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国務大臣(
世耕弘成君) まず、官民ファンドの位置付けなんですが、これは、私、官房副長官
時代からかなり問題意識を持ってやってきていまして、ある意味、官民ファンドというのはちょっといろんな顔を持っている。
ファンドですから、個別の投資
案件一個一個で必ずしも利益が出ていなくても全体でリターンがあればいいという性格もあれば、ただ一方で、これ国のお金を元手にしているわけですから、やはりきちっとした管理が極めて重要になってくるという面。そしてあと、一方で、民業圧迫をしてはいけないという面があるので、民間がなかなか取れない
リスクをちゃんと取っていくというやはりすみ分けが必要であるという件。また、たとえお金の面でのリターンが取れなくても、官民ファンドという性格上、何か
政策目的があって、投資としては駄目だったけれども、
政策目的は実現できたんだと。ちょっといろんな、多面な顔があるのかなというふうに思っています。
特に、今、経産省が持っている産革機構とクールジャパン機構。産革機構については、これはやはりベンチャーキャピタルというのが
日本ではもうアメリカに比べて極めて規模が小さい中で、やはりしっかり投資をして、このベンチャーキャピタルというものをしっかり産革機構が呼び水となって生み出していかなければいけないということ、また、
事業再編なども先頭に立って行っていかなければいけないということで、産革機構の官民ファンドとしての役割があるのかなと。
クールジャパン機構については、これ、例えば韓流ブームができていく過程なんかを見ていますと、やはりコンテンツを多少赤字でも先に
展開をさせて、アニメとか映画とかですね、その後、ファッションとか食とか、そういったものが売れていって、国全体の文化としては
プラスになるというやり方ですね。クールジャパン機構はちょっとなかなかその狙いどおりにいっていない面はあるんですけれども、クールジャパン機構というのは本来そういう役割を果たすべきではないかというふうに思っています。
いずれにしても、これ私、副長官
時代に主導して、官民ファンドの運営に係るガイドラインというのを決めさせていただきました。今、十四、監視対象になっていますが、それぞれの官民ファンドの呼び水効果がどうなっているかとか、
政策目的のKPIがきちっと実現できているかどうかとか、そういうことを
政府、横串でしっかり見ていくことが重要なんだろうというふうに思っています。
産革機構の、今回、今、経産
委員会で御審議いただいている法改正でありますが、特にこの産革機構のガバナンスを少し抜本的に改革をして、投資機関にふさわしいものにしようということを考えております。これ、第四次産業革命の
社会実装を担う投資機関として
リスクマネー供給が産革機構には期待をされているわけですが、こうなると、やはりスピード感というか、あるいは、それこそベンチャーの方々を相手にするわけですから、極めて迅速で柔軟な投資決定をしなければいけない。
一方で、やはり官民ファンドですから、きちっとした国の
政策に沿った運用方針がなければいけないということで、この監督と投資をある程度分離をしていくような、これはもう海外の
政府系ファンドでもたくさん例があるわけですが、そういったことを参考にしながらガバナンスを確立をしていきたいと思います。ということを今考えているところであります。