運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2018-05-24 第196回国会 衆議院 内閣委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
平成三十年五月二十四日(木曜日) 午前八時三十分
開議
出席委員
委員長
山際
大志郎君
理事
石原
宏高
君
理事
谷川 弥一君
理事
中山
展宏
君
理事
永岡 桂子君
理事
松野 博一君
理事
阿部 知子君
理事
稲富 修二君
理事
佐藤
茂樹
君
井野
俊郎
君 池田 佳隆君 泉田 裕彦君
上野
宏史
君 大隈 和英君
大西
宏幸
君
岡下
昌平君 加藤 鮎子君 金子 俊平君 神谷 昇君 亀岡 偉民君 小寺 裕雄君 古賀 篤君
杉田
水脈
君 高木 啓君
武井
俊輔
君
長坂
康正
君 西田 昭二君
百武
公親
君
船橋
利実
君 三谷 英弘君
村井
英樹
君
大河原雅子
君 篠原 豪君 福田 昭夫君 森山 浩行君 山崎 誠君
源馬謙太郎
君 森田 俊和君 浜地 雅一君 濱村 進君
中川
正春君 塩川 鉄也君
浦野
靖人
君
串田
誠一
君
玉城デニー
君 …………………………………
議員
初鹿
明博
君
議員
岩屋 毅君
議員
桝屋
敬悟
君
議員
佐藤
茂樹
君
議員
浦野
靖人
君
議員
中谷
元君
内閣
府
大臣政務官
村井
英樹
君
内閣
府
大臣政務官
長坂
康正
君
政府参考人
(
内閣官房内閣審議官
)
中川
真君
政府参考人
(
厚生労働省社会
・
援護局障害保健福祉部長
)
宮嵜
雅則君
参考人
(
認定特定
非
営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事
)
西村
直之
君
参考人
(公益社団法人
ギャンブル依存症
問題を考える
会代表理事
)
田中
紀子
君
参考人
(
弁護士
)
三上
理君
内閣委員会専門員
長谷田晃二
君
—————————————
委員
の異動 五月二十四日
辞任
補欠選任
大西
宏幸
君
船橋
利実
君
杉田
水脈
君
上野
宏史
君
武井
俊輔
君
井野
俊郎
君
浦野
靖人
君
串田
誠一
君 同日
辞任
補欠選任
井野
俊郎
君
武井
俊輔
君
上野
宏史
君
百武
公親
君
船橋
利実
君
大西
宏幸
君
串田
誠一
君
浦野
靖人
君 同日
辞任
補欠選任
百武
公親
君
杉田
水脈
君
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
政府参考人出頭要求
に関する件
ギャンブル等依存症対策基本法案
(
中谷元
君外七名
提出
、
衆法
第二〇号)
ギャンブル依存症対策基本法案
(
初鹿明博
君外十名
提出
、第百九十五回
国会衆法
第六号) ————◇—————
山際大志郎
1
○
山際委員長
これより
会議
を開きます。
中谷元
君外七名
提出
、
ギャンブル等依存症対策基本法案
及び第百九十五回
国会
、
初鹿明博
君外十名
提出
、
ギャンブル依存症対策基本法案
の両案を一括して議題といたします。 本日は、両
案審査
のため、
参考人
として、
認定特定
非
営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事西村直之
君、公益社団法人
ギャンブル依存症
問題を考える
会代表理事田中紀子
君、
弁護士三上理
君、以上三名の方々から御
意見
を承ることにいたしております。 この際、
参考人各位
に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多用中のところ本
委員会
に御
出席
を賜りまして、まことにありがとうございます。両案について、それぞれのお
立場
から忌憚のない御
意見
をお述べいただき、
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の順序について申し上げます。
西村参考人
、
田中参考人
、
三上参考人
の順に、お一人十分
程度
御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、
参考人各位
に申し上げますが、御発言の際にはその都度
委員長
の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、
参考人
は
委員
に対して
質疑
をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 それでは、
西村参考人
にお願いいたします。
西村直之
2
○
西村参考人
それでは、
ギャンブル等依存症
及び
ギャンブル等依存症対策基本法
、
ギャンブル依存対策基本法
に関する
意見
を述べさせていただきます。 まず、本
法案
は
基本法
ですので、この問題に必要な
対策
をこの問題にかかわってきた私から見れば、過不足という感じはあります、正直。しかし、これはあくまでも
基本法
なので、この
基本法
が今後より有効に機能するために重要と思われる
課題
について、少し取り上げさせていただきたいと思います。 まず、
用語
の問題について少し触れさせていただきます。 国民に対して、現在、この
法案
の
議論
の中で、わかりやすい
用語
で
議論
するということはとても重要なことだというふうに考えております。しかし、
議論
の根幹となるいわゆる
ギャンブル依存症
、
ギャンブル等依存症
というのは、今回、両
法案
の中ではその
定義自体
が異なったまま今日に至っております。
定義
の
明確化
というのは、やはりその
対策
をする者から考えると必須の
課題
というふうに考えています。
自公維
の案では、
ギャンブル等依存症
は、
海外
の
対策
で標準的な考え方となっているプロブレム
ギャンブリング
、いわゆる問題ある
ギャンブリング
という、
かなり
幅が広いところを対象としております。一方、立憲、自由、
社民案
では、
疾病
と捉える、どちらかというと
医学モデル
というのが強く表現されております。 これはどちらがよいということではないと思うんですが、やはり
モデル
が、いわゆる
問題ギャンブリング
という
障害モデル
に立つか
疾病モデル
に立つかというのは、実は、今後
対策
をしていく上でどこに重点的に
対策
の力をかけていくかというところで
かなり
変わってくるんだと思います。大きく言うと、
医療モデル
型の
対策
になるのか、
公衆衛生モデル
型の
対策
になるかというのがここで大きく変わってきます。 この
対策
は、実は
対策費用
のかけ方に大きな違いが出てきます。
費用面
の異なり、違いというのは、今後の
対策費
をどう確保していくかということにおいても非常に大きな
議論
になりますので、やはり、
納税者
や
事業者
も含めたいろいろな
ステークホルダー
、
利害関係者
が納得できる
費用効果
の達成というのが明確になる
公衆衛生モデル
の方が私はいいのではないかというふうに考えております。 次に、医学的には、
精神医療分野
における
ギャンブル依存症
という
病名
というふうに使われているものは、実はごく限られたところで使われている通称のもので、明確に医学的な
定義
として、
ギャンブル依存症
という
病名
は存在していません。これはやはり
政治用語
であるというところからスタートをぜひしていただきたいと思います。 つまり、
定義
がはっきりせず、
病的ギャンブリング
、ICD10というWHOの
定義
ではこれは
病的賭博
という訳になっております、また、
アメリカ精神医学会
の
DSM—
5における
ギャンブリング障害
は
ギャンブル障害
と訳されていますが、これがやはりいつの間にか全て混在されて、
ギャンブル依存症
とされています。 さらに、この
法案
では
ギャンブル依存症
、
ギャンブル等依存症
となっていますが、実は、
世界
の中では、
依存症
、いわゆるディペンデンス、という訳が当たっているものは既に
診断基準
から消えておりまして、
依存症
であるかないかという線引き、それから、
ギャンブル
や
アルコール
が原因であるかないかという
議論自体
が、
治療論
、
因果関係
をおいて、まずは問題がある
人たち
にどのように
早期
に介入するかというのが今
援助
及び
対策
の
中心課題
になっているので、やはり、ちょっと
世界
の流れから考えると、今回の
対策
の中でより
医療
的なものが
中心
に出てきていることに関しては
かなり
違和感を持っております。 この点については、やはり
海外
の
対策
をしている
人たち
、
研究者
からも、なぜ、今新たな
対策
をするのに、一番
コスト
がかかって
費用効果
の悪い
医療モデル
を使うのかというふうなことをたびたび聞かれて、返答に正直窮しているところです。 また、
用語
と関連する部分ではあるんですが、今回の中で、
ギャンブル等依存症
、昨日は患者という言い方が
かなり
出ていましたが、この
ギャンブル等依存症
の問題を抱える
人たち
というのは一体誰を指しているのかというのがやはり曖昧なところがあります。
ギャンブル
の
参加者
の中には、やはり実際、病的な
依存状態
に陥る、いわゆる本来の
医学的水準
の
依存症レベル
に陥る
人たち
がいることはもう間違いない事実で、これは非常に深刻な問題で、しっかりした
対策
が必要です。 ただ、実際、いろいろな
数値
があります。
数値
の中で、実際、
ギャンブル
の
習慣
を持つ
人たち
の中で重度の
依存状態
にある
人たち
は全体の一から三%
程度
ということで、決して数としては多くないということがさまざまな
疫学検査
でわかっております。 一方で、
自分
で何とかコントロールしながら、
ギャンブリング習慣
を、
ギャンブル
の
習慣
を何とかコントロールしながら若干問題を抱えている
人たち
というのが
かなり
の数います。この
人たち
がやはり
参加者
の五%から一〇%ぐらいはいるだろうというふうなことが
世界
的にも言われておりまして、この群がいわゆる
問題ギャンブラー
と呼ばれる
人たち
、プロブレムギャンブラーと呼ばれる
人たち
で、この方
たち
は必ずしも病的な
状態
に移行するわけではなくて、問題を抱えながら、割と長期間その
状態
をキープする。そういう意味では、その周辺の
人たち
には長いこと影響が出ることは間違いないので、これは
対策
が必要なわけです。 ただ、この方
たち
は、何らかのきっかけで
かなり
の
人たち
が自己
回復
しているという
データ
もまたあります。 そのようなことを踏まえて、
世界
の
対策
というのは、
黎明期
はより重篤な、いわゆる
依存症レベル
の
治療介入
を標的として始まってきたんですが、
対策
が進むにつれて、
問題ギャンブラー
への
早期介入
と、どうやって
依存症水準
に
進行
させない
自己制御
を
支援
していくかというふうに
対策
がシフトしています。 昨日のこの会の中でもAMEDの
データ
が
かなり
使われたと思うんですが、あの中に、直近一年、七十万人がいわゆる
ギャンブル依存症
の疑いということになっていますが、あれは一体何を指すかというと、多分、実際、
病的水準
はその数分の一で、七十万人のうちの多分九〇%ぐらいは
問題ギャンブラー
であって、いわゆる
医学的依存症
ではないということは、これはやはり注意しておかないといけないと思います。この方
たち
は、
病院
に連れていったからといって、必ずしも
治療効果
が、まあ、ないわけではないですが、極端に言うと、
費用効果
が
かなり
悪い
支援
になり得るということですね。ただ、数万人の深刻な問題を抱える
人たち
がいるということは、もう間違いない事実です。 さらに、
問題ギャンブラー
の
レベル
で見る場合というのは、実は
アルコール
や
薬物
の
病的依存
とやはり
かなり
病態が異なっておりまして、そのケアのやり方というのはもっともっと幅が広く、柔軟なものであった方がいいというふうに考えております。 つまり、病的な
依存症レベル
ではない
問題ギャンブラー
をいかにふやさないか、いかに
問題ギャンブラー
を病的な
依存状態
に
進行
させないかを主眼とした
予防対策
というのが、やはりこれからやる
対策
としては非常に重要だと思います。 シンガポールな
ども
この点を強調しておりまして、まずは
予防
できる人をして、その上で、その
予防
をすり抜けていく
人たち
に対して重点的に
対策
を行うというふうにしております。 この
問題ギャンブラー
は、
本人
から
援助
を求める
行動
が
かなり
期待できますので、やはりこちらの方をより重点的にやっていった方がいいと思います。 時間の
関係
で、少し飛ばさせていただきますが、もう一点、やはり、
自助グループ
、
当事者活動
に対しての
支援
ということに対して、これはとても重要なことではあるんですが、実は他の
依存
の問題でも、
精神保健
の
行政
が
医療機関
につないで、
医療機関
が、また
精神保健
の
機関
が単に
自助グループ
に丸投げするという事態が、ずっとこれは
アルコール
、
薬物
の問題でも起こっております。これは実は
支援
の劣化というふうな問題を引き起こしておりまして、その途中にある、
自分
でコントロールできたり戻れる
人たち
の
支援
、それから、そうならない
予防
に対して、やはり、この
法案
の中では少し、両
法案
とも若干弱いように思います。その点はぜひ、より検討されていただきたいと思います。 特に、
カジノ
の是非は別として、この
対策
については、やはり
海外
は
日本
より三十年ぐらいさきに取り組んでおりますので、特に
事業者
や向こうの
対策
のノウハウというのは非常に有効なものを持っておりますので、その点は、ぜひ活用していくべきではないかというふうに思っております。 以上です。ありがとうございました。(
拍手
)
山際大志郎
3
○
山際委員長
ありがとうございました。 次に、
田中参考人
にお願いいたします。
田中紀子
4
○
田中参考人
公益社団法人
ギャンブル依存症
問題を考える
会代表理事
の
田中
と申します。 私は、
自分自身
が
ギャンブル依存症
からの
回復者
でもあり、また、祖父、父、夫と、
家族
に
依存症者
を持つ
立場
でもあります。それらの
経験
を生かして、現在では、
ギャンブル依存症
問題に苦しむ
当事者
と御
家族
の
支援
を行っております。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、短いお時間でございますので、三つの要点に絞ってお話ししたいと思います。 まず第一に、
民間団体
の
役割
と
支援
についてです。 二〇一六年十二月に
IR推進法
が通って以来、
ギャンブル依存症
がにわかに注目され、各地の
精神保健福祉センター
ほか、
行政
の
窓口
や、
公営競技
、遊技の
運営者側
の
皆様方
も
電話相談窓口
などを設置されました。 その結果、
早期
に
支援
につながれる方
たち
もいる反面、重篤な
案件
に対しては、
電話相談
の
たらい回し
という
現実
も起きています。 例えば、お金を渡さないと、暴力を振るったり、近所に聞こえるようにわざと大声を上げる、首をつるなどしながら、今から
自殺
するぞと
脅迫動画
を送ってくる、暴れて家の中を破壊するので、
家族
が車上
生活
を強いられている、こうした
案件
に対し、
行政
、
医療
その他
電話相談窓口
に
相談
しても、
本人
を連れてきなさいとどこでも言われてしまい、
家族
にはなすすべがありません。また、
警察
に
相談
しても、
当事者
に対する説教で終わってしまっています。 これらの
案件
は、全て私
ども
が対処した事例です。私
たち
は、どこからの
支援
も受けられず、
予算
もつかないまま、同じ問題を抱えた
家族同士
で寄附を出し合い、こうした
ハイリスク
の
案件
に対応しております。こんなおばさんである私が、包丁を振り回したり、暴れている
当事者
の説得に向かい、
医療
や
回復施設
への
入院
、入寮を促し、
自分
の車で現地まで送っていき、その後、御
家族
の
安全対策
や
自立支援
を行っております。 御
本人
が
自殺
を図った
ケース
もあります。
家族
と
連携
し、何とか一命を取りとめ
救急病院
へ運んだにもかかわらず、
救急
から
精神科
への
連携
を拒否されてしまいました。私
ども
が懇願しても
入院
はかなわず、結局自死されてしまい、救えるはずだった命を救えなかったという苦い
経験
もございます。
現状
の
依存症対策
は、こうした重篤な問題に対する
支援
が置き去りにされたまま、
電話相談
や数回の
認知行動療法
などの
入り口対策
ばかりが
強化
され、私
たち
の
現実
と
対策
が乖離しております。 御
参考
までに、
現状
の
課題
について図でお示しいたします。 第二に申し上げたいことは、
連携
の
強化
です。
カジノ議論
とともに
ギャンブル依存症対策
が取り上げられると、
医療
の
強化
ばかりが叫ばれるようになり、我々は困惑しております。
ギャンブル依存症
は、
アルコール
のように身体的健康が損なわれるわけではなく、また
治療薬
もない
現状
では、
医療
の果たす
役割
はわずかです。 むしろ、
ギャンブル依存症
は、
多重債務
などの金銭的な問題とそれに伴う犯罪によって介入される
ケース
の方がずっと多くあります。 例えば、動機に
ギャンブル
の問題があった
事件
は毎日のように
ニュース報道
となっており、つい最近も、五月十八日、
信金職員着服
、三百五十一万、
使途
は
パチンコ
、五月二十一日、
青果卸会社
元
課長代理
、八年間で二億五千万円
着服
、
使途
は
ギャンブル
、五月二十一日、
小学校職員
、
給食費
六百八十八万円
着服
、
使途
は
パチンコ
、スロットと
報道
がありました。 御
参考
までに、
当会
が二〇一八年一月以降
ニュース報道
で把握した
事件
を添付いたしております。 私
ども
のもとにも毎日、横領、窃盗、万引きなどの
相談
が寄せられ、こういった
事件
の裏には悲しみに暮れる御
家族
がいます。 昨年十二月には、九十二歳の
父親
が、六十五歳になる無職で
父親
の年金をせびって
ギャンブル
に行く長男をハンマーで殴り殺すという痛ましい
事件
もございました。
ギャンブル依存症
は、
弁護士
や
司法書士
、
警察
との
連携
及び職場への正しい知識の啓発や
予防教育
がむしろ急務と感じております。 また、最近では、高校の
養護教師
から、家庭内に
ギャンブル
の問題がある生徒が家に帰りたくないと言っているなどという
相談
も寄せられるようになったり、
大学等
の中退問題に
ギャンブル依存症
が少なからずかかわっていることがわかっています。
教育現場
との
連携
も欠かせません。 さらに、
ギャンブル依存症
は、残念ながら
当事者
が
回復
しない場合も多くあり、その場合には、残された妻子が
貧困状態
に陥り、問題が子供の世代へと伝播していきます。一人
親支援
や
子育て支援
との
連携
も必要です。 また、
医療
と
行政
だけを
強化
することは、別の弊害も生みます。
ギャンブル依存症
の
民間回復施設
では
依存症
からの
回復者
が
支援者
として活躍しており、やりがいを感じ、生計を立て、
納税者
として
社会復帰
を果たしています。
医療
と
行政
に偏った
支援
は、このような
回復
した
依存症者
の居場所を奪うことにつながります。
ギャンブル依存症対策
を考える際には、必ず、
民間団体
、
民間回復施設
、そして
自助グループ
を含め、
弁護士
、
司法書士
、
警察
、
児童養護施設
、
自殺対策
、
学校教育
、
企業教育
、
地域社会
、もちろん
行政
、
医療
、
ギャンブル産業
といった幅広い
連携
が必要です。 御
参考
までに、
多重債務
や中退問題、養育問題に関する
ギャンブル依存症者
の
家族
に対する筑波大学と
当会
との
合同調査資料
を添付いたします。
最後
に、
予算
の
現状
です。 二〇一八年度、
厚生労働省
の
依存症対策予算
は六・一億円のうち、
民間団体
へ直接
支援
される
助成金
は、
アルコール
、
薬物
、
ギャンブル
全ての
団体
を合わせ一千八百万円です。 また、国と都道府県・
政令指定都市
が折半で行う
地域生活支援事業
による
民間団体
の
助成
では、
ギャンブル依存症支援
への
助成
を検討していると答えてくださった
自治体
は、
当会
及び他
団体
の
電話調査
によると、六十七分の十九
自治体
となっており、
実施率
は二八%、金額は三万円から二十万円となっております。その中でも、企画は全て
行政
が行うというものや、
事業
の半分だけ
助成
するという、実質的には利用できない
助成金
もございました。 そして、興味深いことには、早々に
IR
に名乗りを上げておられる北海道、東京都、横浜市、大阪府、和歌山県、長崎県は、この
民間助成金
にゼロ回答でございました。
ギャンブル依存症対策
をしっかりやるという口約束ではなく、
対策費拠出
を含めた
対策
のあり方、また
予算
の規模などをお示しいただかないと、私
たち
は安心できません。
相談電話
の設置だけでは、
対策
を行ったとはとても言えない
現状
があるからです。また、どのような
対策
が必要なのか、
ギャンブル依存症
により
現状
起きている
社会負担費
などの
コスト計算
や
実態調査
を行う
費用
な
ども
計上されておらず、本当にしっかりとした
対策
が行えるのか、不安です。 また、
ギャンブル産業側
が
民間団体
や
研究者
に直接
助成
することは
利益相反
の問題もあり、やはり、国が売上げの一部を税金などの形で管理し、
依存症対策費
として分担する制度を整備することが、
世界
的に見てもスタンダードな方式だと思います。
ギャンブル依存症対策
を整備する上で、いま一度御一考願えないかと思っております。
最後
になりますが、この
ギャンブル依存症対策
で最も大きな前進となり、今後
基本計画
を作成する上で重要な
役割
を果たすと思われる
関係者会議
が実現したことは、
中谷先生
を筆頭とした与党の
ギャンブル依存症対策PT
の
先生方
、また、この問題にお詳しい野党の
先生方
に心から御礼申し上げます。
ギャンブル依存症
問題により、悲鳴を上げ、助けを求めておりますのは、
当事者
そして
家族
でございます。どうか、
当事者
、
家族
の声を
一つ
でも多く
法案
に取り入れていただけるよう、心からお願い申し上げます。 お伝えしたいことはまだたくさんございますが、あとは
質疑応答
の時間に御質問いただければと思います。 どうもありがとうございました。(
拍手
)
山際大志郎
5
○
山際委員長
ありがとうございました。 次に、
三上参考人
にお願いいたします。
三上理
6
○
三上参考人
弁護士
の
三上理
と申します。
日本弁護士連合会
の
カジノ
・
ギャンブル問題検討ワーキンググループ
の
事務局長
をしております。 本日、
日本弁護士連合会
の
意見
を二つ配付させていただきました。 二枚目からあるのが、二〇一八年四月十三日付、
ギャンブル依存対策推進
に関する
意見書
です。ここでは、
ギャンブル依存対策
の
推進
に当たって留意すべきと考えられることを述べております。
意見
の趣旨として、まず、
ギャンブル依存対策
は、
ギャンブル依存
の問題が
自己責任
の問題ではないことを基本的な
立脚点
として、消費者安全の見地から考えられなければならないこと、また、
ギャンブル
との物理的、精神的な
近接性
の排除を
ギャンブル依存対策
の重要な柱の
一つ
とし、厳格な
入場制限
が行われるべきこと、
ギャンブル依存対策
は全ての
ギャンブル
を包括して行われるべきであり、そのために独立した司令塔が必要であることなどを述べております。 また、一枚目のところで、四月二十七日付、
日本弁護士連合会
の
会長声明
として、
特定複合観光施設区域整備法案
の
国会上程
に反対し、廃案を求める
会長声明
を出しております。ここでは、今
カジノ
を解禁することについて、
ギャンブル依存症対策
が不十分であることなどを理由として、反対することを述べております。 これらの
意見
を踏まえて、以下、私の
意見
を述べさせていただきたいと思います。
ギャンブル依存症対策
においてまず一番に大事なのは、
予防
だと思います。
ギャンブル依存症対策
とは何かということについて、今
提出
されている
法案
では、例えば
ギャンブル依存症
の
発症
、
進行
及び
再発
の
防止
及び
回復
のための
対策
とされ、あるいは
ギャンブル依存症
の
発生
、
進行
及び
再発並び
に問題の
発生
の
防止等
を図るための
施策等
とされています。 その中で、
ギャンブル依存症
になってしまった人の
進行
を防ぐこと、
回復
のための
対策
をし、
支援
すること、
再発
を防ぐことももちろん大事であり、必ずやらなければならないことであり、そういう深刻な
現実
があるからこそこういう
法案
が必要になってくるわけですけれ
ども
、やはり基本的な理念として一番大事なのは、
ギャンブル依存症
になる人を生み出さないこと、つまり、
発症
を
防止
することなんだろうというふうに思っております。間違っても、
依存症
になる人がこれから更にふえたとしても、その
回復
のための
対策
と
支援
さえ充実していれば大丈夫というふうになってはいけないというふうに考えます。 私は、これまで、
弁護士
として
多重債務
の問題にかかわってきました。かつて、多額の借金を抱えて返せなくなる
多重債務
者が二百万人とも三百万人とも言われ、貸金業法の改正がありました。そのとき、
多重債務
になってしまった人をどう
支援
するか、むしろ
弁護士
にとってはそういう場面でこそ活躍する機会があるわけですけれ
ども
、やはり一番大事なのは、そもそも
多重債務
になる人を生み出さない社会をつくることだと考えられたわけです。 今も同じだと思います。
ギャンブル依存症
の
経験
がある人が五百三十六万とも三百二十万とも言われる中で、
ギャンブル依存症
になってしまった人の
回復
と
再発
防止
のための
対策
と
支援
、これを放置することはできないんですけれ
ども
、やはり基本的な理念として一番大事なのは、
ギャンブル依存症
の
発症
を防ぐことでなければならないと思います。 そのような観点から、
ギャンブル依存症
になってしまう人を生み出さない社会をつくるために、
ギャンブル
について、時間的、場所的な
近接性
を排除することが必要であると考えます。 今、いつでもどこでも
ギャンブル
が身近にあります。駅前にはすぐに
パチンコ
があり、テレビでは頻繁に競馬のCMが流れています。未成年者にとっても、
ギャンブル
が日常的に身近にあるわけです。 このような
ギャンブル
との物理的、精神的な
近接性
を排除することが必要であり、そのためには、
ギャンブル
事業者
の広告は禁止されるべきであり、
ギャンブル
施設への入場については厳格な制限が行われるべきであると考えます。 また、全ての
ギャンブル
について、包括的な
対策
が行われる必要があると思います。
現状
では、競馬については農林水産省、競輪については経済産業省、競艇については国土交通省、
パチンコ
については
警察
庁と、所管が分かれています。 昨年八月二十九日、
ギャンブル等依存症
対策
推進
関係
閣僚
会議
の「
ギャンブル等依存症
対策
の
強化
について」、取りまとめが公表されましたけれ
ども
、そこでも、それぞれの
ギャンブル
ごとに、ばらばらに
対策
が検討されていました。全ての
ギャンブル
について一貫した包括的な
対策
が見られないことは残念に思います。 そのような、一貫した包括的な
対策
の必要性という観点から、幾つか具体的に
意見
を述べさせていただきたいと思います。 例えば、射幸性の抑制という問題について。
パチンコ
については、最近、出玉規制が
強化
されました。
警察
庁としては、
依存症対策
のために射幸性を抑えることが必要であると考えたわけです。 それでは、競馬、競輪、競艇はどうなのか。本来であれば、競馬、競輪、競艇等の公営
ギャンブル
についても射幸性の抑制が必要であるというふうに思いますし、今検討されている
カジノ
についても、民間賭博であるという特性からしても、刑法で刑罰として禁止された賭博の違法性を阻却するためにも、射幸性を抑制することは不可欠であろうと考えます。 次に、入場回数の制限という問題について。
カジノ
については、現在、週三回、月十回までの入場回数制限が検討されているようですけれ
ども
、それでも、
パチンコ
には毎日通っていても問題はないというふうに言っていいのかどうか。週三日は
カジノ
に通い、残りの四日は
パチンコ
、競馬に通うということができるのであっては、
依存症対策
にはならないのではないかという疑問があります。
パチンコ
についても競馬についても含めるような形で、全ての
ギャンブル
についての入場回数制限が検討されるべきであると思います。 また、営業時間の制限という問題について。
パチンコ
については、現在、風俗営業法と条例で、営業時間が朝何時から夜何時までと定められています。 これに対して、今想定されている
カジノ
は、
日本
で初めての二十四時間営業の
ギャンブル
施設です。三日連続で七十二時間、家に帰らず、
ギャンブル
施設にい続けることができるというのでは、
依存症
になってしまう危険性は
かなり
大きいと思います。
カジノ
についても、営業時間の制限は必要であるはずです。 さらに、
ギャンブル
のための資金調達という問題について。 現在、競馬場などでは、ATMのキャッシング機能を廃止したり、ATMを撤去することが検討されています。 しかし、
カジノ
については、一定の金額を預けた人に対しては
カジノ
事業者
が貸付けを行うということが想定されています。
ギャンブル
事業者
が顧客に対して
ギャンブル
資金を貸し付けるというのも、
日本
で初めてのことです。 例えば、五百万円を預けたら三千万円分の
ギャンブル
ができるということでは、いわゆる信用取引、証拠金取引と同じです。射幸性は更に高まるのであり、大きな問題があると思います。 このように、それぞれの
ギャンブル
についてばらばらに
対策
を考えると、ちぐはぐな、おかしなことになるという問題があると思います。独立した司令塔となる
機関
によって、全ての
ギャンブル
について一貫した包括的な
対策
を考える必要があると思います。 この
基本法
案に基づいてこれから
ギャンブル依存症対策
推進
基本計画
が定められ、その計画に基づいて各種の
対策
が行われることになるわけですけれ
ども
、その
基本計画
の内容、各種
対策
の内容について、全て
推進
本部に委ねるというのではなく、やはり国民の代表である
国会
として、今きちんとその青写真を描くということを
議論
して、検討していただきたいというふうに考えます。 その際、
ギャンブル依存症
の
発症
を
防止
するために、
ギャンブル依存症
になってしまう人を生み出さない、そういう人をできるだけ少なくする社会をつくっていくために、全ての
ギャンブル
について一貫した包括的な
対策
が必要であるという基本理念を打ち出していただきたいというふうに思っております。 私からは以上です。(
拍手
)
山際大志郎
7
○
山際委員長
ありがとうございました。 以上で各
参考人
からの御
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
山際大志郎
8
○
山際委員長
これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。
質疑
の申出がありますので、順次これを許します。金子俊平君。
金子俊平
9
○金子(俊)
委員
おはようございます。自由民主党、岐阜県第四選挙区から選出をさせていただきました金子俊平でございます。 きょうは、
参考人
の三名の
皆様方
におかれましては、早朝より貴重な御
意見
、また御教授を賜りまして、改めて御礼を申し上げさせていただきます。 今、三名の皆様、時間が相当短くて、もっとおっしゃりたいことがそれぞれにあったのではないのかなというふうに思いますけれ
ども
、いただいた御
意見
、幾つか教えていただきたいこと、また更に御教授賜りたいことがありますので、質問をさせていただきたいというふうに思います。 今回、この
ギャンブル
等、また
ギャンブル依存
に関して、
法案
自体は二つに分かれておりますけれ
ども
、一方で、我が国としては初めて
ギャンブル等依存症
に対する
法案
が出されたわけでありまして、しっかりと
国会
において
議論
されるということは、まずは画期的なことであろうと思いますし、昨年の十月当選をさせていただいた私が言うのもなんでありますけれ
ども
、昨年、会期の都合だったというふうに認識しておりますけれ
ども
、一度廃案になったということは非常に残念でありますし、なおさら今
国会
に、我々
国会
議員
として、この
法案
にかける意気込みというのはしっかりと持っていかなければならないのかなというふうに思います。 今、
皆様方
の御主張を、また御
意見
を賜っておりまして、共通していることに関しては、やはり今、私自身、
ギャンブル依存症
というものに関して、また
ギャンブル等依存症
というものに関しては、誰にでも起こり得る問題なんだというふうに改めて認識をさせていただきました。 そして、この誰にでも起こり得る
ギャンブル等依存症
を今度は社会でいかに助けていくのか、また、我々がそれを
早期
に発見をして、対処をして、彼らが、また
依存症
と思われるような方々が
社会復帰
をしていくのか、そのまさに
支援
をしていくことが重要なんだろうというふうに思います。
依存症
自体は、
薬物
でありますとか
アルコール
でありますとか、ニュースで見ていますと、例えば買物なんかももしかしたら
依存症
に陥ってしまう可能性があるんだろうというふうに思いますけれ
ども
、今御
意見
を拝聴しておりまして、
依存症
が重度になる前から認識また発見をいかにできるのか、また、それをどのような場所に、どのタイミングで
相談
をすればいいかという体制がやはり非常に大事なのではないのかなということを認識させていただきました。 また、加えて、
多重債務
問題を取り扱われている
相談
支援
機関
、また
精神保健福祉センター
、また
自助グループ
、民間の
皆様方
でありますけれ
ども
、活動をしっかりとやっていただいているわけで、いかにこうした
皆様方
と我々、
行政
とが
連携
をしていく、またそういう体制を構築していくべきかという重要性も認識をさせていただきました。 そこで、
参考人
の
皆様方
にお伺いをさせていただきます。
皆様方
は、ふだんの業務またお仕事の中で、数多くの
本人
、御
家族
の方から御
相談
をいただいているんだろうというふうに思います。
相談
をいただいた中で、この方は、どのタイミングでどのような
相談
をいただいて、
依存症
であるか、またどのぐらいの重度の
依存症
であるかというのを認識されるのか。また、先ほど
参考人
の
皆様方
も述べておられました
相談
体制の構築、繰り返しになって結構でありますので、どのようにしていくべきかというものもあわせて教えていただきたいなというふうに思います。
西村直之
10
○
西村参考人
では、今の点についてお答えさせていただきます。 まず、どなたも、全員の方が
ギャンブル
の
依存
になり得るというのは、これは確かな事実ですが、一方で、誰もが
依存症
状態
になるわけではない、これはやはり重要な事実で、
依存
と病的な
依存
の間には
かなり
の開きがあります。 私がやっております、NPO法人リカバリーサポート・ネットワークの方では、
電話相談
、
パチンコ
ホールにポスターを張っておりまして、そこで年間、現在六千件の
相談
があります。六千件は、うち八〇%が
本人
からです。この方
たち
がやはり問題を持っていらっしゃいます。 この
人たち
の
相談
は、
依存症
であるかないかではなくて、現在
自分
の持っている
習慣
で
生活
にどのような影響が出ているか、それをどのように修正する手伝いをするかということで、そこにおいては
依存症
であるかないかということはほとんど問題にはならないわけでして、その中で
自分
なりの調整をしていただいて、そこが難しければ、いろいろな、段階的にアドバイスをしていく、又は専門
機関
に紹介するという形で、ほぼ半数の方
たち
は
電話相談
だけで対応がある
程度
終わるというふうな形になっております。 このような簡易介入というのは、
依存症
であるかないかではなくて、
早期
の、さまざまな簡易介入ですね、最近は、スマートフォンのアプリケーションを使った簡易介入、それからチャット、それからメール
相談
等、そのような多様なことが可能になってくると思いまして、このように敷居を下げるということが非常に重要だというふうに考えております。
田中紀子
11
○
田中参考人
お答えさせていただきます。 私の場合は、
西村
先生がおっしゃったような、問題あるギャンブラーというような状況をもう超えてしまって、本当に完璧に
依存症
になって、周りの方
たち
も困り果てていて、御
相談
を受けるというパターンがほとんどでございます。ですので、
本人
から
相談
を受けるということはほとんどありません。周りの御
家族
からの御
相談
がもう九割です。
相談
体制なんですけれ
ども
、やはり、ここまでいってしまうと、
医療
においそれとつながったりもしませんし、
本人
にどこかに行きなさいと言っても、まずつなげることが難しいんですね。なので、私がなぜ
本人
を説得してつなぐことができるかといえば、やはりそれは同じ道を
経験
しているということが大きいかと思います。 その、やめたくない、でもやめなきゃいけない、やめた方がずっと幸せになれるのにというところで、もがき苦しんでいる、こんな人生嫌だって本当に
自分
のことが嫌いになっている、そういう状況が痛いほどよくわかるという、その
当事者
の
経験
が生かせているから、こうして多くの
人たち
を救うことに役立てられていると思っています。 ですので、やはり、その辺のすみ分け、重篤な
依存症
に陥ってしまった
人たち
に対しては、同じ
当事者
であったり、同じ問題を
経験
した御
家族
が
相談
に乗って、一朝一夕にはうまくいかないので、やはり長い年月がかかるんですけれ
ども
、少しずつこの状況をよくしていく、その寄り添っていくサポーターみたいな体制が必要ではないかなというふうに思っております。
三上理
12
○
三上参考人
ギャンブル依存症
というのは否認の病気と言われておりますので、御
本人
が自覚しづらい病気であり、自覚したとしても認めたがらない病気であるというところから、なかなかそれを発見するのは難しいというところがあるんだろうと思います。ましてや、私は
弁護士
ですので、基本的には、
ギャンブル依存症
そのものについて
相談
を受けるということは私はありませんので。 私が
相談
を受けた中で、例えば
多重債務
者の
相談
を受けたときに、
多重債務
の原因となっているのが
ギャンブル
であるということがあり、例えば自己破産をして、借金の問題については解決して、銀行とかクレジットとか、まともなところからは借りられなくなった人が、闇金から借りて、それでもまた
ギャンブル
をやってしまうというような事例に直面したりとか、
ギャンブル
が原因で離婚の問題になって、もう二度としないということを誓って、やり直していこうということになったのに、また
ギャンブル
をしてしまって、結局、離婚になってしまうとか、そういうような形で、私としては、法律問題の原因となっているのが
ギャンブル
であるという形で、
ギャンブル依存症
の人に直面するというところがあります。
金子俊平
13
○金子(俊)
委員
ありがとうございます。 時間が許せば、個別具体的にどのようなアドバイスを、
ケース
・バイ・
ケース
でしょうけれ
ども
、されているのかとか等々をお聞きしたいんですけれ
ども
、残り六、七分になってしまいましたので、次、お伺いをさせていただきたいと思います。 きのう、同僚の加藤鮎子
議員
の質問に対して
政府参考人
から、今政府でどのような具体的な対処をしているのか、政策をしているのかという質問でございましたけれ
ども
、
早期
に
相談
や治療が受けられるような環境を整備すべく、全国における
相談
、治療体制の整備、医師などの人材育成、
自助グループ
の皆様や
民間団体
への
支援
の
推進
、
学校教育
の指導、啓発を
推進
するとともに、
多重債務
における
相談
体制の
強化
等々の答弁がございました。 今回
議論
になっております両案ともに、この指針はうたっていただいておるんだというふうに認識をしておりますけれ
ども
、
西村参考人
にお伺いをしたいんですが、先ほど
西村参考人
からの御
意見
の中で、
公衆衛生モデル
を今後進めるべきだというふうにおっしゃっていただいたというふうに認識をしておりますけれ
ども
、今現在この政府がやっておられる施策と
西村参考人
がおっしゃっていた
公衆衛生モデル
との中で、乖離があるという部分としてはどの部分が乖離があるのか、教えていただきたいというふうに思います。
西村直之
14
○
西村参考人
その点について、お答えさせていただきます。 本来、
公衆衛生モデル
というのは、地域の保健全体、
生活
障害等をサポートするような全体の上に、さらに、その中に
精神保健
があって、
精神保健
の中に精神
医療
というのがピラミッドで存在していなければならないんですが、今回の
モデル
というのは先に
精神保健
医療
というところが核になっていて、地域の保健、つまり、一次
予防
、教育にしても、それが、何がどういうふうにパッケージとして地域の
モデル
としてやっていくかが明確でないまま、最終的には、
依存症
の
人たち
を見つけて、どう発見して
医療
につなぐかというところに余りにも主眼が置かれていて、そうならないため、そして、
ギャンブル
の問題の
人たち
は、実は先行する障害がたくさんありまして、つまり、お金の問題がもともとコントロールできていない
人たち
が、
ギャンブル
をやめても解決しないわけです。 そういう
生活
障害の
支援
、先行する問題も含めて、地域の中でどのようにその人が暮らしていけるかということが、まずここに主眼を置いて、その中の
一つ
の問題として
依存症
があるというふうに考えていかないといけないんですが、やはりそこが少し整理されていない。ゼロと言っているわけではなくて、やはりちょっと主眼がずれているというふうに感じております。 以上です。
金子俊平
15
○金子(俊)
委員
ありがとうございます。 続きまして、質問をさせていただきたいというふうに思います。 先ほど
田中
委員
の御
意見
の中で、暴力を振るったり、近所に聞こえるようにわざと大声を上げるとか、また、首をつるしながら、今からでも
自殺
をするという
脅迫動画
を送ってくるとか、本当に生々しい
現状
を教えていただきました。 こういう
現状
というものは、大都会だけではなくて、地方でも起こり得ることだろうと思いますし、むしろ地方の方が個人的には多いのではないのかなというふうに思います。 私自身も非常に、飛騨高山という地方出身の人間でありますけれ
ども
、昨日この
国会
において
議論
されました
データ
の中では、地方の差、地方同士の差というのは特段出てこなかったわけでありまして、そこはまた今後検証していく必要があるんだろうというふうに思いますけれ
ども
、今回、両
法案
ともに、第六条で、国と同時に地方公共
団体
に対しても義務を課しております。私が今一番心配をしているのは、国は多分、ある
程度
の施策をやっていただけるんだろうと思いますけれ
ども
、一方で、地方公共
団体
はそれなりに差がついてきてしまうのではないのかなというふうに思っております。 今回、全国津々浦々にこの
ギャンブル依存症
の
対策
をしっかり講じていくために、どのように地方
自治体
に対してやっていくべきなのか、若しくは、地方
自治体
を監視するためにどのようなことをすればいいのか、もしお考えがあれば教えていただきたいなというふうに思います。
田中紀子
16
○
田中参考人
ありがとうございます。 先生のおっしゃるとおり、地方によって物すごくばらつきがあって、やはりモチベーションの高い担当の方がいらっしゃるとすごく
依存症対策
をやるんだけれ
ども
、そういった方
たち
はみんな三年で異動してしまうので、私
たち
、急に北風が吹くときもあって、その辺の人材のばらつきというのはすごく大きな問題です。 また、地方の方独特の問題なんですけれ
ども
、地方の方ほど
行政
に
相談
に行かれないという問題があります。 それは、まず、
精神保健福祉センター
とか
医療
というところに
ギャンブル依存症
がそもそも
相談
できるというふうに思っていないという
人たち
が多いんですね。私もそうですけれ
ども
、これ、医者に
相談
できるのというふうにすごく思ったんですね。
自分
ちの借金の問題が、何で医者に
相談
するんだろうということをすごく驚いたのと、まだ本当にこの問題に触れる前に、
精神保健福祉センター
なんというところは全く知りませんでした。 あとは、もう
一つ
は、地方の方
たち
は、そういったところにつながると、知り合いに会うということを物すごく恐れているんですね。なので、
行政
に
相談
に行くということができないのと、わざと県をまたいで
相談
に行ったりすると、県をまたいでしまうと、担当の方は、県をまたぐと
相談
は受けられないというふうに答えられたりするんですね。 なので、地方の方ほど、やはり私
たち
のような
民間団体
を活用していただきたい。私
たち
は、東京から
支援
に行くというようなこともできるし、近くの県から
支援
に行くということもできるんですね。なので、世間の目ということを恐れている地方の方
たち
は、やはり
民間団体
を活用して、そして、地域の知り合いに会わないような、そういう心配を取り除いてあげるという配慮がすごく重要だと思います。
金子俊平
17
○金子(俊)
委員
時間が参りました。 貴重な御
意見
を賜りまして、改めて御礼を申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
山際大志郎
18
○
山際委員長
次に、阿部知子君。
阿部知子
19
○阿部
委員
立憲民主党の阿部知子です。 本日は、与野党の合意そして
委員長
の采配で
参考人
の皆さんに来ていただけて、本当によかったと思います。お話を聞けば聞くほど、本格的に、
ギャンブル
等と言ってもいい、
ギャンブル依存症
という言い方もあるでしょう、
対策
の奥の深さ、必要性が認識されたものと思います。 まず、
西村参考人
にお伺いをいたします。 もともと
精神科
のお医者様でいらっしゃると思いますし、このまとめられたレポートを拝見していても、そもそも、我が国の精神
医療
に対する治療体系が長年、疾患
モデル
できて、地域保健あるいは
精神保健
というものが手薄であったことを嘆かれて、また、そこからスタートしての御発言だと思います。ですから、今回のものも、疾患
モデル
じゃなくて、より広い障害と考えて、それをどう包み込みながら地域
生活
をしていくかという観点での問題の指摘だったと思います。 ちなみに、私は野党案の提案者なので、先生の御指摘のように、この野党案が、単に疾患
モデル
にとどまるものとして規定したわけではございませんが、逆に、そのような不十分性を持つのであれば、私
ども
も今後その点を含んでいかなきゃいけないと思いますので、御指摘をありがとうございます。 ちなみに、私
ども
の野党案では、
ギャンブル依存
等を特定原因行為というふうにして、広くそうした
依存症
を起こすような行為に、全般にやはり視野を持ちたいと思い、また、その後も、これは基本理念のところで述べさせていただきましたが、十九条においては、国及び地方公共
団体
が、こうした活動を行う
民間団体
と、
医療
、保健、福祉、教育、法務、矯正その他全てで必要な施策を講ずるようと。願わくば、地域包括ケアの中核にこれもきちんと位置づけられていくべきことと思います。もう少し踏み込んで書けばよかったなと思います。 まず、長年この問題にかかわってこられて、ぜひ教えていただきたいのですけれ
ども
、先ほど、シンガポール等々での取組が、いわゆる
ギャンブル
のアディクション、ディペンデンシー以前の、先生はディスオーダーという形で言われると思いますが、
ギャンブル障害
で、そこから更に
依存症
にならないための施策に力を注いできたと。 私は、それが王道だ、本筋だと思いますが、その際、どのくらいの
予算
規模、例えば、
日本
でAMEDが七十万人と予想するような現在
依存症
に進みやすい方
たち
の
対策
を、社会が担う
コスト
としては、どのくらいあればよいのか。これはいろいろ私もこの
法案
の
提出
前に調べたんですけれ
ども
、いい前例を発見できなくて悩んでいたところでありますので、シンガポールの例等々で教えていただければと思います。
西村直之
20
○
西村参考人
ちょっと申しわけありませんが、シンガポールと
日本
ではやはり全く規模が違うことと、それから、
日本
の場合、今後、
対策
はやはり、
パチンコ
ホールは全部ありますが、
公営競技
がある
自治体
、ない
自治体
、それから
IR
を誘致する
自治体
と、全然、それから人口構成も違うので、それを、シンガポールの数を押しなべて広げていくというのは
かなり
危険なことになります。 むしろ大事なことは、やはり今回、
基本法
なので、
対策
を打っていったものの評価、アウトプットを、どのように
費用効果
を評価していくか。その中で適正な支出を、もうここにお金を上げたからいいだろうではなくて、本来、どこに上げるとどのような効果があるかを、どのような形でアウトプットを評価していくかという、そこのことこそが大事で、今からそれをむしろこの
基本法
をベースにして検証していくスタートにすべきではないかというふうに考えております。
阿部知子
21
○阿部
委員
確かに、御指摘いただいたように、アウトプットを評価しながら必要額を見積もっていくということが大変重要なのは、他の疾患でも、
予防
の方がより長い目で見たら
費用
は少なくなるということなんだと思います。 ただしかし、そういうことをやるにも、ある
程度
の
予算
規模がなければ、先ほど
田中
さんがおっしゃったように、現在六億で、民間自助
団体
には千八百万円ですか、とてもこれは全部の
依存症
を合わせた
費用
としてもやれない額だと思いますので、まず
国会
としては、必要なそうした検証、あるいはそのためにかけられる
費用
を求めてまいりたいと思います。 あと、医師としての観点から
一つ
教えていただきたいんですけれ
ども
、いわゆる今問題になっております
カジノ
は非常に射幸性が高いと、私はやったことがないけれ
ども
、予想をいたします。プラス、夜中もできるということは、これはやはり睡眠障害等加わってまいりますので、より
依存症
として重篤なものをもたらす危険性があると思いますが、このあたりは、今、精神
医療
の分野ではどのように思われているんでしょう。
西村直之
22
○
西村参考人
やはり、射幸性と
依存
性の問題というのは常に出てくる
課題
ではありますが、実を言うと、射幸性と
依存
性の明確な
因果関係
というのはいまだにわかっていないんですね。むしろ、射幸性が低くても、反復していく場合に問題が起きてくる。 つまり、
依存症
ではなくて問題が起きる場合は、例えば少額でも、射幸性が低いものでも、繰り返し繰り返し行っているとその中で
生活
障害が起きてくるということなので、やはり、問題という点からいくと、射幸性とは必ずしも一致しないというところがありますので、余りそこを直線的に考えてしまうと、この問題の
対策
の本質がちょっと見えなくなるかもしれないというふうには思っております。
阿部知子
23
○阿部
委員
もう
一つ
の御質問であった、夜間ということですね、不夜城のようにあいておりますので。
パチンコ
などは朝行くともう行列ができていて、でも夜の時間は基本は遮断をされていると思います。 私は、おっしゃったように、射幸性も確かに証明はされていない、ただ、より大きなかけ金をかけることによって得る幸福感というのも大きいところもあるかもしれないなと思いますので、その点はちょっと懸念の点でございます。 次に、
田中
さんにお伺いいたします。きょうはありがとうございます。 そして、
当事者
としていろいろな方の声を受けとめる、もうこれにまさることは実はないと思います。特に、子育て中のお母さん
たち
からの声も聞いてこられたと思います。どこにもSOSが出せない、そして結局子供を虐待してしまわざるを得ない。そうしたことに対して、これまで
田中
さんのお取組、あるいは社会の政策として何があればよいか、ちょっとお話をお願いいたします。
田中紀子
24
○
田中参考人
ありがとうございます。 やはり、御主人が
ギャンブル依存症
になってしまうと、本当に家庭の中のお金の問題とか、あとは子育ての問題がすごくのしかかってくるんですね。 まず
一つ
には、私
たち
、ギャンブラーの妻、通称ギャン妻というふうに呼んでいるんですけれ
ども
、ギャン妻
たち
は助け合って、本当に就職活動なんかをすごく
支援
したりしているんですね。それで、旦那の給料に頼っているのは泥舟に乗っているようなものだよということで、まずそういった
人たち
を就職させようということを一生懸命頑張ります。 なので、例えば、
ギャンブル依存症
とか、そういった障害とか
疾病
を持っている御主人というふうに、何かが認定されたりすると就労
支援
みたいなものとかが受けられたりするということがあると、すごくありがたいかなというふうに思います。 あと、奥さんが働いていなかった場合に、やはりちょっと保育園の問題などがかかってきて、これは今、日
本人
の、みんな大きな問題だとは思うんですけれ
ども
、急には働けないみたいな、年度の途中だと急には働けないみたいなふうになってしまうんですね。でも、もう旦那の
ギャンブル依存症
はとまらないわけなので、そこで、働くことがままならないというような状況もありまして、その辺がすごく大きな
課題
ではないかなというふうに思っております。 また、やはり精神的な、メンタルのサポートということで、
一つ
には、私
たち
も、こういうことをやっているところがあるんだというのですごく驚いたんですけれ
ども
、赤ちゃんが生まれたときに、保健所の方が一カ月健診で自宅に来てくれるんですね。そのときに、
ギャンブル
の問題はないですかと聞いてくれたということで、そのとき初めて打ち明けることができたということがあったので、あれは本当にプライベートな空間なので、そういう保健師さんなんかがいてくださるとすごくありがたいなというふうに思いました。 ありがとうございます。
阿部知子
25
○阿部
委員
家庭内のDVの被害の方
たち
には、家庭内のそういう虐待
防止
法が、ドメスティック・バイオレンスの
防止
法ができて、シェルター機能のあるところもできてと。
カジノ
の場合も、大半は家庭内暴力も伴いますし、また
生活
苦も大変強いものなので、何らかの社会的な
支援
策、緊急避難的なものも必要かなと思って、伺いました。 また、保健所の機能にそういうものを付随させていくという御指摘も、ありがとうございます。
最後
に、
三上参考人
にお伺いいたします。 私は、冒頭の
西村参考人
への
質疑
でも取り上げましたが、やはり、夜間に
カジノ
というものが営業されているということは、極めて人間の生物学的なサイクルを狂わせますし、この前、お相撲さんの貴闘力が
カジノ
の
依存症
であったというお話の中に、やはり夜の怖さというんでしょうか、そこに向かってしまう怖さを言っておられました。 日弁連としておまとめになったところのいろいろでも、
カジノ
に対しての
入場制限
が極めて緩いという御指摘もあるかと思いましたが、この営業時間規制等々についても
一つ
お伺いしたいのと、また、全般的な規制、
ギャンブル
に関連するようないろいろな、私
たち
の言う特定原因行為に対しての規制と、それから社会的
コスト
の負担のあり方について、御
意見
があればお願いをいたします。
三上理
26
○
三上参考人
私は、先ほ
ども
述べさせていただきましたけれ
ども
、やはり、二十四時間営業の
ギャンブル
施設、そこに三日間続けて七十二時間い続けることができるということについては、
かなり
深刻な問題を引き起こすのではないかというふうに思っております。
ギャンブル
について途中で
自分
の意思でやめることは難しいという状況の中で、
パチンコ
であれば夜何時になれば店を出なければいけないというのと違って、いつまでもいられるということは、やはり深刻な問題、大きな問題なのではないかというふうに思っているところであります。 全体的な規制というのはなかなか難しいところはありますけれ
ども
、やはり、そもそも
ギャンブル依存症
になる人をできるだけ少なくする社会をつくるということで考えるのであれば、時間的な、場所的な
近接性
を排除するということで、
ギャンブル
について、包括的な規制として、入場回数制限であったりとかそういうことを考えるべきなんだろうというふうに思っております。あるいは、その人の収入に応じてかけ金額の上限を設定するとか、御自身の、あるいは
家族
の事前の申告によって、入場回数、金額をあらかじめ制限した上で
ギャンブル
を行うというような、そういうことも、
カジノ
に限らず、既存の
パチンコ
、公営
ギャンブル
も含めた全体的な規制として考えなければいけない問題だろうというふうに思っております。
阿部知子
27
○阿部
委員
アメリカで以前、がん
対策
、がんになってから治療するよりもその
予防対策
にお金を投入する方が本当に社会的
コスト
も低いと言われて、アメリカは国を挙げて取り組んだ。 実は、この
ギャンブル依存症
の問題は、
多重債務
、犯罪、あるいは子供への影響、社会的なマイナスの非常に大きな、それを誰も試算したことはないけれ
ども
、非常に大きな問題だと思いますので、そうならないためにも、規制、きちんと接近を制限する、あるいはやらない、私
ども
は
カジノ
については反対をいたしておりますし、そうした上で、なお、さらに、
予防
策に国として十分なお金と、また地域の協力をつくっていくということの必要性について、きょうは、お三方からそれぞれのお考えを伺うことができました。 きょう伺いましたことを私
たち
も糧にして、よりよい
ギャンブル依存症対策
ができるようやってまいりたいと思います。 ありがとうございます。
山際大志郎
28
○
山際委員長
次に、森田俊和君。
森田俊和
29
○森田
委員
国民民主党の森田俊和でございます。 本日は、
西村
様、
田中
様、
三上
様、本当に、それぞれ違うお
立場
のお話を先ほ
ども
聞かせていただきまして、なるほど、そういうことかということを、改めて納得をさせていただいたというところがございました。 私自身は、うちの亡くなった祖母に、おばあさんですけれ
ども
、
ギャンブル
なんかやるもんじゃないというふうに、小さいころ、
パチンコ
屋の脇を通ったときにそんなことを言われて育って、それ以来、そういったところにはそもそも近寄らないというところから、子供の時代から今まで至っておりまして、そういった意味では、
予防
という意味では、非常に祖母の教育というか、そういう言葉も
自分
にとっては大きな影響があったのかなというふうに思っているんです。 私、今のお話を伺って、大きく二つの点からお三方にお尋ねをさせていただきたいというふうに思っておりますが、
一つ
は
予防
という観点と、もう
一つ
が、御
本人
とかあるいは御
家族
の
支援
、ケアという意味でお尋ねをしていきたいと思います。 まず、
予防
という観点なんですけれ
ども
、先ほど
西村
先生のお話の中で、まず
定義
づけの問題ですよね。
問題ギャンブラー
と言われている五%—一〇%という方
たち
から始まって、いわゆる
依存症レベル
の一から三%、こういった、それぞれの段階というか、分類分けされるということになってくると思います。 そこで、皆様のいろいろな御
経験
、お
立場
の中で、少し、大きく二段階ぐらいに分けさせていただいて、まず、
問題ギャンブラー
にならないための
予防
策としてどんなようなものが優先的に挙がってくるかということと、今、
問題ギャンブラー
を病的ギャンブラーに持っていかないための
予防
という観点、この大きく二つの観点で、皆様、もうそれぞれ言っていただいた点もありますけれ
ども
、確認の意味も含めて、あるいはその補足も含めて、お答えいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
西村直之
30
○
西村参考人
では、今の二つの点についてですが、まず、やはり
予防
は教育だと思います。ただし、その教育は、例えば今
薬物
でやっているようなフィア教育、いわゆる恐怖教育というか、これは怖いんだ、危ないんだだけでは、若い
人たち
は怖いものほど行きたがりますので、かえって抑止力にはなりません。 それよりも、一番の問題は、この遊びは何か、この娯楽を安全に遊ぶためにはどういうことかというのを、もっと、娯楽が地域にあるものとして、リスクもその遊び方も含めてちゃんと教えるということは非常に大事なことだと思います。 これは、
海外
では、ポジティブプレーヤーという、いわゆる安全で、ネガティブプレーヤーに対してどういうふうにポジティブプレーヤーの
状態
でいていただくかという
対策
に移っていっている。その方が、やはり参加している
人たち
が受け入れやすいというのが一番の問題だと思います。あなたは
依存症
ですとか問題ありますと言うと、いえいえとなるんですが、ポジティブにやって、やり方にもう少し工夫をしてください、リスクが高いですと。 ですから、それはどういう遊び、どういうゲームで、どういうふうに認知を、
自分
の思い込みが間違っているか、そういうものが常々フィードバックできるというのは、
予防
の中では大事だと思います。その部分に関しては、いわゆる
自己制御
の
強化
ですね。 一方で、病的な
状態
になった人は
自己制御
がやはりできなくなっているので、ここに関してはより集約的なケアでとめていく。ただ、この方
たち
も、それでも
アルコール
とか
薬物
に比べると、いろいろな介入があるととまっていく可能性というのは非常に高いということがわかっていますので、そこに関してはより
早期
の集約的なケアにつなげていく。 それから、とまった後の
生活
支援
ですね。特に、お金の問題が、ないので、孤立と、住居がないという問題がこの
依存
の問題にはついてきますので、極端に言えば、そこの部分の
支援
をしっかりしながらケアをする。つまり、住む場所がないとケアができない。そういうようなことが非常に重要になってくると思います。
田中紀子
31
○
田中参考人
ありがとうございます。 まず、
問題ギャンブラー
への
予防
は、やはり、
西村
先生がおっしゃったように、教育ということはすごく大事で、前、私
たち
の調査の中に、
ギャンブル
の愛好家の方
たち
と
ギャンブル依存症者
になった
人たち
との明確な違いというのを幾つか出したことがありまして、その中の
一つ
が、
ギャンブル
に触れた、開始の年齢なんです。
ギャンブル依存症
になった
人たち
というのは、もうほとんどの
人たち
が十代で
ギャンブル
を
経験
しているんですね。なので、その辺の若者
たち
に対してのそういったリスク教育ということが必要ではないかなと思います。 また、やはり周りの
人たち
に誘われたりということとかお金を貸してと言われたりすることがあるので、ライフトレーニングなんかを、断り方とかそういったことを
予防教育
では取り入れていくことが必要だと思います。 また、
問題ギャンブラー
になってしまった
人たち
をそれ以上
進行
させないためには、
依存症
は、周りでお金を貸してしまう
人たち
、尻拭いをしてしまう
家族
の
人たち
、そういった
人たち
の対応が
依存症
を
進行
させてしまうので、やはり周りの、特に
家族
に対する教育とか
地域社会
の方々に対する教育といったものはすごく重要だと思います。また、企業の中でもお金を貸してしまうというようなことがたくさんあるので、そういった
企業教育
などがこれから求められていくのではないかなというふうに思っております。
三上理
32
○
三上参考人
今お話が出たところと重なる部分があるんですけれ
ども
、やはり私としても、その、
ギャンブル依存症
になった人の
進行
を防ぐ、
問題ギャンブラー
から病的ギャンブラーにならないようにという意味では、
ギャンブル
ができる環境があるかどうかというのが非常に大きな問題なんだろうというふうに思っております。 私は、
多重債務
の関連で
ギャンブル
が原因になっている人を見ることはよくあるんですけれ
ども
、ほとんどの人は、
ギャンブル
のためのお金を借りることができなくなったら、その時点で
ギャンブル
をやめることができる。それは病的なところまでは行っていない人だということになるのかもしれないですけれ
ども
。そこら辺の
定義
はちょっと難しいところはあると思いますが。 また、借りられなくなったら
ギャンブル
をやめることができる人であっても、逆に言えば、借りられる限り何年も、借りられるだけ
ギャンブル
につぎ込んでしまう、それを繰り返して、
弁護士
のところに
相談
に来て、債務整理をして、借りられなくなったときに、それでぴたっと
ギャンブル
をやめることができるということはよく見聞きするところです。 病的にまで至らない
問題ギャンブラー
という意味では、借りることができなくなった、
家族
が尻拭いをしてしまうということもありますし、クレジットであり消費者金融であり銀行から借りられなくなる、そういう
ギャンブル
を続けることができなくなる環境になればおさまるということはよくあるんだろうというふうに思っています。 そういう意味で、重なってきますけれ
ども
、競馬場であったりとか
パチンコ
店にATMを置いて、そこでキャッシングができるようにするというようなことは大いに問題がありますし、そういうお金がなくても
ギャンブル
ができる環境というのをなくしていくというのは非常に大きなことなんだろうというふうに思っております。 以上です。
森田俊和
33
○森田
委員
ありがとうございます。 それぞれの皆様から、まず入り口の段階では教育の重要性ということが出てまいりまして、なかなかこの教育というのが、
依存症
への
対策
というと、ちょっと前過ぎてなかなか取り組めていないことなのかな、そこまでなかなか対応がいっていないかなということがありまして、ぜひこのあたり、これからいろいろな取組を進めていかなければいけないなという思いを新たにさせていただいております。 そういう観点から見て、今のこの
法案
について、もしお考えがなければもうそれで結構なんですが、この
法案
をそれぞれごらんになってお気づきになった点、今のその、
問題ギャンブラー
になるとか、あるいは
問題ギャンブラー
が
依存症レベル
になるとかというのを防ぐという意味で、今回の
法案
でお気づきになった点があれば、それぞれお答えいただければと思います。
西村直之
34
○
西村参考人
先ほどの中でも述べさせていただいているんですが、ちょっと
対策
の全体、レンジが狭いというのがやはり一番問題で、
生活
、その方
たち
がどこでどのように、例えば専門の
医療機関
に行って地域から離れてしまうことが果たして
回復
にとっていいことなのかどうか、問題解決にとっていいのか。やはり、その地域、その人が暮らしていく中で、その問題と向き合いながら、支えられながら生きていくということを
中心
に置くということが非常に大事。 もう
一つ
は、一方で、この
法案
の中で気になっているのは、インターネット
ギャンブリング
が急速に広がっている中で、
対策
は
自治体
の単位になっているということです。これは、やはり、何県の方が、もうどこのものでも買えるわけです、しかも違法のものにも入っていけるという、その部分に関して一体どう扱うのかというのがこの
法案
の中で正直見えていないというところに、やはり危惧を感じております。
田中紀子
35
○
田中参考人
ありがとうございます。 私も先ほど申し上げましたけれ
ども
、やはりこの
予算
の規模感というのがわからないということで、一体どの
程度
の
対策
を想定されているのかというところがすごく不安なんですね。 今出てきているのは、省庁が
相談
をするとかパンフレットをつくるとか啓発の冊子をつくるとか、あとは
予防教育
、保健の教科書の中に入れるとか、そういった、本当に少しだけという感じが私
たち
の中にはしていて、やはり重篤な
人たち
、もう本当ににっちもさっちもいかないような
人たち
に、深掘りしていくための
予算
みたいなものというのが全然獲得されていないんじゃないかなというふうに思っています。 そのためには、やはり、
地域社会
に
民間団体
とか
回復施設
とか、あとは
自助グループ
ということを充実させていかなければならないんですね。今、受皿が、
ギャンブル
というのは本当に著しく少ないんです。
アルコール
や
薬物
に比べて、
回復施設
の数も
自助グループ
の数も圧倒的に少ないのが
ギャンブル依存症
なんですね。そういったものの種を植えていくためには、やはり時間もかかるし
予算
もかかるというようなことで、私
たち
、それはこの範囲の中で果たして実現できるのかなということはすごく不安です。 また、あと、人材育成なんかにもすごくこれからお金がかかると思いますし、その辺が、示されている、こういうことをやります、こういうことをやりますと言っているところが本当に入り口のところという感じがしていて、その辺の規模感というものがわからないということが不安でございます。
三上理
36
○
三上参考人
今回、
基本法
案ということですので、基本理念を定めて、これから
基本計画
を定めてという、ある
程度
抽象的なものというのは、
基本法
案の性質上、そういうものなんだろうという気はします。 ただ、やはり
ギャンブル依存症対策
というのは喫緊の
課題
ですので、今すぐやらなければいけないことはたくさんあるという中で、例えば、野党案の中で、
ギャンブル
関連
事業者
の
事業
の方法に関する検討として、この法律の施行後三年以内にということですけれ
ども
、公営
ギャンブル
についての射幸性の抑制であるとか、未成年者の
入場制限
の方策であるとか、広告宣伝のあり方であるとか、そういうことが法律施行後の
課題
として指摘されておりますけれ
ども
、やはりそういうところも含めて、この
法案
が施行された後、具体的にどういう
基本計画
が定められて、どういう
対策
が行われていくのかということについて、私が先ほど述べましたように、既存の
ギャンブル
、全ての
ギャンブル
についての包括的な一貫した
対策
というのを検討する必要はあると思いますし、それはやはり今の段階でできるだけ青写真を描くところをやっていただきたいと思っているところであります。 以上です。
森田俊和
37
○森田
委員
ありがとうございました。
最後
に、今までお話をしていただいたようなことをいろいろ考えた上で、これから、御
本人
のケアだとかあるいは御
家族
へのフォローという意味で、
行政
が特に力を入れていくべき点として一番優先的に挙げるとしたらどういうことがあるかということでお答えをいただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
山際大志郎
38
○
山際委員長
どなたに。
森田俊和
39
○森田
委員
お三方からお願いします。
山際大志郎
40
○
山際委員長
お三方。時間がありませんので。
森田俊和
41
○森田
委員
そうしたら、
西村
様からお願いいたします。
西村直之
42
○
西村参考人
かなり
大きな話でありますが、やはり、
行政
、
一つ
は
予算
ですね、先ほど言っている。それから、その
予算
に対する
費用効果
をはっきりさせること。そして、何よりもやはり人材の育成だと思います。 やはり、今、
アルコール
、
薬物
等いろいろな
依存
の問題がある中で、それぞれがばらばらにやっていてはだめで、それを地域の中でどのような
窓口
をしっかりさせていくか。今回、
精神保健
福祉士とか看護師さんの資格の中に入れていくと。だけれ
ども
、実はこの現場で非常に大事なのは保健師さんの働きになります。保健師さんがやはり前線でこの問題を拾ってくる率が極めて高いので、そのあたりの、地域保健への重点的な
支援
というのもやはり必要。これは
行政
がなかなか見えない部分だと思うので、ぜひそこは
強化
していただきたいというふうに思っております。
森田俊和
43
○森田
委員
どうもありがとうございました。 これから
法案
をどういうふうに具体化をしていくかという、
基本法
ですから、具体化していくかということも含めて、ぜひお三方のお話を
参考
にさせていただきたいと思います。 本日はありがとうございました。
山際大志郎
44
○
山際委員長
次に、浜地雅一君。
浜地雅一
45
○浜地
委員
公明党の浜地雅一でございます。 きょうは、三人の
参考人
の
先生方
、大変勉強になりました。ありがとうございます。 十分ずつ聞いておりましたけれ
ども
、もう少し
皆様方
の各分野での
経験
を通したお話を聞きたいというふうに思っております。 そこで、それぞれの分野、
西村参考人
は、
精神科
医であり、またNPOの代表でもございます。そして、
田中
さんは、御自身も
経験
があり、かつ今は
民間団体
で活躍をされている。そして、
三上
先生は、
弁護士
として、特に
多重債務
の分野の問題からこの
ギャンブル依存症対策
のさまざまな活動をされているわけでございますが、その中で、御自身の分野の中で、もっとこういう制度があれば今の
自分
たち
のこの活動は前に進むんだけれ
ども
な、むしろ逆に、こういう弊害があるのでなかなか進まないなという点があれば、今後、各
団体
の
連携
ということも
法案
には入っておりますので、
参考
になろうかと思っています。 ぜひ、どういう制度があるべきか、また、どういう制度が逆に邪魔をしていたのかということについて、御自身の
経験
を三人の
参考人
の方々に語っていただければと思っております。
西村直之
46
○
西村参考人
私
ども
は二十五年ほど前から
薬物
依存
の
回復施設
の
支援
もしておりまして、その中で、やはり一番の問題は縦割りの
行政
です。その中で法律が全部違ってきます。そして、ある部分は犯罪である、ある部分は
医療
である、ある部分はどちらでもないというようなところが、はっきりしないというところで、なかなか固まって
一つ
の方針が見えない。 そして、こういう民間の活動をしておりますと、その民間の活動に対する
助成
というのがまずほとんどありません。そして、こういう新しいケアを構築していくのに、どうしても地域に密着しているところではなくて大学とか研究所とか国に行ってしまうので、そうすると、いろいろな、目の前にある
人たち
に対してどういうことをやるとどういうふうな成果が出るかということを試験的にやっていく新しいケアの体制をやるのに、やはりお金が入ってこないというので、それはそういう
対策
法がなくて、私はNPOの方で
パチンコ
の
依存
の問題で今まで二万五千件ほど
相談
を受けていますが、これは公的資金は一円も入れておりません。 現在、もう
一つ
、RCPGという、
依存
問題をもっと全体、
ギャンブル依存
の問題全体を考える組織をつくって、より広く活動しようとしておりますが、これも現在、私が自己資金を出しておりまして、一切公的資金は入れておりません。 今まで、実は公的資金を入れた活動を一度もしたことがないということなので、そのあたりは、新しいチャレンジに対して、また新しいこういう
依存
問題のケアに対して、やはり何らかの
助成
プロジェクトみたいなもの、これは
当事者活動
も含めてですが、より統合的に考えていただければありがたいかなというふうに思っております。
田中紀子
47
○
田中参考人
ありがとうございます。 やはり、国の方が
ギャンブル依存症対策
をやれやれというふうにどんなにお声がけいただいても、地方
自治体
が動いてくれないと私
たち
は動きにくいというところがあるんですね。 それで、先ほ
ども
言いました
民間団体
の
助成金
なんかも、
民間団体
の
助成金
というふうにうたっているのに、特定の
民間団体
を
支援
はできないというふうに地方
自治体
は言うんですね。そうなってくると、私
たち
は本当に説得するだけで疲れてしまうというような状況が起きています。 まず、今、
ギャンブル依存症対策
に求められているのは、何といっても受皿です。地域で寄り添ってくれる
家族
、こうやって暴れられたらこうしなさいとか、逃げなさいとか、こう言いなさいとか、そういうふうに寄り添ってもらえる
家族
会なんかをどんどん立ち上げていきたいんですね。 今はまだ、
ギャンブル依存症
の
家族
会は何と七県にしかないんです。なので、この
ギャンブル依存症
の
家族
会をもっともっとたくさんのところにつくっていきたいというふうには思っているんですけれ
ども
、その
支援
が得られないということで、私
たち
は結局、
自分
たち
のお金で寄附をし合ってそれをやっているような状況なんですね。 私
たち
も、お給料もありませんし、本当に自腹で走り回っているような状況で、そういった
支援
の受皿をつくらなきゃいけないというところ。ですので、国と地方
自治体
の温度差が物すごくあるというところに私
たち
はすごく限界を感じています。 あとは、やはり
西村
先生がおっしゃったように、何か大きい
機関
だったら信用できるみたいな、なので、国の
病院
とか拠点
病院
だったらみたいなところがあって、
民間団体
というのはどれだけ長いキャリアがあっても信用されないみたいなところで、本当にそこが、すごく権威に走ってしまうような担当官の方とかがいらして、その辺の理解というのもぜひしていただけたらなというふうに思っております。
三上理
48
○
三上参考人
私は、
弁護士
として
多重債務
問題にかかわっている中でということで申し上げますけれ
ども
、やはり、
多重債務
の原因となるのが
ギャンブル
であるというような
ケース
を見るときに思うのは、先ほどの繰り返しにもなってしまいますけれ
ども
、
ギャンブル
ができる環境がある、お金がなくても借りられる環境にあるということで
ギャンブル
をやめられずにいるという人が多いというふうに思っております。 現在、競馬場などでのATMの設置、キャッシング機能の停止ということについて検討されているところでありますけれ
ども
、インターネットで馬券を購入するときはクレジットカードを使うことができるんですね。ショッピングという扱いで、クレジットカードで馬券を購入することができる。 あるいは、最近では、銀行カードローンで目的を問わず何百万円の貸付けをする、そのカードさえあれば
ギャンブル
のための借入れが何度でもできてしまう、そういう環境にあることで
ギャンブル
をやめられずにいるということが原因になっていることは多いのかなというふうに思っております。 あるいは、そういう借金について
家族
が肩がわりして、もうやめると約束したにもかかわらず、
家族
が肩がわりした後、また銀行から借りてしまったり、クレジットを使ってしまったり、またもとに戻ってしまうというようなこともありますので、
家族
への教育であったり啓発とかということも大きな
課題
にはなってくるんだろうというふうに思っております。
浜地雅一
49
○浜地
委員
ありがとうございました。 今それぞれに語っていただきまして、より私も現場の
現状
というのが認識をできたというふうに思っています。特に、本当に、犯罪と
医療
のどちらでもないところを、民間の
団体
の
皆様方
が、今は自助努力といいますか、なかなか
費用
もない中でやっていらっしゃる
現状
というものを今勉強させていただいたなというふうに痛感をさせていただいた次第でございます。 次に、
西村参考人
にお聞きしたいんですが、先ほどの御説明の中で、
自公維
案であるとか、また立憲及び無所属の会、自由、
社民案
で、
医療モデル
型と
公衆衛生モデル
型というふうに少し峻別をされました。その中で、対
費用
の観点についてということで、
納税者
や
事業者
も含めた
利害関係者
が納得できる
費用効果
の達成という部分では、
公衆衛生モデル
型がいいんじゃないかというような御発言だったと思っています。この点について、もう少し詳しく述べていただければと思っております。
西村直之
50
○
西村参考人
この問題は、もともとは
アルコール
依存
の成り立ちと非常に
関係
しまして、イギリスで
アルコール
依存
の問題が
発生
したのは、産業革命でイギリスに農村からたくさんの
人たち
が集まって、産業が勃発してくる、それで大都市化する中で、社会病理として
アルコール
の問題が起きてくるわけです。当然、その後、そこにアヘンの問題が出てくるという流れがありまして、つまり、そもそも
依存
の問題というものの
対策
は、その町が成長しているときに最も出てくる。 つまり、今回、いろいろな
依存
の問題が、これは直接
IR
の話ではないと思うんですが、そこは今後の
日本
の発展を考えて、発展していく、人がふえていく、いろいろな人が入ってくる中における
一つ
のリスク、つまり、そこには、新たなシムシティー、いわゆる町をつくっていく中のリスクとして考えていくということが重要で、それだけを取り除くということは本来できないわけです。 つまり、一定の、そこに関与する全ての産業、住民が町を発展させるために少しずつその負担を負う、そういう責任の問題であって、つまり
因果関係
の直接の負担ではない。つまり、そこの地域の保健、地域の
生活
を守るために、またそれがみんなで協調して発展するために、どのように
自分
たち
が
連携
できるかということが大事なわけで、責任論を追及していくということは余り実はそこでは、明らかな産業廃棄物とかああいう公害とかというものになってくると、ちょっと違いますけれ
ども
。 ごみ問題なんかもまさにそうで、やはりそういう形で、地域が、誰の責任で、誰が金を出せということではなくて、責任ではないけれ
ども
、この町をよりよくするために、つまり、最終的にはこの
依存
対策
は全ての福祉プロジェクトにつながるというふうに考えていくところはやはり
公衆衛生モデル
で、
医療モデル
というのは基本的に病気がなくなれば平穏になるという考え方なので、感染症
対策
なんかはまさにそうなわけで、そこはやはりちょっと見ている範囲が、つまり、地域の産業発展ということも含めて捉えるかどうかというところに大きな差があると思います。
浜地雅一
51
○浜地
委員
ありがとうございます。 本当、今のまた更に深い話で私もイメージが大変持てたわけでございます。 済みません、
西村参考人
にばかりお聞きをしますが、きょう配付いただきました資料の中で、病的ギャンブラーと
問題ギャンブラー
をしっかり立て分けをするということは、これは本当は基本中の基本だったと思いますが、私、改めてお話を聞きまして、目からうろこの思いがしております。 私、実は先日の
委員会
の中で、
医療
体制が不十分なんじゃないかというような話をさんざんしたんですが、若干反省をしておりまして、病的なギャンブラーの方と問題を抱えるところというのは、やはり対処の仕方が違うんだなということを感じた次第でございます。 しかし、先ほど
アルコール
の問題も、少し具体例の話をされましたけれ
ども
、我々公明党は、
一つ
この病的な部分というところでいいますと、
アルコール
や
薬物
の
病的依存
症とやはりかぶる部分があって、有機的に
連携
をしなきゃいけないということを、今回、実は
自公維
案の中の第四条に、ぜひ我が党の主張で入れてくれということで入ったわけでございます。 先生のレジュメの中でも、
アルコール
や
薬物
の
病的依存
と治療法に大差はないということなんですが、
アルコール
や病的な
依存症
とこの
ギャンブル依存症
との有機的な
連携
について、どう図っていくべきかという御
意見
がございましたら御教示いただければと思います。
西村直之
52
○
西村参考人
この点は、医者の
立場
として少し答えさせていただきます。 やはり、
医療
化される
レベル
、又は
かなり
重篤になった場合は、余り治療法に差がないんです。つまり、それはとめていくということしかないわけですから、その場合は、やはり一定期間そこから離れていく、極端に言えば、
入院
又は何らかの施設への入所とか集約的なケアが必要になってくるので、余りそこに差はないですが、その前の段階では、
一つ
は、
ギャンブル
の
人たち
はしらふである。 それから、
アルコール
のように、どんどん脳に直接
薬物
のような化学物質が作用していって変性を起こしているわけではないので、
かなり
、問題が起こるもともとの問題が、前の問題があるわけです。つまり、先行する適応の問題とかいろいろな
課題
があって、それがほとんどそのまま残っている方が多いので、
ギャンブル
をとめながらも、なおかつ、その人がもともとはまり込んでいく
ギャンブル
以外の原因のケアというのが非常に重要になってくるわけですね。 つまり、これは皮肉な話ですが、重篤な
ギャンブル依存
になる
人たち
は、
ギャンブル
以外の問題を持っているということなんですね、高率に。そのケアが
医療
でもやはりより重篤な、ただし、
アルコール
とか
薬物
になると、もう物質でその部分が
かなり
ゆがんでしまっているので、治療の現場になると余りそこは
課題
にならないというところがあって、やはりそのあたりで治療法というのは変わってはきます。 特に入り口のところでは、
アルコール
とか
薬物
に比べると、やはりしらふなのでちゃんと会話をしていく、又は、心理的ないろいろな療法をやっていくとレスポンスが非常によいし、私
たち
に電話をかけてくる
人たち
で、まずお酒を飲んでかけてくる
人たち
がほとんどいないという
状態
がありまして、このような介入はやはり段階的にいろいろな可能性というのはあるというふうに思っております。
浜地雅一
53
○浜地
委員
ありがとうございます。 残り一問にしたいと思いますが、
西村参考人
と、あと
三上参考人
に聞きます。
弁護士
会の資料を持ってきていただきまして、私も
日本
弁護士
会の一応会員の一人でございますが、資料を見ますと、いわゆる
ギャンブル依存症
は否認の病気という記述がございます。その上で、
西村
先生のお話によりますと、意外と
本人
からの
相談
は、八割方
本人
だというのがございます。これは決してどちらが正しいということではなく、それぞれの御
経験
だとは思いますけれ
ども
、実際に、
弁護士
会では否認の病気ということを使い、
西村
先生の
経験
では、どちらかというと
本人
が
自分
から申告しているということなんです。 このあたりを、それぞれの
意見
を聞くというのはちょっとおかしいわけでございますが、実際、
ギャンブル依存症
というのはなかなか自己申告しにくいものなのか、そうではないのかというところについて、改めてちょっと両方に聞いてみたいなと思いまして、お願いします。
山際大志郎
54
○
山際委員長
時間が過ぎていますので、どちらかに絞ってください。
浜地雅一
55
○浜地
委員
わかりました。 では、
三上
弁護士
に聞きたいと思います。
三上理
56
○
三上参考人
私が
相談
を受ける中で、やはり私は
弁護士
ですので、
ギャンブル依存症
になってしまいました、何とかしてくださいというふうに
弁護士
に
相談
に来ているわけではないので。こちらに
相談
に来た中で話を聞いているところで、
ギャンブル
が原因であるということがわかってくる、
本人
は自覚はないということは、私のところではよくある話ではあります。それは
立場
の違いなのかもしれないとは思います。
浜地雅一
57
○浜地
委員
終わります。ありがとうございます。
山際大志郎
58
○
山際委員長
次に、
中川
正春君。
中川正春
59
○
中川
委員
それぞれ
参考人
の皆さんには、ありがとうございました。それぞれの
立場
から、非常に興味深くお話を聞かせていただいています。 もうちょっと時間をかけて、この法律、何とか役に立つように変えていきたいなという思いで今おります。そんな中で、もう少し質問を続けていきたいと思うんです。 さっきのお話にちょっと関連するんですが、
アルコール
対策
でもそうだったんですけれ
ども
、済みません、最初に
西村参考人
と
田中参考人
にお聞きをしたいんですが、
本人
を、それこそ病的ギャンブラーと認知させて、それで先生のところへ向いて連れていくというのがなかなか大変なんだということだと思うんです。 さっきのお話だと、電話では六千件から来ているけれ
ども
、本当に治療が必要な
人たち
がそれで先生にアクセスできているのかどうか。そのことをするためには何をしたらいいか。 さっき、
田中参考人
の話では、もうそんなものは超えているんだ、とにかくとんでもない
人たち
に
家族
と一緒に対応していくので精いっぱいだというような話なんですが、そこのところをもう少し進めていただいて、どうやってそこへ向いて連れていったらいいのか、どういう工夫を社会的にしたらいいのかということをお聞かせいただければと思います。
西村直之
60
○
西村参考人
これについては、今からもう二十年近く前になるんですが、カナダのやはり
公衆衛生モデル
の中でステップド・ケア・
モデル
というのがありまして、最初、やはり
本人
が気がついていなくて、機会的に、
家族
とか、それから何かのトラブルで問題を把握するということから起こりまして、次に、どう動機づけしていくかという段階がありまして、そのときに、やはり敷居を低くして、次に、機会介入から電話につなぐ、それから電話の中のサポートにつなぐという、その段階的にやっていく中で
本人
を連れていく、
一つ
はそういう緩やかなやり方。 もう
一つ
は、
かなり
重度の場合、例えば、精神医学的にうつがあったりとか、それから
自殺
の問題があったりした場合は、これはむしろ
精神科
が
救急
的に介入する。 それが、どうしても今のところでは、
ギャンブル
の
依存
だというと、
精神科
救急
とか言われても、
自殺
を企図しない限り入らない、そのあたりの問題というのがあって、そのときに、やはり医学的な適切な、
ギャンブル
ですねではなくて、なぜこうなったかという評価をしていくというところが必要です。ただ、やはりそこが余りにも今のところ途中がないので、
家族
がずっと深刻になるまであちこちに行っている。 ただ、
電話相談
の場合、七〇%の人が過去に
相談
経験
がないので、まずファーストコンタクト、それで役に立つかどうかということよりも、一本目の、いわゆる
精神保健
の
相談
につながる敷居をとにかく下げていく。そこで
相談
をして、次に、
行動
を起こすモチベーション、動機を少し高めていく。やはりこういうアプローチは、地味ではありますけれ
ども
、一番きくだろうと思います。 そして、その上で、重篤な
人たち
に対しては、やはりこれはもっといろいろ
対策
を考えなければいけなくて、ここに関しては、精神
医療
自体がこの問題にどう取り組んでいくか、もう少し意識を変えていってもらわないと難しいかなというふうに思っております。
田中紀子
61
○
田中参考人
ありがとうございます。 私の場合は、夫を、もうこの人おかしいというふうに思ったんですけれ
ども
、
自分
が
依存症
になったというふうには全然思わなかったんですね。この人を何とかしてくださいというふうには思ったんです。やはり、
自分
を振り返ってみても、
自分
がおかしかったというふうになかなか気づけないなというふうに思っているんですね。
一つ
には、私
たち
、
相談
を受けていて、一回ぐらいお医者様にかかって、
家族
の手前、一回ぐらいかかるんだけれ
ども
、俺はやっぱり違う、あんなのとは全然違うとか、あんなやつらとは違うみたいなふうになってやめてしまうというパターンもすごく多いので、せっかく連れていっても、余り、そんなにその気になっていない
人たち
に効果がないのかなというふうに思っているんですね。 あともう
一つ
は、まだ現在は
医療
の方も
診断基準
がばらばらで、本当に
家族
が苦労をして、何十年も尻拭いをして、お医者様にせっかくつながったのに、お医者様に、まだ
依存症
までいっていないみたいなことを言われてしまって、水の泡になってしまうというような
現実
もあるので、必ずしも何かそういう
医療
につながるということがいいこととは思っていないです。 私
たち
、じゃ、何で
回復
するのといったら、お金でお手上げになるというのはすごく効果があるんですね。 今、昔に比べて、
ギャンブル依存症
の期間が短い期間でつながってくる
人たち
がふえたんです。それは、サラ金の総量規制が入ったことはすごく大きかったんですね、あそこからやはり時代の変化があったので。お金で行き詰まるというのはすごく大きい効果がある。 だから、結果として、周りの
人たち
、この一億二千万の国民の
人たち
に、お金を貸しちゃいけないとか
ギャンブル依存症
で誤った対応をしちゃいけないということが知れ渡っていくということは、すごく大きな抑止力になる。 本当に
依存症
が進んだ
人たち
というのも、嫌々なんだけれ
ども
、もうそれしかないから仕方なくつながってくるというような状況があると思うんですね。仕方なくつながってきても、私なんかの場合も、人の話を聞いているうちに、ああ、そうなのか、やはり
自分
も同じだなというふうに思える瞬間があったんです。そこから
回復
できたので、やはり、嫌々でもつながってくる、そのためにはお金で行き詰まる、そのためには教育が必要というふうに思います。
中川正春
62
○
中川
委員
三上参考人
にお尋ねをしたいんですが、この問題を考えるときに、
一つ
は、
ギャンブル
というものの性格上、
事業者
があって、それが、さっきもお話が出ましたが、射幸性ということと、日常性の中でどれだけアクセスが簡単にできるかという、この二つの要因をどうコントロールしていくかという
課題
が
一つ
あるんだと思うんですね。 それが
一つ
と、それからもう
一つ
は、実際に
依存症
になった人、あるいはなりかけている
人たち
に対して、どんな
予防
をして、それに対してどう対応していくか、あるいは治療していくかという、この二つの側面があると思うんですよ。 私は、先生の言われる包括的なルールでやらなきゃいけないというのは、その前段の部分で、いわゆる射幸性というものと日常性に対してどういうふうに入り口をつくるかという、その距離感ですね、これを
一つ
ルール化していくということが包括的に必要なんだろう、こういうふうに思うんです。 実は、包括的にやろうと思ったら、今回、非常にいいチャンスなので、
依存症
ということを軸にして、そうした部分を包括的にこの中へ向いて組み込めないかというのが私の今の意識なんですが、そういう組み込み方をするか、あるいは、もう別個、
ギャンブル
に対しての
事業
法みたいなものをトータルでつくって、その中でやっていくかということになると思うんですね。 これは、我々立法府の中での
議論
で、それこそ利害調整しながら
事業者
との間でやっていくんですが、これに対して不作為だったということだと思うんです、ある意味
行政
府が。 というふうに思っているんですけれ
ども
、ここをそう切り分けたときに、先生のお
立場
として、これはどういう形で法制化をしていくか、あるいはどこで包括的にそこのコントロールをするか。 今出ている
IR
法の中では、そうした監視
委員会
みたいなものをつくりますよと言っているけれ
ども
、これは
IR
を対象にしたものであって、ほかは違うんですよね。だから、そういう意味でも、こういうようなものを包括的につくるということがいいのか、それとも、また別な形で考えられるのか、ちょっと一緒に考えていただいて、示唆をいただければありがたいなというふうに思うんですけれ
ども
、どうでしょうか。
三上理
63
○
三上参考人
非常に難しい問題だと思っているんですけれ
ども
、
ギャンブル
事業者
にとっては、特に民間の
事業者
が主体となる場合にはということになるかもしれないですけれ
ども
、できるだけ顧客がリピーターになってくれるように、繰り返し何度も来ていただけるように、端的に言ってしまえば、顧客にできるだけ
依存症
になっていただくことが一番利益を上げる方法である。その
ギャンブル
事業者
に対して、顧客の
依存症
の
発生
の
防止
のために最大限の配慮をするというのは、特に民間の
事業者
が
カジノ
事業
をやる場合には非常に難しい問題ということになるんだろうと思っております。 この包括的な規制ということを考えるに当たっては、やはり、今御指摘あったように、
ギャンブル依存症
基本法
案というのはいい機会なのかもしれないという面は他方で私にもありまして、今までのように縦割り
行政
の中で競馬は農林水産で
パチンコ
は
警察
でとかいうのではなくて、今ここでつくられる
依存症対策
推進
本部というものが、個別の
ギャンブル
についてそれぞれ考えるのではなくて、全体的な
ギャンブル依存症対策
というのを考える、そういうふうになるべきだと思いますし、そうならなければ意味がないということになってしまうのではないかな。 ちょっとどこまで
参考
になるかわからないですけれ
ども
、消費者
行政
については、消費者
行政
の司令塔ということで消費者庁ができまして、その下に消費者
委員会
というものをつくって、
内閣
総理大臣に建議をするというようなことも含めて、独立した司令塔として消費者
行政
を担っていくということになっていますけれ
ども
、
ギャンブル依存症対策
について、独立した司令塔として包括的な
対策
を考える
機関
があるべきだろうというふうには思っております。 以上です。
中川正春
64
○
中川
委員
ありがとうございました。
最後
にお聞きしたいのが、特に
田中参考人
それから
三上参考人
なんですが、これは単独で起こってくるわけじゃなくて、さっきの話で、
多重債務
がそれに伴ってくる、あるいはひょっとしたら
アルコール
の
依存症
なりDVなり、さまざま社会的現象の中で、躁うつになって
自殺
とかというふうなこと、それぞれがかみ合っているんだ、かみ合っているというか、サイクルを起こしているんだと思うんですね。 その中で、御指摘があったように、
民間団体
、自助
団体
がつくられ、あるいは
回復施設
がつくられ、
弁護士
さん、
司法書士
さんや
児童養護施設
だとか、
自殺対策
だとか、さまざま縦系列であるんですが、これをいかに
連携
させて、トータルでケアをしていく、問題解決をしていくというような仕組みをつくらないといけないんだろうというふうに思うんです。 これは地方
自治体
レベル
で恐らくそれが必要なんだと思うんですが、
アルコール
対策
の場合は、基本政策を国でつくりなさいよ、それに基づいて、地方でそうした意味も込めてやりなさいよ、こうなっているんですが、この
法案
については、国の
レベル
でそれがとまっている、そういう問題もあるなと私は思っているんですが。 それを地方
レベル
、身近なところで
連携
させるとすれば、どのような形の組織化あるいはネットワーク化をしていったらいいか、また
行政
がそれにどうかんでいったらいいかというのを、実態の中で、もうそれこそ日々の中で感じておられると思うので、よろしくお願いしたいと思います。
田中紀子
65
○
田中参考人
アルコール
の先行の
モデル
というのがすごく私
たち
には
参考
になっておりまして、私
たち
のように、
アルコール
の方ではASKさんという
民間団体
がございまして、そこが国の
基本計画
をすごくなさっているんです。 ASKさんとよく話すんですが、研修みたいなことをやったり
会議
をやるということでは余り
連携
というのがつくられないんですね。それよりも、やはり保健師さんのような方にハブ機能を持っていただいて、地域で起きている事例に対して、保健師さんが
中心
になって、
関係
する
人たち
を呼び込んで、そこで事例検討みたいなことをやって、その人にかかわっていく方がうまくいくんですね。 なので、何か大
病院
が研修をしてというような形よりも、各地の保健所さんが小さな
連携
をつくっていった方がうまくいくように思っております。
三上理
66
○
三上参考人
貸金業法の改正のときにも、
多重債務
問題はいろいろな問題にかかわっておりまして、虐待の背景に
多重債務
の問題があったりとか、税金の滞納の背景に
多重債務
の問題があったりとか、そういう税金を扱う部署、虐待を扱う部署と消費者センター等を含めていろいろなところに
多重債務
とは別の問題で
相談
に来た人について、
多重債務
の問題があることを発見して、
相談
につなげていくということをやっておりました。 今回もそれと同じ話になってくるんだろう。
ギャンブル依存
とは別の問題で、
多重債務
の問題として、離婚の問題として、
弁護士
としてはそういうことになりますけれ
ども
、刑事
事件
としての犯罪であったりとか別の問題で
相談
に来た人に対して、
ギャンブル依存
があることを発見して、
相談
につなげていくということが必要なんだろうと思っています。
中川正春
67
○
中川
委員
時間が来たようです。 ありがとうございました。
山際大志郎
68
○
山際委員長
次に、塩川鉄也君。
塩川鉄也
69
○塩川
委員
日本
共産党の塩川鉄也です。 三人の
参考人
の皆さんには、それぞれ貴重な御
意見
を賜り、ありがとうございます。 私の方からは、やはり
ギャンブル依存症
の問題を考える際に、今政府が
提出
をして審議に入っております
IR
実施
法案
、
カジノ
の解禁について、まずお尋ねをしたいと思っております。 三人の皆さんにそれぞれお尋ねしたいんですけれ
ども
、やはり、
ギャンブル依存症者
を減らそうという今回の
法案
ではありますけれ
ども
、新たに
ギャンブル
をつくるという仕組みになるわけです。そういう点で、制度設計上、
世界
最高水準の
カジノ
規制ということも言われているんですけれ
ども
、この
IR
実施
法案
における
カジノ
規制についての評価について、お三方にそれぞれお答えいただけないでしょうか。
西村直之
70
○
西村参考人
この会は、いわゆる
依存症対策
のところなので、
カジノ
の規制について私がお答えするのはどうかと思うんですが。 現在、実施法等の中で
依存症対策
という名前の中で行われているものが、一体どの
程度
本当に実効性があるのか。それから、
海外
での
対策
をしてきたエビデンスの
レベル
、また
研究者
の目から見ると、やはり
かなり
奇異に見える部分があるというところがあります。そこはやはり、
世界
最高水準ということ、国内の事情もありますが、
世界
の評価というときには、これはどうなのかなというのは正直感じる部分はあります。 あとは、
カジノ
というのと
IR
というのは本来私は別のものだと思っておりまして、
IR
のない
カジノ
もありますし、
IR
のある
カジノ
もありますし、
カジノ
のない
IR
もあるので、そこの部分は少し、規模もあるので、
一つ
を置いて全て
カジノ
の中の
対策
、
依存症対策
というと、余りにもざっくりし過ぎていて、今度、国内における規模の中におけるフロア内の問題か地域の問題かというふうに少し分けていかないと、なかなかこの問題の規制の効果というのを評価するのは難しいかなというふうに思っております。
田中紀子
71
○
田中参考人
ありがとうございます。 実は先生、私、はまった
ギャンブル
が競艇と
カジノ
なんですね。なので、
カジノ
のことはすごく本当にかつて大好きだった人間として申し上げますが、入り口でやられている規制、いろいろ出てきている規制というのは、あれはギャンブラーにとって余り意味がないかなというふうに思っています。 六千円の入場料みたいなものというのは、こちらは、やはり
カジノ
に行ったときは何十万、何百万取り返してやろうと思って行っているので、六千円ぐらい取ったからといって、別にどうということないなというふうに思っちゃうんですね。 あとは、入場規制といっても、本当に月何回というのが果たして効果があるのか。
日本
には、それこそ闇
カジノ
もたくさんありますし、やろうと思えばオンライン
カジノ
もありますし、そもそも
海外
に行けばいいことなので、あの入場回数の制限というのが果たして効果があるのかなというふうにも思っています。 唯一、入り口の規制で効果があるなというふうに思うのは、
家族
と
本人
の申告です。あれは、やはり
海外
でもエビデンスありますよ。私
たち
の
経験
からいっても、あれは効果があるんじゃないかなというふうに思っているんですね。 何よりも、何かお金の話ばっかりして、あいつ、金が欲しいのかなと思われていないかと思ってちょっと心配なんですけれ
ども
、やはり
海外
の
カジノ
というのは、〇・一%から〇・五%の、売上げから
ギャンブル依存症対策
費に回すという明示があるんですね。でも、今度の制度設計でもやはりそれがないということで、結局、公益に回すみたいな感じになっているんですけれ
ども
、その公益の中に
ギャンブル依存症対策
が入っていないわけですよね。なので、私
たち
としては、そこが一番片手落ちじゃないかなというふうに思っております。 元ギャンブラーの
経験
からですけれ
ども
、以上です。
三上理
72
○
三上参考人
入場回数制限について、一週間三回、月十回という制限が
依存症対策
になるのかどうか、入場料六千円という金額が
カジノ
施設に安易に入場することを抑止する効果を持つのかということについては、非常に疑問を持っておりますし、そういう
依存症対策
としての効果があるとは言えないんだろうというふうに思っております。 何よりも、今ここで
依存症対策
基本法
案について審議されて、
依存症
というのが非常に深刻な問題になっているということを踏まえて、これから
基本計画
をつくって各種の取組を進めていこう、実態把握等をやっていこうというときに、新たに
カジノ
をつくって新たな
依存症
の人をふやしていくというのは、非常に大きな矛盾なんだろうというふうに思っております。 以上です。
塩川鉄也
73
○塩川
委員
それぞれ貴重な御
意見
をいただき、ありがとうございます。 私は、きのうの
質疑
の中でも、
法案
の
提出
者の方々に、この
法案
は
ギャンブル依存症
の方を減らしていこうという
法案
ですねということを、そうですという確認をいただいたわけです。その場合に、既存の公営
ギャンブル
や
パチンコ
な
ども
ある、それに新たに、刑法で禁じられている賭博を解禁する、
カジノ
を導入するということは、これは相入れないんじゃないですかということもお尋ねしたんです。 ですから、今回の
法案
とまさに密接にかかわっているのが
カジノ
解禁を核とする
IR
法案
であるわけです。私、率直に、
カジノ
を解禁すれば、新たな
ギャンブル依存症者
をふやすことにつながると思いますので、お三方にお尋ねしますが、こういった
カジノ
解禁はやめるべきではないかと思うわけですけれ
ども
、お三方の御
意見
をお聞かせください。
西村直之
74
○
西村参考人
これにつきましては政治的な判断ですので、どうあるべきかというのはなかなか難しいんですが、ただ、
対策
をとっている側としては、
現実
問題、
カジノ
ができたエリアで
対策
を重点的にやっているところでの、
ギャンブル
の
依存
の問題を持っている
人たち
が開設前よりも減っていくという問題、それから治安の改善等々、やはり産業がある
程度
地域に投資をしていくということで社会問題をある意味起こす部分と抑止する部分というものが、これは両方、両面あると思うんですね。 いかにその部分がバランスよくされるかであって、それが基本的に、
カジノ
であろうが町の工場であろうが、どんな産業であれ、そこに来れば、例えば、私は沖縄にいますが、沖縄はインバウンドで今経済を活性化させております。その結果、何が起こっているかというと、今、感染症の問題が出ております。これは引き受けざるを得ない問題なんですね。 何をとるかというのは、それは今後の、国益の問題であって、その中の
一つ
として、
カジノ
というよりも
IR
というものを使う、そこは、やはりそれなりの覚悟の上で
対策
をしていくということであれば、いかにイニシャルの、今ある問題をより減らす。さらに、
ギャンブル
だけではなくて、他の、福祉財源がなくなっていく中でこれを活用するか、そこは知恵の問題であって、純粋に
カジノ
がよいか悪いかという話だけでやはり
議論
するべきではないというふうに思っております。
田中紀子
75
○
田中参考人
ありがとうございます。 私も、本当に
ギャンブル依存症者
として思うことは、やはり、もし
カジノ
ができたとしたら、相当今ある既存
ギャンブル
に対しても規制がかけられるようであれば、総体的に
ギャンブル依存症
を減らすことができるというふうには思います。 例えば、今マイナンバーで管理するみたいなことが
カジノ
で出ていますけれ
ども
、あれを、マイナンバーとかはやめて、もうちょっと出回っている運転免許証とかその
程度
の身分証明書で、
パチンコ
とか競馬とか
公営競技
にもきちんと、機械を開発して年齢制限なんかをきっちりできるぐらいのことまでできれば、総体的に
ギャンブル依存症
を減らすということはできるんじゃないかなというふうには思っています。 息抜きとして
ギャンブル
ということを楽しみたい
人たち
がいるという気持ちは本当に重々わかるんですけれ
ども
、本当に
依存症対策
がどの
程度
できるかというところ、そこがどこまで踏み込めるかということが
カジノ
の是非にかかっているのではないかなというふうに思っております。
三上理
76
○
三上参考人
先ほど述べましたけれ
ども
、
依存症対策
についてこれからやっていこうというときに新たな
カジノ
施設をつくることは矛盾であるというふうに私は考えておりますし、少なくとも、今、
特定複合観光施設区域整備法案
として
提出
されているものについては、
依存症対策
は不十分であるというふうに言わざるを得ない内容だと思っていますので、これをつくることによって
依存症
の人が減るということはあり得ないだろうというふうに思っております。
カジノ
について、高い経済効果が期待されていると言われていますけれ
ども
、そこで期待される経済効果の中身は何かというと、突き詰めれば、単純に言えば、
ギャンブル
で負けた人のお金ということになるわけで、
依存症
の人をふやしていくことによって経済効果を上げる。それだけの経済効果を上げるためには、それだけ多くの人の
生活
が破壊されることになる。人の不幸をもとにして経済効果を上げるという経済政策でいいのかどうかということについては、私は反対
意見
を持っております。 以上です。
塩川鉄也
77
○塩川
委員
ありがとうございます。 次に、
田中参考人
にお尋ねします。
依存症者
の
団体
をつくられて、
支援
を行っておられる。そういう点では、
アルコール
と
薬物
とそしてこういった
ギャンブル
と、それぞれ
団体
の方がやっていらっしゃる、いろいろな努力をなされておられるわけです。 そういった
依存症
に係るような、そういう自主的な運動をされておられる方同士の
連携
といいますか、それぞれの
役割
とそういう
連携
と、その持つ意味も大きいのではないかなと思うんですが、そういう点での体験、
経験
などを踏まえて、お聞かせいただけないでしょうか。
田中紀子
78
○
田中参考人
ありがとうございます。 本当に、
カジノ
のこの問題が出て
ギャンブル依存症対策
ということが言われるようになって、初めて私
たち
も、
アルコール
、
薬物
、
ギャンブル
の御
家族
が
連携
するということが始まったばかりなんですね。 それで、やはり
ギャンブル
の
基本法
ができたら、
アルコール
はできたし、
ギャンブル
はできたし、次は
薬物
というふうに、私
たち
、悲願として考えております。そして、
依存症
ということが包括的に社会の中で認知されていけばありがたいなというふうに思っております。 ただ、
薬物
の御
家族
というのは、なかなか声を上げたりとか、やはり違法であるということがあるので、顔出しで発言したりということはできないので、
アルコール
とか
ギャンブル
の
家族
がその分を助けていくというようなことは必要ではないかなというふうに思っている。 やはり
アルコール
に関しては社会が受け入れている部分というのもすごく多くて、それがよしあしなんですけれ
ども
、
アルコール
というのはたくさんの味方がいるんですね。お医者さんもたくさんかかわっていらっしゃいますし、何より議連もありますし、ほかにも、長い歴史があって、断酒会さんという地域に根差した活動をされている方
たち
がいて、またそういう方
たち
がたくさんの
連携
や知恵を持っておられるということがあるので、私
たち
のような、本当に今始まったばかりの
ギャンブル
とか、あと、なかなか声を上げられない
薬物
というのは、
アルコール
の方々が敷いたレールに乗るというか、そこで耕していただいた土壌を使わせていただくということで、大変恩恵を受けております。
塩川鉄也
79
○塩川
委員
ありがとうございます。
三上参考人
にお尋ねいたします。 日弁連の
ギャンブル依存対策推進
に関する
意見書
で、
ギャンブル
との物理的、精神的
近接性
の排除を
ギャンブル依存対策
の重要な柱の
一つ
とすべきことという話のところであります。
依存症
が疑われる方々に対してのさまざまな
相談
活動ですとか
支援
を行うと同時に、やはり
ギャンブル
事業者
に対する規制というのをしっかり行っていくということが必要だろうと思うんですけれ
ども
、こういう点で幾つかの例示もされておられるわけですが、その中身はどのようなものなのか、また、その意味するところがどういうことなのか、こういうことについて御説明いただけないでしょうか。
三上理
80
○
三上参考人
やはり
依存症対策
、
予防
という意味で一番大切なのは、今のように、時間的、場所的に、いつでもどこでも
ギャンブル
が身近にあるという状況を変えていく必要があるのではないかというふうに思っております。 そういう意味では、
ギャンブル
事業者
のCMがテレビで普通に流されていると子供も目にするということがあり、駅前のすぐ近くに
パチンコ
があって、そこからにぎやかな音が聞こえてきて、子供と一緒にその目の前を通るというようなことがあり、子供のころから身近に
ギャンブル
があるという状況で育っていくことについては、非常に問題が大きいのではないかというふうに思っておりますというのが一点です。 もう一点は、入場回数制限等
入場制限
という問題になってきますけれ
ども
、やはり全ての
ギャンブル
を包括した形での入場回数制限等というのはあるべきだと思いますし、自己申告、
家族
申告による制限というものも、
カジノ
だけではなくて全ての
ギャンブル
を包括したものとしてやっていく必要があるんだろう。 あるいは、収入に応じてかけ金額の上限を決めるとか、いろいろ、いつでもどこでも簡単に
ギャンブル
ができるという状況を変えていくためにやらなければいけないことはたくさんあるんだろうというふうに思っております。
塩川鉄也
81
○塩川
委員
実際に
依存症
で大きな比重を占めるのは
パチンコ
ですけれ
ども
、
パチンコ
は一万店舗ある、こういった出店規制のような、そういった取組についてはどのようにお考えでしょうか。
三上理
82
○
三上参考人
出店規制というのもあるべきだろうと思っております。 出玉規制ということがやられましたけれ
ども
、出玉規制ということよりも、やはり、どこに行っても何軒も
パチンコ
が目の前にあるという状況でいいのかどうかということについて、風俗営業法の中でも、もうちょっと今の状況というのは、学校の近くにも駅の近くにも、どこにでも
パチンコ
が並んでいるというのは変えなければいけないのではないかというふうに思っております。
塩川鉄也
83
○塩川
委員
終わります。ありがとうございました。
山際大志郎
84
○
山際委員長
次に、
串田
誠一
君。
串田誠一
85
○
串田
委員
日本
維新の会の
串田
誠一
です。 先ほど
田中参考人
の方から、いろいろ、大声を出すとか、首をつるふりをするとか、包丁を振り回すとか、そういう社会問題が
発生
するような状況を
民間団体
が、実は国が本当はどんどん率先してやらなければいけないのを
民間団体
に頼っているというのが
現状
であるという部分であるにもかかわらず、
予算
が大変少ないというようなことを聞きまして、大変驚いたわけです。 一方、
田中参考人
は、祖父、お父様、御主人、御
本人
、正真正銘のギャンブラーとでもいいましょうか、まず最初に、どうやって御
本人
が
依存症
から脱却できたのか、御
家族
はどうだったのか、そのきっかけを教えていただきたいと思います。
田中紀子
86
○
田中参考人
ありがとうございます。 時代ということもあるかと思うんですが、祖父と父に関しては、生涯
ギャンブル依存症
で、亡くなりました。祖父は亡くなる二週間前まで
パチンコ
に行っておりましたし、父は一千四百万円の借金を残して昨年亡くなりました。 私と夫がなぜ
回復
できたかというと、やはり
一つ
には、
ギャンブル依存症
が病気だという情報を、十五年前、本当に数少ない情報だったんですが、キャッチできたことです。 それによって、本当に私
たち
はお金がどうにもならなかった、二人の小さい子供を抱えていたのにもかかわらず、本当に幼稚園の学費も払えないんじゃないかみたいな状況になっていたので、これはどこかに、誰か助けてほしいというふうに思って、クリニックの門をたたいた。そして、クリニックのファーストコンタクトがすごくよくて、
依存症
回復
の
自助グループ
に行きなさいというふうにアナウンスしてもらったんですね。 そこで、
自助グループ
に行ったときに、そんな惨めな
人たち
の集まりに行くのは嫌だというふうに思ったんですけれ
ども
、ほかに手だてがないよというふうに言われたので通っているうちに、三回ぐらい通ったときに、ああ、ここは
自分
に必要な場所なんだなということに気づくことができました。 どうしても行きたくなるんですね。ストレスがたまると行きたくなるんですけれ
ども
、そこに仲間
たち
がいて、もう行きたくてしようがないということを泣きながら電話をしていました。そうすると、わかった、じゃ、あした行っていいよ、きょうだけやめよう、一緒にミーティングに行ってあげるから、きょう一日やめようよというふうに寄り添ってくれるんですね。 そして、泣きながら、本当に行こうかどうしようかということを悩んでいると、どこにいるのか言いなさいというふうに言われて、駅まで迎えに来てくれたりということで、本当に二人三脚で仲間
たち
に寄り添ってもらって、きょう一日、きょう一日というふうにやめることができて、そして、気がついたら一年、二年、五年ぐらいたったときに、ああ、ちょっと生き方が楽になったなというふうに思えました。 ありがとうございます。
串田誠一
87
○
串田
委員
お金がなくなるというのが
一つ
大きいと思うんですが、一方、お金がなくなる理由としては、商売に失敗したとかリストラに遭ったとか、そういうことがあるかと思うんですけれ
ども
、そういう
人たち
は、大声を出したりとか包丁を振り回したりとかというのが比較的少ないのかなと思うんです。 そういう点で、
田中参考人
と
三上参考人
にお聞きをしたいんですが、同じ
多重債務
あるいは債務を負っているという部分の中でも、
ギャンブル依存症
による債務あるいはお金がなくなったということとそうでない部分の一番の違いというのはどこにあるんでしょうか。
田中紀子
88
○
田中参考人
私も後でわかったことなんですけれ
ども
、それはやはり
ギャンブル依存症
という病気の特徴だというふうに思います。 脳の疾患なので、
ギャンブル依存症
の場合は、やっていないと、いらいらいらいら、そわそわそわそわしていて、その強迫観念に耐えられないんですね。 これは本当に
経験
したことのない人にはなかなかわかっていただけないと思うんですけれ
ども
、本当にいても立ってもいられないし、やめなきゃいけないこともわかっているし、この苦しみをどうしていいかわからないということで何かに当たってしまったりとか、私自身も、本当にもう死のうと毎日思っていたので、睡眠薬をビールで流し込むようなことをしていたので、死ぬか生きるかという瀬戸際を生きているという気持ちはすごくよくわかるなというふうに、それは本当に強迫観念だと思います。
三上理
89
○
三上参考人
多重債務
になる人の中で、
ギャンブル依存症
の人とそうでない人と明確な差があるのかということについてですけれ
ども
、私が
経験
している中では、何度も
ギャンブル
を繰り返している人でも、借りられなくなったらぴったりとやめられる人も
かなり
いる。実は、ほとんどはそうであろうというふうに思っている。ただ、そうであっても、借りられる限り、
ギャンブル
ができる環境にある限りやめられないという人が多いのかな。そういう意味では、余り人としての違いというのは感じない部分が多いところではあります。 ただ、
多重債務
になる人の経緯として、いろいろ事情を聞き取っている中で、やはりいろいろな原因が積み重なっている方が多いんですね。失業であったりとか、病気であったりとか、子供の教育費であったりとか、いろいろな原因が積み重なって
多重債務
になっている人が多いという中で、
ギャンブル依存症
だったりとか、買物
依存症
だったりもそうですけれ
ども
、長年にわたって同じことを繰り返してしまって、
多重債務
の原因としては、本当に単調な原因で、
一つ
の原因を繰り返すことによって
多重債務
になっているというのが
ギャンブル依存
であり、買物
依存
でありということになるのかなというふうに思っております。
串田誠一
90
○
串田
委員
先ほど
田中参考人
の方から、入場の制限が六千円というのは、その後取り戻してやるぞというのがあったというお話を聞きましたので、貴闘力さんのお話も先ほどありましたけれ
ども
、ビギナーズラックというか、最初に勝ってしまうと、のめり込んでしまうという話もあったので、他の債務者と違って、取り戻せるというような部分が
かなり
要素としてあるのかな、ちょっとそんなような感じもしたんです。 次に、
西村参考人
にお話を聞きたいと思うんです。
定義
のことについてはすごく
参考
になったんですけれ
ども
、
アルコール
依存症
というのは、恐らく、
依存
によって肝硬変だとか、そういう
依存
自体が非常にぐあいが悪いという状況があると思うんですけれ
ども
、
ギャンブル依存症
の場合、例えば、
かなり
お金を持っていて、唯一の楽しみが
パチンコ
で、朝から晩までいる、ただし、それが
生活
に支障を来さないぐらいお金はある、ただし、相続人からしてみると、お金を残しておいてほしいというような部分があるわけで、ここが一番
定義
の違いになるのかな。
依存症
ではあるんだけれ
ども
、
生活
や社会的支障が生じないで、朝から晩まで楽しいから行っているという、完全な
依存症
、でも
生活
に支障がないというような人は治療が必要なんでしょうか。
西村直之
91
○
西村参考人
治療は必要か。医学的治療は必要ないと思われます。 それは、例えば株をやっている方、それからトレードをやっている方もそうですし、極端に言えば骨とう品趣味の方とかも、やはりこそこそとずっとやっていて、それが
家族
の中で、まあいいだろうという許容範囲の中で折り合っていればいいわけで、そこはやはり余り医学がその中に入り込んでいくものではない。 ただ、その
人たち
は
ハイリスク
群として、その方が、例えば連れ合いさんを亡くしたとか、子供さんを亡くしたとか、退職したとかいうことに、結局、
ギャンブル
の問題がバランスを崩していくときの
一つ
の問題は、孤立と、コミュニケーションが途絶えていくことなんですね。 やはりその孤立の問題というのが起きたときに悪化していくので、むしろ、そういう方が参加しているときに、毎日来られている方であれば、いかに
パチンコ
ホールの従業員の方
たち
が気をつけて見てあげられるか、そういう文化をつくっていくというのが
予防
策の
一つ
として、実は今そういう取組もさせていただいております。
串田誠一
92
○
串田
委員
依存
はしているけれ
ども
恐らく日常
生活
や社会
生活
に支障が起きないということになると、誰も問題にしないということなんだと思うので、そういう意味では、
依存
ということ自体を捉えていくとちょっと方向性が違うのかな、やはり日常
生活
や社会
生活
に支障を来すということ自体が一番核心的な部分なのかな、そういうふうにちょっと私は思っているんです。 次に、
田中参考人
にお話をお聞きしたいんです。 先ほどから、いろいろ説得というようなことで、
田中参考人
はいろいろ御自身の
経験
だとかいったようなことがあったのでそういう説得力があるんだと思うんですけれ
ども
、今後、そういうようなことを、
予算
を費やしても、恐らくそういう人員というものを配置していかなきゃいけないというときに、スキルを育成するということはどういうような方法で、
団体
をやられているので、そういったところもやっていらっしゃると思うんですけれ
ども
、御自身の
経験
から、そういう説得をしたりする要員の養成というような部分で、どんなことを注意したらよろしいでしょうか。
田中紀子
93
○
田中参考人
ありがとうございます。 実は、私のようなこういう介入する者をインタベンショニストというんですけれ
ども
、
日本
ではこの介入者ということが全然知られていないんですけれ
ども
、アメリカとかヨーロッパでは、インタベンショニストというのは職業として成り立っていて、もう何万人もこの職業に携わっている
人たち
がいるんです。私も、これをやるときに、アメリカで研修を受けてきました。
一つ
には、やはりアメリカでこういう介入者の、携わっている方
たち
の研修みたいなものを
日本
に招聘して、人材育成をやるということは
一つ
あるかなというふうに思います。 それともう
一つ
は、ただアメリカのをそのまま持ってきても、文化が違うので、少し変えていかないとうまくいかないんですね。なので、
日本
でこういう介入なんかを、今、私のような直接的な介入だけじゃなくて、オープンダイアログとかいろいろな手法というのが
日本
なりに、もういろいろ開発されているので、そういったことで、わずかながら、数人しかいないんですけれ
ども
、そういった
人たち
が事例なんかを検討してスキルを伝えていくということでやっていく、何回かに分けてやっていくと、少しずつこのような介入者が育っていくのではないかなというふうに思っております。
串田誠一
94
○
串田
委員
次に、
三上参考人
にお聞きをしたいんです。 時間と場所というのが非常に重要であるというお話があるんですけれ
ども
、一方、今、
IR
法案
というのがありまして、これはMICE市場が非常に
日本
は今弱いというところの中で、てこ入れをするというようなことも考えているわけなんです。 その場所が上限的に三カ所ということなので、時間と場所という意味では、三カ所という非常に数が私としては制限されていくのかなという部分と、先ほどちょっとお話がありました、
パチンコ
は一万店舗以上のホールがあるということと、一方で、今、若い
人たち
がFXや仮想通貨、これは非常に射幸性が強いと思うんですね。ところが、今回の成人年齢が引き下げられるということに対しては、一般的な競馬、競輪は二十歳までといいながら、FXやそういう仮想通貨というような、それこそ二十四時間パソコンとにらみ合いっこすれば幾らでも取引ができる、そういうような部分があるんです。 先生のお
立場
としては、そういう部分の、先ほどの
IR
も含めてなんですが、何が一番問題になっているのかということの認識、今のFXなんかも含めましてどうお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
三上理
95
○
三上参考人
今検討されている
IR
ということについて言えば、
パチンコ
のように、身近に、駅の近くに、学校の近くにあるというものではないというところで、場所的なものでいえば
かなり
限られたものにはなるんだろうとは思いますけれ
ども
、やはり、二十四時間営業の
ギャンブル
施設を
日本
で初めてつくる、場所的に制限された場所に二十四時間三日間、七十二時間い続けることができるということについては問題が大きいんだろうというふうに思っております。 FXとか仮想通貨についてこの場で言及することが適切かどうかというのもあるんですけれ
ども
、未成年者がパソコンとずっとにらめっこしているというような問題が生じるということについては、これはこれでまた別の問題としてあるんだろうというふうに思っております。
串田誠一
96
○
串田
委員
時間になりました。
参考
になりました。ありがとうございました。
山際大志郎
97
○
山際委員長
次に、
玉城デニー
君。
玉城デニー
98
○玉城
委員
自由党の
玉城デニー
です。 きょうは、
参考人
お三方から貴重な御
意見
を賜りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、順にいろいろとお話を伺いたいと思いますが、まずは、
三上参考人
にお話を伺いたいと思います。 きょうお持ちいただいた資料からも、非常に多岐にわたる御指摘をいただいております。それから、
日本弁護士連合会
の
会長声明
も添えていただきまして、非常に、
カジノ
を導入することについて幅広い分野からの
意見
を聞く、そして、それが
日本
の将来にとってどうなるのかということを、私
たち
はしっかりとこの
ギャンブル等依存症
対策
の基本になる法律をつくる過程から取り組んでおかないといけないということを痛感いたします。 といいますのは、きょうの
三上参考人
の資料にもありますし、それぞれの
参考人
の皆さんの資料の中にもあるんですが、既存の
ギャンブル
におけるのめり込みの
防止
策がないということが書かれています。 先ほ
ども
委員
からの話にありましたが、例えば仮想通貨であったりFXであったり、あるいは、もっと
自分
の
生活
をちゃんとするためにNISAを利用してくださいとかiDeCoを利用してくださいというふうに、
自分
の将来のために今活用できる仕組みをぜひ利用してくださいということになると、それはネットの入り口が一番早いと思うんですね。ですから、ネット証券な
ども
今、間口が広がっているわけなんです。 ところが、片方で考えると、子供
たち
は日常的に、携帯であれ、手元であれ、ゲームになれ親しんでいます。しかし、そのゲーム感覚がやがてネットの
世界
とつながり、ネットの
世界
から、
現実
ではないけれ
ども
、それを
現実
として捉えてしまう。ということは、やっていることは悪いことではないというふうに思ってしまうと、そこからのめり込んでいく。つまり、その入り口ののめり込み
防止
のための施策がほとんど、たかがゲームだからいいんじゃないのみたいな感覚になっているのではないかなと思うんですね。 この、のめり込み
防止
のための施策がないことに関する
三上参考人
の
意見
を改めてお伺いしたいと思います。
三上理
99
○
三上参考人
依存症
というのは、いろいろな
依存症
があるんだろうと思います。 ここで検討されている
ギャンブル依存症
、先ほどから話に出ております
アルコール
依存症
、私が
経験
しているのでは買物
依存症
というのもあります。今は、それに加えて、スマホでのゲームの
依存症
という問題も出てきているところなんだろうと思います。お金をかける対象であるかどうかにかかわらず、スマホを二十四時間持っていて、そこと子供がにらめっこしている、そこから離れられなくなる
依存症
という問題も出てきているんだろう、
ギャンブル依存
とはまた別の問題として、そういうゲーム
依存
というものもあるんだろうというふうに思っております。 FXとか仮想通貨まで
ギャンブル
と位置づけてここの対象にするかどうかというのはまた難しい問題があるんだろうとは思いますけれ
ども
、やはり
依存症
の問題であるということは指摘しておきたいと思います。
玉城デニー
100
○玉城
委員
三上参考人
に続けてお伺いいたします。 資料の中にもありますが、
ギャンブル依存症
の特徴の
一つ
である否認の病気、認めないという否認の病気、客観的には病態があらわれていても容易に治療等に結びつくことができないということで、
自分
は
依存症
ではないという人に対して、いや、あなたは何がしかの手だてを必要としていますよということを、どのようにしてそういう方々に、いわゆる手を差し伸べる側は救いかもしれないけれ
ども
、差し伸べられる方からすると迷惑、そういう観点、感覚ですね。 では、それを法律として置く場合にどういうふうにして位置づけるべきかというのは非常に難しいと思うんですが、それに対しての御
意見
があれば、お伺いしたいと思います。
三上理
101
○
三上参考人
私
ども
のところに
相談
に来るのは、
多重債務
であったりとか離婚であったりとかの法律問題として
相談
に来るところでありまして、
ギャンブル
に
依存
しているというふうに感じられるところはありますけれ
ども
、私
ども
から
ギャンブル依存
について
病院
に行きなさいというふうに勧めることについては、なかなか難しい問題があるというのが率直なところです。 あなたは病気だから
病院
に行きなさいということについて、なかなか
本人
がその気にならないというのは直面するところでありまして、ただ、私の方で
相談
を受けた件について、離婚であったりとか
多重債務
であったりとか、そういう法律問題を解決することによって自動的に
ギャンブル
の問題も解決されていくことが多いというふうに私は
経験
しているところであります。 それは、
ギャンブル依存症
というのが、
問題ギャンブラー
なのか病的なのかという、その
定義
は何なのかというところにかかってくるものでもあるとは思いますけれ
ども
、私の
経験
上はそういうところがあります。
玉城デニー
102
○玉城
委員
ありがとうございます。 次に、
西村参考人
にお伺いいたします。
西村
先生はお医者様でもいらっしゃいますので、私の地元の
病院
で勤務もしていらっしゃるということで、非常に近しいものを感じますが、沖縄は、戦後、
パチンコ
より早くいわゆるスロットマシンが入りました。今でも恐らく全国で一番台数が多いのではないかというふうに思います。 そういうなれ親しんでいる感覚でいうと、私が小さいころは映画館の隣にそういうスロットマシンの店があり、子供が映画を見に行っている間、お父さんは隣でマシン引っ張る、沖縄の言葉で言うと、マシン引っ張ると言うんですね、あれ。ノブを引っ張るという意味で、マシン引っ張りに行くという言葉が一般的でありました。 しかし、いわゆる今回の
ギャンブル依存症
は、その資料にもありますとおり、いわゆる
依存症レベル
の病的なギャンブラーはプレーヤーの一%から三%
程度
、プレーヤーの五%から一〇%
程度
はプロブレムギャンブラー、
問題ギャンブラー
だというふうに指摘をしていらっしゃいます。自己抑制を行いながらも、
ギャンブル
習慣
により問題を抱えている状況にある人ですね。 これは地元の例を挙げていただいても構わないんですが、お医者様として、こういう方々に対して接するための一番重要な、大切なところというのはどういうところでしょうか。
西村直之
103
○
西村参考人
これは、
一つ
は、
海外
の
対策
で、なぜ
依存症
という
用語
を使わなくなったかに
関係
するんです。
海外
では、スティグマ、いわゆる不名誉、偏見という言葉で、何らかのレッテルを、特に精神
医療
的に、地域の中で、特に、狭いコミュニティーの中で与えられるというのは、救済ではあると同時に、やはりその中で疎外される可能性が、そのつながりから疎外されること。 つまり、そこの中でお友達があるわけです、
パチンコ
ホールでも、あるいはスロット屋さんでも。実際、沖縄の中には、ゴルフ場の横にアメリカ軍の施設があって、スロットマシンが朝から夜中までできる、直接お金がかけられる、いわゆるミニ
カジノ
が存在しています。そこにいらっしゃる方は、若者は一人もいません。全て高齢者の方
たち
です。それは、
パチンコ
屋さんにいる方
たち
とは
かなり
様相が変わります。でも、その方
たち
が抱えている問題というのは、やはりつながりの問題で、そこでしか友達がいない。 そういう地域の中でやっていくときには、やはりその救済のための
窓口
の中で拾い上げるのも大事なんですが、なるべくレッテルを張らずに、どう介入していくかというのが非常に大事になっていくので、私
たち
は、
電話相談
では匿名で全てやっているということをやって事例に介入しているというのは、やはりそういうことも配慮しています。
玉城デニー
104
○玉城
委員
レッテルを張らないこと、そして、顔の見えるコミュニティーだからこそ、接する場合のいろいろな状況を考えてその問題に取り組んでいく、これは非常に、今回の
基本法
をつくる上でも、そういう観点はやはりしっかり織り込んでおくべきだなというふうに今思いました。 もう
一つ
、お医者様としての
参考
意見
をお伺いしたいと思います。 認定NPO法人ビッグイシュー基金の中で、脳科学から見る
ギャンブル依存症
というのがあるんですが、
パチンコ
やスロットなどの機器は、エレクトロニック・
ギャンブリング
・マシン、EGMといいます。このEGMは、人を
ギャンブル
にのめり込ませるために、あらゆる技術改良と工夫が可能、古来からあるさいころゲームや花札、闘鶏などの比ではありません。もう少しで当たる錯覚を生み出すニアミスの細工、大当たりの前ぶれを知らせるリーチ表示だけでなく、画像になじみのアニメや映画を登場させて物語性を付加、これらの脳刺激は派手な映像と音響によって何倍にも増強される、危険ドラッグ同様、数回これらの脳刺激を受けると、もう抜け出せなくなる。 これは、本当に私、時々
パチンコ
店にお手洗いを借りに行くんですが、借りただけではなく、玉を買って座って、少し還元するんですけれ
ども
、私は、あの騒音は苦手ですね。そして、ちかちかするあの視覚効果も非常に苦手です。 ですから、正直言って、
パチンコ
屋さんに入って、そこにのめり込むしかない環境になっているのではないか、つまり、その騒音を全て遮断して、画面だけ食い入るように見詰める、そういうふうな、いわゆる脳科学に作用しているところが非常に大きいのではないかと思うんですが、お医者様の
立場
から、その点をどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
西村直之
105
○
西村参考人
その点は、もっと研究しなきゃいけない
レベル
だと思っています。特に、いろいろな感覚刺激がどのようにのめり込みと
関係
しているかというのは、やはりもっと調べなければならない。 ただ一方で、例えば
海外
の例で見ると、むしろスロットマシンというのは高齢者の問題ののめり込みで、多くのいわゆる病的な
人たち
は、バカラの問題が大きいわけですね。そうすると、バカラは電子化していないわけで、一概に、そこはやはり相性の問題というか、どういう特性でそこに親和するかということと非常に大きく
関係
しております。 そして、騒音の問題で、のめり込まそうというか、今、実はあの騒音を機械で下げるように
パチンコ
ホールもやっていて、そうすると、お客さんが最大まで上げてしまう。むしろ上げているのはお客さん側だったりということがあって、そういうふうな、ただ、そのリスクについては、もう少しやはり明確にしていく必要があると思っています。
玉城デニー
106
○玉城
委員
ありがとうございます。 では、もう時間があと五分になりましたので、
田中参考人
にお伺いしたいと思います。 昨日は、社団法人
ギャンブル依存症
問題を考える会の
田中
代表の声明文も紹介させていただきました。本当にありがとうございます。 この
法案
でも、私はきのう
法案
提出
者に質問もさせていただきましたが、重なる問題を
一つ
一つ
解決していくためには、民間で活動している方々に対する公的な
支援
、バックアップ、そしてそれを省庁として束ねる司令塔の仕組みが私は絶対欠かせないものだというふうに思います。 現在活動していらっしゃって、
現実
的に見る政策の欠落している部分、この
基本法
に求める部分があるとすれば、これをしっかり入れてほしいということをお伺いしたいと思います。
田中紀子
107
○
田中参考人
ありがとうございます。 先生おっしゃるとおり、本当に、私
たち
が
経験
していて、
公営競技
なんかは省庁が全部違うんですね。そこでお話しさせていただきたいというふうに私
たち
が伺っても、ほとんど門前払いをされてしまうというような状況です。 そして、私
たち
は
電話相談
をやっています、
自助グループ
と
連携
していますというふうに言われるんですけれ
ども
、
自助グループ
の
人たち
から話を聞くと、
公営競技
から紹介されてきた人なんというのは一人も見たことがないとか、一体、
連携
しているというのはどういうことを言っているんだろうというようなところがあって、省庁の方に全然私
たち
の声が届かないというところがあるのです。 やはり、私
たち
の
意見
を集約してくれるような、どこか省庁をつくっていただいて、そこに、今、やはりこういう
法案
というのは育てていかないといけないと思いますので、こういう問題が起きてきた、こういう問題が起きてきた、だからこうしてほしいというようなところを受け入れてもらえるような
窓口
というのがあったらありがたいなと思います。 また、それと同時に、やはり
ギャンブル依存症対策
の議連も私
たち
は欲しいというふうにすごく切望しておりますので、
先生方
に御一考していただいたらありがたいなというふうに思っております。
玉城デニー
108
○玉城
委員
きのうの声明文の中でも紹介させていただきましたのは、やはり
ギャンブル依存症
は、
本人
の
多重債務
、貧困、それから失踪、
自殺
といった問題に直結いたします。さらには、児童虐待、DV、窃盗、横領、強盗、殺人といった重大な二次的問題も引き起こすということを考えると、おっしゃるように、責任を持って取り組む、公的な責任、
役割
というのは絶対に必要であろうというふうに思います。 こういう言い方をすると業界の方に失礼かもしれないんですが、たかが
パチンコ
、されど何々という言い方をされるということは、
依存症
問題を考える会のホームページから見ても、あまたあるいろいろな
事件
の症状を見ても、原因がどこかというと大体
パチンコ
が多いんですね。
パチンコ
の借金の金額が百万、二百万とふえてくると、とてもじゃないけれ
ども
普通の給料では返せない。しかも、
家族
の皆さんは、よかれと思って、じゃ、もう借金を立てかえてあげるよというふうになってくると、今度は、それを
本人
が、悪かったと思って反省をして立ち直るかというと、実は立ち直るきっかけになっていなかったりする、助長してしまったりする。そういうふうなことを考えると、逆に、
事業者
に求める責任、
事業者
がそういう問題を惹起させないために取り組むべき問題は少なからずあると思うんですね。 今回のこの
基本法
を策定するに当たり、
事業者
に対して、こういうことは民間では厳しいです、無理です、
事業者
の方々と役所でここはぜひやってもらわないといけないということの、
相談
事案から見える、そういう問題点があれば、ぜひ御指摘をいただきたいと思います。
田中紀子
109
○
田中参考人
ありがとうございます。 やはり、まず今一番の問題は、
事業者
の方々、特に
公営競技
の方々というのは、
ギャンブル依存症
ということを言うと、すごく敵対意識みたいなことをむき出しにされてしまって、もうその話は聞きたくないみたいな感じになってしまうんですが、私
たち
は決して産業側を否定しているわけではないということで、まず業界の方々に
依存症対策
ということの教育をしてほしいというふうに思っております。 そして、その上で、ばんばんレースなんかのCMというのが打たれているんですけれ
ども
、やはり
ギャンブル依存症
は病気で、そして
回復
することができるんだというその啓発、それにはやはり産業側の方々が、あのCMを流す一部を、
ギャンブル依存症
の啓発のCMなどを打っていただけると、多くの国民にこの問題が知れ渡って、ありがたいなというふうに思っております。そういうことをやっていただけたらなと願っております。
玉城デニー
110
○玉城
委員
参考人
の皆様、貴重な御
意見
をありがとうございました。 以上で終わります。 ニフェーデービタン。ありがとうございました。
山際大志郎
111
○
山際委員長
これにて
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 この際、一言御挨拶を申し上げます。
参考人各位
におかれましては、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
参考人
の方々は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。(
拍手
)
—————————————
山際大志郎
112
○
山際委員長
この際、お諮りいたします。 両
案審査
のため、本日、
政府参考人
として
内閣官房内閣審議官
中川
真君、
厚生労働省社会
・
援護局障害保健福祉部長
宮嵜
雅則君の
出席
を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山際大志郎
113
○
山際委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
山際大志郎
114
○
山際委員長
質疑
の申出がありますので、順次これを許します。
岡下
昌平君。
岡下昌平
115
○
岡下
委員
自由民主党の
岡下
昌平でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 時間もございませんので、早速に
質疑
に入らせていただきたいと思います。 昨日の当
委員会
での
ギャンブル
対策
基本法
案の
質疑
を聞いておりましたけれ
ども
、やはり重要な論点の
一つ
としては、経済負担のあり方、これが重要な論点ではないかなというふうに考えます。 野党側という表現にさせていただきますけれ
ども
、その
法案
の中には、第十九条に、患者等及び
家族
の経済的負担を軽減するために必要な措置を講ずるものとする、このような条文が入っております。この条文を入れると、その解釈、拡大解釈がどこまでいくかというのが私は非常に疑問でありますし、範囲が、どこまで必要な措置を講ずるのかということも
議論
の対象になってくると思います。 政府が先日、経済財政諮問
会議
の中で、介護や
医療
などの社会保障給付金が二〇四〇年度には現在の約一・五七倍に当たる約百九十兆円に上る、そのような推計も示したところであります。 厳しい財政の中で、やはりこのような条文は、私はこの
法案
の中には入れるべきではないと考えます。その点をぜひ伺わせていただきたいのと、与党側の
法案
の中にはそういった一文が入っておりませんでした。その考え方をお示しいただけたらと思います。
初鹿明博
116
○
初鹿
議員
御質問ありがとうございます。 まず、根本的な問題として、この
ギャンブル依存症
というものは
疾病
であるという大前提で考えるならば、障害や病気がある方に対して、今の国の制度で、経済的な
支援
を含めて、さまざまな
支援
策が設けられているというふうに考えます。そうであるとするならば、
ギャンブル依存症
の患者に対する何らかの
支援
策というものはあり得るのではないか。これを否定するということになると、やはり
ギャンブル依存症
は
自己責任
なんじゃないかという考えが根本にあるのではないかということを指摘せざるを得ないのではないかというふうに思います。 これは社会保障費全般に言えることでありますけれ
ども
、今このお金をかけることによって、金額が多かったとしても、それが全体的に波及したときに実は社会的な
コスト
を大きく削減することにもつながるんじゃないか、そういう視点を持つことも非常に重要だと思うんですね。 今回のこの
ギャンブル依存症対策
の
法案
、
皆様方
、与党の側の皆さんが出している修正案の目的の中でも、例えば
多重債務
、貧困、虐待、
自殺
、犯罪等の重大な社会問題を生じさせるということを目的の中に明示しておりますよね。 例えば、貧困や虐待が起こったときにどういうことになるかといえば、貧困の
状態
になったら
生活
保護が必要になるかもしれない、虐待になれば子供に対する何らかの
支援
を行うことが必要になってきます。
多重債務
ということになれば同じような問題も出てくるし、犯罪ということになればそれを捜査したり、そして捕まえた後、刑務所で経費もかかってくる。 そういう総合的な
費用
が出てくるということを考えたときに、その社会的な
コスト
を少しでも軽減させていくという観点で考えれば、患者の負担ということをしっかりと行うことによってその負担が軽減できる、そういう観点に立てば国民の皆様への理解も得られるのではないかというふうに私
ども
は考えておりますので、その点をぜひ
皆様方
も検討していただければというふうに思います。
岩屋毅
117
○岩屋
議員
ギャンブル等依存症
で苦しんでおられる方々の
回復
のための努力をサポートすべきことは、当然のことだと思います。私
ども
もまさにそこに着目してこの
法案
を
提出
させていただいているわけですが、しかし、それがためには、
相談
窓口
を充実させたり、そのための専門家の育成もしっかり行ったり、私
ども
の
法案
の十六条にありますように
医療
提供体制を整備したり、あるいは十八条にありますように
家族
を
支援
する
民間団体
の活動に対する
支援
を行うということが大切であって、直接に経済的な
支援
を
依存症
患者やその
家族
を対象にして行うという方法は国民の理解を得られにくいというふうに考えております。
岡下昌平
118
○
岡下
委員
ありがとうございます。ぜひ、
納税者
の方々の御理解をいただけるような
法案
にしていただけたらと思います。 時間も非常に迫ってまいりましたので、二点聞かせていただきます。 まず、
ギャンブル依存症
でお困りの皆様へという、さまざまな
相談
窓口
が記載されたものが
内閣
官房より発出されました。こういった
相談
窓口
を頼って
ギャンブル依存症
の方々が御
相談
に行かれる。 ただ、その
団体
の数が余りに多過ぎて、どこに行ったらいいかわからない、そういうような問題も起きてくると思います。それと同時に、その
相談
に来られた方々に対して、あわよくば、しっかりとしたカウンセリングをするんじゃなくて、また悪の道に誘い込むというような、そういった
団体
が出てきかねない。 したがって、やはりこういったカウンセリング等々
相談
に来られる
窓口
、この厳格化というものを行っていただきたい。そのためには、やはり政府あるいは国から認証を与えるとかそういったことも検討
課題
に入れていただけたら、そのように思いますので、ひとつ、その点をどのようにお考えか、与党側の
皆様方
にお答えいただきたい。
最後
に、昨日の
質疑
において共産党の
議員
の方が、この
法案
は
カジノ
をふやすことを容認するための
法案
であるということを主張されておられました。間違ったことが国民の方々の耳に入れば、大変な混乱を来します。 私は、この
法案
の条文を読んで、そうではない、これは、今現在……
山際大志郎
119
○
山際委員長
質疑
時間が終了しておりますから、まとめてください。
岡下昌平
120
○
岡下
委員
ギャンブル依存症
で苦しんでおられる方々に対する救済
法案
だと思いますので、その点はどうか、
最後
にお聞きして、終わらせていただきます。
山際大志郎
121
○
山際委員長
桝屋
敬悟
君、短くお願いします。
桝屋敬悟
122
○桝屋
議員
まず、
民間団体
に対する認証など、厳格化の御指摘でありますが、本法の第十九条におきましては
民間団体
の活動に対する
支援
について規定しておりますけれ
ども
、この
支援
を行うに当たっては、
ギャンブル等依存症
者である方への
相談
支援
等を行う
民間団体
の活動内容を精査いたしまして、適切な活動を行う
民間団体
に対して
支援
を行うべきである、このように思っております。 きょうの
参考人
質疑
でもいろいろ御
意見
が出ました。
田中参考人
から、
精神保健福祉センター
との
連携
は簡単ではないというような話もあったわけでありまして、
民間団体
への
支援
のあり方につきましては、本日の
参考人
のように改めて先駆的に取り組まれてきた
民間団体
のノウハウもしっかり教えていただきながら、そのために
推進
本部や、さらには
関係者会議
をつくるわけでありますから、しっかりと中身を精査していきたいと思っております。 それから、
カジノ
との
関係
……
山際大志郎
123
○
山際委員長
短くまとめてください。
桝屋敬悟
124
○桝屋
議員
はい。
カジノ
との
関係
は、我が党は、これをスタートしたときは全く別物として取組をさせていただいたと申し上げておきたいと思います。
岡下昌平
125
○
岡下
委員
済みません。以上で終わります。
山際大志郎
126
○
山際委員長
次に、浜地雅一君。
浜地雅一
127
○浜地
委員
公明党の浜地です。 私も、
最後
七分、この
自公維
案、これで
質疑
終局でございますので、聞き残したことを聞き、また、
自分
の思いも含めて総括的に述べたいと思っております。 やはり、競馬や競輪、オートレースを始めとします
公営競技
、また
パチンコ
等の遊技にのめり込んで
生活
に破綻を来し、そしてひいては
多重債務
、貧困、
自殺
、虐待、犯罪行為に及ぶ、こういった
ギャンブル依存症
の問題は以前から社会問題化されていたわけでございますが、ここに来まして、今回、いわゆる
自公維
案、また、立憲民主党さん、また他の野党さんも含めまして、両案を
国会
に
提出
して、本格的に、我々
国会
が主導的にこの方向性をつくろうということに対して、非常に重要な局面に私も立ち会わせていただいているなというふうに思っております。
早期
に成立を図るべきものと思っております。 我々公明党も、平成二十八年の十二月、今からもう一年半前に、党内におきまして
ギャンブル等依存症
対策
検討プロジェクトチームを立ち上げました。
当事者
の
団体
、また専門のお医者さんなど、ヒアリングを複数回重ねまして、その
意見
を自公の、与党でございます、
ギャンブル依存症対策
の法制化に関するワーキングチームの
議論
に反映をさせたわけでございます。 その後、維新の皆さんから
関係者会議
の設置などの提案を受けまして、このたびの
自公維
案が
提出
をされた運びとなっております。 公明党のこのPTの
議論
の中では、我が党が非常に大事にしたポイントがございます。 これまでも我々公明党は、
アルコール
また
薬物
依存症対策
の充実に取り組んでまいりました。そこで、この党のPTでは、
アルコール
や
薬物
依存症対策
との有機的な
連携
が大事であるという
意見
が相次ぎまして、実際に、この
自公維
案の第四条におきまして、
アルコール
や
薬物
依存
対策
と
ギャンブル依存症
との有機的
連携
を果たすような条文を盛り込ませていただいたわけでございます。具体的には、
アルコール
や
薬物
と
ギャンブル
の両
依存症
は、話合いを通じて
本人
の考え方を変えていくという
認知行動療法
を用いる点で共通点があるという
意見
も相次ぎました。 そこで、
自公維
案の
提出
者の特に桝屋
提出
者に聞きたいと思っております。公明党の
ギャンブル等依存症
対策
検討PTの座長でございましたので、
アルコール
また
薬物
と
ギャンブル
との有機的
連携
を具体的にはどのように図るべきというふうにお考えなのか、御答弁いただきたいと思います。
桝屋敬悟
128
○桝屋
議員
ありがとうございます。 今お話がありましたように、我が党では、
カジノ
IR推進法
以来、国民の中のいわゆる
ギャンブル依存症
問題に対する大きな不安あるいは懸念の声がたくさん届けられました。この声に対応するために、今言われたように、二十八年十二月に
ギャンブル等依存症
対策
検討PTを立ち上げて、検討してまいりました。 その結果、二つ感じました。
一つ
は、今御指摘がありました、
依存症
として
アルコール
依存
あるいは
薬物
依存
、既に動き出しているわけであります。
アルコール
依存
は、
中谷先生
が
議員
立法でリードされました。 こうした動きがある中で今回の
ギャンブル依存
ということでありまして、これはいろいろ
議論
してみると、
対策
として共通項が随分あるのではないかということで、有機的な
連携
によりまして、
アルコール
、
薬物
、そして
ギャンブル
、
依存症対策
を一体的に深化させるということがどうしても必要ではないか。 今
委員
から言われた治療もそうでありますし、
医療
提供体制、あるいは実態把握とか研究の
事業
、こうしたものはいずれも共通するものが多うございまして、
自助グループ
の活動への
支援
もまた共通する項目も多いということで、私は、一体的に深化させるということが何よりも大事だというふうに感じた次第でございます。
浜地雅一
129
○浜地
委員
ありがとうございます。 時間がありませんので、
最後
の質問にしたいと思っております。 先ほ
ども
御紹介しましたが、この自公の案に、維新さんの方から
関係者会議
を設置すべきだという提案がありまして、この
自公維
案は修正をいたしました。 そこで、この
関係者会議
を設置する意義、そして、特に立憲、無所属、自由、社民の
皆様方
の
関係者会議
には
関係
事業者
は盛り込まれていないというふうに認識をしております。ここがこの
関係者会議
の最大の違いだと思いますが、改めて、いわゆるこの
関係者会議
の意義と、
関係
事業者
を盛り込ませた意義について、
自公維
案の
法案
提出
者に聞きたいと思います。
佐藤茂樹
130
○
佐藤
(茂)
議員
まず、我々のもともとの案も、
意見
を聞くということは
法案
にあったんですけれ
ども
、しっかりとしたそういう
会議
体という場をしっかりと設けて、それで、
ギャンブル等依存症
の実体験を有する
当事者
及びその
家族
、
関係
事業者
並びに
ギャンブル等依存症
対策
問題に関し専門的知識を有する者の
意見
を
基本計画
や計画に基づく施策に適正に反映させることによって
依存症対策
を真に実効性あるものとするために、こういう
関係者会議
を本部に置くということが大事である、そういう認識に至ったということでございます。 もう一点、二つ目でございますが、
自公維
案の
法案
第三十三条と、そして立憲さんを始め野党四党案の
法案
第三十条の条文を比較いたしますと、
委員
御指摘のとおり、
関係
事業者
が参加するかどうかということが大きな違いでございます。 私
ども
は、
関係
事業者
というのは、
ギャンブル等依存症
の
発症
等に影響を及ぼす
事業
を行うことから、
事業者
としてできること、できないことをしっかりと
意見
として述べてもらうということが
ギャンブル等依存症
対策
を真に実効性あるものとするためには非常に大事である、そういう観点から、
関係者会議
に
関係
事業者
を参加させることが不可欠と考えております。
浜地雅一
131
○浜地
委員
終わります。ありがとうございました。
山際大志郎
132
○
山際委員長
次に、山崎誠君。
山崎誠
133
○山崎
委員
こんにちは。立憲民主党の山崎誠でございます。 きょうは、今議題となっております
ギャンブル等依存症
あるいは
ギャンブル依存症
についての
基本法
案について、短い時間ですが、御質問をしたいと思います。 まず、政府が今取り組んでおります
強化
策、平成二十九年の八月二十九日に基本方針が出、それに対していろいろと
強化
策を今展開しているということでございます。いろいろな取組をしているんですが、今、
現状
はどうなっているのかを幾つかのポイントでお聞きしたいと思います。 時間がないので限っていきたいと思いますが、まず
一つ
は、
医療
・
回復
支援
のための専門
医療機関
あるいは治療拠点、
相談
拠点、こういったものを
モデル
事業
として
政令指定都市
・都道府県に今展開をしている、全国六十七で今展開中ということですが、この進捗状況、あるいは全体の整備が終わるのがどのぐらいのタイミングになるかというのをまず一点。 それからもう一点は、やはりこれは
対策
をするための人材が極めて大事だということを先ほどの
参考人
などのお話を聞いても感じました。
相談
からその後の
回復
、
医療
、全ての部分でいろいろな方々、やはり人材を育てていかなければいけない。保健師さんとか看護師さん、
医療
もそうだと思います。そういった人材の育成に、どのぐらい今取組が進んでいるのか、あるいはどのぐらい時間がかかるのか、そのあたりの見通しをお知らせください。
宮嵜雅則
134
○
宮嵜
政府参考人
お答え申し上げます。
厚生労働省
では、
ギャンブル等依存症
につきまして、地域での必要な
医療
や
支援
等を受けられるよう
医療
体制や
相談
体制の整備に取り組んでおりまして、具体的には、
委員
からもお話がありましたが、都道府県等において、専門
医療機関
や治療拠点
機関
の選定、
相談
専門員を配置した
相談
拠点
機関
の設置を働きかけるなどしているところでございます。 現在、専門
医療機関
につきましては、十の
自治体
で選定済みとされており、年度内に十一の
自治体
で選定予定となっております。また、七つの
自治体
では治療拠点
機関
も選定されています。さらに、
相談
拠点
機関
につきましては、十八
自治体
で設置されております。
厚生労働省
としては、一日でも早い体制の整備が必要であると考えておりますが、整備が進んでいない
自治体
に対してその理由を聞いたところ、専門
医療機関
につきましては、その要件である
依存症
に係る研修を修了した医師の確保などが進んでいないなどの理由が挙げられております。 このことから、昨年度からですが、全国の拠点でございます国立
病院
機構久里浜
医療
センターにおきまして地域で専門的な研修を行うための指導者を養成するとともに、都道府県におきましても地域の
医療機関
を対象とした
依存症
医療
研修を実施しているところでございます。加えて、距離的、時間的に……(山崎
委員
「見通しを教えていただければいいです」と呼ぶ)はい。 そういう状況でございますので、いつというのはなかなか申し上げにくいんですけれ
ども
、厚労省としては、地方
自治体
や
関係
機関
とも協力して、一日でも早く整備できるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
山崎誠
135
○山崎
委員
済みません。時間が短いので、ごめんなさい。 私は、
対策
は非常に大事でありまして、まだまだ始まったばかりで、その効果を検証するまでには至っていない、特に、今お話があった、大事なのはやはり人材の育成です、これはまさに本当に時間をかけて、恐らく五年、十年かけて整備していかなければいけないと思っています。
ギャンブル依存症
あるいは
ギャンブル等依存症
に対しての対応が必要なことはもうよくわかって、この
基本法
は大事だということでございますので、一刻も早くこういった
対策
をスタートさせるべきと思います。 私が問いたいのは、タイミングとしては今これをすぐスタートさせて、実際に今、
日本
は
ギャンブル依存症
が多いと言われているこの状況が緩和をされ、さらに、そういう環境、例えば新たな
ギャンブル
をスタートさせる環境が整うまでには、私は時間がかかると思うんです。なので、例えば
IR
法案
の中に
カジノ
が入って、この整備がこれと同時に進んでいくというのは、私はやはり時期としても拙速ではないかと思っております。 やはり、この
対策
がきちっときき始めてどんどん
ギャンブル依存症
が落ちていく、周知が図られる、そのタイミングをはかった上で
IR
の
カジノ
のお話とかを
議論
するのであれば、私は順番としてはそちらの方が正しいと思います。それは、私の感覚であれば五年先かもしれない、あるいは十年先かもしれない。でも、そのタイミングで、じっくりとまたそういう新しいタイミングを見てやっていくべきと思います。
自公維
案の提案者の皆様、このあたりのタイミングについて、この
基本法
と次の
カジノ
のお話も含めて、お考えをお聞きしたいと思います。
岩屋毅
136
○岩屋
議員
先生がおっしゃるように、
ギャンブル依存症
の問題は、これまであった問題、今そこにある問題ですから、私
ども
はそれに対応するためにこの
法案
を
提出
しているわけです。したがって、
IR
の
議論
とは切り離して
議論
されるべき問題だと思っております。 一方、
IR
整備法は、先生御案内のとおり、一昨年の暮れに成立をした
IR推進法
の第五条において、一年以内を目途に
国会
に法律を
提出
しなさいと政府が命じられているものでございますから、それに沿って出してきている。 しかし、その
IR
整備法の中には
依存症対策
というものが
かなり
しっかりとビルトインされているものと思いますが、その是非についてはぜひ整備法の審議を通じてただしていただければと思いますし、もし予定どおりに進んだとしても、恐らく最初の開業はここから四、五年先になるだろうと思います。その間、
ギャンブル依存症対策
は絶対に必要なものだというふうに私
ども
は考えております。
山崎誠
137
○山崎
委員
時間が来ましたので終わりにしますが、
最後
に一言。我々は、
IR
の
基本法
自体を……
山際大志郎
138
○
山際委員長
時間が過ぎていますから、終わってください。
山崎誠
139
○山崎
委員
廃止ということで提案させていただいているところでございます。またじっくり
議論
させていただきたいと思います。 ありがとうございます。
山際大志郎
140
○
山際委員長
次に、森田俊和君。
森田俊和
141
○森田
委員
国民民主党の森田俊和でございます。
最後
になりますので、二点、それぞれの提案者の方から御答弁いただきたいと思います。
一つ
が、
予防
の点でございます。
ギャンブル依存
の
予防
について、こちらの問題点の認識と、今後、具体的な取組、そして想定される内容、このことについて簡潔に御答弁をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
浦野靖人
142
○
浦野
議員
第十四条において、
ギャンブル等依存症
である者等やその
家族
が十分に
相談
や受診につながっていないという
課題
を解決するために、国民に対し、
ギャンブル等依存症
の
予防
等に必要な注意を払うことができるよう、
ギャンブル等依存症
問題に関する知識を普及することを想定しております。具体的には、現在既に行われているシンポジウムの開催やリーフレットの配布等に加えて、大規模な広告や市民ボランティアが参加するイベントの開催等が想定されています。また、
ギャンブル等依存症
から
回復
した者やその
家族
の実情をわかりやすく示すことも考えられております。 十五条においても、
関係
事業者
が行う
事業
の実施方法について、
ギャンブル等依存症
の
予防
等が図られるものとなるように、各
関係
事業者
による取組の
強化
を促進し、
ギャンブル等依存症
の
予防
等に資する仕組みの導入、拡充、普及等を
推進
する施策を想定しています。具体的な内容については、広告及び宣伝、入場管理のほか、
相談
窓口
の設置、インターネット投票における対応等を想定しております。 本法に基づく
基本計画
の策定に当たっては、本法の趣旨を十分に反映した施策を講じるよう、政府において適切に検討してもらいたいと考えております。
初鹿明博
143
○
初鹿
議員
まず、
現状
の認識についてお話をさせていただきますが、
現状
、国民の間で
ギャンブル依存症
に対する理解や関心の
程度
が高いとは考えておりません。むしろ、先ほ
ども
答弁させていただきましたが、
本人
の意思が弱いからということで
自己責任
のように考えている方も多く、
疾病
だという認識がまだ十分に浸透していないというふうに思います。 また、これはしばしば指摘をされることですけれ
ども
、
ギャンブル依存症
という
疾病
は、
本人
がそれを認めない否認の病ということが言われておりまして、周りが、あなたは
ギャンブル依存症
だという指摘をしても、なかなか
本人
がそれを認めず、
医療機関
などへつながらずに、結果として十分な
支援
に至っていない、そういう問題が存在をしているということを認識しております。 その上で、我々も、第十四条において、国民に対して、
ギャンブル依存症
の
予防
等に必要な注意を払うことができるよう、問題に関する知識の普及ということを想定しております。先ほど答弁があったとおり、我々も、シンポジウムの開催やリーフレットの配布、またさまざまなイベントの開催などを考えているところであります。 また、第十五条において、国や地方公共
団体
に対して、
事業者
に対する関連問題の
発生
の
防止
まで含めた取組がなされるように施策を講ずるとともに、こうした施策を講ずるに当たって、特定原因行為をその客に行わせる
事業
について、
ギャンブル依存症
の患者等による利用が制限されることとなるよう特に配慮することを規定しております。 また、我が党の案としては附則第二項において検討事項を設けておりまして、その中で、
ギャンブル依存症
の
発生
の
防止
に配慮された広告宣伝の方法や、射幸性の抑制、施設への未成年者の
入場制限
や、
本人
、
家族
申告によるアクセス制限の仕組みの導入、またインターネット投票についてのシステムの整備だとか、また券売機のATMのキャッシング機能の廃止だとか、貸金業、銀行業における貸付自粛制度の整備など、そういったことを想定して
対策
を進めるように考えているところでございます。
森田俊和
144
○森田
委員
もう一問でございます。
ギャンブル依存症
、
依存
の御
本人
、御
家族
の
自助グループ
、こちらの重要性あるいは取組について、どのように御認識をされ、取組を想定されていらっしゃるか、御答弁をお願いします。
山際大志郎
145
○
山際委員長
時間が限られておりますので、簡潔に答弁をお願いいたします。
中谷元
146
○
中谷
(元)
議員
団体
としては、リカバリーサポート・ネットワーク、また
ギャンブル依存症
を考える会等がありまして、みずからの体験を語ったり、仲間で支え合ったり、
家族
が交流をするということは非常に大事なところで、
アルコール
依存症
でも大変大きな効果が出ております。
法案
では十九条にこういった
民間団体
との
連携
、機能活用、
支援
ということが書かれていまして、こういったものを利用しまして、更に
民間団体
が活動できる、そのようなことをやっていきたいと考えております。
初鹿明博
147
○
初鹿
議員
民間団体
の
支援
については、両案、それほど大きな違いがないと考えております。 我々も、現在あるGAやギャマノンといったような
自助グループ
に対する
支援
な
ども
含めて、しっかりと
対策
をとっていくことが必要だと思います。 一点違うところといえば、そういう
民間団体
の
支援
を受けるに当たって、我々は第十九条で、その患者又は
家族
についての経済的な
支援
ということも
法案
に盛り込ませていただいているところでございます。
森田俊和
148
○森田
委員
ありがとうございました。 ぜひ、先ほど
参考人
の方からもありましたが、省庁を超えた取組ができるようなことであったり、あとは、教育の、小さいころから、あるいは大人に至ってまでも、いろいろなかかわる方が意識を共有できるような形、こういった取組もこれから実施のときには考えていきたいと思っておりますので、その辺も踏まえていただければと思います。 ありがとうございました。
山際大志郎
149
○
山際委員長
次に、
中川
正春君。
中川正春
150
○
中川
委員
続いて
質疑
をしていきたいと思います。 この
法案
について、前にも出ていたように、
アルコール
対策
の
基本法
をベースにしているということなんですが、
一つ
大きな違いが私はあるように思うんですね。
アルコール
対策
の場合は、障害そのものを対症療法的に社会全体でどう対応していくかということで、これで完結をしているんだと思うんです。 ところが、もう一方で、
ギャンブル
の場合は、
事業者
、施行者がどれだけ射幸性をコントロールできるか。あるいは、
パチンコ
でよく
議論
が出ましたが、余りにも頻繁に日常性の中で
ギャンブル
が行われるということが、
日本
の高い、いわゆる病的な現象というか、そういうものにつながってきているということが指摘される。 そこの部分をどうコントロールするかということが、この
法案
の中に包括的に、さっき
参考人
の話がありましたけれ
ども
、
一つ
一つ
別々に
事業
法でやるんじゃなくて、包括的にコントロールされて、いわば根本対応というか、そういうものができるんじゃないかということでありました。 そういう意味から、この今の法律というのが包括的な対応ができる
一つ
の大きなチャンスなんだと思うんです。新たにそれをつくるというのは非常に政治的にも難しい部分がある、だから、ここでそれをつくっていくということだと思うんです。 実は、我々、立憲、無所属、自由、
社民案
として出ている検討案のところ、これを見ていただくとわかるように、射幸性の抑制だとか、あるいは
入場制限
だとか、投票等の制限、広告のあり方、あるいは
費用
も含めて、そこの部分を実はここへ向いて反映させようとしている趣旨があるんですよ。 そういうことを考えていったときに、何らかの工夫がここはされるべきなんじゃないか、その方向性だけでもコンセンサスをつくって、将来の
課題
としてでもいい、あるいは今この中に組み込むということでもいい、もう一回考えてみませんかというのが私のこれまでの問いかけなんですけれ
ども
、どうですか、与党の方は。
中谷元
151
○
中谷
(元)
議員
アルコール
の
法案
の方も、酒造メーカーや販売者、飲酒提供者、
家族
、患者、学者、こういうのが一体的に機能したわけでありますが、同様に、
ギャンブル
におきましても、
法案
で
事業者
とか国、地方の責務を定めておりますので、
関係者会議
等でしっかり
議論
をすることによって、こういった、広告、宣伝、入場管理その他
事業者
が行う
事業
の実施方法について、法律で、
関係
事業者
の自主的な取組を尊重しつつ、
依存症
の
予防
が図られるものになるようにするために必要な施策を講じるということでございますので、野党案の附則二の中の五まではそれぞれの
事業
について明記をされております。これらは全て、こういった十五条に関連するものでございますので、
関係者会議
等でより具体的に
議論
して計画を立てることが可能だと思います。
費用
の問題等につきましては、先ほど与党の方から説明をいたしましたけれ
ども
、さすがに、国民の理解を得るためにこういった
費用
をお支払いするということについては、まだそこまで段階が来ていないんじゃないかなというふうに思います。
中川正春
152
○
中川
委員
十五条のことを言われましたが、これが、先ほど
中谷
さんの言われるように、担保されるもの、それがもう
一つ
要るんだと思うんですよ。これだけでは恐らく役所の中を流されてしまうし、これは難しい問題で、それぞれ利害得失がある
団体
が話し合って、ここまでのことをということ、そんな作業、いわゆる政治的な作業が要るものでありますから、この言葉だけでそれができるということの保証というのは私は出てこない、これでは読めないというふうに思うんですね。それだけに、ひとつ前向きな考察と、それから話合いというのに乗っていただきたいというふうに思います。 私は、ぜひこんな言葉で表現すべきだと思いますが、
ギャンブル
等の過度な射幸性の抑制、行き過ぎた日常性から遠ざける適度な環境を整えるために、施行者、
事業者
の主体的な対応を求めるとともに、それに加えて、国は、包括的な
対策
を進めるための独立した司令塔としての
機関
の設置を検討すること、さっきの
参考人
の話から受け取ったことなんですが、そんな問題意識をぜひ共有していただきたいというふうに思います。 以上です。
山際大志郎
153
○
山際委員長
次に、塩川鉄也君。
塩川鉄也
154
○塩川
委員
日本
共産党の塩川鉄也です。 私は、きょうは、立憲民主党、無所属の会、自由党、社会民主党
提出
の
ギャンブル依存症対策基本法案
について、
提出
者にお尋ねをいたします。 最初に、
自公維
の案と野党の案、この一番の違いは何なのか、この点についてお尋ねをいたします。
初鹿明博
155
○
初鹿
議員
御質問ありがとうございます。 昨日から何度も答弁させていただいておりますが、やはり大きな違いとして、我々野党案の方は、民間から
支援
を受ける
ギャンブル依存症
の患者等及びその
家族
の経済的な負担を軽減するための施策が盛り込まれているところでございます。この点は、先ほどから御答弁があるように、
自公維
案には盛り込まれていないところであります。 それと、加えて、我々野党案では、附則第二項において検討規定を設けており、そこには、政府が、射幸性の抑制、未成年者等の
入場制限
の方策等の事項について検討し、遅くとも法律の施行後三年以内に必要な措置を講ずるものとしております。 この中でもとりわけ、附則第二項第六号に規定をします、
ギャンブル
関連
事業者
の
ギャンブル依存症対策
に係る
費用
負担の検討が我々は重要であると考えております。ここは昨日から
かなり
議論
になっておりますが、
自公維
案の
提出
者の
皆様方
は否定的であるところですけれ
ども
、我々はこの点が非常に重要であると考えております。 やはり、
ギャンブル
関連
事業者
の方は、
ギャンブル依存症
の
発生
等の原因になり得る
事業
を行っていて、そして収益を得ているわけですから、その収益の中から資金を拠出することは妥当であるというふうに考えております。
塩川鉄也
156
○塩川
委員
今御説明がありました中で、経済的負担の軽減についてお尋ねします。 第十九条に、国及び地方公共
団体
は、民間による
支援
を受ける
ギャンブル依存症
の患者等及びその
家族
の経済的負担を軽減するために必要な施策を講ずるものとありますが、具体的にどのような措置を考えておられるのか、お尋ねします。
初鹿明博
157
○
初鹿
議員
どうもありがとうございます。 まず、
現状
において、
ギャンブル依存症
の患者等や
家族
が
民間団体
等による
支援
を受けるためには、
費用
は基本的には自己負担になっております。そのため、その
費用
が患者等の
生活
を圧迫し、それによって患者等が
支援
を受けることをちゅうちょするおそれが生じています。 そこで、この条項を設けているわけですけれ
ども
、具体的には、
民間団体
への
助成
等により、間接的に患者等の経済的負担を軽減するだけではなくて、患者等やその
家族
への直接的な経済的
支援
を行うことを想定しております。例えば、障害福祉の施策の中に組み込むとか、直接本当に現金を渡すというやり方ではない形の直接的な
支援
ということもあり得るのではないかというふうに考えておりますので、その点は今後の検討だというふうに思います。
塩川鉄也
158
○塩川
委員
続けて、附則の検討項目にあります
ギャンブル
関連
事業者
の広告宣伝のあり方に関して、
現状
認識及び規制のあり方についてお考えをお聞かせください。
初鹿明博
159
○
初鹿
議員
この点は非常に私も重要だというふうに思っております。
アルコール
健康障害
基本法
でも広告規制というのは非常に
議論
になっておりまして、
中谷先生
もいらっしゃいますが、なかなか、
事業者
側からすると、広告に規制をするということには抵抗があるわけであります。 ただ、
現状
を申し上げますと、
パチンコ
事業者
の方々は、例えば新聞に折り込む広告や、駅等でティッシュを配ることがありますよね。そういうティッシュや、最近だと、駅に出ているでっかい看板の中にも、のめり込みには注意しましょうという注意喚起文を添えていることが多くなっているわけです。 ただ、これは業界での自主規制のために、頑張ってそうやって前向きにやっている
事業者
もいれば、そうじゃないところもいるわけであって、やはりここは統一して対応するようなことが必要だというふうに思います。 また、今度の日曜日が
日本
ダービーの開催なわけですね。きのうも、私は東京の
議員
なので電車で帰宅をするんですが、電車のドアの上に今モニターがありますよね。そこで
日本
ダービーの広告が流されるわけです。場合によっては、駅全体がJRAの広告になるときがありますよね。年末の有馬記念のときなんかは、渋谷の駅に行くと、ここは一体どうなったんだみたいなことになるわけです。 むしろ民間の
パチンコ
事業者
がそれだけ意識をしているのに、
公営競技
の方は全く意識もなく、ちゅうちょもなく広告を打ち出しているということは、私は非常に問題が多いのではないかというふうに考えております。 ですので、我々は、検討事項の中に
ギャンブル
関連
事業者
の広告宣伝のあり方というものを掲げておりまして、ポスターやウエブサイトにおいて普及啓発や注意喚起を促進するということと、やはり時間帯や広告の量や場所などについてきちんと規制をしていくことは必要ではないかというふうに考えております。
塩川鉄也
160
○塩川
委員
ありがとうございます。 やはり、
ギャンブル依存症
の
発生
を抑制するためには、
ギャンブル
事業者
の
事業
そのものへの規制
強化
が必要だと考えます。
ギャンブル依存症対策
として必要なことは、
ギャンブル
事業者
に対して、射幸性の抑制や広告の規制、立地規制など、
依存症
の
発生
を
防止
する、
ギャンブル
事業
そのものへの規制
強化
であります。特に、
依存症
の大半を占める
パチンコ
に対する規制
強化
を進めるべきだと考えます。 ましてや、新たに
ギャンブル
を広げることになる
カジノ
解禁は断じて認められないということを申し添えて、質問を終わります。
山際大志郎
161
○
山際委員長
次に、
串田
誠一
君。
串田誠一
162
○
串田
委員
日本
維新の会の
串田
誠一
でございます。 先ほど
参考人
質疑
をさせていただきまして、大変有意義なお話を伺うことができました。
精神科
医の
西村参考人
からは、
定義
が非常に大事だということでありまして、
自公維
の
定義
は、
依存症
だけではなくて、日常的、社会的支障を生じるというような部分でありますので、
西村参考人
の話では、
依存
ということだけでは治療をする必要はないという
精神科
医からのお話がありました。 また、
田中参考人
からは、御自身の体験をもとにした解決の仕方というもののお話がありまして、説得とかそういったようなものが非常に重要であるというような話がありましたので、ぜひそこの部分を進めたいと思った次第でございます。 また、
最後
に
三上参考人
からは、時間と場所というものが非常に
ギャンブル依存
には重要であるという観点で、
パチンコ
などは全国で一万店舗以上あるわけでございます。今回の
IR
法案
は、上限三カ所という非常に限られた数で、なおかつ場所も限られているということから、そういう意味では、MICE市場を
推進
する意味でも、
依存症
に関しての影響というのは極めて少ないのかなという印象を私は受けました。 それでは、質問をさせていただきたいと思うんですけれ
ども
、まず、この法律の施行期日をお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。
中川真
163
○
中川
政府参考人
お答え申し上げます。 自民党、公明党、
日本
維新の会による
法案
の附則第一項におきましては、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとされております。 したがいまして、この
法案
が成立しました暁には、政府といたしましては、公布から三カ月以内に、法第三十二条の
ギャンブル等依存症
対策
推進
関係者会議
の組織構成などを定める政令を作成し、また法の施行日を定める政令とともに閣議決定することになるというふうに想定しております。
串田誠一
164
○
串田
委員
期日がわかったんですけれ
ども
、そうしますと、本部と
関係者会議
のメンバーが今度選任されなければいけないと思うんですが、そういう段取りについてはどのようにお考えでしょうか。
中川真
165
○
中川
政府参考人
お答え申し上げます。 御質問の点は、今後、法律に基づいて
基本計画
を策定するに当たってどういう段取りで進んでいくのかという御趣旨と受けとめますけれ
ども
、法律が施行されました後、
関係者会議
の
委員
を任命することになります。そして、
関係者会議
が組成されましたらば、法律に基づきまして本部が計画を策定していくわけですけれ
ども
、その際には
関係者会議
の
意見
を聞かなければならないという法にのっとって、そして、政府といたしましては、この計画が真に実効性のあるものになるよう適切に検討を進めさせていただきたいというふうに考えております。
串田誠一
166
○
串田
委員
先ほど
参考人
質疑
の中で、
精神科
医の
西村参考人
のお話ですと、治療という部分に
コスト
をかけてもなかなか
費用
対効果が
発生
しないんだ、そういうようなお話もありました。 そういう意味では、
対策
というのは、
田中参考人
の話ですと、
依存症
が
発症
した場合には、大声を出すとか
自殺
のふりをするとか、あるいは包丁を振り回すとか、非常にそういう意味で近々の
課題
ではあるんですけれ
ども
、それに対する
対策
というものは、非常に人員の養成な
ども
含めまして難しいでしょうし、また、これの検証というものをどうやってやるのかというのも非常に大変だと思うんですが、
ギャンブル依存症対策
推進
関係者会議
の
委員
の人選はどのように考えていますでしょうか。
浦野靖人
167
○
浦野
議員
ギャンブル等依存症
対策
推進
関係者会議
の
委員
は、
ギャンブル等依存症
である者等及びその
家族
を代表する者、
関係
事業者
並びに
ギャンブル等依存症
問題に関し専門的知識を有する者のうちから、
ギャンブル等依存症
対策
を真に実効性のあるものとすることの観点から、適切な方が任命されると考えております。
串田誠一
168
○
串田
委員
今回答いただきましたが、三十三条には、
ギャンブル等依存症
問題に関し専門的知識を有するということでございますので、その具体的な者の想定というものをちょっと御説明いただきたいと思います。
浦野靖人
169
○
浦野
議員
この法律において、
ギャンブル等依存症
問題とは、
ギャンブル等依存症
及びこれに関連して生ずる
多重債務
、貧困、虐待、
自殺
、犯罪等の問題とされているところであり、これらの問題の解決に知見を有している
人たち
を広く集めることになると考えております。
串田誠一
170
○
串田
委員
大変わかりやすい回答をいただきました。 ありがとうございました。
山際大志郎
171
○
山際委員長
次に、
玉城デニー
君。
玉城デニー
172
○玉城
委員
自由党の
玉城デニー
です。
ギャンブル依存症
等
対策
基本法
案の
質疑
、七分間ですが、
質疑
をさせていただきたいと思います。
法案
提出
者に伺います。
パチンコ
店への立入りが認められている十八歳以上の年齢制限を軸として、十九歳のサッカーくじの購入制限年齢、二十の競馬、競輪、オートレース、競艇などの
公営競技
投票券の購入制限などが、将来、成人年齢が十八歳に引き下げられることを理由として、全ての公営等
ギャンブル
の制限年齢が
パチンコ
店への立入りが認められている十八歳以上に統一されることが考えられます。 しかし、この制限年齢の引下げについては、
依存症
のリスクや
多重債務
、非行、窃盗、万引きなどの犯罪といった社会問題リスクを高める危険性があると考えられておりまして、臨床研究の
データ
からは、若年層における脳の神経系の成長過程では、意思決定や判断力において脆弱であり、
依存
行動
に溺れやすい傾向があるとも示されています。 さらに、若年層は、先ほど
参考人
にも質問させていただきましたが、刺激的な音響や照明などの効果に引かれやすく、日常の
生活
で興じているゲームの感覚から、安易に
ギャンブル
へ移っていくなどの懸念も多くあるのではと考えております。 いわゆるのめり込みの
防止
な
ども
含めてお伺いしたいんですが、この十八歳以上という、成長過程における若年層の
依存症
予防対策
、のめり込み
防止
などの
対策
も含めて、
基本法
ではどのような位置づけがなされているのか、お伺いしたいと思います。
佐藤茂樹
173
○
佐藤
(茂)
議員
自公維
案では、
法案
第十四条の教育の振興というところにおきまして、家庭、学校、職場、地域、そのほかのさまざまな場における
ギャンブル等依存症
問題に関する教育の重要性を規定しているところでございますが、特にその部分において、若年層への、子供の発達段階に応じて、
ギャンブル等依存症
関連問題の
防止
に関する教育や周知を図ること等を想定しております。 昨日、きょうと、昨日は
参考人
、樋口先生、きょうの
西村参考人
、また
田中参考人
からも、まさに
予防
で一番大事なのは教育である、そういうことも言われておりましたので、私
ども
はそういうことをしっかりとやってまいりたいと思っております。 もう
一つ
は、
法案
第十五条に規定する、
関係
事業者
が行う
事業
の実施方法についてというところでも、私
ども
は、
公営競技
における未成年者に関するアクセス制限や、十八歳未満の者の
パチンコ
営業所への立入禁止の徹底といった施策を想定しているところでございます。
玉城デニー
174
○玉城
委員
提出
されている
法案
の第十五条、国及び地方公共
団体
は、広告及び宣伝、入場の管理その他の
関係
事業者
が行う
事業
の実施の方法について、
関係
事業者
の自主的な取組を尊重しつつ、
ギャンブル等依存症
の
予防
等が図られるものとなるようにするために必要な施策を講ずるものとされております。 この十五条、非常に重要な部分があると思います。なぜなら、国、地方公共
団体
と
事業者
をあわせて、同じように責任を持つということが書かれています。ですから、ここでどのような実施策を
基本法
から導いていくかというのは非常に大事な部分だと思います。 伺います。 さきの教育の十四条、そして
事業
の実施等の十五条ですが、
依存症
の
予防
策の一環として、遊興機器等に関する音響効果、照明効果などが強く、射幸心をあおるなど、のめり込み要素が強過ぎないものであることなどの具体的な制限を設ける、あるいは製造業者及び
事業者
へ、それらののめり込み要素が強過ぎないようなことを挙げて、遵守させる、そういうことがこの基本的な規定、十四条、十五条で、そういうことも含めて置かれているものと解釈できますでしょうか。
中谷元
175
○
中谷
(元)
議員
はい、そのとおりでございます。 十五条で、
事業者
の実施の方法について、必要な施策を講じるものとするということで、国、地方、こういったものが実施するということになっております。 また、どのようにやっていくかということにつきましては、
関係者会議
が設けられていますので、先ほど、
玉城デニー
議員
の実例、のめり込み、非常に難しい問題でありますので、心理学の学会の御
意見
とか、また
事業者
、そして患者、そういったものが相まちまして、
関係者会議
を経て
基本計画
をつくりますので、その際、こういったことについても
議論
して、検討して
対策
ができるということは可能であるというふうに思います。
玉城デニー
176
○玉城
委員
では、
最後
の質問です。 今、
対策
をとることは十分可能であるという答弁をいただきました。では、今回制定されようとするこの
基本法
案以外で、どの法律によって、今ほどお答えいただいた答弁を補完するということがつなげて考えられますでしょうか。あわせてお願いいたします。
岩屋毅
177
○岩屋
議員
例えば、
パチンコ
は、先生、風適法で監督されているわけですが、その二十条に、国家公安
委員会
規則で定める基準に照らして、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものを設置して営業してはならないという規定がありますので、これに基づいて監督されているわけで、最近では、出玉率を三分の二にしたという措置がとられました。 先生御懸念の、音響効果、照明効果などが射幸心とどういう
関係
があるのかということについては、さらなる調査研究の上に、もしその
因果関係
がはっきりしてくればその基準の対象になっていくものというふうに考えております。
玉城デニー
178
○玉城
委員
ありがとうございます。 そのためにも、常に
関係
者間の協議の場で丹念な取組を行っていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。ニフェーデービタン。
山際大志郎
179
○
山際委員長
これにて、両案中、
中谷元
君外七名
提出
、
ギャンブル等依存症対策基本法案
に対する
質疑
は終局いたしました。 次回は、明二十五日金曜日午前八時四十五分
理事
会、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会