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石井みどり君 今の御
答弁ですと、有効性に関する科学的知見の収集が十分でない、これは希少がんですから、やっぱり五大がんに比べたら疫学的調査によるエビデンスというのはなかなか出しにくい、これは事実だろうと思う。
しかし、先ほど申し上げたように、口腔がんというのは非常に発見が遅れるんですね。自覚症状が出てからではほとんどがステージ三、四とかで、これ本当に深刻な結果になっていることが多いです。ところが、本来ならば自分で口の中見れるわけですから、なかなか口内炎が治りにくいなというような
状況で、そこで発見できれば、これはさっきも申し上げたように、死亡には至らないわけであります。
ちょっとその有効性が出ないから検診項目になりにくいというのは少し受け入れ難い御回答ではあるんですが、そうであるならば、全国に今歯科
医師が十万います。そして、歯科の、主に開業ですけれども、
医療機関というのは六万余りあります。そうすると、プライマリーで診る、プライマリーケアの歯科
医師あるいは一般の歯科健診、ここで口腔がんを一次的に、大事なことは、さっき申し上げた口内炎、アフタ。でも、何かこれおかしい、何かおかしいなという、そういう直感力を養うといいますか、前がん病変から精密
検査へ持っていくという、ここが私は大事なんじゃないかというふうに思っています。
そこで、御提案をしたいのが、今申し上げた一般的な歯科健診との併用であったり、あるいは、かかりつけ歯科医がその異常を発見した場合、がんの拠点病院、あるいは高次の病院へつないで鑑別
診断をしてもらう、そこの仕組みができれば非常に有効なんではないかと思います。これについては、東京のさっき申し上げた江戸川区がすばらしい取組をされています。
江戸川区が江戸川の歯科
医師会に
委託事業としてされているんですけれども、これが、江戸川区の事業ですから、がんの
受診の方は無料なんですね。事前に申し込んで、そして、現在は個別検診になっていますので、協力というか認定された口腔がんの検診の認定医の仕組みをお持ちですので、そこの歯科
医療機関、御近所の、そこに行って診てもらえれば、その口腔がん検診認定医のところの予約
受診というのは二年に一回受けれることができるということになっています、四十歳以上ですが。そして、この認定医の方は、当然その
研修を受けてトレーニングをされています。問診、視診、そして触診から、ここでおかしいと思ったら二次検診につなげます。リキッドバイオプシーというようなものに行きます。
あるいは、面白いのが、東京歯科大学の千葉病院の口腔外科と協力して、ナビシステムというのを作っておられるんですね。これは、口腔写真を撮ってネットで東京歯科大の千葉病院へ送れば、二十四時間以内に疑わしい病名、あるいはアドバイスが返ってくることになっている。ですから、わざわざ千葉まで行かなくてもいいということもあります。そして、なおかつ、先ほど申し上げた二次検診、あるいはそういうところの高次の
医療機関、あるいはがん拠点病院みたいなところへの紹介システムもできている。これが十一件あるんですね。
もう、はっきり申し上げて、江戸川でここまでの拠点病院とかをつくっておられるというのも、きちんとした連携システムをつくっておられるというのは本当にすばらしいと思います。ちなみに、その高次
医療機関、連携
医療機関は、東京歯科大学の水道橋病院、東京歯科大学の千葉病院、東京歯科大学市川総合病院、日大の歯学部附属病院、
日本歯科大学附属病院、
日本歯科大学の、科が違うんですけれども、あります。それから、横浜では鶴見大学歯学部附属病院、それから東京医科歯科大学の歯学部病院、それからがん研の有明病院、それから都立の墨東病院、それから
医師会とも連携取られています、江戸川区の
医師会の耳鼻咽喉科の診療所と。これだけ取られているんですね。
ですから、決して大掛かりな検診を全国にしかなくても、かかりつけ歯科医とか一般健診を有効に使えばいいのではないかというふうに、
是非これを、そして、この成績もまたいいんですね。検診の成績なんですけれども、がん検診
受診者に対するがんであった人の割合は〇・二%、集団検診のときは〇・二三%で、個別検診になって〇・二%です。これ、他の五大がんとの成績と比較しても決して劣らない。胃がんで〇・一%、肺がんで〇・〇四%、大腸がんで〇・一八%、子宮頸がんで〇・〇七%、乳がんで〇・三一%という
状況です。五大がんは
受診者の方が非常に多い、百万単位です。での結果がこういう
状況なんですね。
是非、こういう仕組みがあるということを私は御紹介したいと思っています。
で、今やですね、さっき申し上げた、
国民の二人に一人ががんになって三人に一人が亡くなられるというふうに申し上げたんですが、ということは、働く世代の方々にとっても今やがんというのは誰でもがかかるかもしれないという疾患だと思います。ですから、特に口腔がんの場合は早期発見すればその後の社会復帰も非常にスムーズに行えるわけですので、先ほど一般健診そしてかかりつけ歯科医と申し上げたんですけれども、この歯科
医師に対しての
研修制度を導入する
必要性というのをどのようにお考えでしょうか。