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衆議院議員(
松島みどり君) ただいま議題となりました
法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
美しく豊かな自然を保護するための
海岸における良好な景観及び
環境の
保全に係る
海岸漂着物等の
処理等の
推進に関する
法律は、
海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に
推進することを目的として
平成二十一年に制定され、これまで
海岸漂着物等の円滑な処理及び発生の抑制に寄与してきました。
しかしながら、この
法律が施行されてから間もなく九年が経過する現在においても、
我が国の
海岸には国の内外から多くのごみが漂着しており、また、沿岸を漂流するごみや海底にあるごみが船舶の航行の障害や漁場
環境の支障となって海洋
環境に深刻な影響を及ぼしています。
さらに、近年、マイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチック類が海洋に流出し、有害化学物質を吸着して食物連鎖に取り込まれ、海洋生態系に影響を及ぼす等の懸念が国の内外で高まっており、この
対策が喫緊の
課題となっております。
こうした
状況の下、
海岸における良好な景観及び
環境の
保全並びに海洋
環境の
保全を図るため、本案を提出した次第であります。
次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、題名を美しく豊かな自然を保護するための
海岸における良好な景観及び
環境並びに海洋
環境の
保全に係る
海岸漂着物等の
処理等の
推進に関する
法律に改めることとしております。
第二に、法の目的規定に、
海岸漂着物等が海洋
環境の
保全を図る上でも深刻な影響を及ぼしており、また、大規模な自然災害の場合に大量に発生している旨の認識を追加することとしております。
第三に、
我が国の沿岸海域において漂流し、又はその海底にあるごみその他の汚物又は不要物を漂流ごみ等と定義した上で、法が対象としている
海岸漂着物等に追加することとしております。
また、国及び地方公共団体は、
地域住民の生活又は経済活動に支障を及ぼす漂流ごみ等の円滑な処理の
推進を図るよう努めなければならないこととしております。
第四に、
海岸漂着物対策は、
循環型社会形成
推進基本法その他の
関係法律による
施策と相まって、
海岸漂着物等の発生の効果的な抑制が図られるよう十分配慮されたものでなければならない旨を明記することとしております。
第五に、微細なプラスチック類をマイクロプラスチックと定義した上で、
海岸漂着物対策は、マイクロプラスチックが海洋
環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあること及びその処理が困難であること等に鑑み、
海岸漂着物等であるプラスチック類の円滑な処理及び廃プラスチック類の排出の抑制、再生
利用等による廃プラスチック類の減量その他その適正な処理が図られるよう十分配慮されたものでなければならないとする基本理念を規定しております。
また、
事業者は、通常の用法に従った使用の後に河川その他の公共の水域又は海域に排出される
製品へのマイクロプラスチックの使用の抑制及び廃プラスチック類の排出の抑制に努めなければならないこととしております。
さらに、
政府は、最新の科学的知見及び国際的動向を勘案し、海域におけるマイクロプラスチックの抑制のための
施策の在り方について速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
第六に、更なる
海岸漂着物対策として、国は、
海岸漂着物等の
処理等の
推進に寄与した
民間の団体及び個人の表彰に努めるものとしております。
また、国は、
海岸漂着物対策の
推進に関する国際的な
連携の確保及び
海岸漂着物等の
処理等に関する
技術協力その他の国際協力の
推進に必要な措置を講ずるものとしております。
なお、この
法律は、公布の日から施行することとしております。
以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
以上であります。