○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。
立憲民主党の議員として初めての
質疑であると同時に、議員生活十一年目終わろうとしておりますが、これまで何度か
電気通信事業法の
質疑の機会ございました。ただ、これまで一度もあえて
質疑には立っておりませんでしたので、この
法案で
質疑に立つのも実は今回が初めてでございますので、どうぞよろしく
お願いいたします。
そこで最初に、電気
通信行政全般について
大臣に見解を伺いたいと思います。
先月の
衆議院総務委員会、四月十二日、
大臣は、これまでの電気
通信行政全般についての
答弁で、規制緩和を進め、公正な競争環境を整備することによって事業者間の活発な競争を促してきた結果、約一・九万事業者が参入し、市場
規模は約五倍に拡大するなど、大きな
成果を上げてきたという旨の
答弁をなさっています。確かに、一九八五年以降、新規事業者の参入を促すことで国内の
情報通信市場における競争を活性化し、結果として料金の低廉化やブロードバンドの普及拡大が
進展したという点では一定の
成果があったことは間違いないと思います。
ただ、しかしながら、世界に目を向けた場合、GAFA、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンがICT市場を席巻し、現在もなおその国際的影響力を増し続け、支配的な
状況となっています。日本では、光ファイバー等
通信インフラや
通信の料金の低廉化は世界水準と比較してもトップレベルとなっていますが、アプリケーションレイヤーやプラットフォームレイヤーといった、いわゆる物理層ではなくて上位レイヤーにおいては、
我が国の
情報通信企業はGAFAのような世界レベルの企業と互角に渡り合えるレベルとなっているとは言い難いと思います。
これまでの
政策は、新規事業者の参入を促すことで
通信市場の活性化を図るといったネットワークレイヤー、さっき申し上げたのが上位レイヤーとすれば、ネットワークレイヤーに閉じた競争
政策に終始してきた感が否めませんが、こうした
政策が事業領域の垣根をブレークスルーして上位レイヤーに打って出るといった
通信事業者の挑戦意欲を阻害し続けてきた結果、今日のような
我が国企業がグローバルICT市場においては後塵を拝する
状況に至る
状況をつくってしまっているのではないかとも言えます。
ICTによって世の中の産業構造全体が変化していく中で、いつまでも旧来型の制度をベースとするのではなく、これまでのネットワークレイヤーに閉じた競争
政策は一旦棚卸しした上で、今後は、ネットワークレイヤーに縛られない新たな領域への
通信事業者の積極的な挑戦を促し、グローバルICT市場の上位レイヤーにおいても世界と互角に戦えるようなプレーヤーを育てるといった
観点での
政策を大胆に打ち出していくという方向にシフトしていくべきと
考えますが、
大臣の御所見を伺います。