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岸原参考人 済みません、
スティーブ・
ジョブズと著作権というと、どこら辺を答えればいいですか。(串田
委員「広く録音できるようにした
機器という」と呼ぶ)はい。
そうですね、ちょっと話がまた戻ってしまうんですが、我々は、当時は著作権保護というのが一番で、逆に
日本の場合ですと、
ユーザーにそれに合わせなさい、それが当たり前だというような発想があったと思います。それによって、我々は、明確にというか、きちんとしたサービスを提供している正当な
事業者だという意識でやっていたんですが、いや、でも、
ユーザーはそんなの求めていないよというのを、まさしく
スティーブ・
ジョブズとかアメリカの企業というのは、そこから発想した上で、じゃ、適正な著作権保護の
考え方って何かというふうに、発想がまるっきり逆転していたんじゃないかなというのが多分一番大きな
理由かなと思います。
先ほど言いましたように、まずは著作権保護、一曲でも
複製したらこれは違反だというところから、どう提供していくかという
思考のフレームワークから
考えていくと、絶対にこんな
アイポッドみたいなサービスって思いつかないというか、社内で多分発想したとしても実現できないということがあるかなと思うんですね。
ちょっと、これの例が正しいかというのはあるんですが、今回の
報告書を拝見していて、検索エンジンの例が出ていたんですね。それは若干ちょっと近いかなと思うんですが、要するに、検索エンジン、
日本の
著作権法のせいで検索エンジンが普及しなかったわけじゃないということが書いてあって、まさしく
著作権法だけの硬直的な
規定がグーグルに勝てなかったという
理由ではなかったというふうには思うんですが、その
理由として、結局、グーグルとかが出てくる前段階で、もう既にロボット検索がありましたね、同じ時期に日米同じようにやっていましたねと。
ただし、
日本企業、先ほどのグローバル展開というところでいうと、発想とかアイデアというのは、多分、アメリカ人と同じ、あるいはそれ以上に
日本人って結構多様性があって、そこは結構すぐれているんですね。じゃあ何で勝てないかというと、スケールすることができない。要するに、全体的に広げるというところでひっかかってくる。発想して、例えば研究段階、当時ロボット型のものって各大学とかでさまざま研究されて、それを一般の学術の
方たちが使って、自然とちょっと広がってきて、それを企業さんが使っていましたと。
ただ、グーグルさんみたいに、あの仕組みというのはページランクという
考え方なんですね。要するに、URLのランクの重みづけをして、全ての、全文の中から
ユーザーの最適なものを提供しましょうというような仕組みを、じゃあ、ある程度
利用されているものをこの後スケールするということになると、人、物、金と、要するに、資金調達します、これを銀行さんとか株式市場に持っていくんですね。著作権大丈夫ですかと当然言われます。人を集めようというと、社内で、新しいビジネスを立ち上げて、社員が何千人と必要ですよというと、社員を路頭に迷わすといけないので、法令はどうなんだと。
そういったもので、よりスケールするという段階では、結構厳密に、コンプライアンスとかよく言われますけれども、物すごく法務の人が入ってきたりとかいうことになってくると、当初、ある程度ライトに始めたサービスというところでは、結構、
日本もアメリカも余り変わらないと思うんですけれども、まさしくグーグルみたいに、まあ、グーグルさんももともとはベンチャーですから、セルゲイ・ブリンと二人で始めて、途中、もうお金がなくなって買収されそうになったのを、やはり俺たち頑張ろうといったら、資金調達ができて、あれだけ大きくなったと。まさしく、特有の、スタートアップ企業、あるいは新しいビジネスというのをスケールする上では、柔軟な
規定というのがすごく重要で、ある程度そういった、
自分たちでフレームワークをつくってくるという
考え方は非常に重要かなと。
最近、これもちょっと個人的な話になるんですが、多分、グローバル展開していくときに、
日本みたいに、周りの人が、ここまでやっていいよとかこの中で頑張りなさいということは、
日本以外ではほとんどなくて、そのときに企業はどうしているかというと、コンプライアンスって
考え方は
一緒なんですが、インテグリティーということがグローバル企業なんかで言われているんですね。これというのは、
自分たちの持っている、要するに、
自分たちの
考え方に誠実に完璧に対応して、アカウンタビリティー、我々はどういう基準でこれをやるんだということを社会に説明した上で展開をしていくという、これは、ある程度、
事業者自身がみずから倫理基準とかを
考えた上で、それに合致をした上で展開していくという。これって、先ほど言いましたように、与えられて、それにコンプライアンス、法令遵守するという
考え方ではなく、社会の倫理を
自分たちで定める。
シリコンバレー企業なんかは、会社に最初に入ると、まず、会社のミッションの
教育を延々とやるらしいんですね。我々、何のためにビジネスをやっているんだと。逆に、
日本で普及しているところだと、スターバックスとかも、ある程度
ユーザーさんに有益だと思ったら、自由にコーヒー飲ませていいよというぐらい権限を与えられて、それは、企業としてのポリシーとかミッションみたいなのを明確にする。今回のことでいうと、ある程度、
プリンシプルを明確にしていく、それによって、それに基づいて、我々はこれに合致した形で展開していくんだというのを説明しつつ展開していくというのが、グローバル展開するときには重要かなというふうに思っています。
済みません、ちょっと話が広がってしまいました。