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鬼木分科員 財務副
大臣としては、仮にとしか言えないというお答え、そのとおりだと思います。国の財政に責任を持つ立場として、そんなことがあってはならないという御意思、そういった厳しい立場の中での仮にのお答え、ありがとうございました。
本当にそういうことがあってはならない、そうならないために、私も、どうしなければならないかということを考えさせていただいておりますが、もし仮にそういうことになったら国民生活にどういう痛みが降りかかってくるのか、このことを逃げずに国民に訴え、理解していただかなければ、財政構造の改善という改革はできないということで、厳しい議論をさせていただいております。
財政健全化というのは本当に不人気政策でございます。歳出を削減する、国民の皆さんに
負担を
お願いする、苦しいことばかりでありまして、誰が喜ぶんだということをやらなくちゃいけない、まさに政治家に託された先憂後楽の仕事だと思います。
また、先ほどの、財政破綻が起こった場合、金利が急激に上昇する、利払い費が急激に
増加する、そうしたお話がありましたが、先ほど私が述べたのは、金利が上がると財政が破綻するかもしれないというのに対して、今の話は、財政が破綻すると金利が急上昇する、つまり、金利が先か破綻が先かというのは物すごく厳しい話、
状況になっておりまして、どちらが先でも相当に厳しい。今、低金利でやりくりできているものの、金利が急上昇する前に手を打たなきゃいけないという局面なんだというのが私の強い危機意識でございます。
また、世界に冠たる社会保障という御
答弁もありました。本当にそうなんです。これを私たちは守っていかなきゃいけないと思っております。
例えば年金制度、少子高齢化社会がやってきまして、たくさんふえていくお年寄りを減っていく現役世代が支えていく、だけれども、この年金制度を持続可能なものとして私たちは次の世代にも引き継いでいかなければならないし、安心だよ、破綻はしないよということ、年金制度は掛金、年金保険料だけではなく税金までつぎ込んで持続させている、そして、その信頼をもって、次の世代の人たち
もともに支え合う制度に参加していただいている、これも持続可能なものなんだよということで支えていきたいと思いますし、また、国民皆保険制度、これも本当にすばらしい、世界に誇る
日本の医療制度でございます。
昨年、私の同級生がアメリカ・ニューヨークで暮らしておったんですが、その同級生が
日本に帰ってくるなり空港で倒れまして、結局亡くなってしまいました。そのときに、いろいろなことを調べておりましたら、アメリカの病院に立ち寄った形跡がある。そして、帰国して家族にしゃべったことによりますと、クレジットカードを見せて病院に入ってお医者さんに診断してもらった、だけれども、お医者さんは患者の顔も見ずにパソコンにちょこちょこっと何かを打ち込んで、では病院を紹介しますからといって、次の病院にたらい回しにされた。
結局、アメリカの医療制度には、
日本のような、誰もが医療にアクセスできる、低
価格ですばらしい
充実した医療にかかれるという仕組みはありませんで、クレジットカードの銘柄、残高、そうしたものによって受けられる医療の質というものが変わってきているというものをかいま見た話でありました。
私たちは、少ない
負担であらゆる人が病院にかかって適切な診断を受けることができますし、高度な医療も受けることができる。国民みんなを守る医療保健、そして保険制度、それを支える財政というものを絶対破綻させてはいけない、そのためにこの財政健全化に取り組んでいるわけでございます。
今おっしゃったように、副
大臣の御
答弁のとおり、財政破綻が起こると、こういった年金や医療といった、介護もそうですね、そうしたあらゆる社会保障が、
財源がなくなってしまう、お金が回らなくなってしまう。つまり、全てが国民の自腹、自前の
負担、十割
負担、全額
負担、自己責任の医療、社会保障に陥ってしまうことが起こり得るということなんですね。
そしてまた、後に述べられた
答弁のとおり、民間部門の活力、
経済というものも大混乱に陥るということもあるわけでございます。
日本国債を多く保有しているのは金融機関です。その金融機関が持つ国債がデフォルトしてしまえば、それは金融機関にとって大きな焦げつきになるわけでございます。社会的信用を失った国債というものを保有する金融機関は、その不良債権を抱えてしまうということになる。そうすると、
日本じゅうの金融機関が機能停止をしてしまって
経済が大混乱に陥る、そういうこともあるわけでございます。こうした事態を招かないように、我々は
経済の再生と財政健全化の両立を進めているということでございます。
そのために、またこれもプライマリーバランスの黒字化という御
答弁がありました。何のためにプライマリーバランスの黒字化をやっているのかといいますと、まさにこれは、
日本の財政の収支構造を改めようというその入り口がプライマリーバランスの黒字化ということになります。
済みません、ちょっと時間が押して、法務
大臣の
答弁もあるので、ちょっと急ぎます。
結局、財政収支の改善というのは苦しいんですね。歳出を減らすか、
歳入をふやす、どちらにしても国民に痛みがある。だからなかなかやれない。苦しいからこれが進まない。PB黒字化にたどり着くには相当な苦しみがある。借金し続けた方が楽なんです。国民も楽だし、政治家も楽。だけれども、楽ばかりしていると後世にとてつもない苦しみがやってくる。まさに先憂後楽であります。私たちはこの収支構造を改善していかなければならないわけでございます。
ちょっと、一問、
財務の
質問をはしょらせていただきます。
それで、今私が考えておりますのが、これからの土地の課題でございます。
少子高齢化というのが大きな
日本の課題でございます。そして、これは、すぐに超高齢社会がやってくるという時代、本当に困難な時代がやってきます。これをどうやって私たちは改善していくのかという中で、その次にやってくるのが、私は、大相続時代がやってくるのではないかということを想定しております。
人口減少と大
規模な相続土地の発生で、
日本のさまざまな構造が変わってくるのではないかと思います。少子高齢化、苦しいよね、超高齢社会、苦しいよね、その後に来る大相続時代を経て、
日本の構造が新たになったところから、いろいろなものの収支の改善ができていかないかということを希望を持って考えていきたいなと思っているわけでございます。
相続する人がいない土地がたくさん出てきますと、それが国庫に帰属することになって国有地もふえたりするのではないだろうか、そうすると、国のバランスシート上に、運用して収益を上げることのできる資産がふえていけば、
日本の収支構造も少しはよくなっていくのではないかなということを考えております。
そうした中で、今既に問題になっているのが、所有者不明の土地の問題でございます。人口減少や
増加する相続によりまして、相続登記未了等を原因とする所有者不明土地の
増加が社会問題となっております。
増田寛也元
総務大臣の研究会によりますと、所有者不明土地の面積は、二〇一六年において九州本土の面積に相当する四百十万ヘクタールに上りまして、二〇四〇年までには北海道本島の土地面積に迫る約七百二十万ヘクタールまでに
増加し、これに伴う
経済的損失は、二〇一六年において約千八百億円、二〇四〇年には累積で約六兆円に上るとの報告がされております。所有者不明土地の解消は喫緊の課題であると考えられます。
このような大相続時代における所有者不明土地問題の解消に向けた
法務省の
取組状況につきまして、当局に
お尋ねいたします。