○柿沢
委員 にせの
資料を出すことは許されない、こういうことであります。当たり前のことを
確認させていただきましたが。
つまり、私が何を申し上げたいかというと、今回の財務省による組織ぐるみの大規模なこの改ざん
事案が一体どういうふうに罪に問えるのかということがいろいろな話題にされております。
公文書偽造あるいは変造罪、虚偽公文書作成罪、公用文書毀棄罪、こういったことが主に言われておりますけれども、それぞれ構成要件に該当するかといえば、公文書の偽造、変造というのは、残念ながらというか、公文書を作成した部署が手を加えた場合は、これは該当しないということになっている。つまり、他人が書き換えたときに公文書偽造、変造が該当するということになっているわけです。
虚偽公文書作成罪、
政府の
皆さんは、佐川さんも証人喚問でおっしゃっていましたが、改ざん後の文書が別に虚偽の内容を含んでいるわけではないと、私は虚偽の内容を含んでいると思いますけれども、主張されておられるので、
政府の、あるいは佐川さんの御主張をそのまま受け入れるとするならば、これは虚偽公文書というものに該当しないということになる。
そして、公用文書毀棄罪に関してはどうかというと、毀棄というのはもともと、破り捨てたり丸めて捨てちゃったりとか、こういうことを指しますので、別に文書としての効用を失わせたというわけではないので、毀棄というものに当たるかどうかも、ちょっとなかなかはっきり言えない部分があるというふうに法律の
専門家から伺っています。
にせの文書を
国会に対して出すことは、これは許されないというのは、今
官房長官が
お話をされたとおりなわけです。財務省は、それをやったんです、
国会に対して。つまり、国
会議員の
調査並びに審議の国政
調査権を背景とする活動に対して、にせの
資料を提出することによって妨害をしたということになる。つまり、これは偽計業務妨害罪というものが
国会ないし国
会議員に対して成立する可能性があるのではないかというふうに思っています。
私は、この点について、別に捜査機関をお呼びしているわけではありませんけれども、しっかり捜査をしていただきたいというふうに考えているところであります。
それともう一つ、
官房長官にお伺いをいたします。
交渉にかかわる
資料は一年未満の保存期間なので、
事案の終了とともに全て廃棄して残っていない、佐川当時の理財局長は、当時そう答弁しておられるわけです。
平成二十九年二月二十四日の予算
委員会であります。
同じ日の
官房長官の午後の
記者会見で、これについて問われて、
官房長官はこのように答えておられます。
財務省の文書管理規則にのっとって取り扱われたものと
承知している、決裁文書は保存期間三十年で残っているので、大体のことは決裁文書に記載をされていると。ですから、文書管理規則にのっとって廃棄をしたまでで、これは隠蔽には当たらないということを、記者に問われて
官房長官はそういうふうに答えておられます。わざわざ、決裁文書に大体のことは書かれているというふうに、繰り返し、実は強調しておられるんですね。
決裁文書に何が書かれていたかといえば、
皆さん御存じのとおりなわけです。安倍総理夫人が、いい土地ですから前に進めてくださいとか、幼稚園を訪問して感涙を流したとか、学園に価格提示をしていただとか、
地質調査会社は特別に
軟弱地盤とは言えないと言っているとか、こういう不都合な経過がずらずらずらっと書いてある決裁文書を、そっちを見てくださいと、
官房長官はその日に言っておられるわけですね。
しかも、
記者会見の映像を見ると、
官房長官は手元のペーパーに目を落として読んでおられる。用意された回答
資料を読んでおられるわけですね。決裁文書があるんだから、それを見ればわかる、これは、決裁文書に何が書いてあるかあらかじめわかっていなければ書けない応答要領ではないかというふうに思うんです。しかも、財務省出身の秘書官がいらっしゃるわけですから、財務省出身の秘書官がそれを書いておられるというふうに思うんですね。
ここで疑問が湧いてくるんです。決裁文書の改ざんというのは、佐川さんの答弁に合わせて行われたというふうになっているわけです。佐川さんの答弁というのは、まさにこの日、二月の二十四日に行われているわけです。この財務省の秘書官が用意されたとおぼしき
官房長官の
記者会見の回答要領のQアンドAというのが、一体、改ざん前の文書を前提にしているのか、改ざん後の文書を前提にしているのかということに疑問が湧いてくるわけです。
改ざん後の文書、つまり、ずらずらずらっと書いてあるのが全部削除され、書き換えられていた文書がベースになっているとすれば、じゃあ、佐川さんのその日の
国会答弁に合わせて書き換えたというストーリーが、矛盾が生じてしまう。一方で、改ざん前の決裁文書を前提にしてこれを書いたとすれば、決裁前の文書に都合の悪いことが書いてあるのは見ればわかるわけですから、これが残っていて、例えば
情報公開請求とか後から受けたら大変なことになるよと、あたかも
官房長官が、言ってしまえば改ざんを示唆しているかのような、そういうふうに受けとめられるような、そうした物言いになっているわけです。
一体、これはどっちであるのか。そもそも改ざんが、その時点で行われていたのかいなかったのか、こういうことの疑問が湧いてくるわけです。
これは、全体の、佐川さんの証人喚問も含めたこれまでの
説明、あるいは財務省全体の
調査の中間的な
説明ともかなり矛盾を来す可能性のある、こういう中身でありますので、ぜひ
官房長官に御
認識をお伺いしたいと思います。