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山井委員 三十分間質問をさせていただきます。
今の
質疑を聞いておりましても、全くこの虚偽データの問題、正しいデータがどうなのか不明のままであります。おまけに、裁量
労働制の
労働時間がどうなのかという裁量
労働制拡大の
議論の根幹、
前提となるデータに間違いがあることも明らかになっております。
当然、そういう状況で、命を左右する大きな問題に疑義が残っている段階で、きょう強行採決するなんてことは絶対に許せないということを冒頭申し上げたいと思っております。
きょうも、過労死の御遺族の方も傍聴に来られております。私たちは、このデータの問題は、スキャンダルの問題ではないと思っております。これは命にかかわる問題なんです。
おまけに、その命にかかわる問題を
安倍総理は目玉法案とされておりますので、きょうは、質問通告を丁寧にしておりますし、基本的な質問しかしませんので、
安倍総理、ぜひ御自身でお答えをいただきたいと思います。
前回の質問のときには逃げて逃げて逃げまくられましたが、やはりこれは、私も
国民を代表して、
労働者を代表して質問しているのでありますから、
安倍総理、もし逃げまくられるようでしたら、もう目玉法案と言うのをやめて、とにかく、そのこと
一つをもってこの国会での
成立、断念をしていただければと思っております。
私も、約十年前から厚生
労働委員会でこの過労死の問題、特に、きょうも傍聴に来られておられますが、
東京過労死家族の会の代表の中原のり子さんにもお話をお聞きしながら、医師の方々の過労死の問題を始め、十年ぐらい取り組んでまいりました。
三年前には、過労死防止法を超党派で、
安倍総理も賛成していただき、
成立させ、私もこの間、数十人の過労死の御遺族の話、延べにすると百回以上お話をお聞きしてまいりました。
そういう中で、結論として、今過労死の御遺族が一番政治に求めておられるのはこのことなんです。結論として、過労死で家族を亡くして一番地獄の苦しみを味わっておられる方々の一番の切実な願いは、ここにありますように、配付資料のトップに入れてあります、「過労死・過労自殺を増やす「企画業務型裁量
労働制の拡大」に反対します」と。現状でさえ同制度の適用
労働者の過労死、過労自殺が後を絶たないことから、改めて反対の意思を表明するものです、一部の営業職などに裁量
労働制を広げることは、ますます過労死、過労自殺を増加させる危険性が極めて高い、今でさえ十分に行われていない
労働時間の適正な把握がますます困難になり、賃金不払い残業を一層深刻化させますということであります。
つまり、残業代を払うならば
労働時間が把握されて、かつ、それほど深夜まで
労働者を働かせ放題にはしないわけです。残業代というのは、単にお金の問題じゃなくて、命を守る最大のセーフティーネットなんですね。
今回の高度プロフェッショナルや裁量
労働制の拡大で、事実上残業代の縛りを外すということで長時間
労働になりがちで、今後じゃないですよ、既に、過労死が続出し、体を壊す方が続出し、そして残業代不払いが合法化されるという深刻な問題が起こっております。
さらっと申し上げますが、二ページ目、電通の高橋まつりさん。長時間
労働の末に、本当に残念ながら、お亡くなりになってしまいました。
そして、その次のページ、テレビ記者であった佐戸未和さんも、裁量
労働に近い働き方で、残念ながら、三十一歳にして本当に無念の死を遂げられてしまいました。
さらに、その次のページにもありますように、「裁量
労働で過労死認定」と。月の残業が百三十三時間、それで、このアナリストの仕事をされていた方も過労死をしてしまわれました。午前六時に出社、午前三時ごろに起床、そして晩まで勤務と。御遺族は、裁量
労働制で
労働時間がわかりにくくなり泣き寝入りしている人がたくさんいると思うと。
そして、その次の、二十七歳、大手印刷会社の会社員も、入社翌年目から裁量
労働制、みなし
労働時間は一日八時間。つまり、一日八時間なんですよ、みなし
労働時間が。にもかかわらず、実際は月百時間の残業で、午前七時に出勤し、翌日の午前一時過ぎまで働く日々が続いたと。こういうことは、普通のきっちりした
労働時間把握がされていたら起こりにくいんですね。
さらに、昨日、裁量
労働制ユニオンの坂倉代表の話も聞きましたけれども、六ページにありますように、現時点でも、例えば三十代の女性の裁量
労働制の方が、みなし
労働時間は八時間だけれども、月の残業百時間。昨年十一月、深夜に会社で倒れられて、それで救急車で運ばれた。もし発見されなかったら、そのまま過労死されていたかもしれません、この女性の方は。
それで、残業代が払われていませんよと言ったら、そのとき初めて、あなたは裁量
労働制ですよと言われたと。聞いてみたら、社員全員裁量
労働制。さらに、深刻なのは、労基署に相談したけれども、裁量
労働制だから
労働実態、
労働時間がわからないから対応できませんと。この隣の二十歳の男性の方も一緒です。
つまり、今の状況は本当に無法地帯になっていて、ざるになっていて、労基署に言っても、労基署も、裁量
労働制だから対応できませんと言うんですよ。こんな深刻な問題、規制
強化するしかないと思います。
そんな中で、このような人の命がかかった問題、これを拡大しようとするベースのデータが、労政審で唯一出てきたのが九時間十六分というデータであります。
そこで、
安倍総理に、質問通告しておりますので、お聞きします。
長妻議員や私が追及しているように、この裁量
労働制のデータもおかしいんじゃないですか。九時間十六分となっていますが、この配付資料八ページを見てください、四時間以下が約百二十件、そして、端的に言うと、平均の一日の
労働時間が一時間以下というのが二十五人もいる。会わせてくださいよ、どんな人か。どんな人なんですか。
質問通告しておりますので、
安倍総理、調査結果が少し出ていると思いますので、答弁をお願いします。