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政府参考人(
奥田哲也君)
お答え申し上げます。
まず、附帯決議でございます。
平成二十八年十二月一日に参議院
国土交通委員会において、改正道路運送
法施行に当たりまして、適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきということを内容といたします附帯決議をいただいたところでございます。
まず、貸切りバス
運転者の労働条件の改善ということが
指摘されておりますが、
運転者の拘束時間などを定めました改善基準告示がきちんとしっかりと遵守されるよう、行政処分量定の強化でありますとか
監査体制の拡充を行いますとともに、引き続き、厚労省との合同
監査、相互通報
制度の
活用を図っております。
次に、優越的地位の濫用による道路運送法の形骸化の
防止につきましては、今年の一月四日から改正旅行業法が施行されまして、従来は旅行業法の規制の対象外であったランドオペレーターが登録制となりまして、業務取扱管理者に対する研修でありますとか契約締結時の書面交付が義務付けられるとともに、下限割れに関与した場合には営業停止などの厳正な行政処分が科されることとなったところでございます。
また、貸切りバスの安全
対策に係る補助でありますとか税制などの
支援策の拡充につきましては、貸切りバスなど大型車の安全性向上を図るため、衝突
被害軽減ブレーキなど先進安全技術を搭載する車両を購入する際に、購入補助でありますとか税制特例措置を
実施しておるところでございます。
また、
監査体制の拡充強化につきましては、
監査体制につきまして、
地方運輸局などの
監査要員を
平成二十九年度に三百六十六人から四百二十人まで五十四名増員するとともに、専門性を
確保するため、
監査要員に対する基礎研修を二回から三回に増回をいたしております。
また、
事業許可時の審査の厳格化につきまして、二十九年四月から、安全コストを適切に賄いながら継続的に
事業を遂行する経営体力を有するか否かをチェックし、不適格者については
事業から退出させる
事業許可の更新制を導入をいたしました。現在、今年、三月三十一日までに更新期限を迎える八百十者のうち、
事業廃止や申請辞退などにより退出した
事業者は八十八者ございます。更新期限を迎える
事業者のうち約一割が退出をいたしておりまして、
事業を安全に遂行する能力のない
事業者を退出させるという意味で
一定の効果が出たものというふうに考えておるところでございます。
今後とも、これらの内容を含めまして、引き続き不断の検証を行い、必要に応じて見直しを検討したいというふうに考えております。
それから、附帯決議の三点目、巡回指導の
実施状況でございます。
貸切りバス
適正化機関は、道路運送法改正により創設をされまして、貸切りバス
事業者に対して巡回指導を行い、その法令遵守
状況等をチェックし、悪質な法令違反
事業者について
国交省に通報し、
監査業務を補完する役割を担っております。
昨年六月末までに
全国のブロックごとに十の機関が
大臣の指定を受けまして、昨年八月から巡回指導を開始をいたしております。これらの機関は、昨年度末時点で五千七百三十七営業所中千百営業所について巡回指導を行いまして、重大な法令違反を犯した
事業者や巡回指導の
指摘事項に対して改善を行わなかった
事業者など八件について
国土交通省に対し通報を
実施いたしており、
国交省はこれを受けて
監査を順次
実施いたしております。
国交省といたしましては、今後とも、
全国の貸切りバス
適正化機関と緊密に
連携をいたしまして、法令違反の早期是正及び不適格者の排除を進め、安全、安心な貸切りバスの運行の
実現を図ってまいります。
あと、最後の運輸
事業振興助成交付金
制度の件でございます。
この
制度は、昭和五十一年に軽油引取税の税率が引き上げられました際、営業用トラック・バスの輸送力の
確保、輸送コストの上昇の抑制などを図ることを目的といたしまして、旧自治省の通達により創設された
制度でございます。
この
制度につきましては、この通達に規定されていた交付金の算定基準、交付金の使途について、
平成二十三年に議員立法で運輸
事業の振興の助成に関する
法律が制定され、法制化されたというふうに
認識をいたしております。
その際には、旧自治省通知による
制度の経緯と
平成六年度以降の交付
水準を踏まえて、各
都道府県が交付する対象を、運輸
事業の振興の助成に関する
法律第二条の規定により、改正前の民法第三十四条の規定により設立された社団法人であったものに限るというふうに規定されたという経緯と承知をいたしております。