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2018-02-28 第196回国会 衆議院 本会議 第7号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年二月二十八日(水曜日)
—————————————
平成
三十年二月二十八日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
(辻元
清美
君外五名
提出
)
平成
三十年度
一般会計予算
平成
三十年度
特別会計予算
平成
三十年度
政府関係機関予算
地方税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
所得税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
) 午後六時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
田野瀬太道
2
○
田野瀬太道
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。 辻元
清美
君外五名
提出
、
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
は、
提出者
の
要求
のとおり、
委員会
の審査を省略してこれを上程し、その
審議
を進められることを望みます。
大島理森
3
○
議長
(
大島理森
君)
田野瀬太道
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。
—————————————
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
(辻元
清美
君外五名
提出
)
大島理森
5
○
議長
(
大島理森
君)
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を許します。
阿部知子
君。
—————————————
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔
阿部知子
君登壇〕
阿部知子
6
○
阿部知子
君
立憲民主党
の
阿部知子
です。 私は、ただいま
議題
となりました
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
につきまして、
立憲民主党
・
市民クラブ
、希望の党・
無所属クラブ
、
無所属
の会、自由党、
社会
民主党・
市民連合
の五
会派
を代表し、
提案
の
趣旨
を
説明
いたします。(拍手) まず、案文を朗読いたします。 本院は、
予算委員長河村建夫
君を
解任
する。 右
決議
する。 以下、その
理由
を申し上げます。 日ごろより、大変温厚かつ誠実なお人柄と、
社会的弱者
に対する深い共感を示す
政治家
として、
与野党
を超えて人望を集めてこられた
河村委員長
に対して、こうした
決議
の
提案
をせざるを得ないことを心から残念に
思い
ます。 今般、
河村委員長
は、
平成
三十年度の
一般会計
と
特別会計
の
予算案審議
に当たり、職権による
理事会
、
委員会
の開催を強行し、さらには、
野党側
に同意を得ることもなく、その
予算案
の
採決
を強行するなど、あるまじき
委員会運営
をされました。言語道断と言わざるを得ません。 この
予算委員会審議
に当たって、五
会派
は、
予算委員会
の
審議
で判明した、
立法府
のありさまをゆがめる余りにずさんな
行政データ
とその
恣意的解釈
の
是正
を要請してまいりました。 その声に耳を傾け、
立法府
としてのあるべき公正な姿を目指すべき
河村委員長
は、十分な
説明責任
を果たさず、真摯に問題の
指摘
に向き合おうとしない
安倍官邸
、ひいては、
国会
で多数をなす
自民党
、公明党の意向を
そんたく
してか、公平公正な
審議
の確保を怠られました。その
委員会運営
の
やり方
に対して、まず、断固として抗議いたします。 今日ほど、
立法府
のあるべき姿とは何かが問われているときはありません。その姿とは、
国民
に期待されている重要な
三つ
の柱から成り立つものと考えます。第一に
立法
、第二に
行政監視
、第三に
予算審議
です。繰り返します。
立法府
のあるべき姿とは、第一に
立法
、第二に
行政監視
、第三に
予算審議
です。果たして、今百九十六
国会
の
予算委員会
のありさまは、その期待された
三つ
の柱を揺るがせるものとなっております。
河村委員長
は、本来、その期待された
三つ
の柱をしっかりと支えるべきお
立場
でありながら、その
役割
を全く果たしておられません。その事実を
指摘
し、
解任
を求める
理由
を、以下、申し述べさせていただきます。 第一に、
立法
の
観点
からです。
立法
の最も重要な
役割
は、
社会
問題を解決し、よりよい国家、
社会
をつくる手だてとすることであります。常に
弱者
への視点を忘れず、時に強者のおごりを戒め、ともに生きる基盤をつくるため、
社会
に潜在する不
均衡
をでき得る限り正していくことです。 しかしながら、二〇一二年暮れに始まる
安倍政権
の
政治姿勢
は、そうした
原点
からははるかに遠く、
立法府
の
あり方そのもの
をゆがめるものであることを、本年一月二十六日にお亡くなりになった元
自民党幹事長
の
野中広務
さんが厳しく
指摘
をされております。
平成
二十六年二月の十九日に
参議院
で開かれた国の
統治機構
に関する
調査会
で、
議院内閣制
における
内閣
の
あり方
について、
野中広務先生
は渾身の御
発言
をなさいました。以下、
国政
にかかわる私
ども
にとって、
与党
、
野党
を超えて耳を傾けるべきかけがえのない遺言と考えて、一部を朗読させていただきます。 以下、
野中先生
のお
言葉
です。 御
承知
のように、
日本国憲法
は、
立法権
と
行政権
をそれぞれ
国会
と
内閣
が担当することを前提に、
内閣
は
国会
の
信任
に依拠して形成され、維持されることになっております。 繰り返します。
内閣
は
国会
の
信任
に依拠して形成され、維持されることになっております。 また同時に、
内閣
は、
衆議院
による
内閣不信任案
の可決又は
信任案
の否決には
解散
をもって応え、それ以外にも
解散
を行うことができるものともしております。それが
我が国
の
議院内閣制
の
基本
であると存ずるわけでございまして、今日では
世界
のモデルと言われておると聞いております。 しかし、ここ数年間、
政治
の
実態
を眺めておりますと、
憲法
が規定し、期待するものと相当に異なったことが平然と行われているように申し上げざるを得ないと存ずるのであります。具体的な
指摘
をいたしますと、
議院内閣制
における
内閣
の
あり方
というテーマについての
意見
となりますので、そのように御
理解
をいただきたいと
思い
ます。
内閣
が
議会
の
信任
を得た多数、すなわち
与党
の
政策
を実現することは当然のことですが、しかし、多数決で
信任
されたといって、
与党
だけの
内閣
ではありません。
議会
が
信任
した
内閣
であります。そこで、大切なことは、
与党
の
政策
を実現するにしても、
少数派
の、すなわち
野党
の
意見
を表明させる機会を与えることは
議会制民主主義
の鉄則であります。さらに、必要とあれば、
野党
の
意見
を取り入れることも
議会政治
には期待されるところであります。 私は、第一次
小渕内閣時代
に
内閣官房長官
を
平成
十年の七月から
平成
十一年の十月までやらせていただきましたが、この間、
参議院
が
与野党逆転
で大変な苦労をしたことを今
思い
出しておる次第であります。 時の
総理
、今は亡き
小渕恵三総理
の
政治信条
は、
自民党
から選ばれた
内閣
という意識は全くなく、
国会
から
信任
された
内閣
だから、
野党側
の
意見
を徹底的に聞き、妥協できるところは妥協するという
姿勢
で臨んでこられました。もちろん、
総理
の信念のもとに、私も
独裁政治
のようなことができるといった発想を持ったこともなく、反対されても
議院内閣制
は
与野党
の
国政
を運営することが
基本
だという
思い
で
政治
にかかわってまいりました。
野中広務先生
は、同時に、
民主党時代
についても御
意見
をお持ちです。きょう私がこれを読み上げるのは、現在の
国会
の
状況
が、
与党
、
野党
を問わず
国民
から問われていると思うからであります。 約三年三カ月続いた
民主党政権
において、
議院内閣制
の運用を見ますと、
実態
の面でいろいろな
変化
がございました。それは、
国会論戦
が、裁判所の論争のような特定の意図を持って
政府側
を攻撃することは、ルールの範囲で
審議
の行使です。これに対応する
内閣側
は、私
たち
の
時代
と違って、
野党
の
主張
を一旦包み込んで
野党
を説得的に反論するという方法でなくなってまいりました。最初から
野党
の
主張
は
誤り
であるという対応で
内閣
が行うという場面が多く見かけられたと存じます。 この結果、
予算委員会
の質疑などは
民事裁判
の
法廷闘争
のような雰囲気になり、著しく
国民
に
不信感
を抱かせてしまったという感じを持っております。これでは、
議院内閣制
の持つ
国会
と
内閣
の連携と
均衡
の
機能
を失わせしめるものでございます。 原因は、
野党
の質問が形骸化したこと。当時
野党
は
自民党
です。そして、
内閣
の
答弁
が理屈だけで
野党
に勝とうという、いわゆる論点をかみ合わせることがなく、
意見
の違いから共通なことを合意していくという
議会政治
の本旨が失われてきたと存ずるものであります。 中略。
平成
二十四年の暮れに、自民・
公明連立政権
に交代をいたしてから、
内閣
の
あり方
について申し上げておきたいと
思い
ます。
民主党政権
の
時代
に比べて、両院で
与党
が圧倒的に多数となり、
野党側
が
少数
で、なおかつ結束がされずに、
与党
との
協議関係
を結ぼうとする
野党
が存在する
状況
で、
我が国
の
議会
、
議院内閣制
の微妙な
変化
が始まってきたというように感ずるものであります。それは、
与党
と
内閣
の
関係
の
希薄化
と申せます。
内閣
、それも
首相
から突然に発信する
重要政策
などが
与党
で十分
議論
されていないという問題であります。これは、
政党政治
の
あり方
に問題となりますし、
首相
の
ブレーン
が
重要政策
をまとめ、メディアを利用して
正当性
を
国民
にPRし、
与党
や
国会
での
議論
を形骸化するという
傾向
があらわれてきておると思うのであります。 特に、
外交
・安全保障問題や
経済政策
などについて、偏った
立場
の
ブレーン
を集め、公的あるいは
私的諮問機関
で
首相
の主導される
政策
の事実上の確定を行っておるのではないかと考えるときが多うございます。時には
内閣
の
内部調整
も不十分となる
傾向
が出てきておると感じます。
議院内閣制
という
統治形態
であっても、
政策
の内容を実質的に決めるのは
諮問機関
であり、
ブレーン諮問内閣制
です。そして、
与党
での
議論
と
国会
での
野党
の
議論
が形骸化していけば、
議院制民主主義
は
機能不全
となります。
野党
の
状況
もあり、今日相当な危険な
状態
、
事態
になっておると言えるのではないかと
心配
をしております。
野中広務先生
は、この懸念を抱かれたまま天国に旅立たれました。私
ども
、残され、現在
国政
にかかわる者が、私はこの文章を何度読み直しても、本当に、今の私
ども
の
議院内閣制
のありようをかほどに的確に御
指摘
されたものはないと存じます。どうか、
与党
の
皆さん
も、もちろん私
ども野党
もそうでございます、
議院内閣制
とは何か、私
たち
の守らねばならないものとは何か、胸に手を当てて、しっかりと
野中先生
の
言葉
を
思い
起こしていただきたいとまずお願いを申し上げます。 今日相当な危険な
状態
、
事態
になっておる、そう
野中先生
は言われました。こうした
国会
と
内閣
の危機に対して、私
ども立憲民主党
は、昨年十月の
安倍総理
による
解散権
の濫用によって行われることになった
衆議院選挙
で、真っ当な
政治
を掲げて立ち上がり、
立憲主義
の
原点
によって
国民
の中に深く分け入り、
国民
の声に耳を傾けながら、草の根の
民主主義
の実践を始めたところでございます。 今、
国民
の多くが、
原発
をなくすこと、震災後七年たってもなお帰れない
ふるさと
、小学校には
子供
の姿もない
ふるさと
、かわりに田んぼに
子供
のかかしを立てて、せめて
子供
らのことを思う人々の心。果たして、私
ども
の国が向かうべき次の
時代
、次の
社会
、次の
エネルギー政策
とは、そのリスクを負い切れない
原発
ではなくて、新たに、躍動的な、
再生可能エネルギー
に向けての大胆な一歩と信じ、
国民各位
の御
理解
を仰ぎながら、今、
全国行脚
を繰り返しております。 こうした
努力
は、単に
立憲民主党
だけではありません。それぞれの
会派
が、
創意工夫
に基づいて、どのように
国民
の
意見
を
国政
に反映させることができるか、日々心を砕く毎日であると信じております。 しかし、
安倍政権
の今
国会
での
目玉法案
である働き方
改革関連法
ではどうでしょうか。
国民
の
現実
を直視し、その声に誠実に耳を傾けたものにはなっておりません。 この
法案
に対して、
過労死
された
方々
の御遺族が強く反対され、
政府
に再考、出し直しを求めておられることは、
安倍総理
も重々御
承知
のことと
思い
ます。
過労死
として
労災認定
を受けた
方々
の数は、
企画業務型裁量労働制
への
適用拡大
後の
平成
十四年ころから増加し、
平成
二十八年度で二百五十三人に上り、
リーマン
・
ショック
時の
平成
二十年の三百十三人以降もずうっと
高どまり
をしております。
リーマン
・
ショック
は去っても、命を賭して働かねばならない人の数が減っていない、このことを、
経済政策
にも国の
外交政策
にも、あらゆる
責任
を負われる
与党
はもっとしっかりと受けとめて、
現状打開
のために何をなすべきかをお考えになるべきです。 二〇一五年十二月に
過労死
された
高橋まつり
さんは、まだ二十四歳で、
女性
としても
社会人
としても、これからが人生を充実させていくそのやさきのことだったと
思い
ます。お母様のお
悲しみ
はいかばかりか、我が子を失うことは、我が命を失うこと以上の苦しさであります。そのことに
皆様
はどこほど
思い
をいたしておられるでしょうか。 また、二〇一三年の夏の
参議院選挙
の取材で月百五十時間を超す
残業
が重なっていた三十一歳の
NHK記者
、
佐戸
未和さんの突然死が
過労死
として公表されたのは二〇一七年であり、
安倍総理
が掲げる
女性活躍
の裏側でこうした不幸な
現実
が進んでいることは、ひとえに
労働政策
の
誤り
以外の何物でもありません。 もちろん、
過労死
は、津波と並ぶ、
世界
に知られた
日本
語で、恥ずかしいことでもあります。同時に、その
犠牲者
はあらゆる年齢に広がり、いずれの御家族の
悲しみ
も癒やされることがありません。 加えて、近年の
過労死
の増加は
若年層
にも及び、
女性
の
過労死
が
社会
問題化しましたが、
男女別
の
過労死
の
データ
がとられることになったのはつい最近の二〇一四年からのことであり、まだまだ
政策
を充実させていくための実感に迫る
調査
がなされているとは到底思われません。
女性
の方が、より多くの時間を
家事
や生活を支えていくものに回している
現実
の中で、
労働
時間も長く、
家事
の
責任
も負い、子育て、介護、あらゆるものが覆いかぶさってくる
女性たち
の悲鳴が
皆さん
には聞こえないでしょうか。
女性活躍
とは、そうした
女性
を、本当に
我が国
の貴重な貴重な人材として守っていくことに、まず第一、あるはずと
思い
ます。 くしくも、
男女雇用均等法
と
労働者派遣法
は、昭和六十一年、一九八六年に施行され、
女性たち
は
母性保護
の多くを奪われる一方、結果的には働く
女性
の何と六割が非
正規雇用
となり、多大な
努力
の末に
正社員
となった
女性たち
は、
仕事
のために必死に我が身を忘れて働き、ついには力尽きるのです。 働く
女性
はこうして二極化され、低
賃金
の非
正規
あるいは身分不安定な
派遣
、その一方で、身をそぎ落として
キャリアアップ
を目指さなければならない
正社員
となっていることは、
ジェンダー差別
が厳然としてある
日本ゆえ
、
女性
に顕著ですが、男性もまた強いられている構造だと
思い
ます。 そんな中で、
安倍政権
が
提出
を目指している働き方
改革関連法
は、
裁量労働制
のさらなる
対象拡大
を目指したものなのです。 もしも、それがよりよい
社会
をつくるために必要なのであれば、積極的に
データ
を開示し、その
審議
を進め、建設的な
議論
をすることが、真っ当な
国会
の
あり方
であると言えましょう。 しかるに、この間の
加藤厚生労働大臣
始め
安倍総理
の
姿勢
は、そうした、謙虚に
データ
に向き合い、
与野党
の知恵を集めてよりよい働き方をつくろうとするものとは百八十度異なり、あげくの果てには、
審議
不十分なまま
強行採決
が行われました。極めて残念です。 そもそも、
裁量労働制
が導入された一九八七年以降、一体どれくらいの
労働者
がそうした
制度
のもとで働いているのか。
裁量労働制
もまた
派遣労働
と同様にその
対象
を拡大してまいりましたが、果たしてその
制度
のもとで働く
労働者
の
男女
の比率、
労働
時間がどうなっているのかを示す
データ
は全く存在をいたしておりません。
労働
時間はもちろんのこと、そもそもの、こうした
ジェンダー
も見据えた統計がないことも大きな問題であります。 加えて、
裁量労働制
は
本人契約
時の自覚がない場合も多く、
裁量労働制
による
過労死
の
実態把握
も困難で、
労災認定
につながりづらいことから、判明したものは氷山の一角とすら言えます。
安倍総理
が
答弁
する、
保育園
の
送り迎え
が容易になるなどの
答弁
は、到底、働く
女性たち
からは、一体何を
根拠
にそうした御
発言
があるのか、想像もつきません。
女性たち
は、待機児童問題でも、また、今、
派遣
あるいは
期間限定
の
雇用
でも、不安定、低
賃金
。まして、
母子家庭
ともなれば、
三つ
も四つも
仕事
をかけ持って、
子供
を
保育園
に迎えに行くことすらかなわず、親子でいる時間は剥奪されている。その
実態
を知った上での、
保育園
の
送り迎え
が可能になるでしょうか。 私は、余りにも
総理
が、こうした
実態
を
御存じ
ない、あえて言えば無知、このことに心から憤りを感ずるものです。 一方で、恣意的な
比較データ
から始まり、
専門家
でなくても一見してわかる
誤り
まで、次々と、今や四百件にも及ぶ間違いが判明し、
加藤厚生労働大臣
すらそれを認められています。しかし、その全ては、実は、
予算委員会
で
野党
の
委員
一人一人が、膨大な
資料
を読み解き、点検し、明らかにした結果であります。
厚生労働省
からは、間違いでしたと非を認め、訂正、謝罪したものは、これまで一件たりともありません。 その最たるものが、
安倍総理
が一月二十九日に
衆議院予算委員会
で行った、平均的な方で比べれば、
裁量労働制
で働く人の
労働
時間は、
一般労働者
よりも短いという
データ
もある旨の
答弁
です。これは、この三年間、
政府
・
与党
によって繰り返され、多くの
答弁
をされた
閣僚
の
皆さん
、
塩崎大臣
もそのような
閣僚
のお一人でありました。心からそう信じておられたんでしょうか。 私
たち
は、この
データ
を見れば見るほど、なぜこのように恣意的に、
捏造
と言われる
状態
にすらなったのか。事は、どこやらの
審議会
か
外部有識者会議
から押しつけられたものでないのか。本当に疑念を強めております。 そもそも、この
答弁
は、
一般労働者
には最長の
残業
時間を尋ねる一方で、
裁量労働者
には単に
労働
時間を尋ねてそれを
比較
するという、当然
比較
にもならないものを全く恣意的に
比較
して、多くの
答弁
に利用されました。 そして、この欺瞞に満ちた
答弁
も、実は、長
妻昭
、我が党の
政策審議会長
が
総理
に対して問いただした中で明らかになったものでございます。
労働者
を守るべき
厚生労働省
が、
労働者
が長時間
労働
を強いられ、
過労死
が起きている
実態
を無視し、その
是正
こそが必要であると誰もが認識している今、その認識をも無視する形で、否、
根拠
となる
データ
をねじ曲げる
やり方
で、働き方
改革
と称して、長時間
労働
を強いられる
状況
にある
労働者
にまで
裁量労働
の
対象
を拡大していく
法案
を出そうとしているのです。
裁量
は誰にあるのでしょう。
使用者側
の
裁量
で働かせ放題、
残業代
ゼロ、これがまさしく現下の
裁量労働
の、多く
労働者
を苦しめる
実態
であります。
労働者
にどこほどの
裁量権
があるのか、お調べになったことはあるのでしょうか。この
調査
、単に時間だけでなく、どのような
契約
のもと、どのような働かせられ方があるのか、これをまず明らかにすべきではありませんか。 この間の激しい
野党
の追及によって、本日午前中の
予算委員会
では、
安倍総理
は、
実態把握
をしない限り前には進めないと御
答弁
をされましたが、果たしてそれは、
野党
が求めております再
調査
や、あるいは
労働政策審議会
への
差戻し
、
法案
の出し戻しでなくては、何ら意味がありません。
実態把握
と称して
自分たち
の恣意的な項目だけを並べるのであれば、今の
捏造データ
と何ら変わりのない結果になると
思い
ます。求められているものは再
調査
であり、
労政審
への
差戻し
であり、
法案
の再
提出
であります。
与党
の
皆さん
は、このことを肝に銘じて、党内の、
与党
内の論議をしっかりと行われ、
安倍総理
が
国民
の不興を買うことにならないよう、しっかり
与党
の
責任
を果たされるべきだと
思い
ます。それでこそ、
野中先生
の御
心配
も
一つ
クリアされるかもしれません。遅過ぎることはありません。まだ
法案
も出されておりません。十分な
調査
を
皆さん
にはなさる時間があるのです。ただ、その気持ちがなければ
調査
はされません。
思い
のない者、
意思
のない者に
政治
はつかさどることができない、このことが、
野中先生
が
皆さん
に残した
言葉
であります。 私は、健全な
野党
と、そしてきちんとわきまえを持った
与党
が、この国を更によりよいものにしていくと信じてやみませんので、今笑われた
与党
の
皆さん
は、みずから何をなすべきか考えていただきたいと
思い
ます。笑っている場合ではないのです。人の死がかかわり、多くの
悲しみ
が降り積もって、今や
日本
の
社会
が
過労死だらけ
になっているということに、もっともっと
思い
を深くしていただきたいと
思い
ます。
河村予算委員長
は、
予算委員長
として
責任
を持って、この明らかになった行
政府
の
データ
問題を正すことができて初めて、
予算委員長
としての
役割
が果たせたと言えるのではないでしょうか。また、その
役割
を果たすことなく
審議
を打ち切った以上、私
たち
は、辞任していただくしかないと考え、
解任
を求める
決議
の
提案
をいたしました。本当に、繰り返しますが、残念です。 第二に、
国会
の
役割
の
一つ
、
行政監視
の
観点
から、
河村委員長
の
解任
を求める
理由
を以下述べさせていただきます。
一つ
。
行政監視
の
観点
からの
役割
の
一つ
。
首相
による撤回、謝罪の
対象
となった
データ
について、詳細な
説明
をせよと求めた私
たち
に対して、
厚生労働省
が
予算委員会
に出してきた
資料
は、
黒塗り
の、
ノリ弁当
以上の真っ黒け、何の
説明
にもなっていない不十分なものでした。
情報公開
すらなされていない、
厚生労働省
として恥ずかしい限りだと
思い
ます。 また
一つ
、驚いたことに、
労働政策審議会
にも、何の
説明
もつけずにあの
誤りだらけ
の
データ
を
提出
されていたこと、これも
予算委員会
の中で判明をいたしました。ところが、
厚生労働省
は、
労働政策審議会
の
専門家
であれば、
データ
を正確に読めたはずだとまでおっしゃいました。
自分たち
がしっかりした
データ
も出さずに
労政審
の
審議
を仰ぐこと自体がそもそもの
誤り
であるにもかかわらず、誤った
データ
でもちゃんと読めとはどんな厚かましい
要求
であるのか、恥を知れと言いたいと
思い
ます。
一つ
。
労働政策審議会
は、
厚生労働省設置法
に基づいて、
厚生労働大臣
が任命し、
労働政策
に関する
重要事項
の
調査審議
を行う
機関
であり、
内閣提出法案
の民主的な
プロセス
の
一つ
と考えられています。そこで恣意的な
データ
の出し方をして、働き方
改革
と称して
裁量労働制
の
対象
を拡大しようとした
厚生労働省
。そして、それがそのまま
首相
の
国会答弁
に使われるという
事態
まで引き起こしています。
総理
は、
事務方
の
責任
であるやに言いますが、御
自身
がこの
データ
をごらんになったとき、おかしいと思われなかったのでしょうか。さほどに
裁量労働制
の
実態
を
御存じ
ないのかと
思い
ます。数々の
答弁
をされた
大臣
の
皆様
にも、
裁量労働制
の方が短い場合もあるということが
答弁
としてどう成り立っているのかを御
自身
で考える、それが
政治家
の
国民
に対しての
姿勢
であると
思い
ます。
官僚
の書かれた
答弁
をうのみにし、また、それがたくさんの
捏造
に基づく
答弁
であったことすら見抜けず、そうであれば、一体この
国会
は、
政治家
は、何のためにあるのでしょうか。 また、果たしてそれは、働き方
改革
を売り物にしようとする
総理
が望まれた
そんたく
なのかとすら思ってしまいます。(
発言
する者あり)あるいは、そうです、
総理
の指示なのかという御
指摘
もありました。そう聞きたくなるのが、私
たち
の偽らざる
思い
であります。
審議会
は
官僚
の
隠れみの
であると言われてきました。今となっては、
官僚
の
隠れみの
なのか、
官邸
の
隠れみの
なのか、
そんたく
の館となってしまったのか、はたまた、おどろおどろしいどんな
意思
が働いたのか、
国民
としては不可解きわまりない
事態
であります。
審議会
は、
建前
上、民主的な
政策決定プロセス
であると標榜されています。しかし、今となっては、その
建前
もかなぐり捨て、
専門家
にばれなければ不適切な
データ
を潜り込ませ、誤った
根拠
に基づいた
立法
を
官邸
主導で行うことができる場になってしまったのでしょうか。 これほど
内閣提出法案
をばかにした話はありません。そして、それは同時に、
立法府
である
国会
をばかにした話でもあります。
立法府
での
審議
プロセス
以前の、行
政府
での
審議
プロセス
もいいかげんだったことになります。
立法府
での
審議
プロセス
でも、
厚生労働省
は、ねじ曲がった事実を
根拠
にして、働き方
改革
と称して
内閣提出法案
と称しているのですから、行政も偽りの上、そして
立法府
にも砂上の楼閣のような偽りの
データ
を示して、一体何をしようとしているんでしょう。 本来、強大な権限を持つ
予算委員長
は、
立法府
で最大の
国政
調査
権を有している方と言っても過言ではありません。
予算委員会
の良心と言っても過言ではありませんし、また、その権限をお持ちの方でもあります。健全な
行政監視
の
役割
を果たすべき職責を持ちながら、それを発揮されないのであれば、
解任
を求めるしかありません。
行政監視
の
観点
から、その他の問題も枚挙にいとまがありません。
安倍総理
が、学校法人森友学園に関し、私や妻がこの許可あるいは国有地払下げにかかわっていたら
総理
大臣
も
国会
議員もやめると
答弁
されたのは、昨年二月の
予算委員会
でした。 以来、一年が経過しますが、ついに、ことしの二月二十日の
衆議院予算委員会
で、我が党の逢坂誠二議員の質問に対して
安倍総理
は、私の妻が森友学園の国有地についてかかわっていたのは貸付けの段階だと、関与を認めました。もともと、国有地売却の話が、貸付けを求めるところに介在し、しかし、それは、
総理
は、売却にはかかわっていないからという詭弁を弄して昭恵夫人の関与を否定する。 物事は流れの中にあります。貸付けから、さらに売却、さらにごみ。ごみも、本当に撤去に費用を要するものであったということは、何ら実証されておりません。にもかかわらず、八億円もバーゲンセールをする。多くの
国民
が税金を払うこの季節に、余りにも特権的、なおかつお友達的な采配は、
国民
にとっては大きな失望であり、
政治
への不信を抱く何よりの事柄と
思い
ます。 事実、このことを
答弁
された佐川局長は、いまだにホテルから各役所、職場に通うという、極めて逃げ回るような
姿勢
。
国民
への
説明責任
を欠き、本来の自分の
役割
を正々堂々と言えない
事態
が発覚をしております。この問題は、昭恵夫人と財務省の関与なしには起こり得ないことでした。 また、質問主意書への
答弁
の中で、安倍
内閣
総理
大臣
の夫人が
内閣
総理
大臣
の公務の遂行を補助すると職務が定義されている昭恵
総理
夫人付の職員がおられて、ファクスのやりとりをしてきたこと、このことも既に明らかです。 そのことは、財務省理財局長が中心となって、存在しない、ない、ない、ないと言い続けてきたにもかかわらず、ことし二月九日になって財務省が新たに提示した財務省総括法務監査官の二十件の文書が証明したも同然であります。 この間、昭恵夫人や佐川元理財局長の証人喚問を、
野党
は
国民
への
説明責任
の
観点
から徹底して求めてまいりましたが、
与党
はこれに一切応じておりません。職権を発揮するとしたら、本来は、国有財産をめぐる問題を解明するためにまず発揮すべきところ、
河村委員長
には、その
姿勢
がみじんも見られませんでした。 加計学園問題も同様です。加計孝太郎さんの証人喚問も含め、
理事会
の場で真摯に協議を行うよう求めた数々の
要求
事項について、全くのゼロ回答という
与党
側に対し、
河村委員長
は、何のリーダーシップも発揮されませんでした。果たすべき
役割
が果たされないのであれば、
予算委員長
の職を辞していただくしかありません。 第三に、
国会
の
役割
の
一つ
、
予算審議
の
観点
から、
河村予算委員長
の
解任
を求める
理由
を述べます。 そもそも、解明すべき
データ
を整理し、
説明責任
を負わせるべき証人を喚問して
立法府
としての
役割
を果たすことに力を注げば、この
予算委員会
のように、多くの時間を、森友学園問題、あるいは厚労省のずさん
データ
問題に使わずとも、本来のあるべき
予算審議
にもっと時間を割くことができたはずであります。その意味で、采配の
誤り
が大事な
予算審議
をないがしろにさせていること、このことも、
委員
長の
役割
を大きく欠いているものと
思い
ます。 本来の
一般会計
と
特別会計予算
の
審議
の内容は、ともに時間も全く不十分なままで、
衆議院
での
採決
をひたすら急ぐ
姿勢
は、決して許されるべきものではありません。 今回
提案
されている
一般会計
九十八兆円の歳入を見てみますと、
国民
からいただく税収は五十九兆円で、その六割にすぎません。三割をなす三十三兆円は、国債、つまり借金です。一方、歳出の三分の一は
社会
保障
関係
費三十三兆円で、昨年より五千億円増、二十三兆円強は、過去に発行した国債の元金償還と利払いに使われています。 国債発行は、国債を買う富裕層に、未来世代の歳入から利息つきで償還することを意味します。いかに次世代への配慮を欠き、また、若い世代に
過労死
が広がることに目を向けずに、ひたすら働かせ方のみを考える
政府
の、この予算の
審議
における不誠実も
指摘
しておかねばなりません。 今の私
たち
が二十三兆円強の国債の償還に追われて、本来の税金の使い道が縛られているように、これからの世代が、三十三兆円もの新たな国債発行に縛られ、やがて将来世代の税の使い道を大きく縛ることを意味しております。 また、同時に、この
予算委員会
では、いまだに事故処理に膨大な費用を要している福島の
原発
の処理費用も論議されず、ほとんどが国税を投入しながら行われているにもかかわらず、
原発
は安い安いと今もふれ回り、そして本当に変えるべき産業
政策
にも言及されずに終わったと
思い
ます。 私
ども立憲民主党
は、
原発
ゼロ
法案
を
提出
いたしました。次世代への
責任
と心得ております。これに対しても、無
責任
のそしりを口にされる
閣僚
がありますが、どちらが無
責任
か、よくお考えになるべきであり、私
たち
立憲民主党
は、この論議が
国会
で活発に行われることを心から願い、
野党
と
与党
の本当の論戦の場としたいと思っています。 そして、そうした中、
安倍総理
は、第二次政権以降、連続して防衛
関係
費と公共事業を増大させ続けておられます。
安倍政権
になって特徴的なのは、その中でも、特に防衛費であります。
予算委員会
でも何人かの方が取り上げられましたが、まだまだ時間の不十分ゆえ、その構造的問題が明らかにされず、しかし、アメリカと口約束の先払いのFMS、有償軍事援助の名のもとで、米国の軍事産業の武器を、米
国政
府を通して、米国の言い値と条件で買う約束をして、新たな戦闘機やミサイル防衛装備の購入方針が、
国会
審議
にかける前に閣議決定されているという、まことにいびつな
国会
軽視のありさまであります。 この国の防衛の姿を決めるのは、主権者たる
国民
であります。
日本国憲法
の言う主権在民はここでもまたないがしろにされ、勝手な閣議決定、中身の
審議
は不十分、借金が山のように積もり積もっていく、このことも
指摘
せねばなりません。まさに、トランプ大統領の
要求
する、バイ・アメリカン、アメリカ製品を買えというその言に踊らされている、今の
安倍総理
の姿そのものです。 一方で、戦闘機の事故も相次いでおります。沖縄でも、また佐賀での自衛隊機、あるいは青森三沢でのあの燃料タンクの放棄事件、いずれも深刻な、
国民
の安全と安心を奪う、そうした、空を見れば、窓枠が落ちてくるあるいは燃料タンクが落ちてくる、そんな中に私
たち
が暮らしていながら、日米地位協定の改定
一つ
言い出すことができない弱腰の
外交
で、果たして
日本
の主権も、
国民
の血税も、全てアメリカの言いなりであると言って過言ではないと
思い
ます。
特別会計
の三百八十九兆円の
審議
も全く不足しております。強調しますが、本来解明すべき
データ
をさっさと
厚生労働省
の
官僚
に
説明
をさせ、過ちを正し、問題となった
法案
、準備される
法案
の撤回の上で、再
調査
をして、再
提出
に事を運べば、本来は、あの
国会
での
審議
がこれほどに押し詰まることもなかったし、また、重々の予算の
審議
が行われてきた。それこそ
立法府
としての
役割
を果たすことであります。 逆に、行
政府
のいいかげんな
データ
が、
立法府
の予算そのものの
審議
を食い荒らし、私
たち
の
審議
権を奪ったとすら言える
事態
は、
河村委員長
の采配の不手際であると
思い
ます。 加えて、質疑に際しての
河村委員長
の対応は極めて不適切でした。その最たるものは、二月十九日、
厚生労働省
の極めて不備の多い
裁量労働制
に関する
データ
問題について、
野党側
が
加藤厚生労働大臣
の不十分な
答弁
を
指摘
し、抗議の
意思
表明で退席をした際の対応です。
河村委員長
は、この際、
事態
の打開に動こうともせず、休憩もさせず、
無所属
の会の黒岩議員、金子議員の質疑時間をいたずらに経過させ、両議員の
発言
の機会を奪いました。 私
たち
国会
議員には、
国民
の代表として質疑をする権利があります。こうした時間の浪費によって奪われた金子議員並びに黒岩議員の質問権は、今や取り戻すことができない。本当にこのような運営がまかり通れば、
国会
は死に体になると
思い
ます。 そもそも、
予算委員長
を含め常任
委員
長は、
国会
法に定める各議院の役員であり、厳正、中立、公平な
立場
で
委員会運営
に当たるべき
立場
にあります。そのことは、先ほど朗読させていただいた
野中広務
さんの、
与党
、
野党
の
役割
とお互いを尊重した上の
審議
ということにもつながってまいります。
河村予算委員長
も、昨年十一月の
委員
長就任に際しては、
議会制民主主義
の本旨にのっとり、公正かつ円満な
委員会運営
に努めてまいる所存と、
委員会運営
に当たって決意を表明しておられます。 公正かつ円満だったでしょうか。不公正、恣意的、質問をさせない、これではとても
委員
長としての運営を是認することができないのです。 このような
予算委員会
のありようを
国民
の期待に応えるものに転換させるために、私
ども
は、河村建夫
予算委員長
の
解任
を
提出
いたしております。 以上の
理由
をもって、重ねて、
予算委員会
、河村建夫君の
解任
を強く求め、
提案
理由
の
説明
を終わりとしたいと
思い
ます。 議員各位の御賛同を心よりお願いして、
国会
の
機能
を取り戻すためにともに頑張っていきたいと
思い
ます。 終わりです。ありがとうございます。(拍手)
—————————————
大島理森
7
○
議長
(
大島理森
君) 討論の通告があります。順次これを許します。田中和徳君。 〔田中和徳君登壇〕
田中和徳
8
○田中和徳君 自由民主党の田中和徳です。 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
に対しまして、断固反対の
立場
から討論を行います。(拍手)
平成
二十四年十二月の第二次安倍
内閣
の発足以来、
政府
は、大胆な金融
政策
、機動的な財政
政策
、民間投資を喚起する成長戦略のアベノミクス三本の矢を一体的かつ強力に推進し、さらに、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる
社会
保障という新三本の矢を打ち出し、アベノミクスは第二ステージに進んでおり、これらの取組によって、史上初めて四十七全ての都道府県において有効求人倍率が一倍を超えるなど、
雇用
そして所得環境は大幅に改善し、経済の好循環は着実に回り始めています。 安倍
内閣
は、このような経済の好循環をより確かなものとして、持続的な経済成長を実現するために、昨年十二月に、新しい
経済政策
パッケージを取りまとめ、人づくり革命と生産性革命を車の両輪として、少子高齢化という最大の長期的な課題に立ち向かっていく方針を示しました。
平成
三十年度予算は、これまでの歳出
改革
の取組を強化しつつ、人づくり革命や生産性革命を始めとした現下の重要課題に重点を置いた予算であります。 特に、人づくり革命については、人生百年
時代
を見据え、
社会
保障
制度
を全世代型
社会
保障へ転換し、人への投資を拡充することとし、保育の受皿の拡大と保育士の処遇改善、幼児教育の段階的無償化、給付型奨学金の拡充等の措置が盛り込まれております。 言うまでもなく、
国民
生活にとって、これらの重要かつ密接に
関係
する諸
政策
が一刻も早く実行できるよう、
平成
三十年度予算を早期に成立させるとともに、必要な
立法
措置等をできる限り速やかに講じていくことが、
国民
から負託された重責であることを、我々全ての
国会
議員は、この際、改めて肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。 それにもかかわらず、維新を除く
野党
から今回
提出
された
予算委員長
の
解任決議案
は、
国民
生活の向上にとって極めて重要な
平成
三十年度予算の
審議
をあえて政局化させて、その成立をいたずらにおくらせることを目的としたもの以外の何物でもありません。このような
国民
生活を人質にとるような暴挙は断じて許されないということは、誰の目にも明らかであります。 我が
与党
としても、同じ
国会
議員の
立場
から、このような
事態
を
国民
に対してまことに申しわけなく存じております。
河村委員長
は、昨年十一月の
予算委員会
における就任挨拶で、
議会制民主主義
の本旨にのっとり、公正な
委員会
の運営を図ってまいる所存である旨を述べておられます。 その重い
言葉
のとおり、
河村委員長
は、常に、理事はもとよりオブザーバーにも丁寧に
意見
を求めるなど、全
会派
の
主張
や
意見
に真摯に耳を傾け、
野党
もより納得いくような
理事会
や
委員会
の運営を行うべく、まことに誠心誠意、一心不乱に
努力
されてきたところであります。 さらに、
野党
が求め続けた集中
審議
の実現に向け、
与党
側や
政府
との調整等にも、我々
与党
が恐縮してしまうほど、全身全霊で当たられたのでございます。
河村委員長
が各
会派
の
主張
に対し誠実に対応されてきたことは、
野党
の諸君が実は一番よく御
承知
なのではありませんか。自分
自身
の胸に手を当てて、いま一度、
思い
出していただきたいと
思い
ます。 無論、
政治
の
世界
ですから、
与野党
の
主張
が平行線をたどるときもあります。今回の
予算委員会
におきましても、そうした
状況
はありましたが、
河村委員長
はその都度、
与野党
双方にさらなる協議を求め、妥協点の模索を促すなど、極めて丁寧な運営に腐心し、円満かつ円滑な
委員会運営
を実行されてきたのであります。 また、
河村委員長
は、
委員会
の
審議
中においても、
野党
の質疑者が
政府
の
答弁
が不十分と
主張
した際には、
野党側
の
意見
に真摯に耳を傾け、その上で公正に判断し、必要があれば、再度、
政府
に
答弁
を促しておられました。 このように、
河村委員長
は、就任挨拶でのお
言葉
のとおり、公正な
委員会運営
を実践してこられ、
与野党
双方の
主張
を公正中立な
立場
で聞き、
予算委員長
としての職責を公正に果たしてこられました。 このようなすばらしい
河村委員長
に対し、
解任決議案
を
提出
することは、余りにも荒唐無稽な暴挙であり、維新を除く
野党
の諸君は、みずからの行為を恥じるべきであります。 温厚篤実にして人情味にもあふれ、幅広い分野に精通して、識見、経験ともに大変豊かな
河村委員長
に対し、全く理不尽な
理由
で
委員
長職の
解任
を求める諸君の態度はまことに失礼であり、我々
与党
は、断じてこれを許すことはできません。 以上、申し上げました
理由
により、本
解任決議案
に断固反対を表明するとともに、公平な
委員会運営
に細心の配慮を続けてこられた
河村委員長
の御労苦に心より敬意を表し、私の反対討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
9
○
議長
(
大島理森
君) 青柳陽一郎君。 〔青柳陽一郎君登壇〕
青柳陽一郎
10
○青柳陽一郎君
立憲民主党
の青柳陽一郎でございます。 私は、ただいま
提案
されました
予算委員長河村建夫
君の
解任決議案
に対して、賛成の
立場
から討論を行います。(拍手)
河村委員長
、今から三年前の二〇一五年二月十六日、この日を覚えていらっしゃいますでしょうか。
河村委員長
は、この場所に立ち、本院議員として在職二十五年の永年表彰をお受けになりました。今は亡き町村
議長
から、常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた、この功績を多として表彰をされたわけであります。 同時に十二名の議員の
皆様
が受彰されましたけれ
ども
、
河村委員長
が代表して、この場所で、議場にいる議員に対し、次のように
発言
されました。 折に触れて叱咤激励を賜った全国各地の
方々
に深く感謝する。ひたむきに議員活動に取り組むことは、党派を超えて、皆気持ちは
一つ
。私の
政治信条
は、至誠通天であり、何事にも誠を尽くし、誠心誠意事に当たることだ。そして、傍聴席にいらっしゃる御夫人に、深い感謝の誠をささげ、全力で国家
国民
のために
政治
活動に邁進する、このことをお誓いになりました。 私は、三年前、この
河村委員長
のスピーチにとても胸が熱くなり、感動したあのときのことをこの瞬間も鮮明に覚えています。 しかし、今、
河村委員長
の
予算委員会
における議事運営を間近で見て、あのときの感動は、今や完全に失望に変わってしまいました。 本日、
河村委員長
が演説した同じ場所で、
河村委員長
解任決議案
に賛成する討論を行わなければならないこの
状況
を、私は、非常に悲しく、残念に思っています。
河村委員長
には、こうした
思い
を持つ
野党
議員がいることをぜひ自覚していただき、
委員会運営
を回想し、猛省を促し、みずから辞任することを求めたいと
思い
ます。
河村委員長
は、
国政
上の重要案件を扱う
予算委員会
の長としての
役割
を全く果たそうとせず、
国民
の声を聞く
姿勢
、
委員会
で
指摘
された多くの疑問や懸念、疑惑の解明に全く関心を示すことなく、
官邸
や
政府
・
与党
ばかりを
そんたく
し、ただただ
審議
時間をいたずらに経過させようとすることが
自身
の
役割
であるかのような
委員会運営
に徹し、公正かつ円満な
委員会
を心がけたとは到底言えません。
委員
長
自身
が誓った
国民
の声を聞く
姿勢
、これを少しでも取り戻していただきたいと
思い
ますが、時既に遅く、もはや
河村委員長
のもとで適正な
委員会運営
を期待することはできません。 特に本日の
委員会
は、これまで各
委員
が質疑で求めてきた
資料
や
政府
見解が
提出
されていない、このことだけでなく、証人喚問や参考人招致が全く実現していない中での
委員
長職権による
委員会
開会、
委員
長職権による
予算案
の
強行採決
は、言語道断、断固として抗議いたします。これこそ、
与党
による数のおごりそのものであり、
強行採決
を実行した
委員
長の
解任
を強く求めます。 実際の
予算審議
は、
議論
が尽くされないまま、骨抜きになりました。 今
国会
は、
安倍総理
みずから、働き方
改革
国会
と銘打って
改革
したものです。その
目玉法案
として位置づけている働き方
改革関連法
のもとになる
データ
が全くのでたらめ、間違った
データ
を用いて、
総理
も厚労
大臣
も、
裁量労働制
で働く方の
労働
時間の長さは、平均的な方で比べれば
一般労働者
よりも短いという
データ
もあると
答弁
いたしました。
データ
が明らかに間違っていると判明した後も、
答弁
は撤回しても
データ
は撤回しないという全く意味不明な
答弁
と対応に終始し、さらに、官房長官に至っては、
データ
の間違い発覚後も、
法案
の今
国会
提出
を予定どおり行うと述べるなど、
政府
・
与党
の
国民
無視の
姿勢
はとどまるところを知りません。 本日の
予算委員会
において、我が党の逢坂議員の質問に対し、
安倍総理
は、きっちり
実態把握
をしない限り、
政府
全体として前に進めないと
答弁
しました。これは、我々
野党
が
要求
していた再
調査
に事実上応じるに等しいことであり、そうであれば、現在準備している
法案
は撤回すべきだと
思い
ます。 また、
政府
は、
データ
を精査すると言いながら、
実態
は、我々
野党
が
データ
の間違いを
指摘
して、
政府
がそれを追認する、こういうありさまです。本日までに四百件以上もの
データ
間違いが発覚し、我々
野党
が精査すればするほど、間違いだらけ、間違いがふえ続けているのであります。 この
予算委員会
の
答弁
で、
安倍総理
や加藤厚労
大臣
はたびたび、精査する、精査中、精査している、こういう
答弁
を繰り返してきました。しかし、今精査すべきは、
安倍政権
そのものであり、
河村委員長
の
委員会運営
そのものではないでしょうか。 また、予算編成や
政策
立案の
基本
方針であるEBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングをみずから否定する
安倍政権
の対応や、
政府
答弁
が
答弁
の体をなしていない場面がたびたびあったにもかかわらず、
河村委員長
は適切に
答弁
するよう促すことはほとんどなく、早く
審議
を進めることのみに尽力している
姿勢
は、断じて容認できません。
裁量労働制
のもと、何人もの方が
過労死
で命を絶たれました。いつになれば、
過労死
という
言葉
がなくなるのでしょうか。 この
法案
は、人の命がかかっているのです。それにもかかわらず、
政府
・
与党
、
予算委員長
のこのとても残念な対応は、
立法府
としても、
国会
議員としても問われる
事態
ではないでしょうか。 その証拠に、
与党
からも多くの疑問や懸念の声が上がっているではないですか。これは当然のことだと
思い
ます。この当然の疑問や懸念に
河村委員長
は全く応えることなく、職権で
委員会
を立て、職権による
強行採決
を行ったことは、本当に許せない行為で、これは
解任
に値します。 そして次に、森友学園の問題です。 どうしてこのような
事態
になったのか、事実はいまだ明らかになっていません。真相解明には、これまで虚偽
答弁
を続けてきた佐川長官や、当事者である安倍昭恵夫人の証人喚問は必要不可欠です。
予算委員会
の
審議
で、多くの
委員
からたびたび証人喚問
要求
や参考人での招致
要求
がありましたが、
委員
長は、こうした
要求
に一切応じることなく、事実を隠蔽する政権に加担してしまっています。一方だけを喚問し、真相解明を避けて、真実を
国民
の前に明らかにしようとしない
政府
・
与党
、
河村委員長
の
委員会運営
には、疑問符をつけざるを得ません。 確定申告が始まって以降、多くの
国民
が全国で国税庁に押しかけました。いつまで、佐川長官隠し、安倍昭恵夫人隠しを続けるのでしょうか。これが本当に適材適所の人事なんでしょうか。
国民
は怒っています。重ねて、
委員
長の
解任
を求めます。 こうした問題以外にも、
河村委員長
の職責が問われる事案は数多くあります。
一つ
一つ
挙げれば、枚挙にいとまがありません。これらの
責任
は大変重大であり、
河村委員長
がその職責を果たしているとは到底言えません。 以上の
理由
から、
河村委員長
解任
決議
に賛成し、
国民
の声を真摯に聞き、公正かつ円満な
委員会運営
を行う
委員
長を新たに選任することを求めて、私の討論を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
11
○
議長
(
大島理森
君) 後藤祐一君。 〔後藤祐一君登壇〕
後藤祐一
12
○後藤祐一君 希望の党の後藤祐一でございます。 私は、希望の党・
無所属クラブ
を代表して、河村建夫
予算委員長
に対する
解任決議案
に賛成の
立場
から討論をいたします。(拍手)
河村予算委員長
は、この
予算案審議
の最大の争点である
裁量労働制
の
データ
に関し、
野党
から求められた
資料
がまだ
提出
されていないにもかかわらず、また、当然必要な再
調査
を決めることもなく、本日の
予算委員会
の開催と
予算案
の
採決
を職権で決定いたしました。言語道断であります。
予算委員長
として
河村委員長
は不適格であると言わざるを得ません。 以下、その
理由
を申し上げます。 世論
調査
によれば、
国民
の約六割が
裁量労働制
の拡大に反対しております。
裁量労働制
の
適用拡大
を
法案
として
提出
するのであれば、説得力のある
データ
を示す
説明責任
が
政府
にはあるのではないでしょうか。そして、
委員
長には、
政府
に
説明責任
を果たさせる
責任
があるのではないでしょうか。 しかしながら、
委員会
の質疑においては、
裁量労働制
に関し、少なくとも延べ九人の
委員
から十四の
資料
提出
要求
を
理事会
で協議しますと引き取ったにもかかわらず、
河村委員長
が
政府側
から
提出
させたのはわずか二つだけであります。 本日の
予算委員会
でも、
安倍総理
は、
実態把握
をしない限り
政府
全体として前に進めないと
答弁
されました。精査、自主点検、
実態把握
、取り繕う
言葉
が乱発され、混乱のきわみではないでしょうか。 本日午後の
野党
合同ヒアリングの場においても、
厚生労働省
の現場の
責任
者に、きょう
総理
が
答弁
で言った
実態把握
とは一体何をすることですか、自主点検との
関係
はどうなっているんですかと我々が伺っても、何ともお答えできないという
状態
であります。 きょうは
予算案
の
採決
を強行した日ですよ。そんな日に、現場の厚労省の課長が答えられない。こんな大混乱の
状況
で、人の命にかかわる
制度
改正を強引に進めていくのが
厚生労働省
なんでしょうか。そして、それをやすやすと容認するのが
国会
なんでしょうか。 少なくとも、
裁量労働制
で働く
方々
に直接聞く形での徹底した再
調査
を行うことでしか、
国民
は納得しないのではないでしょうか。にもかかわらず、
河村委員長
におかれては、この再
調査
を求めることなく、
採決
を強行したわけであります。
国民
の命を守る
政治
としての
責任
放棄ではないでしょうか。
政府
・
与党
と
野党
が
裁量労働制
に関し
立場
が異なるのは当然でありますが、
委員
長は、中立の
立場
に立ち、必要な
資料
を
委員会
に
提出
させ、
議論
を深めていく、すなわち熟議の場とすることが最大の
責任
であります。しかしながら、
河村委員長
には、そのような積極的な
姿勢
はついぞ本日まで見られませんでした。 過去の名
委員
長と言われるような
委員
長は、
政府側
に厳しい対応を迫り、結果として
与党
の懐の広さを見せることで、
国会
の権威と
与党
としての責務を両立させてきたのではないでしょうか。
河村委員長
は、長い
政治
経験がおありで、良識ある
政治家
だと思っていますが、今回の
予算委員長
としての
仕事
ぶりは、残念ながら、そのような懐の広さが全く見られませんでした。至極残念であります。 また、森友問題についても、佐川国税庁長官、安倍昭恵夫人らに対するたび重なる証人喚問や参考人としての招致
要求
に応じなかった
委員
長の
責任
も重大であります。 中でも、佐川国税庁長官は、今も行われている確定申告の現場に現に混乱をもたらしており、世論
調査
においても、佐川氏を証人喚問する必要があると八割近くの
国民
が回答しております。その
国民
の
思い
を代表し、今
国会
だけで少なくとも延べ十四回の招致
要求
がなされたにもかかわらず、
河村委員長
は真剣に取り合うことはありませんでした。結果として、
安倍総理
に忠誠を誓い、
そんたく
する
官僚
は昇進するというあしき人事慣例が昨年できてしまいました。 これに対し、
国会
は本来、佐川長官を証人喚問することでこういった慣例に厳しく監視すべきところを、逆に、
総理
に
そんたく
する
官僚
は
国会
すらも守ってくれるんだ、こういうあしき慣例をまさに今回つくってしまったのではないでしょうか、
皆さん
。
河村委員長
の
責任
は極めて重く、
政府
を監視する
国会
の
責任
を放棄するものであります。
予算委員会
質疑中の現場における
河村委員長
の議事運営の
あり方
にも、不公平さが目に余ります。 まず、
安倍総理
や加藤
大臣
らが質問に対して答えていないと思われるような場面で、
野党
の理事が
委員
長席に歩み寄って抗議しているにもかかわらず、なかなか速記をとめない。結果的に質疑時間の浪費につながるということが、例年に比べても、ひどいものがありました。
答弁
が難しい質問こそ、核心をついた質問であり、その後ろには
国民
がいるのであります。 さらに、不規則
発言
に対する注意についても気になります。 議場が騒然となったときはともかく、
安倍総理
からやじを注意するよう促されて、その都度
委員
長が注意するのは、
安倍総理
に
委員
長が味方しているように感じられてしまいます。
委員
長は、
総理
のすれ違いの長
答弁
に対し簡潔な
答弁
を求めるべきなのに、
河村委員長
からそのような緊張感を求める裁きは全くと言っていいほど見られませんでした。
予算委員長
が
総理
の不誠実な
答弁
を容認するような、そんな不公平な運営のもとで、
国会
はどうやって
政府
を監視するんでしょうか。 また、先ほど阿部さんからもありましたけれ
ども
、二月十九日月曜の高井崇志
委員
の質疑の際、菅原
与党
筆頭理事が自席に座ったまま大声で実質的な
与野党
協議を長々と行っていたにもかかわらず、
与党
理事を
委員
長席に呼び寄せることをせず、つまり、時計がとまらない
状態
で約十五分過ぎたところで速記をとめたということがありました。前代未聞の失態であります。結果として休憩になったのですから、早い段階で
河村委員長
は休憩を宣言すべきだったのではないでしょうか。 今回の
予算委員会
では
与党
側の質問時間配分がふえましたが、
総理
へのよいしょ質問や時間を余らせる
自民党
議員までおり、それなら
野党
に時間を返すべきではないでしょうか。また、
裁量労働制
の
データ
をめぐる
答弁
を撤回した以上、撤回前の
答弁
を前提に行っていた質疑時間は
野党側
に返すべきではないでしょうか。 ようやく
与党
でも、きのうになってから、
裁量労働制
の
データ
の問題点が
議論
になってきていると聞きます。今回、この部分は
法案
から切り離すべきではないか、そんな御
意見
を述べられた方もいらっしゃると報道では聞いておりますが、遅きに失した感があります。 この際、
与党
の
皆さん
も徹底的にこの問題、御
議論
いただきまして、
裁量労働制
の再
調査
、これを行う間、
予算委員会
は
採決
を待たせていただいて、失った
野党
の質問時間を取り戻して、
審議
を続けるべきだったのではないでしょうか。 最後に、
委員
長による
委員会運営
について、
三つ
、建設的な
提案
をしたいと
思い
ます。 第一に、
政府
に対する
調査
の
要求
、
資料
提出
要求
は毅然として行うこと。 第二に、
答弁
に疑義がある場合は、時計をちゃんととめて、質問に答えるよう求めること。 第三に、長過ぎる
答弁
に対しては、簡潔な
答弁
を求めること。 いずれも、熟議の
国会
として必要最小限のルールではないでしょうか。
国会
の監視
機能
を果たしていない
河村委員長
は、その議事運営の不公平さもあわせ、
解任
に相当することを改めて申し上げるとともに、
裁量労働制
に関する再
調査
を早急に行うこと、
裁量労働制
の
適用拡大
と高度プロフェッショナル
制度
は
法案
から除外すること、佐川長官を証人喚問することを強く求め、私の賛成討論とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
13
○
議長
(
大島理森
君) 菊田真紀子君。 〔菊田真紀子君登壇〕
菊田真紀子
14
○菊田真紀子君
無所属
の会の菊田真紀子です。 私は、
無所属
の会を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
に対して、賛成の
立場
で討論を行います。(拍手)
予算委員会
において、さまざまな論点で
議論
が行われてきましたが、特に大きな争点となった問題が二つあります。森友学園への国有地売却問題に関する佐川国税庁長官の情報隠蔽、虚偽
答弁
及び安倍昭恵
総理
夫人の関与と、
裁量労働制
をめぐる重大な
データ
の
誤り
の問題であります。 まず、
国民
の貴重な財産が極めて不透明、不適切な形で処理されたのではないかと疑われる森友学園との交渉記録を廃棄したと、佐川国税庁長官が
国会
で繰り返し
答弁
したことは虚偽であったと明白になりました。 佐川国税庁長官が、この虚偽
答弁
、
資料
の隠蔽について、
国会
においてみずからの
言葉
で
説明
しないことは、納税者の怒りを買い、確定申告の現場にも悪影響を与えてしまいました。その罪は非常に重いと言わざるを得ません。 安倍昭恵夫人の関与についても、新しい
資料
によって、
政府側
が
そんたく
した結果、学園側に便宜供与が行われた疑いがますます濃厚になっています。
総理
は否定していますが、少なくとも、安倍昭恵夫人がみずから
国会
の場で
発言
しなくては、
国民
の
理解
と信頼は決して得られません。 佐川長官及び安倍昭恵夫人に対する
国民
の疑念はますます強まり、
国会
招致を求める声が高まっています。こうした
国民
の声に応えて、我々は、二人に対する証人喚問を強く求めてまいりましたが、河村建夫君は、
官邸
の指示を受けたのか、ひたすら
そんたく
しているのか、断固として
国会
招致に応じることはありませんでした。 次に、
総理
が施政方針演説で最大のチャレンジと高らかにうたった働き方
改革
について、
法案
や
答弁
の基礎となった
データ
に重大な
誤り
があり、
総理
自身
が
委員会
における
発言
を撤回、謝罪するという異例の
事態
が生じました。
過労死
という人の命にかかわる重大な問題であり、決して許されない
誤り
であります。
総理
は、施政方針演説の中で、抽象的なスローガンを叫ぶだけでは世の中は変わりませんとおっしゃいましたが、抽象的でなく具体的な
データ
にはっきりと明白な
誤り
があったのです。
データ
を再
調査
すること及び関連
法案
の
提出
を見送ることは当然です。 また、貴重な
予算委員会
の質疑時間が、
誤り
があった
データ
に基づくやりとりで費やされてしまいました。加藤勝信
厚生労働大臣
に至っては、
データ
に
誤り
があったことを把握しておきながら、従来どおりの
答弁
を平然と続けていたことまでありました。不誠実きわまりない態度であり、
国会
審議
の冒涜と言えます。 こうして、いわば無駄になってしまったとも言える質疑時間は、
政府
による
データ
の精査が終わった後で、改めて、実際に質問を行った議員に当然確保されるべきです。 少なくとも精査が終わるまで
予算委員会
の
審議
を続けることは
予算委員長
として当然の責務にもかかわらず、河村建夫君は、その責務を果たしてはおりません。 このような
状況
にもかかわらず、数の力に物を言わせて
平成
三十年度
予算案
の
強行採決
を行ったことは、中立公平であるべき
委員
長の職責に反し、国権の最高
機関
である
国会
の権威を失墜せしめる行為であり、断じて許すことはできません。 河村建夫君の
責任
は極めて重大であり、
予算委員長
の任に値しないことを強く申し述べまして、私の
予算委員長
解任決議案
に対する賛成討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
15
○
議長
(
大島理森
君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————
大島理森
16
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。 この
採決
は記名投票をもって行います。 本
決議
案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。——議場閉鎖。 氏名点呼を命じます。 〔参事氏名を点呼〕 〔各員投票〕
大島理森
17
○
議長
(
大島理森
君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。——議場開鎖。 投票を計算させます。 〔参事投票を計算〕
大島理森
18
○
議長
(
大島理森
君) 投票の結果を事務総長から報告させます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百五十五 可とする者(白票) 百三十七 否とする者(青票) 三百十八
大島理森
19
○
議長
(
大島理森
君) 右の結果、
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
は否決されました。(拍手)
—————————————
辻元
清美
君外五名
提出
予算委員長河村建夫
君
解任決議案
を可とする議員の氏名 阿久津 幸彦君 阿部 知子君 青柳 陽一郎君 荒井 聰君 池田 真紀君 石川 香織君 生方 幸夫君 枝野 幸男君 尾辻 かな子君 大河原 雅子君 逢坂 誠二君 岡島 一正君 岡本 あき子君 落合 貴之君 海江田 万里君 神谷 裕君 亀井 亜紀子君 川内 博史君 菅 直人君 近藤 昭一君 佐々木 隆博君 櫻井 周君 篠原 豪君 末松 義規君 高井 崇志君 高木 錬太郎君 武内 則男君 辻元
清美
君 手塚 仁雄君 中谷 一馬君 長尾 秀樹君 長妻 昭君 西村 智奈美君 長谷川 嘉一君 初鹿 明博君 日吉 雄太君 堀越 啓仁君 本多 平直君 松田 功君 松平 浩一君 道下 大樹君 宮川 伸君 村上 史好君 矢上 雅義君 山内 康一君 山尾 志桜里君 山川 百合子君 山崎 誠君 山花 郁夫君 山本 和嘉子君 横光 克彦君 吉田 統彦君 早稲田 夕季君 青山 大人君 浅野 哲君 井出 庸生君 井上 一徳君 伊藤 俊輔君 泉 健太君 稲富 修二君 今井 雅人君 小川 淳也君 小熊 慎司君 大串 博志君 大島 敦君 大西 健介君 岡本 充功君 奥野 総一郎君 柿沢 未途君 吉良 州司君 城井 崇君 岸本 周平君 源馬 謙太郎君 小宮山 泰子君 後藤 祐一君 近藤 和也君 佐藤 公治君 斉木 武志君 階 猛君 下条 みつ君 白石 洋一君 関 健一郎君 田嶋 要君 玉木 雄一郎君 樽床 伸二君 津村 啓介君 寺田 学君 中山 成彬君 長島 昭久君 西岡 秀子君 古川 元久君 古本 伸一郎君 細野 豪志君 前原 誠司君 牧 義夫君 松原 仁君 緑川 貴士君 もとむら賢太郎君 森田 俊和君 山岡 達丸君 山井 和則君 柚木 道義君 笠 浩史君 渡辺 周君 安住 淳君 江田 憲司君 岡田 克也君 金子 恵美君 菊田 真紀子君 黒岩 宇洋君 中川 正春君 中村 喜四郎君 野田 佳彦君 原口 一博君 平野 博文君 広田 一君 福田 昭夫君 赤嶺 政賢君 笠井 亮君 穀田 恵二君 志位 和夫君 塩川 鉄也君 田村 貴昭君 高橋 千鶴子君 畑野 君枝君 藤野 保史君 宮本 岳志君 宮本 徹君 本村 伸子君 玉城 デニー君 照屋 寛徳君 吉川 元君 青山 雅幸君 赤松 広隆君 重徳 和彦君 中島 克仁君 鷲尾 英一郎君 否とする議員の氏名 あかま 二郎君 あきもと 司君 あべ 俊子君 安倍 晋三君 逢沢 一郎君 赤澤 亮正君 秋葉 賢也君 秋本 真利君 麻生 太郎君 穴見 陽一君 甘利 明君 安藤 高夫君 安藤 裕君 井野 俊郎君 井上 信治君 井上 貴博君 井林 辰憲君 伊東 良孝君 伊藤 信太郎君 伊藤 忠彦君 伊藤 達也君 伊吹 文明君 池田 道孝君 池田 佳隆君 石川 昭政君 石崎 徹君 石田 真敏君 石破 茂君 石原 伸晃君 石原 宏高君 泉田 裕彦君 稲田 朋美君 今枝 宗一郎君 今村 雅弘君 岩田 和親君 岩屋 毅君 うえの賢一郎君 上杉 謙太郎君 上野 宏史君 江渡 聡徳君 江藤 拓君 衛藤 征士郎君 遠藤 利明君 小倉 將信君 小此木 八郎君 小里 泰弘君 小田原 潔君 小野寺 五典君 小渕 優子君 尾身 朝子君 越智 隆雄君 大岡 敏孝君 大串 正樹君 大隈 和英君 大塚 高司君 大塚 拓君 大西 英男君 大西 宏幸君 大野 敬太郎君 大見 正君 岡下 昌平君 奥野 信亮君 鬼木 誠君 加藤 鮎子君 加藤 勝信君 加藤 寛治君 梶山 弘志君 勝俣 孝明君 門 博文君 門山 宏哲君 金子 俊平君 金子 万寿夫君 金子 恭之君 金田 勝年君 上川 陽子君 神谷 昇君 神山 佐市君 亀岡 偉民君 鴨下 一郎君 川崎 二郎君 河井 克行君 河村 建夫君 神田 憲次君 神田 裕君 菅家 一郎君 木原 誠二君 木原 稔君 木村 次郎君 木村 哲也君 木村 弥生君 城内 実君 黄川田 仁志君 岸 信夫君 岸田 文雄君 北川 知克君 北村 誠吾君 工藤 彰三君 国光 あやの君 熊田 裕通君 小泉 進次郎君 小泉 龍司君 小島 敏文君 小寺 裕雄君 小林 茂樹君 小林 鷹之君 小林 史明君 古賀 篤君 後藤 茂之君 後藤田 正純君 河野 太郎君 高村 正大君 國場 幸之助君 左藤 章君 佐々木 紀君 佐藤 明男君 佐藤 勉君 佐藤 ゆかり君 齋藤 健君 斎藤 洋明君 坂井 学君 坂本 哲志君 櫻田 義孝君 笹川 博義君 塩谷 立君 繁本 護君 柴山 昌彦君 下村 博文君 白須賀 貴樹君 新谷 正義君 新藤 義孝君 菅 義偉君 菅原 一秀君 杉田 水脈君 鈴木 馨祐君 鈴木 俊一君 鈴木 淳司君 鈴木 貴子君 鈴木 憲和君 鈴木 隼人君 関 芳弘君 薗浦 健太郎君 田所 嘉徳君 田中 和徳君 田中 英之君 田中 良生君 田野瀬 太道君 田畑 毅君 田畑 裕明君 田村 憲久君 平 将明君 高市 早苗君 高木 啓君 高木 毅君 高鳥 修一君 高橋 ひなこ君 竹下 亘君 竹本 直一君 武井 俊輔君 武田 良太君 武部 新君 武村 展英君 橘 慶一郎君 棚橋 泰文君 谷 公一君 谷川 とむ君 谷川 弥一君 津島 淳君 辻 清人君 土屋 品子君 寺田 稔君 とかしきなおみ君 冨樫 博之君 渡海 紀三朗君 土井 亨君 冨岡 勉君 中曽根 康隆君 中谷 元君 中谷 真一君 中根 一幸君 中村 裕之君 中山 展宏君 中山 泰秀君 永岡 桂子君 長尾 敬君 長坂 康正君 二階 俊博君 丹羽 秀樹君 西田 昭二君 西村 明宏君 西村 康稔君 西銘 恒三郎君 額賀 福志郎君 根本 匠君 根本 幸典君 野田 聖子君 野田 毅君 野中 厚君 葉梨 康弘君 萩生田 光一君 橋本 岳君 馳 浩君 鳩山 二郎君 浜田 靖一君 林 幹雄君 原田 憲治君 原田 義昭君 百武 公親君 平井 卓也君 平口 洋君 平沢 勝栄君 福井 照君 福田 達夫君 福山 守君 藤井 比早之君 藤丸 敏君 藤原 崇君 船田 元君 船橋 利実君 古川 康君 古川 禎久君 古田 圭一君 古屋 圭司君 穂坂 泰君 星野 剛士君 細田 健一君 細田 博之君 堀内 詔子君 本田 太郎君 牧島 かれん君 牧原 秀樹君 松島 みどり君 松野 博一君 松本 純君 松本 剛明君 松本 文明君 松本 洋平君 三浦 靖君 三谷 英弘君 三ッ林 裕巳君 三ッ矢 憲生君 三原 朝彦君 御法川 信英君 宮内 秀樹君 宮川 典子君 宮腰 光寛君 宮澤 博行君 宮路 拓馬君 宮下 一郎君 武藤 容治君 務台 俊介君 宗清 皇一君 村井 英樹君 村上 誠一郎君 望月 義夫君 茂木 敏充君 盛山 正仁君 森 英介君 森山 裕君 八木 哲也君 簗 和生君 山際 大志郎君 山口 俊一君 山口 泰明君 山口 壯君 山下 貴司君 山田 賢司君 山田 美樹君 山本 公一君 山本 幸三君 山本 拓君 山本 有二君 吉川 貴盛君 吉野 正芳君 義家 弘介君 和田 義明君 若宮 健嗣君 渡辺 孝一君 渡辺 博道君 赤羽 一嘉君 井上 義久君 伊佐 進一君 伊藤 渉君 石井 啓一君 石田 祝稔君 稲津 久君 浮島 智子君 江田 康幸君 大口 善徳君 太田 昭宏君 太田 昌孝君 岡本 三成君 北側 一雄君 國重 徹君 佐藤 茂樹君 佐藤 英道君 斉藤 鉄夫君 高木 美智代君 高木 陽介君 竹内 譲君 遠山 清彦君 富田 茂之君 中野 洋昌君 浜地 雅一君 濱村 進君 古屋 範子君 桝屋 敬悟君 鰐淵 洋子君 足立 康史君 井上 英孝君 浦野 靖人君 遠藤 敬君 串田 誠一君 下地 幹郎君 杉本 和巳君 谷畑 孝君 馬場 伸幸君 丸山 穂高君 森 夏枝君 ————◇—————
田野瀬太道
20
○
田野瀬太道
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。
平成
三十年度
一般会計予算
、
平成
三十年度
特別会計予算
、
平成
三十年度
政府関係機関予算
、右三案を一括
議題
とし、
委員
長の報告を求め、その
審議
を進められることを望みます。
大島理森
21
○
議長
(
大島理森
君)
田野瀬太道
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
22
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。
—————————————
平成
三十年度
一般会計予算
平成
三十年度
特別会計予算
平成
三十年度
政府関係機関予算
大島理森
23
○
議長
(
大島理森
君)
平成
三十年度
一般会計予算
、
平成
三十年度
特別会計予算
、
平成
三十年度
政府関係機関予算
、右三案を一括して
議題
といたします。
委員
長の報告を求めます。
予算委員長河村建夫
君。
—————————————
平成
三十年度
一般会計予算
及び同報告書
平成
三十年度
特別会計予算
及び同報告書
平成
三十年度
政府関係機関予算
及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔河村建夫君登壇〕
河村建夫
24
○河村建夫君 ただいま
議題
となりました
平成
三十年度
一般会計予算
外二案につきまして、
予算委員会
における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、予算三案の概要について申し上げます。
平成
三十年度
一般会計予算
の規模は九十七兆七千百二十八億円であり、前年度当初予算に対して〇・三%の増加となっております。 歳出のうち、国債費を除いた基礎的財政収支
対象
経費の規模は七十四兆四千百八億円であり、前年度当初予算に対して〇・七%の増加となっております。 歳入のうち、公債金は三十三兆六千九百二十二億円で、公債依存度は三四・五%となっております。
特別会計予算
については、十三の
特別会計
があり、会計間の取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は百九十五兆七千四百七十六億円となっております。
政府関係機関予算
については、沖縄振興開発金融公庫など四
機関
の予算を計上しております。 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は十四兆四千六百三十一億円で、前年度当初計画に対して四・四%の減少となっております。 この予算三案は、去る一月二十二
日本
委員会
に付託され、同月二十六日麻生財務
大臣
から
提案
理由
の
説明
を聴取し、二月二日から質疑に入り、
基本
的質疑、一般的質疑、集中
審議
、岡山県と静岡県における現地視察及び地方公聴会、中央公聴会、分科会を行うなど、慎重に審査を重ね、本日締めくくり質疑を行いました。 審査においては、経済・財政・金融
政策
、
憲法
改正問題、
外交
・安全保障
政策
、教育の無償化及び質の向上、北陸地方を中心とした豪雪被害への対策、国有財産の売却問題、働き方
改革
、
裁量労働制
労働
及び
一般労働者
の
労働
時間に関する
厚生労働省
の
データ
問題など、
国政
の各般にわたって熱心に質疑が行われました。その詳細は
会議
録により御
承知
願いたいと存じます。 本日、質疑を終局し、討論、
採決
を行いました結果、
平成
三十年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————
大島理森
25
○
議長
(
大島理森
君)
平成
三十年度
一般会計予算
外二案に対しては、原口一博君外六名から、三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの
動議
が
提出
されております。 この際、その
趣旨弁明
を許します。黒岩宇洋君。
—————————————
平成
三十年度
一般会計予算
、
平成
三十年度
特別会計予算
及び
平成
三十年度
政府関係機関予算
につき撤回のうえ編成替えを求めるの
動議
〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔黒岩宇洋君登壇〕
黒岩宇洋
26
○黒岩宇洋君
無所属
の会の黒岩宇洋です。 私は、
無所属
の会、
立憲民主党
・
市民クラブ
、希望の党・
無所属クラブ
、
日本
共産党、自由党、
社会
民主党・
市民連合
六
会派
を代表し、ただいま
議題
となりました
政府
提案
の
平成
三十年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの
動議
に関して、その
趣旨
を弁明いたします。(拍手) 冒頭、本日の
予算委員会
での
強行採決
に対し、断固抗議をさせていただきます。 予算という
国民
生活に直結する重要な
議題
を十分に
審議
せず、途上で打ち切るという手法は、
国民
に対する不誠実さのきわみであり、
予算委員会
における
説明責任
を放棄したも同然です。これこそ、安倍一強支配の弊害の産物であり、
国民
の声が届かない
立法府
の現状を象徴する対応であったと憤りを禁じ得ません。 このような手段、
プロセス
で予算の衆院通過を図ることは、到底
国民
が納得しないということを強く
指摘
させていただきます。 また、この
強行採決
という暴挙を是認した
予算委員長
の議事整理は、許されるものではありません。にもかかわらず、
予算委員長
解任決議案
が否決されてしまったことも、甚だ遺憾であります。
予算委員長
は当然、
与野党
の別なく、公平な
立場
で
委員会
を運営することが責務であり、その
責任
を全うされなかったことにも改めて抗議し、今後このような
委員会運営
を厳に慎んでいただきますことを、この本
会議
場で訴えさせていただきます。 次に、
安倍総理
みずから、今
国会
を働き方
改革
国会
と銘打ったわけですが、その働き方
改革
の最大の柱であり、
与野党
間、労使間で最も課題が山積する
裁量労働制
に関する
平成
二十五年度
労働
時間等総合
実態
調査
の不適切
データ
問題に関し、
予算委員会
での
審議
が余りにも不十分だったことについても、断固抗議をいたします。 この問題は、
予算委員会
質疑初日の一月二十九日、
安倍総理
の
答弁
が改めて口火を切りました。
厚生労働省
の
調査
によれば、
裁量労働制
で働く方の
労働
時間の長さは、平均的な方で比べれば
一般労働者
よりも短いという
データ
もあるということは御紹介させていただきたいと
思い
ます、この
答弁
です。この日から本日まで丸一カ月、すなわち
予算委員会
質疑の冒頭から
審議
打切りまで、終始
議論
し続けられ、
予算委員会
の多くの時間を割くこととなりました。 しかし、
審議
すれば
審議
するほど、
議論
が深まるどころか疑問は広がり続け、厚労省は、私
ども野党
が求める不適切
データ
の
実態
、検証などの要請には全く応えず、今日を迎えております。 そこで、この
労働
時間等総合
実態
調査
をめぐる主な二つの問題点を
指摘
させていただきます。 一番目の問題は、何といっても、比べてはいけない
データ
を
比較
してしまったことであります。さらに、その
比較
を、三年前、
平成
二十七年三月二十六日、当時の民主党厚労部会で公表したことです。ここから、
一般労働者
の一日の
労働
時間九時間三十七分、
裁量労働
企画業務型が九時間十六分で、
裁量労働制
の方が短いという結果と、そして数字がひとり歩きを始めました。 本
予算委員会
を通じて判明いたしましたが、
一般労働者
については最長の者を選び、また
労働
時間の算出方法は、法定外
労働
時間に単純に法定
労働
時間八時間を足すというものでした。片や、
裁量労働制
については平均的な者の
労働
時間ということで、全く違う条件で得られた
データ
を
比較
したわけであります。 この
比較
を民主党部門
会議
に提示した経緯と
理由
を
予算委員会
で厚労
大臣
に問うても、
大臣
は曖昧な
答弁
に終始してまいりました。しかし、
予算委員会
で、この
実態
調査
の
調査
、集計、分析のどの作業においても、厚労省担当課の管理下で行われ、担当課が誰よりもこの
データ
の意味合いを
理解
していたことが明らかになりました。
捏造
とは、辞書によれば、実際になかったことを故意に事実のように仕立て上げることとあります。
自民党
幹部いわく、高校生でもわかる、やってはいけない
比較
を、その内容を最も熟知した厚労省が行ったことは、過失ではなく、明白に故意であります。これを
捏造
と言わずして、何を
捏造
と言うのでしょうか。 二番目は、
データ
の信頼性です。
予算委員会
当初は、
一般労働者
の法定時間外
労働
十五時間超、すなわち、一日の
労働
時間が二十四時間を超えるものが九件あること、一日の法定外時間と週と月の法定外
労働
時間の整合性がとれないという不適切事例が
指摘
されました。 その後も、
野党側
の
データ
精査によって次々と問題点が見つかり、厚労省も後手後手に回りながら、
一般労働者
の
労働
時間一日二十四時間超の件数が十五件、日と週と月の
労働
時間数でつじつまの合わない事例が百十七件、週と月の法定外
労働
時間が記入されているのに一日の最長の法定外
労働
時間がゼロの件数が二百三十三件と、不適切
データ
を認めました。 このほか、
裁量労働制
で平均な者と最長の者のうち、一日の
労働
時間が一時間以下のものが二十七件、
一般労働者
の日と週と月のいずれかに時間が記入されているのにもかかわらず、またいずれかがゼロとなっているという不自然な
データ
も五十件以上、
野党
から
指摘
されています。 既に
データ
としての信頼性は損なわれていますし、今後さらに荷崩れを起こす可能性が高いことは明らかでしょう。我々は、
総理
の
答弁
のみの撤回ではなく、
データ
の撤回、ひいては
実態
調査
そのものの撤回を求める次第であります。 そこで、今
動議
においては、
平成
二十五年度
労働
時間等総合
実態
調査
の再実施を含む
裁量労働制
についての全般的な再
調査
を行う歳出も計上いたしております。再
調査
を強く求め、
裁量労働制
については
労政審
での
審議
のやり直し、働き方
改革
法案
からの切離し、出し直しを重ねて強く求めます。そのためには、
安倍総理
、
総理
の、立ちどまり、一歩後ろに戻る決断が必要なんです。これが働く現場からの声です。そして、多くの
国民
の願いなんです。 それでは、ここから編成替えを求める
理由
を申し述べます。
安倍総理
はアベノミクスについて過去どう
説明
していたのでしょうか。五年前の
予算委員会
では、こう得意げにおっしゃっていらっしゃいました。「インフレ期待に変わっていくことによって、言わばお金を持っているよりも投資をしなければいけない、物の値段も上がっていきますから来年買うよりも今日買ってしまおうかと、こうやって消費もだんだん活発になっていくわけであります。デフレマインドをインフレマインドに変えるためには、これは絶対的に大胆な金融緩和が必要であると、こう考えたわけであります。」こうおっしゃっておられました。 さて、結果はどうでしょう。 毎月勤労統計
調査
によると、二〇一二年に一〇四・八であった実質
賃金
指数は、二〇一七年の速報値で一〇〇・五まで低下をしております。 家計
調査
によると、世帯で見た収入、支出の実質指数も低迷しています。二〇一二年一—三月期から十—十二月期まで一〇三から一〇四の間で推移していた収入の実質指数は、二〇一六年十—十二月期から二〇一七年四—六月期まで一〇〇を割る水準を記録しました。二〇一二年一—三月期から十—十二月期まで一〇三から一〇六の間で推移していた支出の実質指数は、二〇一五年七—九月期から一〇〇を割り続け、それ以降、一〇〇を超えたのは二〇一七年四—六月期一回のみです。 そのような中、消費は振るわず、特に個人消費は五年間横ばい、二〇一七年の名目経済成長率は一・四%、実質経済成長率は一・六%、直近の二〇一七年十—十二月期の経済成長率は、年率換算で、名目マイナス〇・一%、実質〇・五%にすぎません。これまで名目を強調してきた
安倍総理
も、最近は余り触れなくなっています。しかも、これは、GDPの基準改定により上げ底された数字です。 誰も、物の値段が上がるから、来年買うよりもきょう買ってしまおうかとはならず、物の値段が上がるなら何とか節約しようとなり、物は売れず、消費は伸びず、物価も上がらないという結果になったわけです。五年もたってこのような
状況
なわけですから、
総理
の考えが物の見事に外れたことは明々白々であります。 今こそ、アベノミクスからの
経済政策
の転換が必須です。人への投資と地域活性化を
経済政策
の柱に置き、
国民
一人一人の能力を最大限伸ばし、それを発揮できる環境を整えること、それぞれの地域の知恵を最大限発揮できるようにする仕組みづくりをしていくことが、今求められております。
安倍政権
は、人への投資を重視するかのようなことは言いますが、口先だけであり、箱物偏重の予算構造を変えようとはしません。また、
政府
提出
予算案
には、不要不急の事業や必要性の疑われる事業が多数見られます。代表的なものとしては、補正予算と当初予算を合計すると概算
要求
額すら上回る予算などが挙げられます。こうした予算を適正化し、人への投資に最大限、重点配分を行うべきです。 次に、編成替えの概要を御
説明
いたします。 第一に、人への投資に〇・四兆円程度の予算を振り向けます。 具体的には、小中学校の給食費無償化に向けた負担軽減に〇・二兆円程度を計上いたします。 昨今は、経済的な格差が教育の格差を生み、更に経済的格差を助長するという負の連鎖が問題視されております。小中学校という義務教育時においては、学校教育に不可欠な給食費を無償化することにより、家庭の教育費負担を軽減いたします。経済的格差を縮めることこそ教育格差を
是正
し、誰しもに安心して教育を受けられる環境を整備いたします。 また、所得制限なしの高校無償化を推し進めてまいります。
民主党政権
時導入された高校無償化を、
自民党
はばらまきと強く批判をしておりました。しかし、政権がかわっても、所得制限つきながら高校無償化が存続しているのは、その有用性を現政権も認めざるを得なかったからでしょう。高校進学率が九九%にも上る現在、どの家庭にとっても高校の無償化は喜ばれ、そして既に定着しております。 ただ、所得制限がかけられているというのは財政上の
理由
でしょうが、高校の現場にはゆがみをもたらしているのです。授業料を納付するかしないかで、家庭の所得の違いが明らかになります。この
状況
は、多感な高校生にとって、よりよき環境とは言えないでしょう。私
ども
は、このゆがみを
是正
するべく費用を計上いたしました。 そして、保育士等の給与引上げの拡充を実施するために〇・二兆円程度の費用を計上いたします。
政府
も保育士等の処遇改善に努めていることは
承知
しております。ただ、問題は二つあります。 その
一つ
は、
政府
が示す月額給与の処遇改善額ほど実際の給与が上がっておりません。
政府
は、
平成
二十五年度から二十八年度にかけて月額約二万六千円の処遇改善策を講じていますが、
厚生労働省
の
賃金
構造
基本
統計
調査
によりますと、
平成
二十四年の保育士の月給、給与は、
平成
二十八年までの四年間で約九千円しか上がっておりません。年収に換算しても、年額十一万七千円のアップにとどまります。すなわち、処遇改善策の月額二万六千円と大きな乖離が生じているのです。 二点目は、処遇改善されても、全産業の平均給与との差は依然として大きいということです。
平成
二十八年で見ても、全産業に比べ、保育士の給与は月額十一万円も下回っています。これでは保育士等の確保がままならないのは当然です。結果、保育所はあっても、保育士が不足して
子供
を預けることができない。待機児童解消の大きな妨げになっています。 これは、単に待機児童問題にとどまらず、多くの
子供
を抱える
女性
、そして男性の就労の妨げになっているのです。働き方
改革
にもつながる重要な課題であり、子育て中の方
たち
、特に
女性
、高齢者の
労働
市場参入が
我が国
の生産性を高める大きな方策ですので、保育士等の給与引上げはさらなる拡充が求められます。
裁量労働制
の
対象拡大
を図るより、はるかに効果的な生産性革命になるのではないでしょうか。 第二に、一括交付金を〇・七兆円規模で復活させるとともに、見合いの交付金、補助金を廃止、縮減いたします。
民主党政権
下で導入した一括交付金は、霞が関支配、政官業の癒着の温床と
指摘
されてきたひもつき補助金から、地方自治体にとって自由度が高く
創意工夫
を生かしやすい交付金にかえることで、地域の知恵を最大限に発揮できる仕組みを導入するものでした。しかし、
安倍政権
になると、即座に一括交付金は廃止され、霞が関支配が復活いたしました。そこで、
平成
二十四年度の一括交付金の財源となっていた事業に
関係
する補助金、交付金を再び廃止、縮減し、一括交付金を復活させてまいります。
平成
の大合併を経て、地方自治体の数はほぼ半数となりました。それほど地方は自助
努力
をして、自治体規模を大きくし、行政能力や効率の向上を図ってきたわけです。そんな新たな
時代
だからこそ、地方自治体の権限を拡大し、地方自治体がみずからの地域に適した施策と予算の使い方を可能にするのが国の
役割
だと考えます。魅力ある地域づくり、国づくりのために、一括交付金を復活させようではありませんか。御
理解
いただきたいと願います。 第三に、農業者戸別所得補償
制度
を〇・八兆円規模で復活させます。また、養豚経営安定化対策補填率引上げ、国庫負担率引上げの費用を計上いたします。その財源として、交付金等を廃止するとともに、土地改良事業費について、三十年度当初予算額水準までに抑制をいたします。
民主党政権
下で実施した農業者戸別所得補償
制度
は、再生産可能な農家所得を保障し、農業経営の安定を図り、営農が継続されることを通じて、多面的な
機能
の維持を図るものでした。しかし、
安倍政権
は、農業者戸別所得補償
制度
を縮減、廃止し、小規模農家を切り捨て、規模拡大と競争力強化のみを強調する余り、小規模農家を中心として離農が相次ぎ、担い手への集積よりも、むしろ担い手不足が深刻化し、耕作放棄地が増大するなど、
日本
の農業の根幹を崩し始めています。 今必要なのは、欧米でも当然のように行われている直接支払い
制度
の復活です。特に、
日本
と同じような国土面積の国を抱えるEUでは、農業所得に占める直接支払い額は約八割を維持しています。これは、農業のみならず、食料生産は
国民
全体で支えるという共通認識、農業の多面的
機能
への
理解
のなせるすべではないでしょうか。
民主党政権
が農業者戸別所得補償
制度
を導入する以前の二〇〇六年、
日本
の農家所得に占める直接支払い額の割合は二八%だったものが、戸別所得補償導入後の二〇一〇年には四五%にはね上がりました。その後、自公政権となり、直接支払交付金となって姿を変え、縮減、廃止となり、確実に直接支払い額の割合は減少しています。 稲作農家でいえば、ここ三年は米価が上昇しているのが幸いしていますが、いざ農作物の価格が急落したときの補償
制度
を確固たるものにしておくことこそが、
日本
の農業の競争力を高め、担い手へと継承していけるものと考えます。 もちろん、耕作の土台である農地の整備は重要であり、土地改良事業の必要性を十分に認識しながら、農地中間管理機構への集積という数合わせに偏った予算配分を見直す必要があると考えます。 第四に、安倍
政治
により著しく低下した
国民
の
政治
への信頼を取り戻すための経費を計上いたします。 具体的には、冒頭申し上げたとおり、
平成
二十五年度
労働
時間等総合
実態
調査
の再実施を含む
裁量労働制
についての全般的な再
調査
の経費を計上いたします。 また、森友、加計問題を踏まえた公文書管理の適正化についても費用を計上いたします。 このたびの森友、加計学園問題の本質は、
安倍総理
に近い人だけ得をするという不合理さにあります。国有財産の私物化という批判も多方面から聞こえてきます。そして、その不合
理解
明を阻む最大の要因が、行政上の重要書類、すなわち公文書の管理がずさんであった点です。 公文書は役所のものではありません。
国民
の知的財産なのです。その視点に立ち返り、公文書管理の適正化を図っていく所存です。 そして、
政府
提案
の生活保護基準見直しの再考のための費用を計上いたします。 この基準見直しで、推計六七%の世帯が生活保護費減額となります。特に、単身世帯で見ると七八%が減額という驚くべき数字となっています。 五十歳未婚割合は年々増加の一途をたどり、二〇三五年には、男性で約三割、
女性
で約二割が五十歳まで未婚であると推計されています。すなわち、単身世帯が増加の一途をたどることとなるのが
我が国
の近未来の姿なのです。その
状況
下で、特段単身世帯の生活保護費を減額させることは、最後のセーフティーネットが寸断され、経済のみならず
社会
の不安定化を招きかねないかと懸念をいたします。そこで、基準見直しを再考し、安心できるセーフティーネットを提供できるよう、基準を再設計いたします。 第五に、水漏れ予算を、〇・四兆円程度減額いたします。
平成
二十九年度補正予算額と
平成
三十年度当初予算額の合計が
平成
三十年度概算
要求
額を超える事業が数多く存在しています。
安倍政権
発足以来、巨額な補正予算と当初予算を一体的に運用する姿が目立ちます。補正予算は、あくまでも当初予算で賄い切れない特段の歳出を賄うことを目的に組まれるのではありませんか。その目的を逸脱し、当初予算漏れしたものをカバーするだけでなく、その分さえも上回る予算を計上するとは、およそ健全な内容とは言えないと考えます。 それも、年末の選挙後に大型補正が組まれることに
政治
的な意味合いを
指摘
する
予算委員会審議
もございました。現下の厳しい財政
状況
の中で、このように不要不急と思われる事業に過度な予算配分を行うことは不適当であり、災害復旧復興
関係
予算を除き減額をいたします。 以上、人への投資と地域活性化を
経済政策
の柱に置き、一・九兆円規模で
平成
三十年度予算を組み替えようというのが、
無所属
の会、
立憲民主党
・
市民クラブ
、希望の党・
無所属クラブ
、
日本
共産党、自由党、
社会
民主党・
市民連合
の編成替え案の概要であります。
与党
の
皆さん
の中にも、アベノミクスに疑問を持っておられる方がいらっしゃることでしょう。まだまだアベノミクスの恩恵が実感できないという有権者の声も多く聞かれるのではないでしょうか。真に
国民
の暮らしに資する予算編成という
観点
から、編成替えを
提案
させていただきました。どうか多くの議員の
皆様
に本
動議
に賛成していただくことをお願い申し上げて、
提案
理由
弁明とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
—————————————
大島理森
27
○
議長
(
大島理森
君) これより、予算三案に対する討論と、
動議
に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。菅原一秀君。 〔菅原一秀君登壇〕
菅原一秀
28
○菅原一秀君 自由民主党の菅原一秀です。 私は、自由民主党を代表し、ただいま
議題
となりました
平成
三十年度
一般会計予算
外二案に対しまして、賛成の
立場
から討論を行います。(拍手) その前に、このたびの歴史的な豪雪により亡くなられた
方々
の御冥福をお祈りいたすとともに、被害に遭われた
方々
に心からお見舞いを申し上げます。 さて、平昌オリンピックでは、小平選手やカーリング女子の感動的なメダル獲得で、
日本
じゅうが歓喜し、
我が国
のキーワードである
女性活躍
が異国の地においても
世界
に示されたと感じました。 また、二大会連続の金メダルをとった羽生選手、そして、
日本
一になることが
世界
一難しいと語った二十の宇野選手の
言葉
は、
日本
のアスリートの飛躍的な進化をかいま見た
思い
であります。 本予算についても、人への投資を拡充し、このオリパラにとどまらず、各般にわたって、未来に夢を感じられる予算とすることが必要であります。
安倍政権
においては、アベノミクスの新三本の矢の
政策
により、名目GDPは五十六兆円ふえ、五百四十九兆円と過去最高になっております。就業者数も政権交代以降二百五十一万人ふえ、有効求人倍率は五年前の〇・八三から一・五九へとほぼ倍増し、
賃金
も、今世紀に入って最高水準の賃上げが四年連続で続いております。 こうした成果を更に高める目的の本予算、以下、賛成する主な
理由
を申し述べます。 まず、
社会
保障
制度
を全世代型
社会
保障へと転換することとし、具体的には、子育て安心プランの二年前倒しの実現に向け、前年度比十一万人分増の保育所等の運営費を計上するとともに、保育士のさらなる処遇改善を盛り込んでおります。 また、幼稚園等について、年収二百七十万から三百六十万の世帯の負担軽減を行うとともに、幼児教育の無償化を確実に進めていく予算でもあります。 このほか、地域包括ケアシステムの深化や、あるいは生活する上でさまざまな困難を抱える
方々
、例えば、介護を要する独居高齢者や、あるいは生活困窮世帯の
子供
や、障害、難病のある
方々
への目配りがされていることも多としたいと考えます。 一方で、北朝鮮の核開発問題など、現下の厳しい安全保障環境への対応が喫緊の課題であることは言うまでもありません。
日本
の領土と
国民
の命を確実に守るため、弾道ミサイル攻撃への対応やサイバー空間における対応など、実効性のある防衛予算が盛り込まれております。 国内においては、目下の課題であります地域経済、中小企業、サービス業等の生産性向上等に向け、IT活用の拡大や人材育成などを行うとともに、中小企業の事業承継税制を大幅に改正し、黒字のまま廃業している構造を断ち、次の経営者らを支援してまいります。また、地域の中核企業が行う設備投資を強力に後押しすることともなっております。 さらに、福島の復興を更に加速させるとともに、公共事業は、
国民
の命と暮らしを守る防災・減災、老朽化対策や、全国の地域経済の基盤となる物流、交通ネットワークといった
日本
の成長力を高める事業などの分野に重点化、効率化しております。 また、地方創生の実現に向け、最先端の科学技術や、観光、農業といった分野で、
日本
国内だけでなく、
世界
じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを後押しするための新たな交付金を創設することとしております。 財政面においても、公債発行額は第二次安倍
内閣
発足以来、六年連続で減額となり、
一般会計
プライマリーバランスも、前年度比で〇・五兆円改善するなど、着実に財政健全化の歩みを進めている点も評価いたしたいと
思い
ます。 さて、
政府
においては、働き方
改革
を実行するため、同一
労働
同一
賃金
や非
正規雇用
労働者
の処遇改善を柱とする
法案
の準備を進めております。 そんな中、
予算委員会
においては、
裁量労働制
に関する
議論
に多くの時間が費やされ、この
データ
の
比較
や精査が十分ではなかったという
指摘
もありました。
政策
は、客観的な
根拠
に基づいて行われなければなりません。
政府
においては、
国民
に対する
説明責任
をより一層適切に果たすよう、ここで改めて強く要請いたします。 一方、JILPTの
調査
によれば、
企画業務型裁量労働制
について、現に
対象
となっている方の八割弱が満足と答えております。 重要なのは、雇い主に
裁量労働制
を悪用させないということであり、不当な長時間
労働
を阻止して、多様な働き方やその機会を提供する、そして、そのための、どう実現していくのかという
議論
であります。 まずは、この
平成
三十年度予算を、これを待つ全国の
皆様
に可及的速やかに届け、その上で、
法案
については、今後の
国会
提出
を受け、所管
委員会
で建設的な
議論
を深めていくことが重要であると考えます。 いずれにしましても、長時間
労働
の
是正
を課題とする
国会
において、このように夜まで長時間
会議
が行われていること自体、
国民
から見たらパラドックスに映っており、
与野党
間で
国会
改革
の
議論
をしっかり進めていく必要がある、このことを申し添えたいと
思い
ます。 以上、本
予算案
に賛成する
理由
を申し述べました。議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げます。 なお、
野党
六
会派
提出
の編成替え
動議
につきましては、見解を異にするため反対することを申し述べまして、私の賛成討論といたします。 ありがとうございました。(拍手)
大島理森
29
○
議長
(
大島理森
君) 落合貴之君。 〔落合貴之君登壇〕
落合貴之
30
○落合貴之君
立憲民主党
の落合貴之でございます。
立憲民主党
・
市民クラブ
を代表し、
政府
提案
の
平成
三十年度
予算案
に反対、そして、
立憲民主党
・
市民クラブ
、希望の党・
無所属クラブ
、
無所属
の会、
日本
共産党、自由党、
社会
民主党・
市民連合
が共同で
提出
した組み替え
動議
に賛成の
立場
から討論をさせていただきます。(拍手) 今
国会
は、
安倍総理
御
自身
が働き方
改革
と名を打ってスタートしました。その目玉である働き方
改革関連法
案についても、今回の
予算委員会
で
議論
が行われました。そして、三年前から提示していた
データ
が間違っていた。
裁量労働制
で働く人
たち
の方が一般的な
労働者
よりも
労働
時間が短いという
データ
もあるようなことを
説明
してきた。しかし、
野党
が
指摘
をするたびに、間違えの箇所がどんどんどんどんふえていく。
厚生労働省
の予算は三十一兆円にも及ぶんです。それをつかさどる厚労省のありさまがこのようなありさまで、しっかりと
説明
もせず、間違いだらけの
データ
を撤回せず、こんなむちゃくちゃな
状況
で予算の
強行採決
。そして、何より、きょうの
予算委員会
質疑で
総理
御
自身
が、
実態
を把握しなければ
政府
全体として前に進めない、そう
答弁
したにもかかわらず、働き方
改革
関連予算も入っているこの
予算案
の
強行採決
。こんなことはなりません。強く抗議をいたします。 我々
立憲民主党
は、
安倍政権
によって壊されつつあるこの国の
立憲主義
、
民主主義
を守るため、今の
日本
の
政治
の流れを変えようと、昨年秋に結党されました。 一方、昭和三十年に結党された自由民主党の立党宣言は、こう始まります。「
政治
は
国民
のもの、即ちその使命と任務は、内に民生を安定せしめ、公共の福祉を増進し、外に自主独立の権威を回復し、平和の諸条件を調整確立するにある。」果たして、今の
政治
が、この理想とともに歩んでいるんでしょうか。 アベノミクスが未曽有の好景気をもたらしていると
総理
はおっしゃっています。しかし、肝心な
国民
一人一人の経済
状況
を見れば、決して好調ではありません。 第二次
安倍政権
の始まった二〇一二年と比べると、実質
賃金
は下がっています。貯蓄ゼロ世帯はふえ、三割を超えました。エンゲル係数も上がっています。消費支出も四年連続で下がっています。これでなぜ、未曽有の好景気と言えるんでしょうか。
総理
にとっては、
国民
一人一人の経済
状況
は
関係
ないんでしょうか。
自民党
の立党宣言にある、民生を安定せしめ、公共の福祉を増進する、この重要な視点はどうなってしまったんでしょうか。 今、
国民
一人一人の生活を立て直し、行き過ぎた格差を
是正
しないといけないのにもかかわらず、例えば生活保護の一人親家庭を
対象
にした母子加算も引き下げる。これでは、格差は固定化されてしまいます。 一人一人に寄り添った予算こそ、今、必要なのではないでしょうか。小中学校の給食費無償化、高校無償化、保育士や介護士等の給与引上げ、こういった措置をとるべきでございます。 また、我々は、今回の
予算委員会
で、
外交
、防衛の問題も取り上げてきました。 沖縄でたびたび米軍機の事故が起こる、そのたびに
政府
はどのような対応をとってきたんでしょうか。米軍基地にまつわるさまざまな問題もしかり。この国に主権はあるんでしょうか。 核の問題もしかりです。オバマ大統領が広島を訪れ核なき
世界
を提唱すればそれに賛同し、トランプ大統領がその方針を百八十度変え、核は使いやすくするんだと宣言したら、それも無条件に賛同する。この国の主体性はどこに行ったんでしょうか。
自民党
の立党宣言にあった、自主独立の権威を回復し、平和の諸条件を調整確立する、この理想は捨ててしまったんでしょうか。 米国からの防衛装備品の調達、FMSの
あり方
は、会計検査院からも
指摘
をされています。どこかの国のためではなく、この国のために防衛予算は使うんだ、その
姿勢
を我々
政治家
は忘れてはならないのではないでしょうか。
世界
の現状を鑑み、この国の形は変えなければなりません。 東京一極集中、中央集権型から、地域主権、多
機能
分散型に変えていかなければなりません。地方への一括交付金を復活させるとともに、徐々に財源を地方に移し、また、
我が国
の農業が持続可能な形で発展していけるよう施策を打っていかなければなりません。 そして、経済の根幹である電力、エネルギーも、一極集中型から多
機能
分散型へと変えていかなければなりません。中途半端に続け、税金や電気代を通じて
国民
に多額の負担をさせている
原発
は、きっぱりやめるべきです。
政府
は、再エネにお金がかかることを強調していますが、
原発
には幾らのお金をつぎ込んできたんでしょうか。
原発
をとめ、いつまでたっても実現しない核燃料サイクルもきっぱり撤回するべきです。
政治
や行政への
国民
からの信頼も取り戻さなくてはなりません。 昨年の
予算委員会
から質問が続いている森友問題。各紙世論
調査
を見ても、一年たっても、
国民
の多くは
総理
の
説明
に納得していません。 それはなぜか。
説明
するべき人が
国会
に
説明
しに来ていないからです。肝心なキーパーソンが
国民
に
説明
しに来ていないからです。 理財局長であった佐川氏は、
国会
で虚偽とも捉えることができるような
答弁
を繰り返し、
要求
した書類も出さず、つじつまが合わなくなってきたところで理財局長から離れ、
国会
に出てくることはなくなりました。そして、よりによって、
国民
に正確な申告を求め、正確な書類の
提出
を求める国税庁長官となりました。この人事を適材適所と胸を張る
総理
の
姿勢
。これは税金を払う
国民
をばかにしているとしか思えません。 これだけ大きなニュースになっているにもかかわらず、
国民
の税金がどのように使われているのか、国家の資産、
国民
の資産がかかわる大きな問題に
説明
を果たさない、そして
国民
に対しては税を厳しく徴収する。これでは
政治
に対する
国民
の信頼は取り戻せません。
総理
はしっかりと
責任
を果たすべきです。佐川さん、そして常にこの問題に名前が取り沙汰されてきた安倍昭恵
総理
夫人の
国会
招致をとめるべきではありません。 また、加計問題やスーパーコンピューターの補助金の不正受給の問題は、いずれも
総理
と
関係
の深い方が疑惑の中におります。 長期政権が続く中で、
総理
のお友達が優遇され、国家の
政策
がゆがめられていないか。
総理
は、率先して、この国のリーダーとして疑惑を晴らし、また、
安倍政権
では絶対に不正を許さない、不正は厳しく罰するときっぱり言うべきではないですか。
総理
は、
憲法
九条に三項を追加することを
提案
されています。
憲法
九条は戦後
憲法
の代表的な条文です。この九条を乱暴にぶち壊すことは、戦後
憲法
をぶち壊すことにほかなりません。
我が国
は、遠くない過去に、三百万人以上の
国民
が命を落とす
事態
を引き起こしてしまいました。国土は焦土と化してしまいました。その焼け跡の中から
国民
は立ち上がり、
自分たち
の生活をよくしていこうと力を合わせて働いてきました。 権力が暴走してしまった経験をもとに、
立憲主義
をより強める戦後
憲法
も制定されました。昭和三十年前後は、戦後
憲法
を変えるかどうかをかけた総選挙も行われてきました。その中で、
国民
が、
自分たち
の手で、選挙で、戦後
憲法
を大切にする選択をし、新しい
日本
を一歩一歩前に進めてきました。 薄氷を踏みながら
一つ
一つ
積み上げてきた、
政治
、経済、
外交
、この国のよさを、一人の
総理
の手で、そして、この戦後体制に恨みを持ちながら
総理
大臣
までたどり着いた
安倍総理
の手で、この国のよさをぶち壊してはなりません。 我々は、
日本
のよさを取り戻す、
立憲主義
と
民主主義
を取り戻す、この国の主権を取り戻す、
国民
の生活に根差した
経済政策
を取り戻す、真っ当な
政治
を取り戻す、このために
安倍政権
と戦い続けます。 以上、私の反対討論とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
大島理森
31
○
議長
(
大島理森
君) 中野洋昌君。 〔中野洋昌君登壇〕
中野洋昌
32
○中野洋昌君 公明党の中野洋昌です。 私は、公明党を代表して、ただいま
議題
となりました
平成
三十年度予算三案について、
野党
六
会派
提出
の
動議
に反対、原案に賛成の
立場
から討論をいたします。(拍手) 第二次
安倍政権
が発足して五年、
自民党
、公明党の安定した政権基盤のもと、
日本
経済は安定した成長を続け、成長と分配の好循環は着実に前に進んでおります。 他方、人口減少と、
世界
に類を見ない速度での少子高齢化は、待ったなしの課題であり、活力ある
日本
の未来を切り開いていくためには、教育負担の軽減、全世代型の
社会
保障の実現、働き方
改革
などの施策を進めていくことが必要不可欠であります。 現在開かれている通常
国会
は、昨年の衆院選で
国民
の
皆様
に約束をした公約を実現する重要な
国会
であります。 本
予算案
には、こうした
改革
を進めていくため、公明党が強く訴えてきた施策が数多く盛り込まれており、一日も早い成立と執行が必要であります。 以下、
平成
三十年度
予算案
について、賛成する主な
理由
を申し上げます。 第一に、私
ども
公明党が強く訴えてきた、教育負担の軽減を前進させる予算であるという点です。 公明党が二〇〇六年より提言を続けてきた幼児教育の無償化に向けた支援が充実するほか、保育の受皿確保、保育士の処遇改善など、二〇二〇年度の無償化の実施に先立って待機児童対策を進める内容となっております。また、公明党が長年訴えてきた、大学生等への給付型奨学金の本格実施が始まるなど、経済的な
理由
で学ぶことを諦めない
社会
の実現に向けた
政策
が前進することとなります。 一人親家庭、生活保護世帯や生活困窮世帯への支援が充実し、貧困の連鎖を防ぐ取組が大きく前に進むことや、医療的ケア児への支援が充実をすることも高く評価をいたします。 第二に、働き方
改革
、生産性革命の実現に資する予算である点です。 同一
労働
同一
賃金
の実現や非
正規雇用
労働者
の処遇改善への支援、勤務間インターバル導入、長時間
労働
の
是正
を行う事業者への支援などの働き方
改革
を前に進めるほか、教員の働き方
改革
も推進する予算となっております。また、地域の中核企業と中小企業との連携など、中小企業の生産性を高める
政策
が盛り込まれております。 第三に、安心して暮らせる地域の実現、地方創生を進める予算である点です。 診療報酬と介護報酬の同時改定において、診療報酬と介護報酬の本体部分を増額させたほか、介護福祉士の処遇改善、認知症対策、がん対策の総合的な推進など、地域包括ケアシステムの構築を支える予算となっています。また、観光予算の拡充、公明党が一貫して実現を主導してきた農家の収入保険
制度
の開始な
ども
盛り込まれております。 このほか、頻発する豪雨災害への対応などの防災・減災対策や、東
日本
大震災からの復興、福島の再生に必要な予算が盛り込まれている点も評価いたします。 最後に、本予算は、経済・財政再生計画の目安を達成し、新規国債発行額、プライマリーバランス赤字も引き続き縮減させており、財政健全化を進めるものである点も申し添えておきます。 以上、賛成する主な
理由
を申し上げました。 なお、
野党
六
会派
提出
の
動議
につきましては、見解を異にするものであり、反対いたします。 公明党は、どこまでも地域に根差した現場第一主義で、若者も高齢者も、障害や難病を持った方も、あらゆる人が持てる能力と可能性を発揮し、活躍できる
社会
を実現するため、これからも全力で取り組んでいくことをお約束し、私の賛成討論とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
大島理森
33
○
議長
(
大島理森
君) 津村啓介君。 〔津村啓介君登壇〕
津村啓介
34
○津村啓介君 希望の党、岡山県の津村啓介です。 私は、希望の党・
無所属クラブ
を代表して、ただいま
議題
となりました
政府
提出
の
平成
三十年度予算三案について、反対の
立場
から討論を行います。(拍手) まず冒頭、本日昼の
予算委員会
におきまして
予算案
の
採決
が強行されたことに抗議いたしますとともに、先ほどの
自民党
、菅原一秀議員の、事実の経過と大きく異なる誤った討論に強く抗議いたします。
審議
不十分な
予算審議
を打ち切り、働き方
改革
に逆行する深夜の本
会議
開催を
予算委員会
理事会
で
提案
したのは菅原一秀
与党
筆頭理事であり、その
提案
に乗って、
河村予算委員長
は、この
予算案審議
の最大の論点である
裁量労働制
の
データ
に関し、
野党
から求められた
資料
がまだ
提出
されていないにもかかわらず、また、当然必要な再
調査
を決めることなく、本日の
予算委員会
の開催と
予算案
採決
を職権で決定いたしました。言語道断であります。 私
たち
は、昨年の臨時
国会
召集がおくれ、かつ、冒頭
解散
によって
予算委員会
が長期にわたって開催されなかったことから、
野党
足並みをそろえ、七十時間の
審議
時間の確保を求め続けてまいりました。あすもう一日、日中、常識的な時間に
委員会
審議
を行えば、このような深夜
国会
を行うことなく、円満な
採決
ができた可能性がございます。 改めて、
自民党
の事実誤認に基づいた誤った討論に強く抗議をいたします。 このたびの
予算審議
では、
平成
三十年度
予算案
の問題点が広範に
指摘
されたほか、
安倍政権
の主要
政策
、
基本
姿勢
についても数々の問題点が浮き彫りになりました。 第一に、
裁量労働制
をめぐる
厚生労働省
の不適切
データ
の問題です。 一月二十九日の
予算委員会
において、
安倍総理
は、
裁量労働制
のもとで働く
労働者
の方が
一般労働者
よりも働く時間は短いという
データ
もあるという
趣旨
の
答弁
をされましたが、言及された
労働
時間に関する
データ
が数々の問題点を抱えたものであったことが明らかとなり、
総理
は、二月十四日になって、引き続き精査が必要な
データ
をもとに行った
答弁
について、撤回、謝罪をされました。 しかし、問題はそれだけではありません。この
調査
は、統計として、そのほかにも多くの致命的な欠陥を持つものであります。
一つ
、そもそも位置づけが純粋な
調査
ではなく、臨検監督の一環であり、客観性を欠くこと。 二つ、
対象
事業所に事前の予告なく訪問し、わずか一時間半で数十項目の
データ
を集めるという実務的に無理なマニュアルのもとで行われており、実際に誤記、誤入力、確認不足による数多くの異常値が連日発見され続けていること。
三つ
、最長の
残業
時間を平均の
残業
時間と混同して扱ったほか、統計上の最頻値を平均値のように扱うなど、不適切な扱いが随所に見られること。 四つ、毎年
調査
をした時期もあれば、関連文書の保存期間を超える八年間も
調査
が行われず、統計の定義を示す
基本
的な文書が省内で約二週間行方不明になるなど、実務上、極めて不安定な運用がなされていること等々であります。 また、
データ
そのものの問題点に加え、問題が発覚した際に厚労省が組織ぐるみで隠蔽を図ったことも発覚しています。 二月二日には、
労働
基準局長が、
一般労働者
の
残業
時間について、最長の
残業
時間として
調査
したものを平均の
残業
時間として扱っていたという不適切な扱いを把握していたにもかかわらず、
大臣
には五日後の二月七日、
総理
には十二日後の二月十四日まで情報が上がりませんでした。
衆議院予算委員会
の
理事会
に報告がなされ、
データ
の不適切な扱いが公にされたのは、更に五日おくれた二月十九日であります。その結果、
予算委員会
での
審議
は十七日間も、厚労省が
データ
を隠蔽した
状態
で行われたことになります。貴重な時間と
審議
の機会が失われました。
裁量労働制
拡大を求めてきた経団連の榊原定征会長や
与党
内からも再
調査
を求める声が出ているとの報道もあります。
根拠
となる
データ
の信頼性が地に落ちた今、
データ
そのものを撤回し、改めて再
調査
を実施して、
労働政策審議会
での
議論
からやり直すべきであります。
日本
は先進国のはずです。
データ
の
誤り
が明白で、多くの
国民
の
皆さん
からも信頼を失った
法案
を
内閣
の目玉
政策
の
一つ
に掲げながら予算を
強行採決
する
日本
でいいのでしょうか。
提出
予定の
法案
の中から、
裁量労働制
、そして高度プロフェッショナル人材の部分については削除し、撤回することを強く求めてまいります。 次に、森友問題への
政府
の対応です。 財務省は、学園側との交渉経過が含まれる内部文書を、ことし一月に五件、今月になって二十件公表しました。会計検査院が昨年十一月に
国会
提出
した報告書には、これら文書の内容は反映されていません。財務省が一年間隠し続けていたからであります。 昨年の通常
国会
で、学園との交渉記録等を全て廃棄したと繰り返し
答弁
した財務省の佐川宣寿前理財局長、現国税庁長官の
答弁
は、全くの
誤り
だったわけです。佐川国税庁長官及び森友学園の問題に深くかかわった安倍昭恵
総理
夫人の
国会
招致を重ねて求めます。 我が党の大西健介議員が
指摘
したジャパンライフ社をめぐる疑惑、スパコン補助金の不正受給事案、茂木
大臣
の政党支部の手帳配付問題など、次から次と疑惑が発覚する
状況
は、
安倍政権
の緊張感の欠如そのものであります。猛省を求めます。
平成
三十年度
予算案
の問題点を
指摘
します。 我が党の玉木雄一郎代表は、代表質問で、財政健全化目標なき予算編成を厳しく指弾しました。その前日、
内閣
府の中長期の経済財政に関する試算が示されましたが、成長実現ケースと呼ばれるベストシナリオでさえ、国、地方の基礎的財政収支の黒字化が実現するのは二〇二七年度となっております。つまり、アベノミクスが絶好調だと政権が胸を張っている現状でさえ、財政健全化はどんどんどんどん先送りをされているのです。 当初予算と補正予算の
あり方
についても、我が党の後藤祐一、稲富修二両議員が問題提起をしました。当初予算の見ばえを整えるための補正予算編成が常態化し、財政法第二十九条が要請する、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出と言えない事業も補正予算に含まれているという
指摘
であります。 そして、にもかかわらず、
平成
三十年度
予算案
は、
一般会計
総額が九十七兆七千百二十八億円と、六年連続で過去最大を更新しています。
日本
銀行やGPIFの公的資金によるETFの買い支えも含め、目先の一時的な景気回復を演出するために、
安倍政権
はとてつもなく大きなリスクを将来世代に先送りしているのです。 そうした
姿勢
は、教育費や
社会
保障
関係
費の扱いにもあらわれています。幼児教育の無償化をうたいながら、来年度
予算案
ではわずか三百三十億円の予算しか計上されず、多くは翌年以降に先送りとなっています。また、医療費についても、診療報酬がわずかに引き上げられた一方で、
国民
皆保険
制度
を維持しつつ、いかにして適切に
国民
負担を求めていくかなど、既に始まっている超高齢
社会
を見据えた医療費抑制への道筋は示されず、ここも問題先送りです。 私
たち
希望の党は、平均年齢四十九歳の未来先取り政党として、
予算委員会
で多くの近未来の課題、新しいタイプの
社会
問題を提示しました。 井出庸生議員からは、広い世代でニーズが高まっている選択的夫婦別姓について具体的な
提案
がありました。 小熊慎司議員からは、住民票を実家に残したままの下宿大学生の選挙人登録の扱いが自治体によって異なることから、法的に
国政
への参政権を失っている若者が全国に多数いる
実態
について問題提起がありました。 私からは、旧宮家の皇籍復帰が非
現実
的である
根拠
をるる示した上で、伝統ある
日本
の皇室の血統、皇統が近い将来途絶するリスク、また、皇族の
方々
が極端に減少するリスクを回避するために、
女性
宮家創設の
議論
を
国会
として一日も早くスタートすべきとの提言をいたしました。 目玉
政策
の看板を毎年かけかえ、小刻みな
解散
で政権への目先の求心力を維持し、長期安定政権の地位を得ながらも、短期志向の政権運営に終始する
安倍政権
は、将来世代に大きなツケを回す、未来に対して無
責任
な政権と言わざるを得ません。 私
たち
国会
議員は、
与野党
を超えて、
我が国
が直面する将来のリスクに正面から向き合うべきです。問題先送り、短期志向の
安倍政権
のエッセンスを象徴する
平成
三十年度
予算案
への反対を改めて表明し、私の討論を終わります。(拍手)
大島理森
35
○
議長
(
大島理森
君) 福田昭夫君。 〔福田昭夫君登壇〕
福田昭夫
36
○福田昭夫君 民進党の福田昭夫です。 私は、民進党と
無所属
の
衆議院
議員十四名から成る
会派
、
無所属
の会を代表し、ただいま
議題
となりました
政府
提出
の
平成
三十年度
予算案
三案について反対、
野党
六
会派
提出
の組み替え
動議
案に賛成の
立場
から討論を行います。(拍手) 本年は年明けから大雪が続いており、多大なる被害が生じております。犠牲となられた
方々
に謹んで御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の
皆様
に心からお見舞いを申し上げます。 さて、このたびの
予算審議
では、
平成
三十年度予算の欠陥が明らかになるだけではなく、さまざまな問題、疑惑が浮上しました。 まずは、佐川国税庁長官の虚偽
答弁
問題です。 森友学園に国有地が格安で売却されていた問題をめぐり、当時理財局長だった佐川氏は、交渉記録を破棄したなどと
答弁
していましたが、これが完全に虚偽
答弁
だったことが明らかになりました。 前代未聞の
事態
にもかかわらず、
安倍総理
及び
自民党
は、
野党
による佐川長官の証人喚問
要求
、罷免
要求
を拒否し続けています。 納税者には一円の間違いも認めない書類を求めておきながら、平然と公文書を破棄したとうそをつく人物が国税庁のトップに君臨していては、多くの納税者の怒りを買うのは当たり前であります。 税務行政の混乱を招く
事態
を、
安倍政権
はなぜか放置しています。不正の可能性を示す記録を意図的に隠蔽し、
安倍総理
をかばい続けたからこそ、佐川氏は国税庁長官に出世し、今も
安倍政権
により手厚く守られているのでしょう。 次に、
裁量労働制
に係る
データ
捏造
疑惑です。
安倍政権
は、
裁量労働制
、いわゆる
残業代
ゼロ
制度
の導入を推し進めてきました。その
根拠
としてきた、
裁量労働制
で働く人は
一般労働者
より
残業
時間が短いという
データ
が、異なる
データ
を
比較
してつくられたものだということが明らかになりました。 これまでの
政府
の
説明
を根底から覆す異常
事態
にもかかわらず、
安倍総理
は
厚生労働省
に
責任
を転嫁し、全く
責任
を感じていないかのような
答弁
を繰り返しています。 こうした
安倍政権
の無
責任
体質は、
平成
三十年度予算にも色濃く反映されています。
一般会計
総額は九十七・七兆円となり、六年連続で過去最高を更新しました。
安倍総理
は、いつまでも財政出動を続けるわけにはいかないと
国会
で何度も
答弁
してきましたが、結局、財政出動に頼っているのが現状であります。ただ、大規模財政出動にもかかわらず、実質
賃金
は大幅に低下し、消費は振るわず、経済は低迷を続けています。 その大きな原因の
一つ
は、予算の中身が間違っていることにあります。
安倍総理
は、人への投資を重視するかのようなことは言い出しましたが、口先だけであり、公共事業費を六年連続で増加させるなど、箱物偏重の予算構造を変えようとはしていません。
安倍政権
はこれまで、三本の矢、地方創生、新三本の矢、一億総活躍
社会
などと、次々と看板をかけかえてきましたけれ
ども
、何ら実績を残せていないことから見ても、今回も口だけなのは明らかであります。 また、米国からの防衛装備品の調達、いわゆるFMSにおいて、米国側の言い値で支払いを続けていたことなど、会計検査院よりさまざまな
指摘
を受けているのに、対応が進んでおりません。
平成
二十九年度補正予算額と
平成
三十年度当初予算額の合計が、何と
平成
三十年度概算
要求
額を超える事業が数多く存在するなど、不要不急と思われる事業に過度な予算配分を行っていることも判明しています。 一方、
野党
提出
の組み替え
動議
案は、人への投資と地域活性化を
経済政策
の柱に置き、
国民
一人一人の能力を最大限伸ばし、それを発揮できる環境を整えること、それぞれの地域の知恵を最大限発揮できるようにする仕組みづくりをしていくことなどにより、持続的な成長につながる中身となっております。 また、安倍
政治
によりずたずたにされた、
国民
の
政治
への信頼を取り戻すべく、
裁量労働
についての全般的な再
調査
、森友、加計問題を踏まえた公文書管理の適正化を実行するための経費も盛り込まれております。 最後に、このように
国民
に対して無
責任
で不誠実きわまりない
安倍政権
に終止符を打つため、心ある人
たち
と手をとり合い、信頼ある
政治
を取り戻していくことを
国民
の
皆様
方にお訴えをし、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)
大島理森
37
○
議長
(
大島理森
君) 藤野保史君。 〔藤野保史君登壇〕
藤野保史
38
○藤野保史君 私は、
日本
共産党を代表して、
立憲民主党
、希望の党、
無所属
の会、
日本
共産党、自由党、
社会
民主党の六
野党
共同
提出
の二〇一八年度予算組み替え
動議
に賛成、
政府
提出
の二〇一八年度
一般会計予算
外二案に反対の討論を行います。(拍手) まず、働き方
改革
について、
国民
の命がかかった大問題であるにもかかわらず、
捏造データ
が次々と明らかになり、
安倍総理
が
裁量労働
は一般
労働
より
労働
時間が短いという
答弁
を撤回したことは重大です。
裁量労働制
に反対する世論は急速に高まっています。
法案
の前提は根本から崩れており、
提出
そのものを断念すべきです。 また、森友疑惑では、一年前には存在しないと
答弁
した国有地売却の値引き交渉を示す文書が公開され、我が党が示した音声
データ
によっても疑惑は一層深まりました。にもかかわらず、佐川国税庁長官、安倍昭恵氏らの証人喚問を
与党
が拒み続け、真相解明に背を向けていることは、言語道断であります。
審議
は全く尽くされておりません。
野党
が求めた
裁量労働制
の再
調査
、働き方
改革
法案
の断念、証人喚問、徹底した
審議
などの
要求
をことごとく拒否し、最低七十時間の
野党
質問時間に達しないまま
採決
を強行したことに強く抗議をいたします。
予算案
に反対する
理由
の第一は、本
予算案
が、格差と貧困を広げてきたアベノミクスに固執し、暮らしと経済を痛めつけるものになっている点です。 アベノミクスの五年間で、大企業や富裕層の利益が大きくふえる一方で、実質
賃金
は年額十六万円も低下し、家計消費は二十二万円も落ち込んでいます。今必要なのは、この格差と貧困を
是正
することです。 ところが、本
予算案
は、生活保護費の最大五%、平均一・八%の削減を始めとした
社会
保障
関係
費の自然増分千三百億円を削減しています。
安倍政権
下の六年間で、
社会
保障
関係
費の自然増削減は一・六兆円に上り、各分野で給付減と負担増を招いています。文教予算は四年連続削減、中小企業、農業予算も連続削減であり、暮らしと経済に冷たい予算となっています。 中堅所得層に増税を押しつけるなど、増税路線は明確です。
国民
に対する給付を減らしながら負担を押しつけることなど断じて許せません。 他方、法人税や研究開発減税などの大企業優遇税制、富裕層の金融所得への優遇税制などは温存しており、格差の
是正
にはほど遠い
姿勢
です。来年十月に消費税一〇%増税を強行すれば、更に格差と貧困は広がります。富裕層のための
政治
から、九九%の
国民
の暮らしを応援する
経済政策
への抜本的転換を強く求めます。 反対
理由
の第二は、安保法制のもとで、際限のない軍拡路線に踏み込んでいる点です。 軍事費は過去最大の五兆一千九百十一億円となりました。第二次
安倍政権
発足以来、増額を続けており、四年連続で過去最高を更新しています。 イージス・アショアの関連経費を初めて盛り込み、オスプレイやF35Aステルス戦闘機も増強しています。これら有償軍事援助、いわゆるFMSによる米国からの兵器調達は四千百二億円、次年度以降の後年度負担総額は、年間予算に匹敵する五兆七百六十八億円に上ります。アメリカの兵器を買えというトランプ米大統領の
要求
に応えるものであり、
安倍政権
の日米同盟第一、米国追随の
姿勢
は到底容認できません。 とりわけ、長距離巡航ミサイルの導入を決定し、護衛艦「いずも」の空母化まで狙っていることは、
政府
自身
が
憲法
上認められないとしてきた敵基地攻撃能力の保有に踏み出すものにほかなりません。戦争する国づくりをやめ、安保法制を廃止することを強く求めます。 相次ぐ米軍機事故では、米軍の意向を最優先し、
子供
たち
と住民の命、なりわいをないがしろにする日米安保、地位協定の屈辱的な
実態
が明らかになりました。日米地位協定の抜本改正と沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去を強く求めるものです。 また、
審議
の中で、アメリカの新核戦略、NPRを高く評価する
安倍政権
の
姿勢
が、新たな核持込みの危険を
現実
のものとしていることが浮き彫りになりました。さらに、
安倍総理
が
憲法
九条改憲に関する
答弁
を繰り返ししたことも絶対に容認できません。 反対
理由
の第三は、新規大型開発事業を優先し、
原発
再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するものとなっている点です。 高速道路に一・五兆円もの財投資金を十四年ぶりに投入するなど、三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、安全面と環境面で問題が
指摘
されているリニア中央新幹線の建設を推し進める
やり方
は、到底認められません。
原発
の再稼働、核燃料サイクル、
原発
輸出、これらの推進をやめ、
原発
即時ゼロの
政治
決断を下すべきであります。
日本
共産党は、
国民
の暮らしを守り、
日本
経済のゆがみを正してその発展を促し、戦争の危険から
国民
の安全を守るためには、本予算の抜本的な組み替えが必要だと考えます。
野党
共同
提案
の予算組み替え
動議
は、部分的ではありますが、巨額の軍事費、米国からのFMSなどにメスを入れ、格差と貧困の
是正
や
国民
生活に振り向けるものです。六
野党
が一致して
安倍政権
の
経済政策
の転換を求めた点に意義があり、我が党も共同
提案
したものであることを表明し、討論を終わります。(拍手)
大島理森
39
○
議長
(
大島理森
君) 井上英孝君。 〔井上英孝君登壇〕
井上英孝
40
○井上英孝君
日本
維新の会の井上英孝です。 私は、我が党を代表して、
平成
三十年度
予算案
外二案に反対の
立場
から討論をいたします。(拍手) まず初めに、働き方
改革
に係る
データ
不備問題は、
国民
からの信頼を失う行為であり、
政府
の真摯かつ誠実な対応が求められています。 我が党は、党利党略ではなく
国民
にとって必要な
政治
の実現に向けた
政策
提案
型政党としての
立場
から、今回の問題について、
政府
が
国民
に対してしっかりと
説明責任
を果たすことを
要求
いたします。
政府
予算の歳出は四年連続で九十六兆円を超え、補正予算と合わせて百兆円規模の予算が組まれてきました。公債残高はふえ続け、八百六十五兆円にも上ることが予測されるなど、財政
状況
は深刻であり、財政を公債頼りにすることの弊害について、
政府
はもっと深刻に受けとめるべきです。 我が党は、
国民
に負担を求める前に、
政治家
みずからが身を切る
改革
の
姿勢
を示すことが必要であるということを説き、身を切る
改革
から始まる一連の行政
改革
によって
改革
に必要な財源を確保することを最優先の
政治
課題と考えてまいりました。 年間の出生数が百万人を割り込み、人口減少の
傾向
が加速しているにもかかわらず、
社会
の仕組みは人口増加基調にあった
時代
から何ら変わっていないというのが現状であります。 グレートリセットの必要性を訴えてきた
立場
からいえば、二〇二〇年のプライマリーバランスの黒字化目標の達成が困難であることは明らかであるにもかかわらず、公務員人件費をふやし続けている上に、
国民
に対してさらなる負担を強いる新税の導入を推し進める
政府
の態度には、到底容認できません。 消費税率を八%に引き上げたことによって、
国民
負担率は四〇%の大台を超えました。
政府
は、更に消費税率を一〇%まで引き上げることを前提として本年度
予算案
を組んでいます。どこまで
国民
の負担を上げようというのでしょうか。 身を切る
改革
も大胆な規制緩和もなしに、歳出の規模は膨張の一途をたどり、それを将来世代へのツケ回しと
国民
の負担増、つまり増税で手当てしようという
姿勢
がはっきりとしております。 消費増税は景気にも悪影響を与えます。前回の八%への消費税率引上げは、成長しかけていた
日本
経済に水を差し、消費を大きく減速させたというのが
国民
の実感であります。財政再建のためにまず増税、
国民
の負担をふやすという財政運営を切りかえ、歳出削減を最優先にかじを切るべきです。 二月に入ってからの円高
傾向
は企業業績に大きな影響を与え、法人税収の下振れが起こる可能性もあります。
平成
二十八年度補正予算のように、同様の事由で赤字国債が発行されたような
事態
を危惧しています。 また、膨張し続ける
社会
保障費についても、診療報酬、介護報酬の同時改定というタイミングにもかかわらず、
社会
保障費の増額を五千億円以内に抑制するという従来の目安を維持したにとどまり、歳出削減に向けた真摯な
姿勢
を見てとることができません。 医療だけでなく、年金
制度
については持続可能性が危ぶまれる上、
国民
年金の支給額と、生活保護
制度
におけるモラルハザードが加速しかねません。受給者の五〇%以上を高齢者が占めている
状況
を深刻に捉えるべきです。
衆議院
での
予算審議
は本日をもって終結しますが、我が党は、引き続き、身を切る
改革
と公務員人件費の削減に向けて全力で邁進していく、このことを
国民
の
皆様
にお約束いたします。 なお、
野党
六
会派
提出
の
動議
につきましては、見解を異にするため反対することを申し上げて、私の反対討論を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
41
○
議長
(
大島理森
君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————
大島理森
42
○
議長
(
大島理森
君) これより
採決
に入ります。 まず、原口一博君外六名
提出
、
平成
三十年度
一般会計予算
外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの
動議
について
採決
いたします。 原口一博君外六名
提出
の
動議
に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
43
○
議長
(
大島理森
君) 起立
少数
。よって、原口一博君外六名
提出
の
動議
は否決されました。 次に、
平成
三十年度
一般会計予算
外二案を一括して
採決
いたします。 この
採決
は記名投票をもって行います。 三案の
委員
長の報告はいずれも可決であります。三案を
委員
長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。——議場閉鎖。 氏名点呼を命じます。 〔参事氏名を点呼〕 〔各員投票〕
大島理森
44
○
議長
(
大島理森
君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。——議場開鎖。 投票を計算させます。 〔参事投票を計算〕
大島理森
45
○
議長
(
大島理森
君) 投票の結果を事務総長から報告させます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百五十五 可とする者(白票) 三百七 否とする者(青票) 百四十八
大島理森
46
○
議長
(
大島理森
君) 右の結果、
平成
三十年度
一般会計予算
外二案は
委員
長報告のとおり可決いたしました。(拍手) ————◇—————
田野瀬太道
47
○
田野瀬太道
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。
内閣提出
、
地方税法等
の一部を改正する
法律案
、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括
議題
とし、
委員
長の報告を求め、その
審議
を進められることを望みます。
大島理森
48
○
議長
(
大島理森
君)
田野瀬太道
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
49
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。
—————————————
地方税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
大島理森
50
○
議長
(
大島理森
君)
地方税法等
の一部を改正する
法律案
、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、右両案を一括して
議題
といたします。
委員
長の報告を求めます。総務
委員
長古屋範子君。
—————————————
地方税法等
の一部を改正する
法律案
及び同報告書
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔古屋範子君登壇〕
古屋範子
51
○古屋範子君 ただいま
議題
となりました両
法律案
につきまして、総務
委員会
における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 初めに、
地方税法等
の一部を改正する
法律案
は、個人住民税の基礎控除等の見直しを行うとともに、
平成
三十年度の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の負担調整措置等の継続、地方のたばこ税の税率引上げ等の見直し、地方団体共通の電子納税システムの導入等税務手続の電子化を行うほか、税負担軽減措置の整理合理化等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
は、地方財政の収支が引き続き著しく不
均衡
な
状況
にあること等に鑑み、
平成
三十年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、地方交付税の単位費用等の改正及び東
日本
大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保等の措置を講じようとするものであります。 両案は、去る二月十五日、本
会議
において
趣旨
説明
及び質疑が行われ、本
委員会
に付託されました。
委員会
におきましては、二十日両案について野田総務
大臣
から
提案
理由
の
説明
を聴取した後、二十二日から質疑に入り、本日これを終局いたしました。次いで、討論を行い、
採決
いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、
委員会
において、持続可能な地方税財政基盤の確立及び東
日本
大震災等への対応に関する件について
決議
を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————
大島理森
52
○
議長
(
大島理森
君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。長尾秀樹君。 〔長尾秀樹君登壇〕
長尾秀樹
53
○長尾秀樹君
立憲民主党
の長尾秀樹でございます。 私は、
立憲民主党
・
市民クラブ
を代表し、
地方税法等
の一部を改正する
法律案
には反対、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
には賛成の
立場
から討論を行います。(拍手) その前に、まず申し上げます。 先ほど、
自民党
の菅原一秀君の討論で、このような深夜に及ぶ
国会
になったのは
野党
のせいであるかのような、看過しがたい
発言
がありました。 この際、明確に申し上げておきます。本日の
予算委員会
での
強行採決
、緊急上程は、
自民党
御
自身
の
提案
によるものであり、深夜に及ぶ本
会議
を設定した張本人は
自民党
であります。
予算委員会
筆頭理事に言われる筋合いは全くありません。まさに天に唾をする
発言
であり、強く反省を求めます。 それでは、まず、
地方税法等
の一部改正案について、反対の主な
理由
を申し上げます。
立憲民主党
は、所得税、消費税、資産課税など税制全体を抜本的に見直し、税による再分配
機能
を強化することを
基本
政策
として掲げております。
平成
三十年二月に公表された家計
調査
報告によれば、総世帯の消費支出の指数は二〇一五年第三・四半期からずっと一〇〇を下回っていることからも、個人消費が伸び悩んでいることがうかがえます。加えて、所得格差の拡大が懸念される
我が国
の現状に鑑みれば、税制を通じた所得再分配
機能
の強化を
議論
すべきところ、今回の税制改正が小手先の
議論
に終始したことは、
政府
・
与党
の
責任
放棄と言わざるを得ません。 まず、今回の改正案において、給与所得者の給与所得控除の上限額を一千万円から八百五十万円に引き下げるとしております。なぜ八百五十万円としたのか、
国民
が納得できるような
説明
はいまだされておりません。 これについては、
平成
三十年二月十三日の本
会議
等において、麻生財務
大臣
は、家計への影響や地方財政への影響などを総合的に勘案したと
答弁
しましたが、所得再分配の抜本的な
改革
にはなっていないことに加え、給与収入八百五十万円は都市部では中間層に位置する層であり、家計分析に基づく精緻な
議論
を経ての決定とは言いがたいと言えます。 次に、基礎控除について、合計所得金額が二千四百万円超から逓減、二千五百万円超で消失する改正案となっています。格差
是正
という
観点
からは、基礎控除の逓減、消失する基準額を引き下げるべきです。 また、今回の改正案においては、格差を縮小するためにも重要な課題である金融所得課税の見直しは全くの手つかずで、相変わらずの富裕層優遇のアベノミクスの
姿勢
と断じざるを得ません。 次に、地方税と国税の
あり方
についてであります。 我が党は、地方自治体の歳入は、一般財源かつ自主財源である地方税で賄うことが原則であると考えます。 我が党の武内則男議員が本
会議
で代表質問したように、実際に
仕事
をしている割合を見ると、地方が六割だが、税収は四割しかありません。地方が担う事務と
責任
に見合ったように、国税と地方税の税源配分の見直しが必要であり、検討すべきであることを再度改めて
主張
をいたします。 あわせて、森林環境税について申し述べます。 森林環境税は
平成
三十六年度からの課税である一方、森林環境譲与税は
平成
三十一年度から譲与が行われることとされております。総務省の森林吸収源対策税制に関する検討会の報告書によれば、この新たな税制の必要性について、森林は、地球温暖化防止や災害防止など多面的な
機能
を有し、
国民
一人一人に恩恵があるとしており、この
趣旨
には賛成です。 検討会の報告書においては、市町村における事業実施体制の確保が森林環境税創設に当たっての課題として明記されております。しかし、この税の
趣旨
に沿って事業を展開できる市町村の人的体制についてはどのように検証されたのでしょうか。地方自治体の人手不足が問題となっている中、
国民
から税金を取るだけ取って、肝心の市町村における事業実施体制が確保できないということがあってはなりません。 また、森林環境税につきましては、既に三十七府県と一政令市が、課税自主権を活用し、同様の超過課税を導入しており、二重課税であるとの
指摘
もあります。 総務
大臣
は、地方自治体の独自課税と森林環境税の使途が重複する可能性も認めた上で、
平成
三十六年度までの間に、
関係
府県等において必要に応じて超過課税の取扱いを検討していただけるものだと考えていますと
答弁
しておりますが、地方自治体が独自に行ってきた取組が損なわれることがないよう強く要望いたします。 次に、地方消費税の清算基準の見直しについてであります。 地方消費税の清算基準については、統計カバー外の代替指標である人口基準を五〇%に変更することとしており、その
根拠
は、地方消費税の税収をより適切に最終消費地に帰属させるためとのことでした。 人口基準を五〇%に引き上げて、果たしてこれでより適切に地方消費税収を最終消費地に帰属させることができるでしょうか。 この人口基準が五〇%になることによって、かえって地方において、地元の商店街や流通業に影響を与える可能性は否めません。消費の
実態
に合わせるという意味で、統計カバー率をもっと引き上げるべきであります。 続きまして、
地方交付税法
及び
特別会計
法一部改正案については、成果なしのアベノミクスで、地方公共団体はいまだ厳しい財政
状況
にあえいでおり、
平成
三十年度の地方公共団体の安定的な財政運営に向けて一刻の猶予も許されないことも勘案して、賛成をいたします。 しかし、トップランナー方式が今後も新たな業務に導入されるおそれを残していることに対しては懸念があります。特に、窓口業務の委託に関し、総務省は、今後、地方独立行政法人の活用や標準委託仕様書の作成、全国展開などの取組を強化するとしており、その
状況
を踏まえて、トップランナー方式の
平成
三十一年度の導入を視野に検討していく旨を
答弁
しております。 しかし、
平成
二十九年四月一日時点における窓口業務の民間委託導入率は全市区町村で一七・三%にすぎないこと、また、地方交付税
制度
を使った窓口業務の委託化への
政策
誘導はすべきでないこと、以上の二点から、
平成
三十一年度における窓口業務へのトップランナー方式の導入は行うべきでないと改めて申し上げておきます。 最後に、この間、財務省は、地方全体として地方自治体の基金の残高が増加していることを
理由
に、地方財政に余裕があるとして、地方交付税の抑制につなげようとしました。 しかし、基金の残高は、あくまで、将来の歳入不足に対応するため、経費削減など自治体の
努力
で捻出した財源で積み上げてきたものであり、基金残高と交付税の削減をリンクさせる
議論
はもってのほかです。 結果的には、一般財源総額は昨年度より上回る水準を確保し、地方が自由に使える財源がふえましたが、今後、このようなリンク
議論
が二度と行われることがないよう強く求めておきます。 私
たち
立憲民主党
は、多様な主体による自治をとうとび、互いに連携し合う活力ある
社会
を実現し、地域の
責任
と
創意工夫
による自立を可能とする真の地方自治を目指しています。このことを
国民
の
皆様
にお約束申し上げ、討論とさせていただきます。 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
大島理森
54
○
議長
(
大島理森
君) 森夏枝君。 〔森夏枝君登壇〕
森夏枝
55
○森夏枝君
日本
維新の会の森夏枝です。 私は、我が党を代表して、ただいま
議題
となりました両
法律案
に賛成の
立場
から討論いたします。(拍手) 我が党は、当初より、地方分権を旗印にしてまいりました。今回の地方交付税については、地方の実情に沿った、行政サービスの提供に必要な一般財源総額十六兆円を確保しつつ、臨時財政対策債を対前年度〇・一兆円減まで抑制したことについて、一定の評価ができるものです。 臨財債は、五十兆円を超える金額が積み上がっており、導入以前の交付税
特別会計
借入金も三十二兆円積まれたままの中、国の
説明
では、後に元利償還金の金額について交付税措置がなされるということですが、地方からは、巨額の負債を国から押しつけられるのではないかと不安の声が上がっています。 臨財債について、国が
責任
を持つという
姿勢
と償還のロードマップについて、明確な回答が必要不可欠です。 なお、行財政
改革
を実施した上での備えである財政調整基金等の増加を
理由
として地方交付税の削減措置がとられなかったことは評価できますし、中小企業の設備投資促進に向けた固定資産税の軽減について、地方の
裁量
を拡大した上で継続することは、重要かつ適切な措置と考えます。 また、共通電子納税システムの導入や大企業への法人住民税等電子申告の義務づけによる地方税の徴収における効率化は、民間企業や地方自治体の生産性向上につながるものであり、このような取組に我が党は賛同いたします。 最後に、我が党は、
憲法
改正項目の
一つ
として、
統治機構
改革
を掲げています。 財源とともに権限を地方へ移譲していくことで、地方の、地方による、地方のための真の地方活性化と地方分権を目指して、引き続き
議論
を前に進めていく決意を申し述べ、今回
指摘
した点における
政府
の真摯な対応を求めて、本
法案
に対する賛成討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
56
○
議長
(
大島理森
君) 奥野総一郎君。 〔奥野総一郎君登壇〕
奥野総一郎
57
○奥野総一郎君 希望の党、奥野総一郎でございます。 私は、希望の党・
無所属クラブ
を代表し、ただいま
議題
となりました
地方税法等
の一部を改正する
法律案
に反対、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について賛成の
立場
から討論を行います。(拍手) 冒頭、職権で本日の総務
委員会
が立てられたことに強く抗議をいたします。
議題
となっております
法案
の
審議
に際しては、
野党
の質問時間が昨年よりも一割以上減らされるなど、
与党
の強引な運営が目立ちました。数におごることなく、
審議
を尽くした上での
採決
を改めて求めたいと
思い
ます。 さて、偽装
データ
に基づく働き方
改革
法案
は、今
国会
に
提出
すべきではありません。
安倍総理
は
実態把握
と言われましたが、そのための再
調査
を行い、客観的
データ
に基づき
議論
をやり直すべきです。都合のよい
データ
ばかりを挙げ、あらゆる問題が全てうまくいっていると強弁し続けている
安倍総理
。そうした
総理
の
姿勢
が
そんたく
を生み、
データ
偽装につながったのです。
現実
を直視するよう、改めて
総理
の
姿勢
を正していただきたいと申し上げます。 ごまかしても、いずれ結果は出ます。アベノミクスの看板
政策
である成長戦略、地方創生は、行き詰まりがはっきりとしてきました。 成長戦略について、目標達成ができなかった、あるいは現時点で達成が難しいものが四割を占めていると
内閣
府も認めています。 例えば、サービス産業の
労働
生産性については、伸び率を二〇二〇年までに二%にするとしていますが、現状はたったの〇・二%です。この例だけを見ても、生産性を向上させ、成長率を引き上げる、財政再建も行うという成長戦略は完全に失敗をしています。 そして、成長戦略の地方版でもある地方創生、最近、この
言葉
を耳にすることはほとんどなくなりました。 うまくいかなくなると、すぐに新しいキャッチコピーをつくって掲げるのが安倍流であります。 まち・ひと・しごと創生総合戦略では、二〇二〇年時点で、東京圏から地方への転出、転入を
均衡
させ、東京一極集中の流れをとめると宣言しています。 ところが、先日の総務省の発表では、東京圏への転入超過は、前年よりも更にふえておよそ十二万人、二十二年連続で超過となっている一方、名古屋圏と大阪圏はいずれも五年連続転出超過となり、東京一極集中がより鮮明なものとなってしまいました。 地方創生は完全に行き詰まり、地方
政策
においても、これから述べるような場当たり的な増税や交付金のばらまきなど、つじつま合わせに苦心をしています。
現実
を直視し、
改革
を進めるべきです。
地方税法等
の一部を改正する
法律案
について、反対
理由
を申し上げます。 本改正案では、国税に合わせ、給与所得控除等所得控除
制度
の見直しを行いますが、これにより、年収八百五十万円を超える方は、国と地方合わせて二千八百億円の増税となります。当初は、年収八百万円を超える方が増税との報道がありました。結局、取りやすいサラ
リーマン
から取ろうとしただけではありませんか。 また、この増税分のお金はどのように使われるのでしょうか。所得の再分配に本当につながるんでしょうか。何のためにどれだけの増税をするのか、昨年の総選挙できちんとした
説明
が有権者にあったでしょうか。全くなかったじゃないですか。 来年には消費税の引上げが予定されていますけれ
ども
、早くも再々々延期されるのではないかとの声も出始めています。たばこ税もそうですけれ
ども
、取りやすいところから取れるだけ取る、それではなくて、使い道、規模など、税収の必要性を
国民
にはっきり
説明
し、抜本的な税制
改革
を行うべきです。 我々は、格差を縮小し、消費をふやして経済成長を実現するため、所得控除から税額控除へ、さらには給付つき税額控除へを訴えてきました。今回の措置は、こうした理念もない、財政再建に見せかけるためだけのつじつま合わせにすぎません。 重ねて申し上げます。本
法案
は、到底賛成することはできません。 次に、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について、賛成の
理由
を申し上げます。
平成
三十年度の地方財政計画は、まち・ひと・しごと創生事業費などにより一般財源総額を確保しつつ、臨時財政対策債を抑制するなど、厳しい財政環境の中、一応の評価ができるものです。しかし、多くの問題も抱えています。
一つ
は、地方財政の持続可能性です。 税収がふえている今年度においても、
平成
二十八年度国税決算による精算額の繰延べや公庫債権金利変動準備金の活用などにより何とか交付税額を確保しています。また、約百九十五兆円の長期債務残高を抱えたままです。今後は、高齢化に伴う
社会
保障費のさらなる負担が見込まれています。 来年予定されている消費税引上げ二%のうち〇・六%、およそ一・七兆円が、地方消費税として、地方の
社会
保障費の負担増に充てられることとなっています。ところが、昨年の総選挙直前、急ごしらえで決められた幼児教育、保育の無償化により、これまでの国と地方の負担割合を参考とすれば、およそ四千億円の負担が新たに地方に求められると言われています。首長に伺っても、相談がなかった。地方の同意もなく、国主導で新たな負担が求められようとしています。 財務省は、地方のプライマリーバランスは黒字だからもっと負担すべきだ、基金を取り崩せという
主張
をしますけれ
ども
、国の財政運営の失敗を地方に押しつけるものです。全く
理解
できません。地方財政を持続可能なものとするため、
政府
に対し、法定税率の引上げなど地方財政の抜本的な
改革
を求めます。 もう
一つ
の問題は、地方の自治に介入する中央集権的な国の
姿勢
です。 冒頭申し上げたように、地域経済の回復は遅く、地方からの人口流出はとまりません。地方創生が失敗したのは、
法律
に基づく総合戦略等を国が定め、それに従えば地方にお金を交付してやるぞ、こういう中央集権的な手法の結果であります。 今回の
予算審議
でも、
安倍総理
は、きらりと光る地方大学づくりを新たな交付金により応援すると、懲りずに述べています。いいかげんに交付金で誘導するという発想はやめて、地方がみずから出す知恵に任せるべきです。分権
改革
を進めるべきじゃないでしょうか。 まだあります。業務の民間委託を進めるトップランナー
制度
。国から言われるまでもなく、これまで地方は、投資的経費や給与経費を削って、急激にふえる
社会
保障費を賄ってきました。これ以上の効率化を国が強要することは、官製ワーキングプアのさらなる増加、サービスの低下につながります。働き方
改革
というのであれば、非常勤職員が同一
賃金
同一
労働
となるよう、十分な財源を地方に保障すべきではないでしょうか。 我が党は、地方分権、財政自主権を明記する
憲法
改正案を検討しています。また、一括交付金
制度
の復活も
提案
をしています。地方分権を進め、地方のことは地方に任せる、財源も、可能な限り、ひもつきではなく一般財源を確保する、それが希望の党の
基本
的な考え方です。希望の党は、地方財政の健全化を進めつつ、地方の発展を実現してまいります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
58
○
議長
(
大島理森
君) 金子恵美君。 〔金子恵美君登壇〕
金子恵美
59
○金子恵美君
無所属
の会の金子恵美です。 ただいま
議題
となりました
地方税法等
の一部を改正する
法律案
及び
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に反対の
立場
から討論を行います。(拍手) まず、今回の給与所得控除の引下げ、頭打ちなどの見直しについては、働き方
改革
に名をかりた理念なき増税策にすぎないということを強く申し上げます。 これまで、
政府
税制
調査会
では、幾度となく公平、中立、簡素という税制の大原則が強調されてきましたが、このたびの見直しは、所得税制をいたずらに複雑にするものであり、この大原則とは正反対の内容になっています。 また、年収八百五十万円超のサラ
リーマン
、約二百三十万人もの方を増税する一方で、フリーランスの
方々
など自営業者の税負担を多少軽減するとしています。しかし、サラ
リーマン
の
方々
は軽い税負担であるといった
データ
を見たことがありません。 逆に、サラ
リーマン
と自営業者などとの所得捕捉率の相違、いわゆるクロヨン問題の存在がこれまで幾度となく
指摘
されてきたところです。そもそも、所得捕捉率が違うのであれば、今回の改正案は
議論
が成り立たないはずです。 地方交付税については、
地方交付税法
には、「地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」と明記されており、総務省ホームページには、国が地方にかわって徴収する地方税、固有財源という性格を持っているとの解説が載っております。 しかし、
安倍政権
は、地方自治体にとって自由度が高く
創意工夫
を生かしやすい一括交付金を廃止し、ひもつき補助金を復活させ、その裏負担を見ることに地方交付税を利用しており、自治体の固有財源であるはずの地方交付税を支配の道具に使っています。これでは、地域の知恵を最大限に引き出し、地域活性化をなし遂げることなどできません。 固定資産税の特例措置についても同じようなことが言えます。地方の自主財源である固定資産税について、なぜ生産性革命を
理由
に減免するのでしょうか。 かつてバブル崩壊直後の一時期に、
自民党
政権が、景気対策の名のもと、公共事業を乱発し、負担を押しつけられた地方自治体が青息吐息となった光景をほうふつとさせる措置であると言わざるを得ません。 最後に、地域の
皆様
の声を無視し、地域の活力を奪う
安倍政権
に、広く
野党
勢力を結集して対抗していくことを
国民
の
皆様
にお約束し、私の討論を終わります。(拍手)
大島理森
60
○
議長
(
大島理森
君) 本村伸子君。 〔本村伸子君登壇〕
本村伸子
61
○本村伸子君 私は、
日本
共産党を代表して、
地方交付税法
等の改定案に対し、反対の討論を行います。(拍手) 地方自治体の最も重要な
役割
は、住民の福祉の増進です。ところが、
安倍政権
は、
社会
保障費を連続抑制し、地域の医療、介護、子育て、生活保護など、住民の暮らしを支える
制度
を次々と破壊し、地方に行革を押しつけてきました。このもとで、
雇用
の不安定、低
賃金
化、貧困と格差、地域間の格差がますます深刻となっています。 とりわけ、
安倍政権
が地方交付税
制度
を根本からゆがめていることは重大です。 地方交付税は、地方の固有財源であり、自治体の財政需要を正しく反映することによって、財源保障
機能
と財源調整
機能
という
役割
を果たすことができます。 しかし、
安倍政権
は、地方交付税の算定にトップランナー方式を導入し、アウトソーシングで人件費等を削った経費水準をもとに、基準財政需要額を引き下げています。来年度もこれを継続すれば、累計で一千四百億円もの基準財政需要額の削減となります。 さらに、まち・ひと・しごと創生事業費の人口減少等特別対策事業費で、人口の増減率等を指標に、成果が上がっている自治体に交付税の配分をふやしていく
やり方
を更に進めようとしています。地理的条件不利地や財政力の弱い町村など、財源削減の影響は深刻です。こうした
やり方
は、地方交付税の
役割
に逆行するものです。 今こそ、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げることを求めます。 地方税法の改定については、地域経済の牽引という名目で固定資産税の減免を導入していますが、一部の企業に支援を特化する
やり方
ではなく、三百八十万の中小企業全体の底上げこそ、地域経済の活性化に必要です。 また、個人所得課税の見直しは、勤労世帯、中間層への増税であり、反対です。 以上を申し述べ、討論とさせていただきます。(拍手)
大島理森
62
○
議長
(
大島理森
君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————
大島理森
63
○
議長
(
大島理森
君) これより
採決
に入ります。 まず、
地方税法等
の一部を改正する
法律案
につき
採決
いたします。 本案の
委員
長の報告は可決であります。本案を
委員
長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
64
○
議長
(
大島理森
君) 起立多数。よって、本案は
委員
長報告のとおり可決いたしました。 次に、
地方交付税法
及び
特別会計
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につき
採決
いたします。 本案の
委員
長の報告は可決であります。本案を
委員
長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
65
○
議長
(
大島理森
君) 起立多数。よって、本案は
委員
長報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
田野瀬太道
66
○
田野瀬太道
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。
内閣提出
、
所得税法等
の一部を改正する
法律案
を
議題
とし、
委員
長の報告を求め、その
審議
を進められることを望みます。
大島理森
67
○
議長
(
大島理森
君)
田野瀬太道
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
68
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。
—————————————
所得税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)
大島理森
69
○
議長
(
大島理森
君)
所得税法等
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
委員
長の報告を求めます。財務金融
委員
長小里泰弘君。
—————————————
所得税法等
の一部を改正する
法律案
及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔小里泰弘君登壇〕
小里泰弘
70
○小里泰弘君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、財務金融
委員会
における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの
観点
から、国税に関し、所要の改正を行うものであります。 本案は、去る二月十三日当
委員会
に付託され、十六日麻生財務
大臣
から
提案
理由
の
説明
を聴取した後、二十一日から質疑に入り、二十三日質疑を行い、本日、安倍
内閣
総理
大臣
に対する質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、
採決
いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に対し附帯
決議
が付されましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————
大島理森
71
○
議長
(
大島理森
君) 討論の通告があります。順次これを許します。高木錬太郎君。 〔高木錬太郎君登壇〕
高木錬太郎
72
○高木錬太郎君
立憲民主党
、高木錬太郎でございます。 私は、
立憲民主党
・
市民クラブ
を代表いたしまして、ただいま
議題
になりました
所得税法等
の一部を改正する
法律案
につきまして、反対の
立場
から討論を行います。(拍手) 去る二月十六日、全国で所得税の確定申告が始まりました。来月十五日までの間に約二千百五十万人の納税者の
皆さん
が申告書を
提出
されます。 日ごろから準備をされ、御苦労を重ねてきてこの確定申告に臨まれている納税者の
皆さん
に対し、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図らなければいけない国税庁のトップ、更に言えば税務署職員など全国五万六千人の組織を率いる組織のトップである佐川宣寿国税庁長官は、相も変わらず、歴代長官が行ってきた記者会見を開かず、ホテル住まいを続け、逃げ隠れされている始末。それが、納税の義務を果たそうとしている納税者に対する誠意ある
姿勢
ですか。それが、組織のトップとしての振る舞いですか。あるまじき
姿勢
と言わざるを得ません。 そして、ここへ来て、佐川長官の財務省理財局長
時代
の
国会
での
答弁
が虚偽
答弁
だと断じられてもおかしくないような事実が次々と明らかになっています。
指摘
されていることに関し何らやましいところがないのならば、正々堂々
国会
に出てきて、広く
国民
に対し、理財局長
時代
の主観的認識を
説明
なさったらいいではありませんか。 また、麻生財務
大臣
御
自身
も、この間の
予算委員会
における
答弁
の中で、確定申告の現場において例年にない特段の支障が生じることが十分にあり得ると認められておられます。 であるとするならば、その例年にない特段の支障が生じないよう、麻生
大臣
御
自身
が善処されるべきであります。つまり、この場合の善処とは、世論
調査
によっては八割以上という数字も出ている、佐川長官は
国会
で
説明
すべきという
国民
の声に応えて、
大臣
が有能だと評価される佐川長官に対し、
国会
に出てくるように指示を出すことではないでしょうか。 聞くところによりますと、理財局長から国税庁長官に就任するのは四代続けての既定路線。国税庁長官の任期は事実上一年で、何事もなくその一年をやり過ごせば、翌年夏には退官し、秋には新しい就職先へということであります。もしこれが本当だとすると、
国民
感情からすれば、何ともやりきれない
思い
になるのではないでしょうか。 今通常
国会
はまだまだ続きます。私
たち
は、今後も引き続き、佐川長官に
国会
に出てくるよう強く求めていきたいと
思い
ます。 それでは、
所得税法等
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。 個人消費が伸び悩み、格差の拡大が懸念される
我が国
の現状にあって、税による所得の再分配
機能
を更に強化しなければいけない中、今回の税制改正は、その本質的な
議論
を避けている、小手先のびほう策にすぎないと
指摘
せざるを得ません。 今回の控除見直しで増税となる給与所得者の年収基準は八百五十万円となっており、約二百三十万人の
方々
が
対象
となります。この年収八百五十万円の
皆さん
は、都市部ではいわゆる中間層に位置する層であり、個人消費を支える中核の購買層に当たる
皆さん
でもあります。 それにもかかわらず、家計分析に基づく精緻な
議論
を経て決定した基準とは言いがたく、取りやすいところから取るという、こそくな
やり方
であるという印象が強く残ります。 また、今回の所得税法改正の中には、負担増が生じないよう措置を講ずるとあり、その
対象
が子育て世帯、介護世帯という
説明
が財務金融
委員会
でもありましたが、この介護世帯というのは、
国民
の誰もが
思い
浮かべるような、高齢者の
皆さん
を介護しているという意味での介護世帯ということではなく、特別障害者控除の
対象
となっている限られた世帯のことであって、決して高齢者の
方々
を介護されている多くの世帯に負担増が生じないというわけではありません。 このように、
国民
の
皆さん
の間に誤解が生じるような非常に不誠実な
説明
があり、この点についても厳しく
指摘
したいと
思い
ます。 次に、金融所得課税についても
指摘
しなければなりません。 格差を縮小するためにも非常に重要な課題であるこの金融所得課税の見直し。今回の税制改正では全くの手つかずで、富裕層優遇のアベノミクスの
姿勢
は相変わらずと言わざるを得ません。 年収一億円以上の高所得者数は、二〇一一年の一万二千七百五十人から、二〇一五年には一万九千二百三十四人になり、さらには、二〇一六年には二万人を超えました。そして、年収一億円以上の高所得者ほど、所得に占める株式等の譲渡所得、つまり金融所得の割合が高いと言われています。この金融所得は分離課税の
対象
になっているため、高所得者層にとっては税の負担率が低く、税の負担の公平性が全く保たれていません。 税による所得の再分配
機能
という意味では真っ先に着手すべき税制であるにもかかわらず、二〇一四年、軽減税率を廃止して本則税率に戻すという改正以降、総合的に検討すると言うばかりで、実際には一向に見直しが進んでいません。 つまり、重ねて申し上げますが、これはアベノミクスが富裕層優遇
政策
である証左にほかなりません。 次に、所得拡大促進税制の見直しについて申し上げます。
平成
二十五年度税制改正において、この所得拡大促進税制が創設され、翌
平成
二十六年度以降、毎年のように、
制度
の拡充、延長、企業にさらなる賃上げの動機づけを与える
機能
の強化など、数次にわたって
制度
の見直しが行われてきました。 そして、今回の
平成
三十年度税制改正においても、継続
雇用
者給与等支給額が対前年度三%以上の増加及び国内設備投資額が減価償却費の総額の九〇%以上の要件を満たす場合等に、給与等支給増加額について税額控除するという改組が行われました。
政府
が民間企業に対し賃上げを直接的に
要求
するというのは、あるべき姿であるとは思えませんが、しかし、税制を通じて、企業に対し、さらなる賃上げを促すということ自体は
理解
できます。ですが、そもそも、なぜ毎年のように見直さなければいけない
制度
なのでしょうか。定量的な検証はどうなっているのでしょうか。適用件数や適用金額は出てきてはいますが、具体的にどれだけ賃上げにつながったのか、賃上げが進んだのか、
政策
効果はどうなっているのでしょうか。 財務金融
委員会
の質疑の中でも、
政府
は、税制の効果だけを取り出して、経営者の賃上げ判断への影響をはかることは難しい面があると認められましたが、
政策
効果が検証できない
制度
自体をいつまで続けるのでしょうか。 賃上げ、つまりは
国民
の
皆さん
のお財布を温めるという
政策
を行うならば、もっとほかにいい方法があるのではないでしょうか。つまりは、この租税特別措置という
制度
自体、一度立ちどまって、本当にこの
制度
のままで効果的なのか、この
やり方
でいいのか、根本的に考え直した方がいい。そういう時期に来ているのだと考えております。 最後に、私
たち
立憲民主党
は、強い者をより強く、豊かな者をより豊かにすることによって、そうでない人
たち
に滴り落ちるというトリクルダウンの
経済政策
ではなく、
社会
的需要の高い分野であるにもかかわらず、低
賃金
で、身を粉にして働いていらっしゃる
皆さん
の処遇を改善するという、まさに下から支えて押し上げる
経済政策
を推し進めることで、経済の好循環を図っていくべきと考えております。 そして、税制においては、多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う
社会
をつくるという我が党の理念を踏まえた、我が党らしい税制の
基本
方針を取りまとめ、
国民
の
皆さん
にお示しすることをお約束申し上げ、本
法案
に対する反対の討論とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
73
○
議長
(
大島理森
君) 杉本和巳君。 〔杉本和巳君登壇〕
杉本和巳
74
○杉本和巳君
日本
維新の会の杉本和巳です。 私は、我が党を代表して、
所得税法等
の一部を改正する
法律案
について、賛成の
立場
から討論いたします。(拍手) まず、所得税についてです。 さきの税制改正における
議論
では、配偶者控除、配偶者特別控除の見直しが行われ、今回は多様な働き方に対応した税制改正が行われようとしています。また、個人所得税改正に焦点が当てられ、給与所得控除、公的年金控除、基礎控除等の一体的な見直しが行われることになります。給与所得控除、年金控除
制度
が見直され、基礎控除をふやすことは、フリーランスの勤労者や起業家に対する所得控除を公平に近づけるために一定の効果があると評価します。 ただし、今回の税制改正において、八百五十万円以上の給与所得者が増税
対象
となることについては疑問が残ります。高所得者狙い撃ちの今回の改正は、
我が国
の経済、産業、テクノロジーを支える層の
労働
意欲や消費の減退という点で懸念されます。 また、給与所得者と個人事業主等との所得把握の不
均衡
は改善されていません。所得を把握しやすい給与所得者中心の増税になる点は残念であります。依然として、現役世代よりも年金受給者に対して手厚い
制度
である点、年金等控除に対する抜本的な見直しでないという点について、引き続き
政府
に対して見直しを
要求
してまいりたいと考えています。
政府
は、給与支出を前年比で三%以上ふやした企業に対して、租税特別措置の拡大を行おうとしています。業績好調な企業においては、内部留保が積み上がる一方で、賃上げが抑制されていることが問題となっている中、賃上げに向けての税制改正が行われることについては、経済の好循環につながる点から評価いたします。 ただし、租税特別措置という仕組みでは、
対象
となる企業全体での減税総額がつかみ切れていないことは問題でありますので、租税特別措置を拡大する点については疑問が残ってしまいます。 次に、事業承継税制についてです。 中小企業経営者の高齢化が進み、二〇二〇年までに三十万以上の経営者が七十歳になるなど、後継者不足が深刻な課題になっています。 経済産業省の推計によれば、後継者問題等の廃業が急増することで、二〇二五年までの十年間で約六百五十万人の
雇用
、約二十二兆円のGDPが失われる可能性が示唆されています。今回、こうした
状況
を踏まえ、事業承継に係る優遇措置の
対象
が拡充された点については、我が党が税制に関する当面の考え方としてまとめた
提案
内容も反映されており、その内容について評価しております。 ひっきょう、今回の税制
改革
によって民間の活力が最大限発揮できるよう、
指摘
した事項について、
政府
における真摯な対応を今後求めつつ、我が党は、以上のような
観点
を総合して、本
法案
に賛成いたします。(拍手)
大島理森
75
○
議長
(
大島理森
君) 近藤和也君。 〔近藤和也君登壇〕
近藤和也
76
○近藤和也君 私は、石川県能登半島の近藤和也です。 希望の党・
無所属クラブ
を代表して、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を改正する
法律案
につきまして、反対の
立場
から討論をいたします。(拍手) 私は、そこで眠っていらっしゃる
与党
の
国会
議員にも申し上げたい。こんな
国会
運営でいいんでしょうか。今の経済金融
政策
で本当にいいんでしょうか。今回の税制改正は、これで本当にいいのでしょうか。こんな
政治
の
あり方
でいいのでしょうか。
官邸
や執行部は怖い存在なのかもしれない。しかし、私は、このような
政治
が続くことによる
日本
の未来の方がもっと怖い。もっと
与党
の方には心を広く持っていただきたい。(
発言
する者あり)
大島理森
77
○
議長
(
大島理森
君) 御静粛に願います。
近藤和也
78
○近藤和也君(続) そして、ぜひとも、この
議論
を通じて、
皆様
が勇気ある行動をとっていただくことを願いまして、討論を始めさせていただきます。 証人喚問から逃げ続ける佐川国税庁長官、森友学園問題、もううんざりです。いつまでこのことを
国会
で取り上げなければいけないのでしょうか。取り上げる
野党
が悪いのですか。違うじゃないですか。逃げ回る佐川氏、逃げ回る
与党
にこそ、その
責任
があるのではないですか。
国民
は納税から逃げることはできません。しかし、
国民
の
皆さん
から税金を徴収する国税庁トップの佐川氏は、逃げ続けています。ごまかす、うそをつく、開き直る、そして逃げる。佐川長官の姿そのものが、今の
安倍政権
の象徴ではないですか。 税は国家なり。信なくば立たず。
与党
の
皆さん
、まずは、佐川氏の証人喚問を素直に認めること、そこから、誠実な税の
議論
をしようではないですか。 今
国会
は働き方
改革
国会
と
総理
が述べていました。しかしながら、
議論
のもとになる
データ
は全く信頼性がないものだと判明しました。精査すると言ったものの、再
調査
は認めず、
法案
提出
の方針はそのままという傲慢さ。働く方をなめていませんか。人の命を何と考えているんですか。
総理
は、一度政権を投げ出して、その後、
政治
的には生き返りましたが、人間は、一度死んだら生き返らないんです。今の働き方
改革
には、働く人への優しさや働くことへの尊敬の念が全く感じられない。このままいけば、ブラック企業ならぬブラック
政府
、ブラック
国会
。働き方
改革
を語る前に、その思考、行動から
改革
してください。 まずは、この
国会
での
法案
の
提出
断念。一から出直すしかありません。 異次元の金融緩和からはや五年。もう結果が出ているのではないですか。とうとうマイナス金利まで行き着いてしまい、金融
機関
も悲鳴を上げています。実質
賃金
もマイナス、実質消費もマイナス、貯蓄ゼロ家庭は三割も増大。
政府
・
与党
の
皆さん
がいつも言われる、アベノミクスの温かい風を地方にも吹かす、いつまで言い続けるんですか。地方の
実態
をよく見てください。多くの
方々
の苦しい息遣いを感じてください。アベノミクスの厳しい風が地方に吹き荒れているんです。 日銀は、国債も株式も目いっぱい買い込み、いつ財務の健全性が疑われてもおかしくない
状況
。六回も目標を先送りしながら、デフレ脱却を豪語する。
総理
、自己陶酔から覚めて、そろそろごまかしはやめませんか。新しい日銀総裁を選び直し、
総理
も経済金融
政策
を改める。私は、一日も早いアベノミクスからの脱却こそが必要だと考えます。 そして、財政健全化目標も先送りです。
総理
は、財政健全化に充当される予定の財源を、選挙前に、教育無償化等に充てると突然表明しました。選挙目当てで消費増税分の使途変更をしたと言わざるを得ません。このことをもって目標未達の原因としていますが、そもそもが、今回の使途変更がなくとも、無理な経済成長率を前提としているなど、目標達成は不可能だったことは明々白々です。教育、子育てをだしにして
責任
逃れをする。選挙のたびにこうした無
責任
なことをやっていては、財政健全化など永遠にできるはずがありません。 今回の改正案では、給与収入八百五十万円超のサラ
リーマン
の給与所得控除額の上限引下げによる増税が行われます。これらの改正で税負担が重くなる世帯は、個人消費を支える中核の購買層です。消費への影響も懸念されます。 仮に格差
是正
や所得再分配のために増税をするのであれば、あわせて、金融課税、資産課税等、真に担税力のある富裕層への課税もセットで示すべきではないでしょうか。そうした担税力ある富裕層への課税は示さずに、給与所得控除を引き下げることでサラ
リーマン
を狙い撃ちにするような改正は、税負担の公平性の
観点
からも疑問があります。 さらには、今回の質疑を通じて、今後は、給与収入八百五十万円よりも更にその上限を引き下げる可能性や、不妊治療を受けられる方にも影響が出てしまうことも判明いたしました。個人事業主の捕捉率の問題や
雇用
的自営業者の実情も放置したままです。 個人所得課税
改革
の全体像を示さず、働き方の選択をゆがめるような継ぎはぎの改正では、納税者の
理解
は到底得られません。 軽減税率を導入するために、総合合算
制度
を諦め、びほう策として、さきの
衆議院
議員選挙では公約に入っていないさまざまな増税、税制改悪の悪循環、所得税増税もたばこ税増税も取りやすいところから取る。理念なきでこぼこ税制と言わざるを得ません。 安倍
内閣
は、経済再生も財政健全化も頓挫しているにもかかわらず、そうした
現実
から目を背け、自画自賛を続けています。しかし、その間にも、少子化は進み、地方では企業も減り、人もどんどん少なくなってきています。もはや国も地方もごまかしのきかない
状況
です。 しかし、今の
政府
はどうでしょうか。所得税法改正ではサラ
リーマン
の
方々
をごまかし、GDP統計もごまかし、財政健全化もごまかし、金融
政策
の負担もごまかす。森友学園、加計学園では身内の関与をごまかし、働き方
改革
では極めてずさんな
データ
を使ってごまかす。安倍
内閣
はごまかしばかりです。今
国会
は、働き方
改革
国会
ではなく、ごまかし
国会
。
皆さん
、このごまかしをこそ
改革
しようではありませんか。 正直に
現実
に向き合い、逃げずに、おのれの失敗をもごまかさず、真っすぐに問題に立ち向かっていく。私
たち
心ある
野党
こそが、声なき声を受けとめる、その存在であらねばなりません。本当は声を上げたくても上げられない人
たち
は、
与党
議員の
皆さん
の中にもいらっしゃるのではないですか。一緒に立ち上がろうではありませんか。 所得控除から税額控除へ、税額控除から給付つき税額控除へ。所得税などの
あり方
を根本的に見直し、所得再分配
機能
を強化しつつ、
時代
の
変化
に合わせ、ライフスタイルに中立的な税制を実現する。私
たち
こそが、理念ある、心ある税制を目指していくことをお約束申し上げ、私の反対討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
大島理森
79
○
議長
(
大島理森
君) 広田一君。 〔広田一君登壇〕
広田一
80
○広田一君 高知県足摺半島出身の広田一でございます。 私は、
無所属
の会を代表して、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を改正する
法律案
について、反対の
立場
から討論をいたします。(拍手) その前に、
予算委員会
の
審議
、
採決
の
やり方
に一言申し上げます。 あのような怒号の中での
強行採決
は、
民主主義
をないがしろにするものであります。これまでの
与野党
の真剣な、真摯な
議論
を台なしにするものであります。 特に、今
国会
の目玉である働き方
改革
は、
国民
の健康と命、そして働きがいに直結する大事な
政策
であります。その中で、
裁量労働制
の拡大に関する重要な
データ
が
捏造
であることが判明をいたしました。この問題が決着しない中で、予算の
採決
などやるべきではありません。 今の安倍
政治
は、数さえあれば何をやっても構わない、強引、傲慢な
政治
であります。こんな
政治
は何としても変えていかなければなりません。 このたびの税制改正案は、パッチワークのような増税案がメジロ押しです。佐川国税庁長官の虚偽
答弁
問題で納税者の怒りがかつてないほど高まっている中で、このような税制改正に
理解
が得られるはずはありません。 その上で、所得税
改革
について申し上げます。 所得再配分
機能
を回復して格差を
是正
することは、
時代
の要請であります。問題はその手法です。今回の見直しは、所得税制をいたずらに複雑化し、公平、中立、簡素という租税の大原則からかけ離れた姿になっております。 所得税
改革
のあるべき姿は、所得再配分
機能
の回復、強化、ライフスタイルに中立で公正な税制の構築などの
観点
から、まずは、所得控除方式を転換して税額控除方式に切りかえていくことであります。 さらに、行き着く先は、所得よりも控除額が多い人には給付がされる給付つき税額控除の創設であります。それこそが、税制
改革
でやるべき格差
是正
策であります。 今回の税制改正は、全体的に個人増税ラッシュであります。よく言われる、取りやすいところから取るというものであります。 今回、給与所得控除の見直しをします。増税ラインを給与収入八百五十万円超に引いております。二百三十万人、我が高知県の人口の約三倍もの方が増税となります。個人消費を支える、頑張っている層への増税となって、景気への悪影響が懸念をされます。 私
たち
は、野田政権以来、分厚い中間層の復活を目指しています。その方向に逆行する増税だと言わざるを得ません。加えて、格差
是正
の
観点
に立てば、今やるべきことは、むしろ、二〇%にとどまっている金融所得課税を、例えば五%引き上げていくことです。優先順位が間違っております。やっていることがあべこべであります。 私は、分厚い中間層の復活、暮らしの底上げ、個人消費のボトムアップというなら、逆に、中間層への所得税減税こそが必要だと考えます。 次に、たばこ税の増税についてであります。 私はたばこを吸いません。大学
時代
にやめました。受動喫煙防止対策の強化が喫緊の課題であることも
承知
をしております。 その上で、地域を回っておりますと、今のような寒い日に、玄関先で空き缶を片手に背中を丸めながらたばこを吸っているお父さん
たち
によく出会います。住宅ローンを一生懸命払いながら、家の中ではたばこが吸えず、肩身の狭い
思い
をしております。そんなどこにでもいる普通の
方々
にすれば、降って湧いてきた安易な増税というふうに言わざるを得ません。 また、段階的とはいえ、加熱式たばこの増税は、企業の開発意欲を阻害することにもつながりかねないことを
指摘
しておきます。
大島理森
81
○
議長
(
大島理森
君) 広田君、時間になりました。
広田一
82
○広田一君(続) 以上のように、今回の税制改正は、中小企業の事業承継税制のように評価すべき点もありますが、全体的に、法人を優遇し個人は負担をふやすという、バランスが極めて悪い税制
改革
です。 最後に、
政治
を変えるとは、税金の
あり方
、使い方を変えることです。 私
たち
は、納税者、生活者、そして働く者の
立場
に立った税制
改革
を実現することを申し上げまして、私の討論といたします。 どうも失礼しました。ありがとうございます。(拍手)
大島理森
83
○
議長
(
大島理森
君) 宮本徹君。 〔宮本徹君登壇〕
宮本徹
84
○宮本徹君
日本
共産党の宮本徹です。 私は、
日本
共産党を代表して、
所得税法等
一部改正案に断固反対の討論を行います。(拍手) 昨年に続き、国税
法案
の
審議
では、税への信頼を大きく揺るがせている森友学園への国有地払下げ問題が大きな
議論
となりました。 今
国会
で新しく全体が公表された二〇一六年三月のものとされる音声
データ
では、学園側弁護士が近畿財務局に対して、希望としては一億五千万円より低い金額で買いたい、はっきり述べております。先方から幾らで買いたいといった希望があったことはないという佐川国税庁長官の当時の
答弁
は、全くの虚偽
答弁
だったということじゃありませんか。 新しく公開された
法律
相談の文書を見ると、森友学園側は、くい掘削過程で出た家庭ごみは国の指示で埋め戻されたごみだと
主張
しております。地下深くの新しい埋設物なるものは国のつくり上げたでっち上げであることは、いよいよ明白であります。 森友学園側の言い値に合わせて、存在するはずのない地下九メートルまでのごみをあったことにし、国有地価格を値下げして売却したことは、もはや明らかであります。いいかげん、破綻した
答弁
を繰り返し、真相究明に背を向けるのはやめるべきであります。 税への
国民
の信頼を取り戻すためには、森友学園疑惑の徹底究明が必要不可欠であります。安倍昭恵氏と佐川国税庁長官の証人喚問を強く求めるものであります。 次に、本
法案
に反対する
理由
を述べます。 第一に、本
法案
が、大企業優遇税制を一層拡大するからです。
安倍政権
が拡大した研究開発減税に加え、本
法案
の賃上げ促進税制、投資連携減税を最大限活用すれば、法人課税の実質負担率は一一%にまで下がることが、
委員会
の
審議
で明らかになりました。既に、トヨタの実質税負担率は一七%です。 庶民には消費税増税を重ねながら、さらなる大企業減税を拡大することは、税の公平性に著しく反すると言わなければなりません。 経済産業省の委託
調査
で、所得拡大推進税制を利用した一部上場、二部上場企業の大半が、この税制とかかわりなく賃上げを行っていることが明らかとなっております。そして、同
調査
では、減税されたキャッシュの利用先のトップは、内部留保となっております。 血税の無駄遣いになっているではありませんか。体力のある大企業に減税する財源があるのなら、赤字法人も含め、中小企業の支援にこそ回すべきであります。
安倍政権
のもとで、法人税率の引下げ、租特の拡大、これは深刻な法人税の空洞化を引き起こしております。大企業は史上最高の利益の更新を続けていますが、国と地方の法人税収は、
リーマン
・
ショック
前より五兆円ものマイナスとなっております。本
法案
は、一層、法人税収の空洞化につながる危険があります。 反対
理由
の第二は、超富裕層への優遇税制を放置したまま、給与所得控除の縮小で中間層へ増税を行うものだからであります。 財務省の作成した
法案
説明
資料
では、増税となる年収八百五十万円以上は高所得者層だと記されております。しかし、かつて
政府
は、年収七百万、八百万円は中堅所得者層だとし、勤労世代のやる気と活力を十分発揮してもらうために極めて重要であると、減税を行ってきました。年収八百五十万円は、一体いつから高所得者層になったのか。これまでの
説明
と全くつじつまが合わない。御都合主義ではありませんか。 税負担の垂直的公平にやるべきは、株の譲渡益や配当で巨額の収入を得ている超富裕層への課税強化です。証券優遇税制を廃止し、税率を一〇%から二〇%に戻した際、株価の
変化
は見られなかった、
政府
は
答弁
いたしました。金融所得課税の税率引上げにちゅうちょする
理由
は何
一つ
ありません。早急に取り組むことを強く求め、反対討論とします。 どうもありがとうございました。(拍手)
大島理森
85
○
議長
(
大島理森
君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————
大島理森
86
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。 本案の
委員
長の報告は可決であります。本案を
委員
長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
87
○
議長
(
大島理森
君) 起立多数。よって、本案は
委員
長報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
大島理森
88
○
議長
(
大島理森
君) 先ほどの
平成
三十年度
一般会計予算
外二案の
採決
の結果、可とする者(白票)中、大隈和英君の票が二票ありました。
調査
の結果、一票は他の議員が投票したものと判明しましたので、各
会派
間の協議に基づき、これを無効といたします。 改めて、投票結果を事務総長に報告させます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百五十五 可とする者(白票) 三百六 否とする者(青票) 百四十八 ほかに無効 一
—————————————
平成
三十年度
一般会計予算
外二案を
委員
長報告のとおり決するを可とする議員の氏名 あかま 二郎君 あきもと 司君 あべ 俊子君 安倍 晋三君 逢沢 一郎君 赤澤 亮正君 秋葉 賢也君 秋本 真利君 麻生 太郎君 穴見 陽一君 甘利 明君 安藤 高夫君 安藤 裕君 井野 俊郎君 井上 信治君 井上 貴博君 井林 辰憲君 伊東 良孝君 伊藤 信太郎君 伊藤 忠彦君 伊藤 達也君 伊吹 文明君 池田 道孝君 池田 佳隆君 石川 昭政君 石崎 徹君 石田 真敏君 石破 茂君 石原 伸晃君 石原 宏高君 泉田 裕彦君 稲田 朋美君 今枝 宗一郎君 今村 雅弘君 岩田 和親君 岩屋 毅君 うえの賢一郎君 上杉 謙太郎君 上野 宏史君 江渡 聡徳君 江藤 拓君 衛藤 征士郎君 遠藤 利明君 小倉 將信君 小此木 八郎君 小里 泰弘君 小田原 潔君 小野寺 五典君 小渕 優子君 尾身 朝子君 越智 隆雄君 大岡 敏孝君 大串 正樹君 大隈 和英君 大塚 高司君 大塚 拓君 大西 英男君 大西 宏幸君 大野 敬太郎君 大見 正君 岡下 昌平君 奥野 信亮君 鬼木 誠君 加藤 鮎子君 加藤 勝信君 加藤 寛治君 梶山 弘志君 勝俣 孝明君 門 博文君 門山 宏哲君 金子 俊平君 金子 万寿夫君 金子 恭之君 金田 勝年君 上川 陽子君 神谷 昇君 神山 佐市君 亀岡 偉民君 鴨下 一郎君 川崎 二郎君 河井 克行君 河村 建夫君 神田 憲次君 神田 裕君 菅家 一郎君 木原 誠二君 木原 稔君 木村 次郎君 木村 哲也君 城内 実君 黄川田 仁志君 岸 信夫君 岸田 文雄君 北川 知克君 北村 誠吾君 工藤 彰三君 国光 あやの君 熊田 裕通君 小泉 進次郎君 小泉 龍司君 小島 敏文君 小寺 裕雄君 小林 茂樹君 小林 鷹之君 小林 史明君 古賀 篤君 後藤 茂之君 後藤田 正純君 河野 太郎君 高村 正大君 國場 幸之助君 左藤 章君 佐々木 紀君 佐藤 明男君 佐藤 勉君 佐藤 ゆかり君 齋藤 健君 斎藤 洋明君 坂井 学君 坂本 哲志君 櫻田 義孝君 笹川 博義君 塩谷 立君 繁本 護君 柴山 昌彦君 下村 博文君 白須賀 貴樹君 新谷 正義君 新藤 義孝君 菅 義偉君 菅原 一秀君 杉田 水脈君 鈴木 馨祐君 鈴木 俊一君 鈴木 淳司君 鈴木 貴子君 鈴木 憲和君 鈴木 隼人君 関 芳弘君 薗浦 健太郎君 田所 嘉徳君 田中 和徳君 田中 英之君 田中 良生君 田野瀬 太道君 田畑 毅君 田畑 裕明君 田村 憲久君 平 将明君 高市 早苗君 高木 啓君 高木 毅君 高鳥 修一君 高橋 ひなこ君 竹下 亘君 竹本 直一君 武井 俊輔君 武田 良太君 武部 新君 武村 展英君 橘 慶一郎君 棚橋 泰文君 谷 公一君 谷川 とむ君 谷川 弥一君 津島 淳君 辻 清人君 土屋 品子君 寺田 稔君 とかしきなおみ君 冨樫 博之君 渡海 紀三朗君 土井 亨君 冨岡 勉君 中曽根 康隆君 中谷 元君 中谷 真一君 中根 一幸君 中村 裕之君 中山 展宏君 中山 泰秀君 永岡 桂子君 長尾 敬君 長坂 康正君 二階 俊博君 丹羽 秀樹君 西田 昭二君 西村 明宏君 西村 康稔君 西銘 恒三郎君 額賀 福志郎君 根本 匠君 根本 幸典君 野田 聖子君 野田 毅君 野中 厚君 葉梨 康弘君 萩生田 光一君 橋本 岳君 馳 浩君 鳩山 二郎君 浜田 靖一君 林 幹雄君 原田 憲治君 原田 義昭君 百武 公親君 平井 卓也君 平口 洋君 平沢 勝栄君 福井 照君 福田 達夫君 福山 守君 藤井 比早之君 藤丸 敏君 藤原 崇君 船田 元君 船橋 利実君 古川 康君 古川 禎久君 古田 圭一君 古屋 圭司君 穂坂 泰君 星野 剛士君 細田 健一君 細田 博之君 堀内 詔子君 本田 太郎君 牧島 かれん君 牧原 秀樹君 松島 みどり君 松野 博一君 松本 純君 松本 剛明君 松本 文明君 松本 洋平君 三浦 靖君 三谷 英弘君 三ッ林 裕巳君 三ッ矢 憲生君 三原 朝彦君 御法川 信英君 宮内 秀樹君 宮川 典子君 宮腰 光寛君 宮澤 博行君 宮路 拓馬君 宮下 一郎君 武藤 容治君 務台 俊介君 宗清 皇一君 村井 英樹君 村上 誠一郎君 望月 義夫君 茂木 敏充君 盛山 正仁君 森 英介君 森山 裕君 八木 哲也君 簗 和生君 山際 大志郎君 山口 俊一君 山口 泰明君 山口 壯君 山下 貴司君 山田 賢司君 山田 美樹君 山本 幸三君 山本 拓君 山本ともひろ君 山本 有二君 吉川 貴盛君 吉野 正芳君 義家 弘介君 和田 義明君 若宮 健嗣君 渡辺 孝一君 渡辺 博道君 赤羽 一嘉君 井上 義久君 伊佐 進一君 伊藤 渉君 石井 啓一君 石田 祝稔君 稲津 久君 浮島 智子君 江田 康幸君 大口 善徳君 太田 昭宏君 太田 昌孝君 岡本 三成君 北側 一雄君 國重 徹君 佐藤 茂樹君 佐藤 英道君 斉藤 鉄夫君 高木 美智代君 高木 陽介君 竹内 譲君 遠山 清彦君 富田 茂之君 中野 洋昌君 浜地 雅一君 濱村 進君 古屋 範子君 桝屋 敬悟君 鰐淵 洋子君 否とする議員の氏名 阿久津 幸彦君 阿部 知子君 青柳 陽一郎君 荒井 聰君 池田 真紀君 石川 香織君 生方 幸夫君 枝野 幸男君 尾辻 かな子君 大河原 雅子君 逢坂 誠二君 岡島 一正君 岡本 あき子君 落合 貴之君 海江田 万里君 神谷 裕君 亀井 亜紀子君 川内 博史君 菅 直人君 近藤 昭一君 佐々木 隆博君 櫻井 周君 篠原 豪君 末松 義規君 高井 崇志君 高木 錬太郎君 武内 則男君 辻元
清美
君 手塚 仁雄君 中谷 一馬君 長尾 秀樹君 長妻 昭君 西村 智奈美君 長谷川 嘉一君 初鹿 明博君 日吉 雄太君 堀越 啓仁君 本多 平直君 松田 功君 松平 浩一君 道下 大樹君 宮川 伸君 村上 史好君 矢上 雅義君 山内 康一君 山尾 志桜里君 山川 百合子君 山崎 誠君 山花 郁夫君 山本 和嘉子君 横光 克彦君 吉田 統彦君 早稲田 夕季君 青山 大人君 浅野 哲君 井出 庸生君 井上 一徳君 伊藤 俊輔君 泉 健太君 稲富 修二君 今井 雅人君 小川 淳也君 小熊 慎司君 大串 博志君 大島 敦君 大西 健介君 岡本 充功君 奥野 総一郎君 吉良 州司君 城井 崇君 岸本 周平君 源馬 謙太郎君 小宮山 泰子君 後藤 祐一君 近藤 和也君 佐藤 公治君 斉木 武志君 階 猛君 下条 みつ君 白石 洋一君 関 健一郎君 玉木 雄一郎君 樽床 伸二君 津村 啓介君 寺田 学君 中山 成彬君 長島 昭久君 西岡 秀子君 古川 元久君 古本 伸一郎君 細野 豪志君 前原 誠司君 牧 義夫君 松原 仁君 緑川 貴士君 もとむら賢太郎君 森田 俊和君 山岡 達丸君 山井 和則君 柚木 道義君 笠 浩史君 渡辺 周君 安住 淳君 江田 憲司君 岡田 克也君 金子 恵美君 菊田 真紀子君 黒岩 宇洋君 中川 正春君 中村 喜四郎君 野田 佳彦君 原口 一博君 平野 博文君 広田 一君 福田 昭夫君 赤嶺 政賢君 笠井 亮君 穀田 恵二君 志位 和夫君 塩川 鉄也君 田村 貴昭君 高橋 千鶴子君 畑野 君枝君 藤野 保史君 宮本 岳志君 宮本 徹君 本村 伸子君 足立 康史君 井上 英孝君 浦野 靖人君 遠藤 敬君 串田 誠一君 下地 幹郎君 杉本 和巳君 谷畑 孝君 馬場 伸幸君 丸山 穂高君 森 夏枝君 小沢 一郎君 玉城 デニー君 照屋 寛徳君 吉川 元君 青山 雅幸君 赤松 広隆君 玄葉 光一郎君 重徳 和彦君 中島 克仁君 鷲尾 英一郎君 無効 一 ————◇—————
大島理森
89
○
議長
(
大島理森
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後十一時十三分散会 ————◇————— 出席国務
大臣
内閣
総理
大臣
安倍 晋三君 財務
大臣
麻生 太郎君 総務
大臣
野田 聖子君 法務
大臣
上川 陽子君 外務
大臣
河野 太郎君 文部科学
大臣
林 芳正君
厚生労働大臣
加藤 勝信君 農林水産
大臣
齋藤 健君 経済産業
大臣
世耕 弘成君 国土交通
大臣
石井 啓一君 環境
大臣
中川 雅治君 防衛
大臣
小野寺五典君 国務
大臣
小此木八郎君 国務
大臣
梶山 弘志君 国務
大臣
菅 義偉君 国務
大臣
鈴木 俊一君 国務
大臣
福井 照君 国務
大臣
松山 政司君 国務
大臣
茂木 敏充君 国務
大臣
吉野 正芳君