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山岡分科員 今お話ありましたけれ
ども、まずは実態の全容把握なんだというお話でございました。もちろん、福井県を始め、まだ被災現場まで行けないというような場所があるということは私も伺っているところであります。
その一方で、一日でも早くやはり
農業に復帰したいという
思いの中で、そうした中で今途方に暮れている方もおられます。
私は、今、この被害を受けまして、地元北海道の現場、直接歩かせていただきました。北海道においては、特に二月五日から六日、ここは本当に大きな雪が降りました。これは北海道庁の調べでありますけれ
ども、被害棟数は今のところ五百六十二。今お話ありました二千七百棟でありますから、およそ二割は北海道の
農業用ハウスの被害というのが現状であります。もちろん、福井とか石川とか各全国合わせれば先ほどの数字になっていくわけでありますけれ
ども、非常に大きな被害が出たエリアだということも数字の上でもお示しできるかと思っております。
この中で、北海道でいわゆる五百六十二棟なんですけれ
ども、そのほとんどが、北海道の南側にあります太平洋沿いの日高というエリアに集中しております。
それには理由があります。この後申し上げますけれ
ども、ハウスの倒壊があったよということが北海道内も含めて世間に伝わったのは、五日、六日の後の七日のことでございました。地元紙に一面大きく出まして、二月七日というのは北方領土の返還要求全国大会の日でもございまして、非常に大きなテーマでありますので、私も東京におって、大会にも出席させていただいて、それはそれでまた別の機会に取り上げさせていただくんですけれ
ども、そうした
取組をしているさなかに、地元紙に大きく報道されたことを受けて情報を集めて、私も早速地元に帰りまして、国会開会中ですので週末しか入れませんから、九日と十六日、十九日と三回にわたって、日高
地域というところの新ひだか町、静内というところと三石というところもありますし、そしてまた、新冠町という北海道の町に入って
調査をさせていただいているところでありました。
今回、直接ヒアリングをさせていただいて、そして農家さんにお話を伺って、お会いする方もどなたもおっしゃることは、この町に生きていて、七十代の方もです、こんなに連続でここまでの大雪が降ったことは一度も経験がないと。これは一人の方が言っているんじゃないんですね。農家さんもそうですけれ
ども、例えば町長さんというのは、もちろんその町にずっと長くいらっしゃる。二つの町の町長さんもそうですし、組合長もそうです。JAに長くお勤めのベテランの職員さんもそうです。本当に聞く人聞く人、いや、こんなに降ったのは初めてだと。そして、雪も非常に、雨まじりといいますか、重い雪になってしまったということもあるんですけれ
ども、そうした、非常に過去の中ではあり得ないと。
それが証拠に、この二つの町は移住者も非常に募っているわけでありますけれ
ども、私たちの町は雪が少ない町なんです、北海道にもいろいろな町があるけれ
ども、ここの
地域は太平洋沿いだから少ないんだということをパンフレットとかにも書いたりして、本当に
地域全体でそういう
認識の町でありました。
今回、その
地域に集中して被害が出てしまったのは、まさに、日ごろ全くというか、誰もが経験したことがないような大雪がこの
地域で起きてしまったから、だからこういう災害が起きてしまったということが、まずもってこの
地域の中で粘り強くお話を伺っていく中で、これはよく把握させていただいた事態でありました。
北海道のイメージは、やはり雪が降るというイメージはあると思うんですけれ
ども、そうじゃないということも御
理解いただきながら、この静内という町は観測地点で四十三センチということでございましたけれ
ども、私が現地に入って、まだ雪も残っておりましたけれ
ども、山の方に行きましたら、観測地点で四十三センチですから、一メートル以上、一メートル近くですかね、本当に雪が連続して降ったということも残っておりました。
ハウスとハウスの間、これもこの後お話ししますけれ
ども、非常に狭いところにハウスを敷き詰めているものですから、重機も入らないんです。ですから、手作業で、三十人も四十人も集まってスコップで雪をかき出しているという、本当に町を挙げてこの
状況を何とかしようという
取組もされておられました。
ですから、私が御
理解いただきたいのは、こういう短期間でも降り続けたことは町の人にとって予見不可能である、本当に心からみんなそう思っているということを、まずそのことについても
大臣にお伝えしたい、その
思いであります。
過去に例がないような甚大な気象
状況である、気象災害であるというのが本当に町の
認識であります。この
思いをお伝えさせていただきますとともに、本当に御
理解いただけると思うんですけれ
ども、
当たり前のことなんですけれ
ども、雪が降るとわかっていたら、誰もが進んで被害に遭おうという方はいらっしゃらないわけでありますね。
それが証拠に、北海道の中でも特に雪深かった
地域、その隣に平取という町もあるんですけれ
ども、こういうところは一切被害が出ていないんです。それは、雪が降るのはわかっていますから、ハウスとハウスの間も広く建てて、建物も丈夫なものを建てて、雪が降ったらすぐその間を除雪に入るんです。横を除雪すると、当然ハウスの上に載った雪は横に落ちるんですね。対応方法もわかっている。だから、降るとわかったら、町を挙げてそういう準備はあるからそういうことができる
地域と、まさにそういう準備のない
地域があるんだということをこの視察の中でお伝えをさせていただきたいと
思います。
私の話ばかり長くなって恐縮なんですけれ
ども、もう少しお話ししますと、この日高という
地域は馬
産地として知られていまして、競走馬とかそういうのがかなり、全国でいえば八割ぐらいの、母親の馬ですね、そうした馬を持っている、そんなエリアでもあるんですけれ
ども、近年、やはり競争が激しくなる。こうした中で、みんな、さまざまな戦略作物を求めて、
地域の
産地づくりに取り組んできたエリアでもありました。
この
地域は、特に野菜、ミニトマト、ピーマン、ホウレンソウとか、北海道ですから、雪が少ないエリアと申し上げましたけれ
ども、夏も比較的涼しいわけであります。そうすると、野菜というのは、夏というのは、本州のほかの
地域のいわゆる
生産というのが非常に鈍るといいますか、供給力が落ちる中で、そこに目をつけまして、新たな自分たちの
産地として、特に夏秋のいわゆる市場に品薄になるようなところを目がけて、この日高というところは
努力してこれまで積み上げてきました。その積み上げてきた
努力が、まさにこのハウスの中にあったミニトマトとかピーマン、ホウレンソウといった、そうした苗でもありましたし、このハウスの中で育てて夏秋に向けて準備していくという、まさにそのスタートの段階でこういうことが起きてしまったという
状況であります。
地域ブランドを
地域みずから育ててきて、お話を伺っている中でやはり非常に心配されているのは、本当に
努力して
地域の作物としてつくってきたんだ、でも、この雪のために、もし、ことしの特に夏と秋、こういった時期に出荷できる量が減ってしまったら、市場は常に安定してもらえるところを探していきますから、私たちが常に出してきたものがほかのエリアにとられるかもしれない、もっと言えば、海外のそうした出荷する業者の人たちにもとられるかもしれない、自分たちが生き残ろうと思ってずっと
地域として積み上げてきたものが、この雪の中で非常に先行きが心配だと。
ですから、後ほどお話もしますけれ
ども、被害に遭った方もいれば、もちろん準備ができて遭わなかった方もいらっしゃいましたし、共済の問題もありまして、共済に当たる方も当たらない方もいるんですけれ
ども、ただ、そうした方
関係なく、
地域全体として、これまで出してきた出荷量をとにかく一日でも早く取り戻したい、市場の信頼を崩さないためにも、被害を受けていない私も、被害を受けているあの人のこともその人のことも、とにかく早く立ち直らせたいんだという
思いを持っておられるのが、今お話を伺っている中でも非常に強く感じる部分でもございました。ですから、本当に
地域にとって、こうした今の事態は、緊急に対応する必要がある事態になっている、そのことを強く感じるところであります。
今、一通り本当に
地域のことと
産地のことをお話しさせていただいたんですけれ
ども、ぜひお伺いしたいんです。いわゆる地元の人たち、こういう
努力して
産地ブランド化していくというこの
努力、
産地をしっかり守って育てていく、このことに対しての
農水省としての
認識もお伺いしたいと
思います。地方創生を地でいっている、そうしたエリアであると思っています。
その
認識とあわせて、そのエリアが今大雪の中で大変な
思いをしている、そのことについてぜひ御
認識を伺えればと
思います。お願いいたします。