断した上で、内閣総理大臣の同意を得た場合において延長ができるということとなってございます。熊本地震におきましては、昨年九月に熊本県知事から延長に関する協議をいただきまして、内閣総理大臣が同年十月十二日付けで延長に同意をしたところでございます。  引き続き、内閣府といたしまして、熊本県と連携を図りながら被災者支援に努めてまいりたいと考えております。
  232. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非お願いしたい。私がお願いしたいのは、昨年のことはもう分かっておりますので、またあと五か月後とか四か月後に期限が来てしまうんじゃないかという不安を皆さんお持ちなんですよ。その点を重々理解していただきたい。それを申し上げさせていただきます。  また、高齢者の方々が適切な情報を得られていないという話、先ほど安否の確認ということを申し上げましたけど、同時に、高齢者の方々が特に、張り紙、掲示板を見れないとかいろんなことがありまして、情報を入手できていないんですよ。そういうことに対してどう対応するかということ。また、応急的な支援から自主再建的なものまで総合的に支援する、今実はパッチワークになっているんですね、正直申し上げて。余り東日本大震災支援と比較してはいけないとは存じ上げていますけれど、私の故郷の復興を見ているとやはり総合性という意味では薄いと思うんですけど、その点いかがでございますか、端的にお答えください。
  233. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) まず、高齢者の方々に対する情報提供、これも非常に大事なことだと認識してございます。各自治体におきまして、広報誌等の発行等々で様々な工夫を凝らして情報提供を行っていると承知してございますが、私どもの方からもそのような取組を促してまいりたいというふうに考えてございます。  それから、応急的な支援から自主再建まで含めた総合的な支援制度ということでございます。  熊本地震におきまして、応急段階において、災害救助法に基づきまして応急仮設住宅あるいは補修といったものが行われたところでございます。復旧復興段階における住まいの再建に向けましては、公費解体あるいは被災者生活再建支援金の支給、災害公営住宅の整備、こういったものを政府として支援をしているところでございます。またさらに、熊本県におきましては、復興基金を活用することによりまして、仮設住宅入居者に対する自宅再建に要する資金の利子、転居費用等の助成をしていただいてございます。  政府といたしましては、このような総合的な取組を進めてきたところでございますが、引き続き、被災者の住まいが円滑かつ迅速に確保できるように、被災地の声をよくお聞きをして一体となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  234. 藤末健三

    ○藤末健三君 審議官、私は余り総合的じゃないということを申し上げているので、もう一度そこは後で議論させていただきたいと思います。  それで、是非、もうちょっと残り少ない時間ではございますが、格差の問題についてお話しさせていただきたいと思います。  この応急仮設住宅から災害公営住宅への移行などが進む中において、例えば家賃の低減措置などはとられております。その低減措置も六年目からは低減措置が縮小するという話もございますし、何が問題かと申しますと、自治体によって取組が違うんですね。これは東日本大震災においても同じだというふうにお聞きしておりますし、熊本も自治体によって様々な支援の措置が地域によって差が出ているという状況でございまして、是非、災害者の生活支援制度、これも被災者生活再建支援制度などがございますけれども、それ以外のいろんな制度の運用は自治体によって違っているという、そういう自治体ごとにおけるその格差、いろんな支援の格差についてどのようにお考えかを教えてください。お願いします。
  235. 米澤健

    政府参考人(米澤健君) 内閣府で所管しております被災者生活再建支援制度につきましてお答えを申し上げたいと思います。  この制度は、御案内とは存じますが、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者の生活の再建を支援することを目的とした制度でございまして、その対象は、住宅に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に限って支援をしているものでございます。また、被災市町村や都道府県のみでは対応が困難な著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により対応する仕組みとなっているものでございます。  御指摘のように、これ以外の部分につきまして、都道府県及び関係市区町村におきまして地域の実情に応じて独自の支援策なども行われているところでございます。  いずれにいたしましても、被災者の生活再建が速やかに行われていきますように国と地方公共団体が一体となって支援に努めてまいりたいと考えてございます。
  236. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、復興庁内閣府、連携していただきたいというのを最後にお願いさせていただきます。  復興庁東日本大震災を徹底的になさると、じゃ、熊本はどうかというと内閣府でなされていると、その間の情報交流をきちんとさせていただきたいと思いますし、最後に申し上げました格差の問題、これは是非、地方自治体を政府がきちんと指導というよりも寄り添って助けるようなことをしていただかなければ、恐らく自治体ごとの格差も出ますし、同時に、高齢者の方々、もう孤独死をなされている方々がおられるわけです、犠牲者が。そういう方々にも是非寄り添うことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。  どうもありがとうございました。大臣、ありがとうございます。
  237. 江島潔

    委員長江島潔君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十七分散会