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2018-05-29 第196回国会 衆議院 本会議 第31号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年五月二十九日(火曜日)
—————————————
議事日程
第二十五号
平成
三十年五月二十九日 午後一時
開議
第一
文部科学省設置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) 第二
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
に関する
法律案
(
内閣提出
) 第三
民法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) 第四 働き方
改革
を
推進
するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
内閣提出
)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
文部科学省設置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
日程
第二
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
に関する
法律案
(
内閣提出
)
日程
第三
民法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) 午後一時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
日程
第一
文部科学省設置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
大島理森
2
○
議長
(
大島理森
君)
日程
第一、
文部科学省設置法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
文部科学委員長冨岡勉
君。
—————————————
文部科学省設置法
の一部を
改正
する
法律案
及び同
報告書
〔
本号末尾
に
掲載
〕
—————————————
〔
冨岡勉
君
登壇
〕
冨岡勉
3
○
冨岡勉
君 ただいま
議題
となりました
法律案
について、
文部科学委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。
本案
は、
文化芸術振興基本法
の一部を
改正
する
法律
の
附則
第二条に規定された検討の結果に基づく
措置
として、
文化庁
の京都への全面的な移転に向け、新
文化庁
にふさわしい
組織改革
、
機能強化
を図り、
文化
に関する
施策
を総合的に
推進
するものであり、その主な
内容
は、 第一に、
文部科学省
及び
文化庁
の任務のうち
文化
に係る部分を「
文化
に関する
施策
の総合的な
推進
」に改めること、 第二に、
文部科学省
及び
文化庁
の
所掌事務
に、
文化
に関する基本的な政策の企画及び立案並びに
推進
に関すること及び
文化
に関する
関係行政機関
の
事務
の調整に関することを追加するとともに、
文化庁
は、
学校
における
芸術
に関する
教育
の
基準
の設定に関する
事務
及び博物館による
社会教育
の
振興
に関する
事務
をつかさどること などであります。
本案
は、去る五月十五日、本
会議
において
趣旨説明
及び
質疑
が行われた後、同
日本委員会
に付託されました。 本
委員会
におきましては、十八日
林文部科学大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取いたしました。二十三日に
質疑
に入り、同日
質疑
を終局した後、二十五日に
討論
、
採決
の結果、
本案
は
賛成
多数をもって
原案
のとおり
可決
すべきものと決しました。 なお、
本案
に対し
附帯決議
が付されたことを申し添えます。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
可決
であります。
本案
を
委員長報告
のとおり決するに
賛成
の諸君の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
大島理森
5
○
議長
(
大島理森
君)
起立
多数。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり
可決
いたしました。
————◇—————
日程
第二
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
に関する
法律案
(
内閣提出
)
大島理森
6
○
議長
(
大島理森
君)
日程
第二、
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
に関する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
国土交通委員長西村明宏
君。
—————————————
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
に関する
法律案
及び同
報告書
〔
本号末尾
に
掲載
〕
—————————————
〔
西村明宏
君
登壇
〕
西村明宏
7
○
西村明宏
君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
国土交通委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。
本案
は、二千九年の
船舶
の安全かつ
環境
上適正な再
資源化
のための
香港国際条約
の締結に伴い、
船舶
の再
資源化解体
の適正な
実施
を図るための
措置
を講ずるもので、その主な
内容
は、 第一に、総トン数五百トン以上の
国際航海
をする
日本船舶
の
所有者
に対し、
有害物質一覧表
を作成し、
国土交通大臣
の確認を受けることを義務づけること、 第二に、
特定船舶
の再
資源化解体
を行おうとする者に対し、
主務大臣
の許可を受けることを義務づけること、 第三に、再
資源化解体計画
の作成と
主務大臣
による同
計画
の
承認
の
制度
の
創設
、また、同
計画
に係る
船舶
の譲渡し等について
国土交通大臣
の
承認
の義務づけなど、再
資源化解体
の
実施
に関しての手続を
整備
すること などであります。
本案
は、去る五月二十二
日本委員会
に付託され、二十三日
石井国土交通大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、二十五日、
質疑
を行い、
質疑終了
後、
採決
の結果、
全会一致
をもって
原案
のとおり
可決
すべきものと議決した次第であります。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
大島理森
8
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
可決
であります。
本案
は
委員長報告
のとおり決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
9
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり
可決
いたしました。
————◇—————
日程
第三
民法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
大島理森
10
○
議長
(
大島理森
君)
日程
第三、
民法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
法務委員長平口洋
君。
—————————————
民法
の一部を
改正
する
法律案
及び同
報告書
〔
本号末尾
に
掲載
〕
—————————————
〔
平口洋
君
登壇
〕
平口洋
11
○
平口洋
君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
法務委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。
本案
は、
公職選挙法
の定める
選挙権年齢
が満二十年以上から満十八年以上に改められたことなどの
社会経済情勢
の
変化
に鑑み、
成年
となる
年齢
及び
女性
の
婚姻開始年齢
をそれぞれ十八歳とする等の
措置
を講じようとするものであります。
本案
は、去る四月二十四日、本
会議
において
趣旨説明
及び
質疑
が行われた後、本
委員会
に付託され、五月九日
上川法務大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、十一日から
質疑
に入りました。十五日及び二十二日には
参考人
から
意見
を聴取するなど慎重に
審査
を行い、二十五日
質疑
を終局いたしました。次いで、
討論
、
採決
の結果、
本案
は
賛成
多数をもって
原案
のとおり
可決
すべきものと決しました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
大島理森
12
○
議長
(
大島理森
君)
討論
の通告があります。順次これを許します。
松田功
君。 〔
松田功
君
登壇
〕
松田功
13
○
松田功
君
国民
の
皆さん
、こんにちは。私は、
立憲民主党
の
松田功
でございます。 私は、
立憲民主党
・
市民クラブ
を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
民法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、
反対
の
立場
から
討論
いたします。(
拍手
) 本
法律案
は、
民法
上の
成年
となる
年齢
を二十歳から十八歳に引き下げ、
女性
の
婚姻開始年齢
を十八歳に引き上げるものです。
女性
の
婚姻開始年齢
を十八歳に引き上げることは、男女平等の
観点
からも重要であります。 しかしながら、問題は
成年年齢
の
引下げ
です。
成年年齢引下げ
の重要なポイントは次の二点です。
一つ
は、
未成年者取消権
が使える
年齢
が下がり、十八歳、十九歳の
若者
は、親の
同意
がなくても一人で高額の
商品
を購入することなどの
契約
ができるようになる一方、
未成年者
であることを
理由
に
契約
の
取消し
ができなくなるということです。 もう
一つ
、
親権
の
対象
となる
年齢
が下がり、十八歳、十九歳の
若者
は、親の管理のもとに置かれなくなることになります。 この
内容
が十分に知られているとは言えない中で、なぜ今、急いで
成年年齢
を十八歳に引き下げるのでしょうか。 以下、
反対
の
理由
を申し上げます。 まず、本
法案
の
立法
事実、すなわち
改正
の
必要性
や目的が見えないということです。 この点に関する
委員会
における
政府答弁
では、
成年年齢
の
引下げ
の
意義
として、
若者
の
大人
としての
自覚
を高め、
自立
を促す、積極的な
社会活動
を促す、
自己決定権
を尊重するといった抽象的な
説明
が中心でした。 しかし、これは、
改正
が必要であるという明確な
根拠
、
必要性
、
立法
事実とは言えません。 むしろ、
若者
の
自立
を支える
施策
が実現していないのにもかかわらず、
取消権
を奪い
親権
から外すことは、
若者
にとってマイナスの
影響
が大きいのではありませんか。
委員会
の
議論
を通じても、今、ぜひ
改正
しなければならないという
根拠
、
必要性
が
政府
からはっきり示されることはありませんでした。 また、
内閣
府の
世論調査
によると、
未成年者
の
取消権
に八割、
親権
について七割となっており、
成年年齢
の
引下げ
が
国民
に望まれているとは考えられません。 次に、今回の
改正
の
ベース
となった
平成
二十一年の
法制審議会
の
答申
が求めた
条件
が満たされておりません。
答申
は、
成年年齢
を十八歳に引き下げるのは適当としながらも、そのタイミングについては、
若年者
の
自立
を促すような
施策
や
消費者被害
の
拡大
のおそれの
問題点
の解決に資する
施策
が実現されること、これらの
施策
の
効果
が十分に発揮されること、それが
国民
の
意識
としてあらわれたことという
三つ
の
条件
を示しました。 しかし、今
国会
で
審議
中の
消費者契約法改正案
は、
若年消費者保護
の
観点
からは不十分であります。 また、
学校
における
消費者教育
も、
文部科学省
の
調査
によれば、
成年年齢引下げ
を踏まえて
消費者教育
を新規、
拡大
した現場は一割に満たないことが明らかになりました。 必要な
施策
が実現されていないのに、
効果
の発揮や
国民意識
の
変化
があるわけでもなく、
法制審
が提示した
条件
は全く満たされていないことが
委員会
の
質疑
で明らかになりました。 次に、各方面から最も
懸念
されているのが、十八歳、十九歳に対する
消費者被害
の
拡大
です。 現在、
若者
の
消費者被害
は二十歳を境に急増します。それは、
未成年者取消権
という防波堤がなくなった直後の
若者たち
が、
悪質業者
の
ターゲット
となっているからです。今、
成年年齢
を引き下げれば、
未成年者取消権
がなくなる十八歳、十九歳の
若者
が新たな
ターゲット
となるのは火を見るより明らかです。
成年年齢
を引き下げるならば、現在の
未成年者取消権
に相当する強い
若年消費者保護策
が求められますが、担保されていません。 今
国会
で
審議
中の
消費者契約法改正案
は、一部
修正
の上、
衆議院
本
会議
で
可決
されましたが、
消費者保護施策
としては一歩
前進
とは思いますが、
若者
を
ターゲット
とする現代の多様かつ巧妙な
つけ込み型悪徳商法
を十分に捉え切れておらず、
未成年者取消権
の
対象
から外れる十八歳、十九歳を
消費者被害
から守るという点では不十分だと考えます。
消費者保護
に
関係
する
特定商取引法
、
割賦販売法
、
貸金業法
における
若年者保護
の
強化
も予定されていません。このまま進めるのは、十八歳、十九歳の
消費者
をみすみす
悪徳業者
に手渡すようなものだと言わざるを得ません。
消費者被害
を防ぐには、
消費者教育
や
若者
の
社会
における
自立
を促す
教育
が極めて重要です。実務的な
消費者教育
はもちろん重要ですが、その
ベース
として、みずから考え
判断
する力を身につけることはより重要です。 しかし、
若者
の
自立
やその
意識
が高まっているかといえば、残念ながら、そうなっていないと思います。
教育
には時間がかかります。
一言
で言って、間に合っていないということです。施行までの四年間で
国民
の
意識
に浸透させる道筋は全く見えていません。 さらに、
消費者被害
以外の
懸念
も払拭されていません。
子供
の
養育費
の
支払い期限
は、
成年
でなく成熟が
基準
であるはずですが、
成年年齢引下げ
で十八歳までの
支払い
がスタンダードになってしまう
懸念
があります。これは、
大学進学
などを含めた
人生
の
選択
を困難にするなど、
子供
の
人生設計
を直撃しかねません。 また、
子供たち
が
児童養護施設
に入所していることができる延長可能な
上限年齢
も、現在、二十歳が
根拠
の
一つ
に
成年
を挙げている以上、
民法改正
により二十歳から十八歳に引き下げられてしまう
懸念
が払拭し切れません。 さらに、
成年年齢
の
引下げ
が
少年法
の
適用対象年齢
の
引下げ
へとつながる
懸念
、あるいは利用される
懸念
もあります。 これらに対する
政府答弁
も、到底十分なものとは言えませんでした。 以上の
理由
から、
見切り発車
で
成年年齢引下げ
を認めることは、
若者
の
人生
の
選択権
を広げるどころか、狭めることになりかねず、
立憲民主党
は、拙速で
議論
が尽くされていない
成年年齢
の
引下げ
に
反対
いたします。 最後に、
安倍自公政権
の
基本姿勢
について
一言苦言
を申し上げます。
各種世論調査
のどれを見ても、いわゆるモリカケ問題をめぐる
安倍総理
の
説明
に……
大島理森
14
○
議長
(
大島理森
君)
松田
君、
松田
君、時間をオーバーしております。
松田功
15
○
松田功
君(続) 大半の
国民
は全く納得しておりません。当たり前です。 例えば、
総理
は昨日も、
伝聞
の
伝聞
だなどとあの
愛媛文書
をやゆしましたが、
総理
の、御自身の
答弁
こそ、
昭恵夫人
に私が聞いたなどと、まさに
伝聞
の
類い
であって、
文書
が残っているという事実への反証とは全くなっていません。 では、どうすればよいか。簡単です。
大島理森
16
○
議長
(
大島理森
君)
松田
君、時間をオーバーしております。
松田功
17
○
松田功
君(続)
中村愛媛県知事
もいみじくもおっしゃっておられるように、しかるべき場で、
関係者
から直接話を聞けばよいだけの話です。 私
たち野党
がそろって、
加計理事長
、
昭恵総理夫人
を始めとした
関係者
の
証人喚問
、
参考人招致
を求めているのは、この問題をすっきり解決させたいからにほかなりません。 何ゆえに
与党
の
皆さん
が、今に至るまでかたくなな、これを拒否するのか、全くもって理解に苦しみます。何か隠したいことがあるのですか。何かやましいことがあるのですか。
安倍総理
を始めとする
政府
・
与党
の
皆さん
の猛省を強く促し、
討論
を終わります。 御
清聴
ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
18
○
議長
(
大島理森
君)
藤原崇
君。 〔
藤原崇
君
登壇
〕
藤原崇
19
○
藤原崇
君
自由民主党
の
藤原崇
です。 私は、
自由民主党
を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
民法
の一部を
改正
する
法律案
について、
賛成
の
立場
から
討論
を行います。(
拍手
) 本
法律案
は、
成年年齢
を十八歳に引き下げることを主な
内容
とするものであり、十八歳、十九歳の
若者
に、みずからの
判断
でみずからの希望する
人生
を歩む道を開くことで成人としての
自覚
を促し、
少子高齢化
が急速に進行する
我が国社会
を活力あるものにするという、大きな
意義
を持つ
改正
です。 さらに、世界的な潮流を見ると、
平成
二十年時点の
調査
結果によれば、
調査
ができた百八十七の国・
地域
のうち、百四十一の国・
地域
において
成年年齢
が十八歳以下とされていることから、今回の
改正
により、
我が国
もその
国際標準
に合致することとなります。 この
成年年齢
の
引下げ
は、
政治決断
により導入の
方向性
が示されたものです。 すなわち、
成年年齢引下げ
が
国会
で
議論
されるようになったきっかけは、
平成
十二年に当時の
民主党
が
成年年齢引下げ
の
議員立法
を提出したことによるものでした。 その後、
平成
十九年の
憲法改正国民投票法制定
の際には、
投票権
を二十歳以上に付与するという
与党案
に対し、
民主党
が十八歳
投票権
を主張した結果、
与党案
が
修正
され、
附則
においては
民法
の
成年年齢
の見直しに言及されました。 そして、この
成年年齢引下げ
の
方向性
は、その後も、
与野党
七党が共同提出した
平成
二十六年の
国民投票法改正法
や、
与野党
六
会派等
が共同提出した
平成
二十七年
公職選挙法改正法
においても維持されてきました。
委員会審議
で、一部
参考人
からは、
成年年齢引下げ
に対する要望が
国民
の中から上がっているとは言えないとの
指摘
がなされていました。しかし、これもある
意味
当然のことです。先ほど述べたとおり、この
成年年齢引下げ
は、もともと
与野党
を超えた
政治決断
として取り組んできたものだからです。 一方、
委員会審議
では、
未成年者取消権
を失う十八歳、十九歳への
保護
が不十分であるとか、
養育費
の
支払い
を受けている単
親家庭
の
子供
に
悪影響
を与える
可能性
があるなどの
懸念
が一部
委員
から示されました。 しかし、まず
指摘
をしなければならないのは、そのような
懸念
に関する
議論
を本
法律案
の
審議
で
議論
をすることは時期おくれであるということです。本来、
成年年齢引下げ
に伴う
弊害
の有無に関する
議論
は、
成年年齢引下げ
の
方向性
が
与野党
で合意された
平成
十九年の
国民投票法成立
の
段階
までに行うべきことです。それを、
成年年齢引下げ
の
方向性
が示され、実際に
法案
が提出された
段階
になってから、
引下げ
には
弊害
が生じる
可能性
があるから認められないという主張は、これまでの
議論
の積み重ねを無にするものです。 そして、実質的な側面を見ても、
本案
に関連した
政府等
の
対応
によって、
若年消費者
や単
親家庭
で育つ
子供
に対する
悪影響
が生じる
可能性
は大きく低減されています。 すなわち、
若年消費者
の
保護
については、
若年者
に多い
消費者被害事例
を念頭に置いた、
取消権
の
創設等
を
内容
とする
消費者契約法改正案
が今
国会
に提出されました。この
改正案
は、その
取消し対象
を
拡大
する
修正案
が提出され、先般、
衆議院
において
全会一致
で
可決
されました。 加えて、
政府
は、これまでも
消費者教育
や
相談窓口
の
充実
といった
各種対策
を
実施
している上、今後も
消費者被害
の
拡大防止策
に真剣に取り組んでいく意思を
委員会審議
において何度も表明しました。このような諸事情を踏まえると、
若年消費者
に対する不利益の
拡大
の
懸念
は大きく低減されたと言えます。 また、
養育費
に関する
紛争発生
への
懸念
についても、
政府
は、
成年年齢
の
引下げ
が既存の
養育費
に関する合意や審判に
影響
を及ぼすことはないとの解釈を明示しています。さらに、昨今の高い
大学進学率
を考えれば、今後の
養育費支払い終期
が直ちに十八歳にリンクするとは考えられません。そして、最高裁も、
成年年齢引下げ
による実務上の問題に対しては必要な
対応
を行う旨を
答弁
しています。こうした
取組
が浸透していくことにより、
養育費
に関する
紛争
が生じる余地は小さくなっています。
成年年齢
の
引下げ
は、世の中の基本的なルールを大転換する
取組
です。当然、それに伴う
各種影響
が想定されますが、
政府
においては、
各種対策
を
実施
し、今後もさらなる
取組
を続けることが期待されます。 今回の
成年年齢引下げ
は
与野党
の一致した
政治判断
によるものです。この
政治判断
に基づいた
取組
は、今後も
政治
が
責任
を持って
推進
し、
若者
が
自分
の
判断
で
自分
の
人生
を
選択
できる、そのような
環境
の構築を更に進めることをお約束し、
賛成
の
討論
といたします。 御
清聴
ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
20
○
議長
(
大島理森
君)
源馬謙太郎
君。 〔
源馬謙太郎
君
登壇
〕
源馬謙太郎
21
○
源馬謙太郎
君
国民民主党
の
源馬謙太郎
です。 私は、
会派
を代表して、ただいま
議題
となりました
民法
の一部を
改正
する
法律案
に
反対
の
立場
から
討論
させていただきます。(
拍手
) まず初めに申し上げますが、
成年年齢
を二十歳から十八歳に改めること
自体
、あるいは
女性
の
婚姻適齢
を十六歳から十八歳に改めること
自体
に
反対
するものではありません。
国民投票法
、
公職選挙法
において、投票できる
年齢
が十八歳に引き下げられ、若い
世代
の声が
政治
や
社会
の
決定
に反映されるようになり、そのことによって若い
世代
の
社会参加
を促すことは
我が国
にとって大切なことだと考えますし、その
若者
が一人の
大人
として
自立
し、それに伴う
責任
を持つ
年齢
も同じ
年齢
に引き下げられることは、至って自然なことではないかと考えます。 しかしながら、約百四十年ぶりの大きな
変化
をもたらすわけですから、
社会
の混乱がないよう、ほかの
社会制度
と
整合性
がとれるように、そして、
国民
全体、とりわけ当事者となる
若者
の
意識
が高まるように、
環境
の
整備
が重要になります。また、
成年年齢
を引き下げるということが、
当人たち
にとっても、
日本
にとっても、何がどう変わり、どんな
意味
を持つのかも含めて、
議論
を深める必要があると考えます。
法制審議会
による
平成
二十一年の「
民法
の
成年年齢
の
引下げ
についての
意見
」の中で、
選挙年齢
が十八歳に引き下げられることになるのであれば、十八歳、十九歳の者が
政治
に参加しているという
意識
を
責任感
を持って実感できるようにするためにも、
取引
の場面などの領域においても
自己
の
判断
と
責任
において
自立
した
活動
をすることができるよう、
民法
の
成年年齢
を十八歳に引き下げるのが適当であると、
成年年齢
の
引下げ自体
については適当であるとしています。 しかし同時に、
引下げ
の
法整備
を行うには、
若年者
の
自立
を促すような
施策
や
消費者被害
の
拡大
などの
問題点
を解決する
施策
が実現され、かつ、それらの
施策
の
効果
が十分に発揮されていること、そしてそれが
国民
の
意識
としてあらわれていることという
三つ
の
ハードル
が必要だとしています。 果たして、これらの
条件
はクリアされ、
引下げ
の
環境
は本当に
整備
されたのでしょうか。 まず、
施策
が実現されたかどうかです。 例えば、最も
影響
が危惧されている、
消費者被害
が新たに
成年
となる十八歳、十九歳に
拡大
しないかという点です。
消費者契約法
の
改正
により少し
前進
はしたものの、その
対象
となる類型が余りにも限定的で、これまで
未成年者取消権
で守られてきた
若年者
を救うことは困難です。 現在の
消費者被害
の件数は
成年
である二十歳を超えると激増しているのは、それ以下の
若者
が
未成年者取消権
で
保護
されてきたためです。この
未成年者取消権
で守られてきた十八歳、十九歳の
若者
を
消費者被害
から守る手だてが担保されているのでしょうか。 離婚した夫婦間の
養育費
についても、
成年年齢
が引き下げられたのだからと、
養育費
の
支払い
が事実上十八歳に短縮されてしまうといったことになりかねません。そういう事態について、
成年年齢
と
養育費
の
関係性
は
整理
されているのか、
関係
ないのであれば、それが周知徹底されているのかどうか、
対策
はいまだとられていません。 一方で、一部
施策
化しているもののうち、
二つ目
の
ハードル
である、その
効果
が十分に発揮されているかどうかです。 例えば、
消費者教育
についてです。
学習指導要領
が改訂され、
消費者教育
の
充実
が盛り込まれました。しかし、この新
学習指導要領
が高校で
実施
されるのは二〇二二年度の予定で、これは
成年年齢引下げ
が施行される年です。その年に十八歳の
成年
となる
学生たち
に、その年からようやく
消費者教育
が
充実
されるのでは、
施策
の
効果
が発揮されたかどうか以前の話だと思います。 こういう
状況
ですから、その
効果
が
国民
の
意識
としてあらわれている
状況
には当然至っていません。 二〇一三年に
内閣
府が行った
成年年齢
に関する
世論調査
では、十八歳、十九歳の者が親の
同意
なしに高額な
商品
を購入するなどの
契約
をできるようにすることに対して、実に七九・四%が
反対
しています。実際に
対象
となる十八歳から十九歳の
世代
では、八五%が
引下げ
の
議論
すら知らず、半数が関心がないと回答しています。 このように、
三つ
の
ハードル
がどれもクリアされていない
状況
で
成年年齢引下げ
を二〇二二年に行うのは、
法制審
の
意見
に即して見ても時期尚早ではないかと考えます。 ほかにも論点は幾つかあります。 二〇一五年の
公職選挙法改正
時の
附則
第十一条に従い、昨年には
少年法
の
引下げ
についても
法制審
に諮問されました。
法務委員会
における
政府
からの
答弁
では、
成年年齢
の
引下げ
が論理必然的に
少年法適用年齢
の
引下げ
にはつながらないという
答弁
がありましたが、
自立
と
責任
を持つべき
年齢
が十八歳となれば、むしろ論理的に考えれば、
少年法
も引き下げるべきだという
意見
を退けることの方が困難ではないかと思いますが、この点についても
整理
ができていないまま、
成年年齢
だけが先行してしまっています。 加えて申し上げれば、
自立
し、みずからの行動や
契約
にまで
自己決定権
とその
責任
を持たせる
成年
になってもお酒やたばこはなぜだめなのか、
整理
ができていません。そもそも
政府
からの
答弁
では、世界的に見ても
成年年齢
は十八歳が国際スタンダードなのだという論点がありましたが、世界的に見れば、
成年年齢
よりも飲酒、喫煙ができる
年齢
が低い国が多数ですが、ダブルスタンダードにはなりませんか。率直に理解に苦しみます。 高額な
商品
をローンを組んで買ったり、クレジットカードをつくったりの
判断
は任される十八歳が、競馬や競輪などの公営ギャンブルは二十歳からでないとできない。公認会計士や医師免許、十年パスポートは十八歳で取れるのに、大型、中型免許は二十歳まで取れない。 繰り返しますが、若い
世代
が
自立
し、
自己決定権
を持ち、
社会参加
し、これからの
日本
の中心になっていくことには
賛成
です。しかし、個別に
対象
年齢
を決めることで、かえって矛盾が生じるのではないでしょうか。 結局、
成年
になるということはどんなことなのかという
議論
が尽くされていないのだと思います。
成年
の定義とは、
消費者
契約
ができるようになる
年齢
ということではないはずです。そうした経済的な自由と
自立
のみならず、みずからのさまざまな行動の自由とそれに伴う
責任
、投票し、
社会
に参加する資格と
責任
を持つことなど、それらが本当の
意味
での
成年
、
大人
になるということではないでしょうか。
法律
上、
若者
を
成年
として扱うというときには、もちろん、結局、どこかで線は引く必要はあります。何歳から
大人
として扱い、
自立
を促し、
社会参加
とともに経済
活動
の自由を与え、そして
責任
を持たせるのかという骨太の
議論
をすべきだと思います。この国が、どこからを
大人
とするのか、
若者
に
責任
と
自立
を与えるのか、そこをぜひ
議論
したいと思います。 同時に、
成年
と未
成年
の線が引かれることで生じる
問題点
や
懸念
などからどうやって
若者
全体を守っていくのか、その
整備
こそ先にしていくべきだと思います。 こうした
議論
がまだまだ十分進んでいない現状において、
民法
上の
成年年齢
だけが引き下げられることは、本当の
意味
で
若者
を
自立
させ、将来の国づくりの中心になってもらうことにつながらないのではないかという
懸念
を表明して、
反対
討論
とさせていただきます。 御
清聴
ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
22
○
議長
(
大島理森
君) 國重徹君。 〔國重徹君
登壇
〕
國重徹
23
○國重徹君 公明党の國重徹です。 私は、公明党を代表し、ただいま
議題
となりました
民法
の一部を
改正
する
法律案
について、
賛成
の
立場
から
討論
をいたします。(
拍手
)
若者
を
社会
の中でどのように位置づけ、いかなる権利や
責任
、役割を与えていくのか。これがひいては、その国のあり方、
社会
の
方向性
を示す
一つ
の指標になります。 G7等の主要国を含め、十八歳成人は今や世界の主流です。
少子高齢化
が急速に進む
我が国
においても、未来を担う
若者
が、
政治
、経済、
文化
といったさまざまな分野にかかわり、より主体的、積極的に活躍していくことが期待されます。そのためには、
若者
の
自己決定権
を尊重するとともに、
若者
が安心して活躍できる
社会
の土台、
環境
を整えていくことが必要です。 このようなことから、
平成
十九年、憲法
改正
国民投票法
の制定の際に、
与野党
を超えた
立法
府の意思として、
選挙権年齢
や
成年年齢
も二十歳から十八歳に引き下げることが望ましいという政策の大きな
方向性
が示されました。それをもとに、
選挙権年齢
は既に十八歳に引き下がっています。 なお、それに先立つ
平成
十二年、
成年年齢
の
引下げ
等に関する
法律案
を
衆議院
に提出したのは、
自由民主党
でも公明党でもなく、当時の
民主党
であります。そして、
法制審
が「
民法
の
成年年齢
の
引下げ
についての
意見
」を
答申
した後の
平成
二十六年、憲法
改正
国民投票法
の
改正案
の
審議
においても、当時の
民主党
議員から、私あるいは私どもは、今回の機会に
選挙権年齢
も
投票権
年齢
も成人
年齢
も一気に十八歳にしてしまうことの方が望ましいと今も思っています云々と、速やかな
成年年齢
の
引下げ
に向けた強い意欲が示されるなど、
与野党
を超えた多くの政党間でその
必要性
の認識が共有されてきました。 本
改正案
は、そういった
与野党
を超えた大きな政策決断の流れに沿った
改正
であって、
立法
府が
責任
を持って成立させるべきものであり、世界の趨勢、
我が国
の将来を見据えた上でも必要な
法案
であることから、
賛成
をいたします。 他方で、
成年年齢
の
引下げ
は、積極的な
意義
がある反面、さまざまな
懸念
も示されており、これらの
指摘
には真摯に耳を傾ける必要があります。 そして、
引下げ
に伴う
環境
整備
の
取組
に不十分な点があったとすれば、その
責任
は
政府
だけでなく
立法
府にあることを我々は強く
自覚
し、約四年後の二〇二二年四月一日の施行日に向けて
環境
整備
を加速させなければなりません。 とりわけ、
委員会審議
で強い
懸念
が示されたのは、
消費者教育
や
若年消費者
を
保護
する
施策
がこれまでのものでは不十分であり、十八歳、十九歳の
若者
に対する
消費者被害
が
拡大
するのではないかという点です。 この点、
若年者
への
消費者教育
に関しては、本年二月二十日の四省庁
関係
局長連絡
会議
で、新たに、
若年者
への
消費者教育
の
推進
に関するアクションプログラムが
決定
されました。
関係
省庁が横連携し、二〇二〇年までの三年間を集中期間として取り組むことで、これまで以上に
消費者教育
が強力に
推進
されることになります。 この
内容
は、消費生活専門相談員として四十年間奮闘されてきた
参考人
からも、今まで私たちが求めていたものが網羅されている、これまでにない飛躍的な
前進
などと高い評価と強い期待を受けるものとなっております。 また、
若年消費者
を
保護
する
施策
については、
社会
経験が乏しい
若年者
などを
対象
として、
契約
取消し
の範囲を
拡大
する
消費者契約法改正案
が先日、
衆議院
において
全会一致
で
可決
されたことは、御存じのとおりであります。 加えて、
政府
は、今後も、
若年者
の
消費者被害
の
状況
等を把握し、これを踏まえて、必要に応じた
法整備
を含めた検討を行うこととしております。 このような国を挙げての
取組
が加速されていくことで、
若年者
の
消費者被害
の
拡大
防止に向けた
施策
が更に
強化
されることになります。
委員会審議
では、さまざまな事情により親元で暮らせない
子供たち
、
社会
的養護を必要とする
子供たち
への支援が切り下げられるのではないか、中でも、
児童養護施設
に入所できる
年齢
上限について、必要に応じて二十歳まで延長できるとされていることが、本
改正
を機に引き下げられるのではないかとの
懸念
も示されました。 しかし、これについては、
政府
より、支援の
必要性
を考慮し、現行の要件を維持することとしていること、本
法案
が成立した場合には、現場の
懸念
が生じないようその周知を図ること、そして、
社会
的養護が必要な
子供たち
に対するより一層の支援に取り組んでいくとの明確な
答弁
を得ており、この
懸念
は杞憂にすぎません。 ほかにも、成人式の時期やあり方など、
成年年齢
の
引下げ
を見据えたさまざまな
環境
整備
が必要となりますが、これらを
政府
一体となって
責任
を持って進められるよう、我が党の提案、強い主張を受けて
政府
が先月設置したのが、これに関する
関係
府省庁連絡
会議
であります。 この連絡
会議
では、既に、約四年後の本
法案
の施行日に向け、
環境
整備
を確実に
実施
するための工程表も作成しており、今後、それに沿って進捗管理をすることになっております。また、その進捗
状況
を
関係
府省庁だけではなく我々
立法
府もチェックできるよう、
会議
の議事録を作成し、法務省のホームページで公開されることも決まっております。 更に注目すべきは、
委員会審議
で
与野党
を超えて共有された視点、すなわち、
成年年齢
になったからといって直ちに完成された
大人
になるわけではない、
成年年齢
は
大人
への入り口であって、いまだ成長過程にあることから、
自己決定権
とともに、それぞれに応じた支援、
保護
が必要である、この重要な視点を、
関係
府省庁連絡
会議
において、各
施策
に取り組む際の共通認識として打ち出すことを、同
会議
の
議長
である
上川法務大臣
が
答弁
で強く明言したことであります。 今般の
成年年齢引下げ
を機に、この視点に立った
若者
支援に関する大きな政策転換、政策
強化
が進められていくという
意味
からも、本
改正案
は極めて
意義
あるものと言えます。 なお、十八歳が
成年
になったとしても、
大人
として
自立
するための
保護
と支援が必要であるという考え方は、
保護
政策の一環である
少年法
にも共通することから、その
適用対象年齢
の
引下げ
を慎重に考えるべきことは当然であります。 最後に、改めて申し上げます。
成年年齢
の
引下げ
は、
与野党
を超えた
立法
府の主導で決められたものであります。単に十八歳、十九歳の
若者
の
自己決定権
が
拡大
するということにとどまらず、本
改正
を機に、真の
意味
で
若者
がより活躍できる
社会
をつくっていくことができるかどうか、それは、これからの我々
立法
府、そして
政府
の
取組
にかかっております。
与野党
を超えてこれに関する真摯な
取組
がなされることを期待し、また、みずからも
立法
府の一員として、引き続き
責任感
を持って本件に取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の
討論
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
24
○
議長
(
大島理森
君) 藤野保史君。 〔藤野保史君
登壇
〕
藤野保史
25
○藤野保史君 私は、
日本
共産党を代表して、
民法
の一部を
改正
する
法律案
に
反対
の
討論
を行います。(
拍手
) 本
法案
は、
成年年齢
を二十歳から十八歳に引き下げるものです。
未成年者
であっても、人として、
成年
と同様の基本的人権を有しており、その
自己決定権
は十分に尊重されるべきです。本
法案
が
成年年齢
を十八歳に引き下げることは、十八歳、十九歳の
若者
の
自己決定権
を
拡大
するという積極的な
意義
を持つものです。 国際的にも、欧米諸国等多くの国が十八歳を
成年
としており、
成年年齢
の
引下げ
は、こうした国際
社会
の趨勢にも合致するものです。 また、
女性
の
婚姻開始年齢
を十八歳に引き上げることは、両性の平等の
観点
から当然です。 しかしながら、現時点においては、
成年年齢引下げ
に伴う問題が存在しており、それに対する
対策
は十分とは言えません。 とりわけ、本
法案
により、十八歳、十九歳の
若者
が
未成年者取消権
の
保護
を外される点は問題です。
未成年者取消権
は、未
成年
であることを証明するだけで、だまされたとかおどされたと立証するまでもなく
契約
を取り消すことができるものであり、
消費者被害
を抑止する防波堤とも言われています。日弁連や
消費者
団体からは、十八歳、十九歳の
若者
が
未成年者取消権
の
保護
から外されれば
若者
の
消費者被害
が増加するとの強い
懸念
が示されています。
安倍総理
は、今
国会
の施政方針演説で、「成人
年齢
を十八歳に引き下げる中で、
消費者契約法
を
改正
し、
若者
などを狙った悪質商法の被害を防ぎます。」と述べました。しかし、参議院で
審議
中の
消費者契約法
が定める
取消権
は幾つかの類型に限定されており、しかも、過大な不安など、厳しい要件の立証が必要になります。
総理
が言う、
若者
を狙った悪質商法の防止には、いまだ不十分です。 二〇〇九年の
法制審
の最終
報告書
では、
若者
の
自立
を促すような
施策
や
消費者被害
の
拡大
のおそれを解決する
施策
が実現されること、これらの
施策
の
効果
が十分に発揮されること、
施策
の
効果
が
国民
の
意識
としてあらわれることを
条件
としています。
法務委員会
で行われた二回の
参考人
質疑
では、十人の
参考人
のほとんどが、この
三つ
の
ハードル
について、道半ば、あるいはクリアできていないと述べています。現時点で
成年年齢
を十八歳とすることは、積極的な
意義
がありながらも、想定される問題の解決に至っていないと言わざるを得ません。
成年年齢
をどうするかは、
若者
のみならず、
日本
社会
のありようにかかわる大問題です。
国民
的な
議論
が必要であることを
指摘
して、
討論
を終わります。(
拍手
)
大島理森
26
○
議長
(
大島理森
君) 串田誠一君。 〔串田誠一君
登壇
〕
串田誠一
27
○串田誠一君
日本
維新の会の串田誠一です。 私は、我が党を代表して、
民法
の一部を
改正
する
法律案
について、
賛成
の
立場
から
討論
いたします。(
拍手
) 言うまでもなく、成人
年齢
の見直しは、国家だけではなく、本人の
人生
にとっても大きな問題です。
民法
に先駆けて、
国民投票法
そして
公職選挙法
が見直され、
選挙年齢
が十八歳に引き下げられました。これらの参政権の
年齢
引下げ
と成人
年齢
の
引下げ
とは、本来であればセットで考えるべき事柄でした。 本
法案
においては、酒、たばこ、ギャンブルなど健康や心身に
影響
する事柄については二十歳以上とする要件を維持した上で、成人
年齢
が十八歳に引き下げられることになり、適切な
対応
であると考えています。 一方、本
法案
成立によって新たに
成年
となる十八歳、十九歳の方々が、
社会
生活上の経験が乏しいことから、トラブルに巻き込まれることも心配されます。その政策として、
消費者契約法
の見直しが行われることになりました。
保護
を重視して
年齢
引下げ
に
反対
すべきか。それとも、
少子高齢化
が見込まれる中、若いころから
社会
に関与し、
社会
の一員である
意識
を深く持つことを期待すべきか。私は、国際
社会
の一員として、諸外国に対抗するために、成人
年齢
の
引下げ
は必要なことと考えます。 また、
日本
維新の会は、かねてから、選挙権だけではなく被選挙権も十八歳に引き下げるべきと主張しています。
日本
の未来をつくっていくためには、
若者
の
意見
を取り入れることが重要であることを理解すべきであり、
社会
もそのための受入れ準備を進めるべきです。
参考人
質疑
の中で、諸外国では、地方議員が十八歳からという例も多くあるばかりか、さらなる
引下げ
の
議論
がなされており、我が党の主張を裏づける実態が明らかになりました。 私からは、一点注文をさせていただきます。 既に成立をしている離婚調停では、
養育費
の
支払い
が、成人に達するまでと記載されている例が多く見られます。この読み方が十八歳に変わったと勘違いする例は多く出てくる
可能性
があります。 法務省は、
質疑
で、これは二十歳までということが当事者の大方の意思であるとの回答がありました。しかし、
支払い
がとまったときに、裁判まで踏み出せず、泣き寝入りするしかないことが想定されます。 無用な争いを再現させないために、法解釈についても十分な周知徹底をお願いし、私からの
賛成
討論
といたします。 御
清聴
ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
28
○
議長
(
大島理森
君) これにて
討論
は終局いたしました。
—————————————
大島理森
29
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
可決
であります。
本案
を
委員長報告
のとおり決するに
賛成
の諸君の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
大島理森
30
○
議長
(
大島理森
君)
起立
多数。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり
可決
いたしました。
————◇—————
田野瀬太道
31
○田野瀬太道君 残余の
日程
は延期し、本日はこれにて散会されることを望みます。
大島理森
32
○
議長
(
大島理森
君) 田野瀬太道君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
33
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十六分散会
————◇—————
出席国務大臣 法務大臣 上川 陽子君 文部科学大臣 林 芳正君
国土交通大臣
石井 啓一君