○小西洋之君 民進党・新緑風会の小西洋之でございます。
今回の審議になっております
マラケシュ条約でございますけれ
ども、これまで
視覚障害者に視覚を原因とする
障害のみに限定されていたとも条文上読めるようなその条文上の措置を、例えば失語症患者のように言語を操る、コントロールする能力そのものを別の
障害の原因によって損傷を受けている、そうした方にも適用されるような改正が行われたことは誠に意義がある。ただ、事前に確認しましたら、
政府内で十分なそうした
議論は確認はされていないということですので、
外務省あるいは文化庁あるいは厚労省などしっかり取り組んでいただきたいと
思います。
では、安全保障に関する
質問をさせていただきますが、その前に、昨晩、私が現職の
自衛隊員から受けました誠に遺憾なある事件について御
報告と、また
防衛省としての
見解を伺わせていただきたいと
思います。
昨晩の午前九時頃でございますけれ
ども、参議院の議員会館を出て国
会議事……(発言する者あり)昨晩の午後九時前でございますけれ
ども、失礼いたしました、参議院の議員会館を出てすぐのところ、国
会議事堂の目の前の公道の場で、現職の
自衛隊員と名のる者から、私は、おまえは
国民の敵だなどと繰り返し罵声を受けました。国
会議事堂の目の前の公道であり、また職務
質問を行う複数の警察官が集まってくれましたけれ
ども、そうした警察官の前でもそうしたおまえは
国民の敵だというような発言を繰り返しました。
私は、その者に対して、
国民である以上、当然言論の自由はあり、また私
ども国
会議員は
国民から正当な批判を受けるのが仕事であるけれ
ども、現職の
自衛隊員であるのであれば、その
自衛隊員の実力組織としての特別の服務にあなたは服しているはずだ、あなたのそうした発言というのは法令に反するものであるのではないかということで諭したんですけれ
ども、繰り返しそうした発言を行いますので、それをやめないのであれば、また撤回しないのであれば、
防衛省の人事当局にこの場で通報をするということを申し上げました。それでも発言をやめませんでしたので、やむなく
防衛省の人事当局に通報をいたしたところであります。
人事担当の責任者から私の携帯電話にその場で連絡が参りました。そのことをその現職の
自衛隊員と名のる者に伝えまして、
防衛省に電話する前にも彼に一度確認を取ったんですが、発言を撤回するのであれば
防衛省の人事当局には通報はしないと、また発言を撤回するのであれば、あなたの所属や名前というものを言わずに、これをこの場で、私の中で、二度とないということを確認して
防衛省には通報しないということにするということにしたんですが、彼はそれを拒みました。
ただ、最終的には彼は態度を改めまして発言を撤回するということを言いましたので、その場はそれで収めたんですが、今朝になって、その本人から、現職の
自衛隊員と名のる者から了解を受けていた警察、麹町署から本人の所属部署を知るところとなりました。統合幕僚監部の現職の職員であるというふうに名のったということでございます。氏名も警察は聞いて、私も聞いて知っておりますけれ
ども、氏名はこの場では控えます。
この件について昨晩のその
防衛省の人事の責任者の
対応でございますけれ
ども、実は私がその
現場を立ち去った後、人事の責任者から電話がありまして、私、小西が
防衛省に通報はしないとしたということだそうだけれ
ども、
防衛省としてこのような事件があった以上は
調査をしなければいけない、
調査をするというようなことをおっしゃられました。また、
大臣にも一報をされているというふうに聞いております。この間の
防衛省の人事当局の
対応というのは、それは、私は正しい
対応であり、敬意を表すべき
対応であると
思います。
ただ、今朝になって警察からその所属を聞いたとき、統合幕僚監部、昨年の南スーダンの
日報の隠蔽事件、また今回の
イラク日報の件についても統合幕僚監部の責任が問われているところでございます。そして、その焦点はシビリアンコントロールでございます。
昨日、その
自衛隊員と名のる者にも直接言いましたけれ
ども、今から七十年前、この国
会議事堂、またこの首相官邸で、当時の軍部がクーデターを起こして、おまえは
国民の敵だ、問答無用だと言って犬養毅首相を暗殺し、また高橋大蔵
大臣などを暗殺した、五・一五、二・二六、そうした事件が起きた、今、シビリアンコントロール、
自衛隊のその在り方が問われている、そうしたさなかにあって、あなたの発言は、
自衛隊法の五十八条などに服務の規定がございますけれ
ども、そうした問題はないのかということをさんざん諭しましたけど、最終的には態度を改めましたけれ
ども、その者はなかなか態度を改めなかった。しかも統合幕僚監部の職員だということでございます。
防衛省の官房長に伺いますけれ
ども、事実
関係を
調査の上、しかるべき対処をする、私も一度は武士の情けで、まだ働き盛りの
隊員であるので、武士の情けで彼の謝罪、撤回を受け入れたんですけれ
ども、やはりその所属と今の
自衛隊、そして
防衛省が置かれている
状況を踏まえたときに、
国民との責任でこの問題を、やはりしっかりと私も国
会議員として
国民に責任を果たさなければいけないということで、今日
質疑をすることといたしました。
防衛省として責任を持った
調査、対処をするということでよろしいでしょうか。