○
金子(恵)
委員 無所属の会の
金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
初めて
文部科学委員会に所属させていただきまして、そして初めての
質問となりますので、よろしくお願い申し上げます。
冒頭、加計問題にせよ、今回の指摘がありましたアメフトの問題にせよ、
文部科学省として、誠意ある御
対応をいただきまして、そして真実が何かということをしっかりと究明していただく、そういう姿勢をぜひお見せいただきたいということを申し上げます。よろしくお願いいたします。
私の
地元福島県においても、すばらしい多くの
文化財がございます。東
日本大震災、そして原発事故発災時、多くの
文化財が被災いたしまして、例えば警戒区域等からの
文化財のレスキュー活動や復旧復興等において多くの努力が必要となった時期がございました。
またさらに、今、
少子高齢化や
過疎化が進展する中、
地域の祭礼や行事なども含めた有形
無形の多様な
文化財をどのように
次世代へ残していくかということが、当然のことながら喫緊の
課題となっているところであります。
文化財は、それが形成された時代の人々の営みを反映しているものであります。周囲の自然環境や
地域のアイデンティティーを示す貴重な宝、財産であります。それを守ることができないかもしれない、そういう困難な
地域を持つ福島県の県民の立場からも、震災、原発事故から得た教訓を発信してまいりたい、そのように考えております。
その上で、多面的な
価値を有する
文化財について、繰り返し申し上げますけれども、
次世代へどのように
継承していくのかということが大変重要でありまして、本日、そのような観点からも
質問させていただきたいというふうに思っております。
先ほど来
お話があるんですけれども、
保存と
活用のバランスというようなことの
お話がありました。
文化財保護法第一条では、
文化財を
保存し、かつ、その
活用を図り、もって国民の
文化的向上に資するとともに、世界
文化の進展に貢献することを目的とするということです。
保存も
活用も
文化財保護の重要な柱でありますけれども、一歩間違えれば、つまり
活用だけが優先されていけば、
保存というものが取り残されて、実際に大切な
我が国の財産、
地域の財産というものが失われていくということに陥っていくということになります。ですので、とてもこのバランスということは重要なことなんだと思います。
実際に、先ほども
お話があったというふうに思いますけれども、
文化審議会で昨年の十二月に、約半年間のスピード議論で出した答申の中では、「
文化財の確実な
継承に向けたこれからの時代にふさわしい
保存と
活用の在り方について」の中でありますけれども、
文化財に関するさまざまな規制を緩めて、そして
地域おこしなどにも
活用できるように促すということでありますから、やはり
保存から
活用への重点転換というものがなされているというように見受けられます。
この通常国会での安倍総理の施政
方針演説の中でも、
文化財保護法を
改正し、
日本が誇る全国各地の
文化財の
活用を促進しますと述べられている。さらには、
観光立国は
地方創生の起爆剤ですというふうに述べられているわけですけれども、
観光立国のためならば目先の利益ではないというふうにおっしゃっていたようでありますけれども、でも、万が一、目先の利益のために、
保存に関するさまざまな問題点や
課題について、それを乗り越えることなく、実際に、
保存のビジョンというものもなく、
活用だけが進められるということになってはいけないということだというふうに思います。やはり
保存のビジョンというのは、百年後、二百年後、そのような単位でしっかりと考えていかなくてはいけないということだというふうに思います。
そこで、
大臣にお伺いしたいと思うんですが、改めて、
活用に重点が置かれることになって、
保存というものがなおざりになってしまうのではないかという懸念があります。
保存が軽視されると、結果として
文化財の毀損等につながる可能性が高いと思われますけれども、このような取り返しのつかない事態になる前にしっかりとした
対応が必要になってくるということで、見解をお伺いしたいと思います。