○関(健)
委員 ありがとうございます。
まさに、今おっしゃっていただいた
支援、引き続き加速をさせていただきたいんですけれども、ある具体例を紹介させていただきます。
農林水産省が取りまとめていただきました市町村別農業産出額全国九位の豊橋市の具体例です。
女神のほほえみというお米が販売されているんです。六年前、豊橋市の生産者の方が夏前に
自分の圃場を見渡していたら、銀の稲が六本生えていた。この銀の稲は何なんだ、これはきっと新しい品種に違いないと気づいた、河合さんという方なんですけれども、この方は、そのもみをとって育成をしてということをやったら、何と、収穫のときには黄金色になる品種だったそうです。お盆前には銀色になって、収穫のときには金色になる。これは見た目が物すごくきれいで、新しい品種に違いないと。そこから販売まで三年かかりました。今では、その六本だった女神のほほえみは、二十九年産はほぼ完売で、二百トン生産しておられるそうです。
粒が大きくて食感がよい、冷めてからもおいしい、だから、おにぎりとかお弁当でも使いやすいんですよ、こういうのがアピールポイントになっておりまして、これはまさに、先ほどおっしゃっておられた民間の活力の促進の典型的な具体例だと思います。
この方々は、国からの
支援は一円もいただいておりません。ただ、いろんな援護射撃で
農水省の
支援をいただいていたそうなんです。
具体的に申し上げますと、まず、
自分たちで、おっ、これは見たことないなというのを
商品化するためには、
二つの登録をしなければいけない。
一つが商標の登録、そしてもう
一つが品種の登録です。これは通常、物すごい時間がかかるそうなんですが、
農水省の人たちが、急がなきゃいかぬということで、三年ぐらいでやってくれたそうです。必要な
手続としては、種の提出を受けた後、DNA鑑定をして、どういう品種になるのかということを調べなきゃいけないから、何年かかかってしまうわけです。
ここから申し上げたいのは、
農水省がやらなければいけないことというのは、まさに、こういう意識高き生産者の人たちがより早く特許をとれるとか、そういう品種の開発に向けた後押しをいかに迅速に正確にできるか、かゆい
ところに手が届くサービスができるかという
ところに尽きると思うんです。
どういうことをやってほしかったですかと聞いたんです。そうしたら、商標登録と品種登録、これにやはり膨大な
手続と
お金がかかるんだというのが悩みでした。そして、これは、先ほど言及された外食、中食のお米なんかもそうなんですけれども、かなり生産についての、生産者の皆さんに細かい技術指導というか、そういうのをしなきゃいけないという課題があるわけです。
つまり、民間企業促進のためには、民間の活力を活用するためには、先ほどおっしゃっていただいた
支援策も必要なんですけれども、まさに商標登録、品種登録、そして生産者への、こうやってつくるんですよ、そういう
ところの周知、ここに
お金と時間がかかるんだ、こういう
支援をやってほしいということをおっしゃっていました。
そこで、
大臣に
質問です。
これは、先ほども神谷
委員の
質問に対してお答えいただきましたけれども、まさに基本的な認識、現状分析は
共有できていると思いますが、その廃止の是非について意見が違うんだと思います。
ですからこそ建設的に
質問をさせていただきたいんですけれども、種子法を廃止することによって、やはり作用、副作用があると思います。私たちは、その副作用に関して深刻な懸念を持っているわけです。そして、その懸念、種子の価格が上がっちゃうんじゃないか、種の種類が減っちゃうんじゃないか、寡占のリスクにさらされちゃうんじゃないか、もぐもぐタイムのイチゴであったように、今までの日本人の米の集積が外に漏れちゃうんじゃないか、こういう副作用がある、その懸念は拭い切れないと思います。
であれば、この
法律を残したまま、民間の人たちのかゆい
ところに手が届く、活力を上げさせるような
支援を新たに足せばいいだけの話だったんじゃないか。つまり、廃止せずに、生産者への
支援を追加するということでよかったのではないかということを
大臣に
お尋ねします。