○武田良介君 九十六あったものが九十四無人化されて、今
二つということでありました。
これ、無人になるとできないことがやっぱりあるわけですね。目視によって観察する、観測するということができなくなっていく。例えば、生物季節観測というのがあるということでありました。桜の開花時期を記録するということに代表されるようなものだというふうにお聞きをしておりますけれども、その土地のその
地域の桜という植物の毎年のデータを取っていくということができなくなるということでした。
これ、測候所は二〇〇六年から一〇年頃までに、先ほどの話ですけれども、どんどん無人化されて、今
二つのみと。先ほどの、もう
閣議決定の話も出ましたので分かりましたけれども、そういう全廃ということがうたわれて、
閣議決定があってどんどんどんどん減らされてきたということなんです。
これは本当に大変な問題だということで、
一つ紹介したいと思うんです。
今
お話にありました名瀬の測候所、奄美にあるわけですね。鹿児島の奄美にある、群島のところにあるわけですけれども、今も常駐者が大体二十人ほどいらっしゃる測候所だというふうにお聞きをしました。奄美では、二〇一〇年に奄美
豪雨被害が起こった。測候所にまだ人がいたわけですね、二〇一〇年のときに、今もあるわけですけれども。日頃から自治体と測候所職員が緻密に
情報共有し、連携をしていたために、気象庁が記録的短時間大雨
情報を出すよりも早く自治体は住民に
避難を呼びかけることができたと、そういう事例があったということをお聞きしております。
これは、やっぱり
現場の状況をきめ細やかに把握できる、そういう専門的な知識を持つ測候所があったからできた
対応だったというふうに思うわけです。しかも、これ
災害は二〇一〇年で、先ほどの
閣議決定の話からしても、全廃だと言われたけれども、
是非残してほしいというふうな声が地元からも上がって残されて、今のような
災害対応ができた。だから、測候所を残してきたということの意義を改めて強調しておきたいというふうに思いますし、今回の
適応の
法案ということですけれども、むしろその測候所や地方気象台も含めて体制の
強化、人員、予算も含めて必要だということを思います。
ちょっと時間もないんですが、地方
環境研究所の話に戻りたいというふうに思います。
先ほどの生物季節観測、桜の開花の記録などの話ですけれども、これ実際には貴重なデータが失われているというふうに思います。例えば、この廃止のことがどんどんと言われて大問題になっていた二〇〇九年のときの読売新聞の記事を見ましたけれども、名古屋の地方気象台で主任予報官をされていた方が質問に答えて記事になっていましたけれども、桜の開花やセミの初鳴きというんですかね、初めてセミが鳴いたときなどの生物季節観測は廃止されてしまうと。
地球温暖化の指標としても注目されつつあるが、一世紀近く続いた記録が途切れた
地域も多いということも
指摘をされております。これからいざ
適応策考えようというときに、一世紀近く続いた記録が途切れてしまう、そのことの重みがあるというふうに思います。
そこで、
大臣にお伺いしたいと思いますけれども、地方
環境研究所の体制の
強化に向けて、予算措置も含めて力を尽くす必要があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。