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世耕国務
大臣 やはりドイツのインダストリー四・〇というのは、これは完全にものづくりの最初から最後まで、いわゆるCADによる
設計から最終的に在庫管理のようなことまで、
一つの会社が全部押さえています。一方で、会社間の取引というのは、これまた別の
一つの会社が押さえていて、ドイツの場合は、このシステムの中にどうやって中小
企業も含めて組み込んでいくかというのが課題、これがまさにドイツのインダストリー四・〇の取組だというふうに
思います。
日本の場合は、残念ながらそういうベンダーは存在をしないわけであります。そういった中で、しかし一方で
日本の強みは何かといったら、やはり中小
企業も含めて結構機械化、IT化がこれまでの政策の効果もあって進んでいて、どんな
現場へ行っても機械が動いていて、モニターのところへだあっと、毎日、データが時々刻々出てきているわけですね。
そのデータが、結局、
現場で、はっきり言って
工場単位でほったらかしにされている、よくてもせいぜい
企業の中に閉じている。これをビッグデータとしてしっかり活用することによって、
日本のものづくり、ものづくりだけじゃなくてサービス産業のクオリティーも上げていくことができるんだろうというふうに思っています。
これがコネクテッド・インダストリーズの考え方なんですが、このコネクテッド・インダストリーズの考え方をやっていくに当たって、
日本企業の
一つの問題点も解決できていくというふうに思っています。
日本企業というのは、はっきり言って同業他社間で全ての分野で競争してきたんです。みんな国内予選でへとへとになって世界へ出ていくので、世界で負けてしまう。
ここを、もう少し協調領域というのをしっかり広げて、データ共有ということを切り口にして、例えば保安の部分ですとか製品の品質の部分なんかはある
意味協調していってもいいんじゃないかということで、データ共有を進めていくということも非常に重要だ、データ共有をすることによって
企業間の協調領域を広げて、本当のハイレベルのところで競争するということも、
企業文化を変えていくという点でも重要なのではないかというふうに思っています。
そういう
意味で、我々は、まず、自動走行とかモビリティーサービスですとか、ものづくり・ロボティクスとか、五つの分野を重点的にこのコネクテッド・インダストリーズで取り組むということも決めていきたいというふうに
思いますし、いろいろな
環境整備もやっていきたいと
思います。
例えば、データ利用をするというときに、その権利とか責任の範囲をどういうふうに規定していくかというような契約をしっかり明確化していかなければいけないというふうに
思いますし、あと、データ連携の取組について、特にそういったための投資を行う
事業者に対しては減税措置を講じるとか、あるいは、今度は逆に、データはしっかり守っていかなければいけません。ルールに基づいて共有はするけれども、不正に取得をする人に対してはやはり対抗していかなければいけないということで、データの不正取得に対する差止めを可能とする不正競争防止法の改正案というのも今国会で御
議論いただきたいというふうに思っています。
こういうことを全部総合的に取り組んで、コネクテッド・インダストリーズというのをしっかり
日本の産業競争力
強化につなげていきたいというふうに思っております。