○玉城
委員 自由党の
玉城デニーです。
特定複合観光施設区域整備法案、
IR整備法案について
質問させていただきますが、冒頭、
委員長にお願いを申し上げたいと思います。
この
法案は、非常に大
法律といいますか大
法案でして、本則で二百五十一条、附則で十六条、要綱に目を通すだけでも百五ページあるんですね。ですから、ぜひ、しっかり時間をとっていただいて慎重な審議をさせていただき、きょうは私どもも御配慮をいただいて三十分という時間をいただいておりますが、このように少数会派にも
質疑をする時間をしっかりとっていただき、さらには地方公聴会など、パブリックコメントも寄せられているこの
法案への国民の関心もしっかりとつなげていけるように、そのお時間をぜひつくっていただけるようお願いいたします。
さて、
IR整備法案の概要を見ますと、これは
法案の
目的でもありますが、適切な国の監視及び管理のもとで
運営される健全な
カジノ事業の
収益を活用して
地域の創意工夫及び民間の活力を生かした
特定複合観光施設区域の
整備を推進するとあります。健全な
カジノ事業の
収益を活用してということがありますので、やはり
カジノIR法案であるという呼び方がつくのは、これはもう仕方のないことではないかなというふうに思います。
さて、では、
外国からの
観光客を誘致するということで、まず少しだけお話を述べさせていただきたいと思います。
石井大臣もきょうはかりゆしをお召しでいらっしゃいます。非常によくお似合いでございますが、きょうは六月一日、かりゆしの日ということで、衆議院の本
会議場でもかりゆしを着用して入場することができるということになってから、きょうもかりゆしを着ていらっしゃる
議員の方々がいらっしゃいました。
かりゆしをふだんから着られるということは、
観光で沖縄に来られた方々が沖縄に着くと、もちろん気温も、もわっとするような暑さではあるんですが、その中で快適に過ごすという観点から考えると、かりゆしを着て日ごろの生活をする、仕事にしろプライベートにしろ、かりゆしを着て過ごすことができるというのは、ここから沖縄らしさの満喫が始まっていくのではないかと私たちは思っています。
なぜなら、私も週末に沖縄に帰って、飛行機のドアがあき、ボーディングブリッジにおりると、もう空気がもわっと来るのを感じまして、背中からすぐ汗をかくような気がいたします。そういう
地域で快適に過ごすのが衣食住の工夫であり、
外国から
観光客が来られたとき、例えばアジアから沖縄に来た方々であっても、アジアではなかなか見かけない生活慣習などに触れると、やはり
外国に来たなということを感じていただけると思います。
ここで少し数字の話をしておきたいんですが、先日の
参考人質疑でも用いた数字です。
二〇一七年、沖縄を訪れた
観光客は、前年比九・一%増の九百三十九万六千二百人でした。これは、ハワイの二〇一七年の九百三十八万二千九百八十六人を上回っております。
しかし、
観光客数は沖縄が上回ったものの、滞在日数は、沖縄が三・七八日に対して、ハワイは八・九五日。長期滞在してハワイを満喫するという方々が多いということは、先日お話ししたとおりです。
さらに、やはり滞在日数が多いということは、それだけ
地元の
経済にも寄与するということが出ておりまして、沖縄が、消費額が七万五千二百九十七円に対して、ハワイは、
日本円にすると約二・六倍の十九万六千六百六十九円として、依然として大きな差があります。
しかし、沖縄の二〇一七年の入域
観光客数は、五年連続で過去最高を更新し、一九七二年、復帰当時の約二十一倍に達しています。
ですが、これだけ
観光客がふえるということは、インフラ
整備にもなお多額の費用を投じなければならないというジレンマはあります。現在、
観光客の増加に伴い、主な
観光客の皆さんの移動手段はレンタカーが中心となり、県の調査によると、夏場のピーク時は、
観光客の約八割がレンタカーを利用しておりまして、そのため、深刻な
交通渋滞や
交通事故も多発しているということで、ただふえればうれしいのかというと、そこにはまた問題があるということがあります。
もう
一つお話しさせてください。
国際
観光振興機構が調査した数字ですが、二〇一七年、訪日外客数、
日本に訪れた
外国人
観光客の数は、二〇一六年、前年比の一九・三%増、二千八百六十九万一千人です。これは、一九六四年の統計を調査して以来、過去最高だということです。
中でも、アジア圏ですね。
韓国が七百十四万人、中国が七百三十五万人、さらに、台湾、香港を足したアジア四つの市場ですと、前年比の二一・九%で、二千百二十九万人です。これは、
外国からの訪日
観光客数の七〇%以上がこの
韓国、中国、台湾、香港からいらっしゃるということです。
ですから、
日本も、やはりこうやって非常に順調な伸びを示しているわけですね。それを考えると、さあ、今般議論をしておりますいわゆる
カジノを取り入れた
IRの
計画についても、この順調な伸びを示しているという数字は、恐らく、
日本らしさを十分満喫していただいているということにもつながるのではないかと思うんです。では、この
カジノを含む
IRを
日本につくった、そこでさまざまな創意工夫を凝らしていくということについて、その是非論も含めて、さまざまな国民の声、
意見を聞く必要があるであろうというふうに思います。
平成二十九年十二月、
特定複合観光施設区域整備推進会議が取りまとめた「「
観光先進国」の
実現に向けて」に関する
意見募集、パブリックコメントの結果が発表されておりますが、パブリックコメント及び説明・公聴会においては、一千二百三十四人の方々から七千四十九件の
意見をいただいています。
この個別の
意見に関しましては、ホームページから、
提出意見の種類を三百五十四件に分類して、その回答が掲載されています。三百五十四件ですから、さまざまな
意見、多岐にわたっております。お一人一件だけの声もあれば、二百件、三百件、八百件というたくさんの声もあります。
その中で少し簡単に紹介すると、公共政策としての
IRに関しては、
カジノの存在を前提とせず、既存の
観光資源を生かした
観光振興を図るべき、あるいは、
IR導入による
経済効果は
期待できないなどの
意見、さらには、
IR制度・
カジノ規制の基本的な仕組みについては、高い
収益性の確保と
世界最高水準の規制の
導入の観点から、これらは両立し得ず、高い
収益性を確保しようとすれば、
世界最高水準の規制を徹底できないなどの
意見、さまざまな
意見が寄せられています。
ですから、冒頭、私は
委員長にお願いをしましたとおり、この
法案の審議に関しては、やはり徹底的に時間をかけて、たくさんの国民のさまざまな声を拾っていく丹念な
法案審議が必要であろうと思います。
では、
質問に入らせていただきます。
当初、私が紹介をさせていただきました
目的の中に、健全な
カジノ事業の
収益を活用して
地域の創意工夫及び民間の活力を生かしていくということになっております。そして、
地域の
経済振興の寄与と財政の改善に資することを
目的とするということが書かれています。
地域経済の振興の寄与、これは使いなれた
言葉です。そして、それに続く、財政の改善に資すること、これも耳なれた
言葉ですが、この
目的の財政の改善に資するとは、具体的に、どこに対して、どのような内容で、どの程度、財政的金額等の
規模、あるいは財政的な
効果を予測するものとしておりますでしょうか。これは大臣にお答えいただけますか。