○風間直樹君 今日もよろしくお願いします。
最初に、公文書の改ざん問題について
質疑をしまして、その後、議題の法案についてお尋ねをいたします。
まず、今日は人事院からお尋ねをします。
この改ざん問題ですが、ニュース等を見ていますと、こういう問題が起きるたびに、第三者による
委員会みたいなものをつくって、そこに徹底
調査をさせろという声が必ず紹介されるんですけれども、それは非常に的を外した
議論だと思っています。
一昨日も申し上げましたように、
我が国の法
制度上、行
政府を行政監視の立場からきちっとチェックをする、そのための
法律が整備をされています。その
法律に基づいて関係組織が設置をされています。その一つが人事院であり、会計検査院であり、また総務省の行政評価局であり、そして最たるものが国会と、こういうことです。
人事院ですが、内部統制機関ということですけれども、今言いましたように、行政に対して人事院の場合は人事の
観点からチェックを行うべきです。
国家公務員法に言うところの民主的視点から、人事院が今回の問題を起こした
政府、
財務省をどうチェックすべきだったのかという
問題意識から今日は
質問します。
一昨日も
議論しましたけれども、人事院によると、この国公法十七条の物すごくパワフルな
調査権、これが改ざん問題では使えませんということです。この
調査権は歴史上一度も使われたことがないので、私は、そもそもこれは人事院が使い方を知らないから、そして使う意思もないから、この
調査権が放置されたままなんじゃないかなと考えています。
今回の改ざん問題については、私、国公法の条文をそれぞれもう一回読み直してみましたけれども、恐らく今から述べる国公法の条文が該当するんだろうと。これからそれらを読み上げますので、その後、人事院の認識を伺いたいと思います。該当されると思われる条文は、国公法の九十八条、九十九条、百一条、百二条、それから九十六条、そして最後に十七条。
まず、国公法の九十八条、「法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止」という条文、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」。これは今回、改ざん問題が起きたわけですから、公文書改ざんは完全に法令に従っていないということになります。
それから、九十九条、「信用失墜行為の禁止」、「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」。
大臣おっしゃるには、佐川
局長が改ざんを指示したと、現時点ではこういう判断だということですから、佐川
局長のそうした行為が官職の信用を傷つけ、官職、
財務省全体の不名誉となる、そういう行為、そういう事態を招いているということです。
それから、百一条、「職務に専念する義務」、「職員は、
法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、
政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」。これは、私が昨年のこの
委員会で
指摘をしました総理夫人付きの谷査恵子さんによる昭恵夫人の私的な
勉強会、UZUの学校の事務局業務を主催し、同時にフェイスブックに、平日、このUZUの学校に関する投稿を行っていたという問題、この百一条にまさに抵触すると私は考えます。
次に、百二条、「政治的行為の
制限」、「職員は、政党又は政治的目的のために、」、抜粋して読みますが、「これらの行為に関与し、」「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」。昨年随分
議論されました、おととしの参議院選挙の際に、昭恵夫人が自民党の候補者の皆さんの応援に行かれた、それに夫人付きが随行された、これがこの国公法の
観点から厳しく批判されたのは皆様も御記憶のとおりであります。
そして、これら今述べた条文というのが九十六条の「服務の根本基準」という
部分に抵触してきます。つまり、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と。
ちょっと御紹介をしておきますけど、私、この
質疑をするに先立って、そもそも人事院という組織はどういう経緯でできたのかなと、その根拠法である
国家公務員法というのはどういう歴史的な経緯があるんだろうということで資料を探してみたんですけれども、興味深い資料を見付けました。
それが、この国公法を事実上作ったと言われる
法律家がいまして、外国人ですが、ブレイン・フーバーという方です。この方が昭和二十四年の四月四日、参議院の
委員会、当時人事
委員会という
委員会がこの参議院に設置されていたらしいんですが、そこで国公法の意義と近代公務員
制度についてという題で講演をされているんですね。その中でこう言っています。民主主義
国家にとって第一の大きな問題は、官吏が国王や皇帝に対して責任を負うのではなく、
一般国民に対して責任を有する官吏
制度を打ち立てるという問題ですと。この国王や皇帝にという
部分を総理
大臣にとか
政府にとか置き換えてみると分かりやすいんですけれども、今日
日本の政治状況は安倍一強と言われるぐらい総理官邸が強いと言われていますけれども、
日本にとって第一の大きな問題が、官僚の皆さんがこの総理に責任を負うことじゃないんだと、国民に責任を負う、そういう
制度を打ち立てることだと、こういう
趣旨のことをおっしゃっている。この思いが九十六条なんだろうと思います。
これら今読み上げた条文を総合すると、十七条の「人事院の
調査」、「人事院又はその指名する者は、人事院の所掌する人事行政に関する事項に関し
調査することができる。」というこの十七条の
調査権にどうしてもこれつながってこざるを得ないなというのが国民の常識から見て明らかではないかと私は考えます。
そこで人事院にお尋ねをするんですが、昨日少し
議論しました
国家行政組織法の十条、この十条と今お話しした国公法の十七条、この関連についていま一度伺いたいんです。
国家行政組織法十条はこう書いています。「各省
大臣、各
委員会の
委員長及び各庁の
長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。」と。これが国公法十七条及び国公法全般に優先すると、昨日人事院がそういう
趣旨の答弁をされましたが、その法的論理性について教えてください。