○杉
久武君 昨日は、本当に終日都市機能が麻痺して、大変な混乱もございました。また、ガスの復旧もあと一週間は掛かるとのことでございますし、断水が続いているというところもございます。関西では今日から大雨の予報でございまして、二次災害等の被害も心配されるところであります。今おっしゃっていただいた給水車や、またブルーシートが足りていない、こういった声も現場を歩いておりますといただきました。また、余震も続いているところであります。私も地元
大阪の一人として一刻も早い復旧に向けて尽力することをお誓い申し上げまして、私からも
米朝首脳会談に関連した
質問に移りたいと思います。
既に各
委員からも御
指摘があったとおり、一週間前に行われた
米朝首脳会談の最大の論点は、
北朝鮮の完全かつ
検証可能で不可逆的な
非核化がどのような形で担保されるのか、ここに注目が集まっていましたが、
共同声明にこの
CVIDの文字はございませんでした。この点について、世界中で様々な論評が試みられているところでありますけれども、少なからずあるのが、この
共同声明は
非核化に向けた具体性に欠けるといった懸念と、
CVIDが明記されないまま
アメリカが
北朝鮮の
体制保証を約束した、これは譲歩し過ぎであるといった批判であります。
しかし、私が今回の首脳会談で感じることは、
トランプ大統領は、当初、この
共同声明には署名しないかもしれないといった発言を
考えれば、署名に至ったということは
一つの成果でございますし、別の
観点で見れば、史上初の
米朝トップ会談という特殊性と、約七十年に及ぶ歴史を鑑みると、やはり当事国が初めて会った場でいきなり一足飛びに踏み込んだ
文書の作成ができるかといえば、一般的な合意プロセスとしては、まずあり得ないのではないかなというふうに思います。
その上で、今回の
共同声明を
確認いたしますと、やはり注目すべきは本文の第二パラグラフの後半
部分でありまして、ここには
トランプ大統領は
北朝鮮の安全の保証を与えることを約束しとございます。ここには、
体制保証という言葉はなく、
トランプ大統領が約束したのは
北朝鮮の安全の保証でございます。
この安全の保証が何を指すのかといえば、私見ではありますけれども、これは、
北朝鮮の核開発の歴史を振り返れば、その目的はただ
一つで、
アメリカとの戦争回避、すなわち対米
抑止力としての核兵器開発であることを
考えれば、核兵器の保持こそが
北朝鮮の国家
安全保障の基盤であると見ることができます。その上で、今回
アメリカが安全の保証を与えることについて
北朝鮮が同意したということは、
北朝鮮は、核を基盤とした対米抑止という国家
安全保障の道から、
アメリカとの和解に基づく国家
安全保障の道にかじを切ろうとしている、このように
考えることも可能ではないかと
考えます。それは、合意
文書にあるとおり、
米朝両国で
緊張状態や敵対
関係を克服して新たな
米朝関係を確立するとの合意ですので、
北朝鮮にとっても
アメリカにとっても、対立から
対話へと百八十度の政策転換を行うに当たり、
お互いが同じ土俵に上がったフェーズが今回の会談であったんではないかと、私はこのように整理をしております。
そこで、私からも
指摘したいことは、
北朝鮮側の約束で、
共同声明では、金
委員長は朝鮮半島の完全
非核化への確固で揺るぎない約束を再
確認したとございます。朝鮮半島という言葉をどう捉えるかは一旦置きますが、大事なことは、
北朝鮮も完全
非核化を約束した以上、逆説的に言えば、
非核化が具体的に進展しない限り国連安保理決議に基づく経済制裁が緩和されることは決してないということを改めて
認識しなければなりませんし、
トランプ大統領も首脳会談後の記者会見で当面制裁は継続されると述べていることも、この点を考慮に入れた発言だったと
考えます。
したがいまして、
非核化というゴールが設定された以上、具体的成果が目に見える形で得られるまでは制裁は維持されるべきですし、今回の会談も最大の制裁圧力があってこその
実現であったことを
考えれば、裏付けのない希望的観測や楽観主義が無制限に先行して制裁がなし崩しに緩和されるようなことがあってはなりません。
我が国はこれからも、
国際社会との連携や
認識の共通はもちろんですが、特に
日米韓の三か国が結束を更に固くして、
共同声明に盛られた
北朝鮮の確固で揺るぎない約束を、あらゆる手段を駆使しながら徹底してコンクリートをしていくことが求められると思います。
そこで、
河野大臣にお伺いをいたしますが、
北朝鮮の
非核化に向けた
米朝首脳会談への評価について伺いますとともに、
大臣には、早速
韓国へ飛んでいただきまして、
日米韓外相会談や文在寅
大統領への表敬等間髪を入れず
対応していただいておりますが、訪韓の成果も踏まえまして、今後の
北朝鮮の
非核化に向けた
我が国のスタンスや取組についてお伺いをしたいと思います。