○山尾
委員 まずは、ここから第一歩だと思います。
ちょっとだけ苦言を言うと、
先ほど辻局長が、通知発出から二年半、事例が一定
程度蓄積、集積されてきたということをおっしゃったんですけれども、本当は、一定
程度集積されるその事案がきちっと今言ったような指標で報告をされていれば、今、集積された事例を分析して、ある
程度評価をして次につなげるということがもう既にスタートできたはずなんですね。
今言ってきたような指標というのは、もう私も通知を見たときから、少なくともこの点については集積してきちっと報告を上げさせるべきだと言ってきたことですので、本当は、事案が集積されなくても、当然、物差しとして最初から、ここにありましたけれども、
報告書のチェック欄をつくってやるべきことであったというふうに正直言って思います。
ただ、ここからそういったことをようやくスタートされるということですので、しっかりと集積していただいて、分析を進めて、いい
制度をみんなでつくっていきたいと思うんですけれども、ここから先なんです。
例えば、
平成二十七年に
法務委員会でイスラエルに海外視察に参りました。このとき、まさにこの司法
面接のワンストップセンターを視察に行ったわけですけれども、例えばイスラエルでは、
対象者は十四歳未満の子供、そして
質問者は、警察官などの捜査官ではなくて、イスラエルの福祉省、日本でいえば厚労省の職員、この方たちが特別な
研修を受けて、司法
面接官として百人規模で体制をつくっています。
ハードの
施設があるわけですね、ワンストップセンター、子供の権利擁護センターということで、当時六カ所。当時、二カ所今
建設中ですとおっしゃっていたので、今は八カ所ぐらいになっていると思います。それを、イスラエルの人口規模、約八百万人余りと考えると、人口百万人当たりにつき一カ所。日本に置きかえると、大体、各都道府県で割ると二、三カ所、百二十カ所ぐらい、そういった子供が駆け込むワンストップセンターがあるというイメージです。
こういったセンターに、司法
面接官がいて、警察官がいて、小児科医、ドクターがいて、ソーシャルワーカーがいて、そして、子供の心のケアをするためのお母さん役ですね、ハウスマザー、これだけの方がチームを組んで、そのワンストップセンターで子供を守る、ここに来たらあなたは守られますという
状況をつくっているということであります。
こういったいわゆるワンストップセンター的なものをつくっているのは、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダと、イスラエルのほかにもあるんですけれども、日本にもそういう
取組がスタートをしています。
皆さんのお手元の資料を見ていただきたいんですけれども、
大臣にはこれまでも御
紹介をしたことがありますので知っていると思いますが、ぜひ改めて、資料の十一ページでございます。NPO法人のチャイルドファーストジャパンというところが子どもの権利擁護センターかながわという
場所を運営してくださっています。写真を見てください。
右上の待合室、子供がリラックスをして待合できるようなお部屋の入り口あるいは待合室になっています。左側、右側のそれぞれ下の写真ですけれども、かたい椅子ではなくて、ソファーですね、机もやわらかい素材のものになっていて、壁には大きな白い紙、これはぺりっと破れてまた次に行くようになっていますけれども、子供との会話、聞き取りの際にはこの大きな白い紙を使って絵や文字で表現できるようになっています。
めくっていただいて、ビデオカメラ、子供から聞き取る部屋の目立ちにくい
場所に二台小さなビデオカメラが設定をされています。そして、このカメラモニターで、右側上の写真ですけれども、二カ所の
場所から子供の聞き取りあるいはしゃべっているときの
状況が映し出され、それを左下の観察室というところにモニターされるようになっています。
そして、ここには、聞き取っている
面接官だけではなくて、このモニタールームに、場合によってはソーシャルワーカーがいて、こういう方は福祉の観点から聞き取ってほしいことをチェックする、警察官は証拠の採取とか裏づけ捜査の観点からチェックをする、検察官はもちろん起訴するためにはこういうことも聞いてほしいというような観点からチェックをする。場合によってはドクターもここにいて、医学的な観点からちょっと子供に確かめてほしいことをチェックするということで、このモニタールームを使って、それぞれの専門家が専門的な立場で、できるだけ少ない回数で、子供に心理的
負担少なく、必要な
状況を十分に聞き取れるような体制をこの
施設では整えているわけであります。
もう一枚めくっていただいて、今、
法務省で取り組んでいただいている中で、ここから私たちが考えていかなきゃいけないのは、こういったワンストップセンター、とりわけその中に医療
施設、診察室が併用されているということです。
右下に診察室の様子が出ていると思いますし、もう一枚めくっていただくと、上の写真の二つですね、やはり性被害が多いです、こういった中で、診察台に乗る子供の心理的
負担ができる限り少ないように、足を開かなくていいとか、診察台が伸びて足台は使わなくていいとか、こういうきちっとした診療
施設もここには併用されているわけです。
やはり、聞き取りの場とこういった診察、全身の系統医療、チェックをする場が同じ場で、同じタイミングでできるということは、子供にとっても証拠化という
意味でも非常に重要なことだというのは、大体皆さん御想像がつくと思うんですね。
傷を見ながら聞き取るべきことを聞き取ることができる、あるいは、聞き取りの中で、この点もちょっと体のチェックをしておくべきだったということがあれば、きちっとその場でやり遂げることができるということであります。
大臣にお伺いをしたいんですけれども、ようやくこういった協同
面接、司法
面接というのが三者で始まったわけですが、ここから先、道のりは短
期間ではないと思いますが、やはり日本にこういうワンストップセンターがあって、しっかりとNPOや医療機関とハードの面でも
連携できる、そういった
整備を私はぜひ
大臣が先頭に立って進めていただきたいというふうに思うんですね。
ここから先に、子供が被害に遭ったときにどういう体制を整えていくのかということが、今言ったイスラエルの例や日本で始まっている例で見てとれると思うんですけれども、
大臣のこれからの未来像、それを少し
お話しいただければと思います。