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山田俊男君 私は、大変心配なこと、そしてそれも、五年前の話じゃなくて今から大変な苦労が掛かってくることをテーマにして少し申し上げたいというふうに思うんです。
実は、
規制改革推進会議の、これは座長が米の
生産調整の在り方について
答申を出した、考え方を示したということがあるわけであります。今、その
内容が、それこそ今から全国でそれが
実施する形になってきているんです。この間五年間あったんです。それが今、全国で最も焦点になっている米の
生産調整について、都道府県ごと、生産者ごとの目標配分は行わないで進めるという方策になっているわけです。これは、五年前に産業競争力
会議の
農業分科会、これは
規制改革推進会議の前段の組織であり、
農業分科会という名前ですが、どちらかというと
農業ワーキング・グループの名前と同様の位置付けがあるものだというふうに思いますが、その際、新浪座長が提案されたものです。
といっても、詳細は、私は率直に言うと、誰が書いたものかは不明だというふうに思うんです。新浪座長が提案されたんですが、新浪さんに本当にその大事な言わば蓄積があって、そしておまとめになったのかどうかということについては、新浪さんは立派な方ですが、私は疑問を持っております。
この案は、米も自由生産、自由流通、自由販売の世界に入っていくぞというものであります。その意味では、私はその意味では大変整理されたものだというふうにあえて言います。詳細は省きますが、
生産調整の目標配分は国としては行わない、目標達成を要件とした直接支払も経営安定
対策もその連動をやめる、個々の生産者やJAの自由な生産、流通、販売の判断に任せるというものであります。まさに今、ここ二、三か月の間に、おっと、そんなことが今進んでいるのか、これが出ているのか、ということは五年前にもう提起されていた
内容であります。
当時、五年前にこの提案がなされたときの党の議論は、何と、新浪さんが発表してから一か月、あと一か月程度しかない中で、そして、党としての案をまとめなかったら予算
措置にも間に合わない、何にも間に合わないということの中で行われたわけであります。大変激しく慌ただしいものでありました。ですから、果たして党内でも十分な合意
対策が講じられたのかどうか、大変疑わしいものであります。
そうはいいましても、私も当時は農林の幹部としてその中にいたわけでありますが、議論に加わりながら、おい、これで本当に大丈夫なのかということを疑問に思いながら、何と、出る回数が三回です。三回の会合だったんです。三回の会合の中でほっほっほっと決まっていったというのが実情であります。
その後、ともかく新浪さんの案を受けてから五年たって今年から
実施に移されています。一番の心配は、もしも今年豊作になったらどうするかということであります。これ、豊作になったら喜べばいいんですが、どうもそうはいかぬところがありまして、五年前にも議論はありました。しかし、今も
関係者全員の一番の心配事であります。
この過剰
対策については、ほんの小さな
措置しか講じられていません。小さな
措置といいましても、五十億の予算でつくっている集荷円滑化
対策事業であります。しかし、作柄の程度によっては、役に立つとは私の判断ではなかなか思わない、程度によってはですね。もちろん、これはちゃんと前提として言っておきますが、飼料米等の転作
対策、それから作物
対策、これは水田活用直接支払等も含めまして、きちっとそのときは講じられているんですよ、それは講じられている。だけど、講じられているんですが、一方で、豊作が出てきたときには本当に身動きが付かないことになるという心配であります。心配は、目標達成の成否と、もし作柄が良かったときの
取組対策であります。
要は、五年前の
規制改革推進会議の提案は、
農業者自身で考えろ、
農業者は自分で判断しろというものであるのかもしれないと思います。あえて言うと、これが新自由主義、市場原理の
政策なのかもしれないと思うんです。悩み苦しんでいる現場の
農業者やJA等
関係者の現実を踏まえた
政策づくりにこれがつながっているのかどうか、甚だ心配であります。
この当時、党の農林部会長に就任されたばかりなのがこの齋藤
大臣、このと言っちゃいかぬですね、齋藤
大臣でありまして、齋藤
大臣がこの短い議論に農林部会長として臨まれたわけであります。この提言を受けた後の短い時間と日程との党内協議では大変な御苦労をされたと思います。そして、現在は
農林水産大臣として、五年間たってその成否を占う、その成否が懸かる
対策に取り組まなきゃいかぬことになっているわけであります。
どうぞ、
規制改革推進会議のワーキング・グループで、
農水省や私も含めて、党の部会や
議員、多くの
農業関係者などの当事者が
政策形成の論議になかなか前段きちっと参画できないで、決まったことを受け止めざるを得ないというのは大変でした。そして、しかし五年先のことだからなんて思って安穏としていたのではないかという心配もあります。
大臣の今のお考えをお聞きします。