○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は
国際観光振興法の
法案審議ですが、
法案の中身に入る前に、
外国人観光客の方が
日本を訪れる際に最初の窓口となります空港についてお伺いをしたいと思います。
日本の主要空港としまして、羽田、成田、関空、そしてセントレア、中部国際空港などがあり、その主要空港の
一つの中に福岡空港もございます。
私、先日福岡空港を視察をさせていただきました。
日本の
観光政策、特にインバウンドの政策が空港で働く方々にどのような影響を与えているかということを関心を持って視察をさせていただき、特にグランドハンドリングの業務をされている方々を中心にお話を伺いました。
観光客が増える中で、まず荷物が大変増えているということで、福岡の場合は沖縄に飛ぶ飛行機が多いわけですけれども、この沖縄線の場合は機体が大変小さくなっておりまして、そのため、通常であればコンテナに入れて、大きなコンテナで一気に荷物を運ぶことができるんですが、沖縄線の場合は機体が小さいので
一つ一つ荷物を手で運ばないといけないと、そういう大変さもあるというような現場のお声もいただきました。その業務の大変さが影響して離職率も大変に高いというお話もありました。また、福岡の場合はアジアからの
観光客が非常に多くなっておりまして、中国、韓国を始めアジアの皆様が大変空港を多く使われております。
そうした中、福岡空港は混雑空港に指定もされておりまして、遅延もしょっちゅう起こる状態となり、
委員長も私も福岡の空港をよく使うので身をもって感じているんですけれども、十五分、二十分の遅延は当たり前と、そのような
状況が今福岡空港の
状況になっております。
福岡空港、乗降客数で見ますと、羽田、成田、関空に次いで全国第四位であります。その福岡空港におきまして、福岡空港以外の、先ほど申し上げた羽田、成田、関空、そしてセントレアにはあって福岡空港にはない、福岡空港にだけないものがございます。それは何でしょうかという質問をしようかと思ったんですが、実は、これ保育所でございまして、福岡空港以外の主要空港には保育所がありますが、今福岡空港にだけございません。
おとといの四月一日になりますが、羽田空港に全日空が企業内保育所というものを開業いたしました。この全日空の保育所は、ゼロ、一、二歳、待機児童で一番人数が多いと言われているこの年代を対象にした保育園でございまして、ANAの職員の方を始め、大変喜ばれている様子、報道でも取り上げられておりました。同じANAの行っております保育園が数か月後には沖縄の那覇空港にも開園予定となっております。
私が今手元に持っているリストなんですけれども、先ほど申し上げたように、羽田、成田、そして関空、これ一、二、三と空港順位になりますけれども、保育園がございます。そして福岡空港がなく、五位の新千歳空港にも保育園はございません。その後、沖縄の那覇空港、大阪の国際空港、中部国際と全て保育園があるということで、福岡と新千歳だけ保育園がないというのが今の現状になっております。
空港は、皆様御存じのとおり、大変女性が多く働く場所であります。
航空会社の職員の方だけではなく、ターミナルの中のレストランや売店、そして管制塔にも多く女性が働いております。また、福岡空港は近隣の市町村からのアクセスも非常にいいため、福岡市内だけではなく周辺の自治体からも多くの方がいらっしゃっております。私が視察をさせていただいたときにも、空港職員の皆様、福岡空港に保育園が必要だということをおっしゃっておりました。
今、
政府としても待機児童の解消、これをもう第一に掲げて国として
予算を付けて取り組んでいるところなのに、福岡空港には保育所がない。そして、福岡空港は、実は来年の四月から民間委託が開始をされる予定でして、もう既に、来月五月には国が優先交渉権者を選定するという段階まで来ております。
基本的には、この民間委託によりまして、民間の活力をお借りをして空港をより良い場所としていくわけでありますので、ターミナルの中にどういう施設をつくるかというのは運営をする民間業者にお任せをするということになるとは思いますが、国として待機児童対策に最優先で取り組んでいる中で、この福岡のように
都市部にある空港で、周りの方、近隣住民の方の中に保育所を求める声がある場合には、運営
事業者に対してその
意見がきちんと届くように国の方が関与していくべきではないかと思います。
空港といっても、全ての空港に保育所が必要とは限りませんし、大きなところ、人口が密集している地帯の空港だけでいいと思いますし、また、待機児童の問題が解決した暁には空港に保育園というのも必要がなくなる時代が来るかもしれません。
少なくとも、今喫緊の課題がある中で、今後、空港運営を新規に民間に委託する際には、保育園を併設することを周辺自治体が希望する場合には民間
事業者に検討をしていただけるように国としてきちんと促すべきだと思いますが、国交省のお考え、いかがでしょうか。