○泉田
委員 自由民主党、新潟五区選出、泉田裕彦です。
内閣委員会、初めての
質問をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、地方創生の総合的
取組についてお伺いをしたいと思います。
これは、
日本社会の将来について危機感を持っている方が大変大勢おられるということだと思います。行政関係者だけではなく、地方に住んでおられる方は、周りから大勢の人がいなくなる、お祭りができなくなる、そしてまた、自分の子供が後を継いでくれるのだろうかという不安を抱えております。
これは数字でいいますと、合計特殊出生率、最も低い都道府県が東京都。そして、最も人口集中が進んでいくのが、これは首都圏ということになっております。これでは、時代とともに
日本社会全体の将来像が描けないというのが、今の
日本の姿ということだと思います。
これは、どうしてそうなるのかといえば、やはり、条件不利地域、ここにちゃんと住んで、社会
活動を営み、また経済
活動をやっていこうということをバランスさせるための国の
制度、仕組みというのが必ずしも十分に機能していないということではないかなと思います。条件不利地域、特に
日本海側、これは雪が降るのでわかりやすいんですけれ
ども、我がふるさとの新潟も人口減少が続いておりますし、菅長官のふるさとの秋田からも大変大きな人口流出が起きているというような状況になっております。今冬の災害、三十年豪雪ということも念頭に、少し現状を振り返ってみたいと思います。
まず、この場をおかりしまして、この冬の豪雪で亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、そしてまた、
被害に遭われた皆様に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。
政府におかれましては、特別交付税の前倒し交付、そしてまた、さまざまな迅速な対応をしていただきましたことに、地元も代表して、深く感謝と御礼を申し上げたいと思います。
一方で、これだけで済むのかというと、豪雪地帯においては、高齢化が進捗しております、若い働き手がどんどん減っているという中で、除雪をしてくれる、また屋根の雪おろしをしてくれる若い働き手がいない中で事業者も疲弊をするというような状況になっており、対応も限界という状況でありました。
福井県内で、国道八号線、大規模な立ち往生が発生をするということになりましたが、これは全国的に注目を浴びている地域だけではなくて、そのほかの地域、例えば我がふるさと新潟県におきましても、水道管の破裂、これは本管の破裂というのは
一体どうなっているんだという、異常気象ということかもしれませんが、水道管の破裂もございました。大規模な断水の発生で、自衛隊にも出動していただいたということでございます。
また、高校生を含む大勢の乗客が満員電車の状況で一晩を明かす、JRの列車の中で閉じ込めが発生するということも生じました。私も高校時代、列車で通っておりましたけれ
ども、バスで動かなくても列車は動くという体制があったのが、いつの間にか、JRの列車すらとまってしまうというような、対応力が落ちているような状況になっているのではないかなというふうに思います。
また、通常、車で二十分で通勤できるような場所で、これは一晩超えるような立ち往生すら発生しなかったんですが、片道二時間半、一番ひどい日は片道五時間、ほとんど仕事ができないというような大渋滞が発生をするという事態も生じておりました。これは、立ち往生が発生しないと全国ニュースにならないので見逃されてしまうというようなことがあるんですが、地域社会には大変大きな負担になっているということでございます。
一方で、雪国で運行している三セクの鉄道があるんですが、北越急行、これは大雪が降っても列車がとまるということはない。一方で、大企業のJRが運行できないような事態になってしまう、これはなぜなのかというと、やはり株式会社ですから利益をちゃんととらないといけないということになりますと、やはり
政府全体の支援というものをしっかり構築していかないと、小さな中小の鉄道の三セクは運行できるのに、JRの列車はとまってしまうというようなことにもなりかねないのではないかな、政策的な対応が必要ではないかというふうにも感じているところでございます。
採算が悪い地方交通線、これを民間企業にいかに運行してもらうかという観点でも、補助金
制度が必要なのかもしれません、除雪体制を整備するための何らかの
制度が必要なのかもしれません。
豪雪地帯特有、これは民間の、住まわれている方にも大きな負担になっています。我がふるさとでは、融雪屋根というのがあるんです。灯油をたいて屋根を温めて、雪が自動的におりられるようにしている住宅というのがあります。でも、
一体どれぐらい費用がかかるのかというと、一シーズンで三十万から四十万。雪おろしで、これは業者にお願いすると一日で五万から十万かかるというような状況になっております。高齢化が進む社会の中で大変大きな負担になっているので、融雪屋根を持ちながら、屋根に上がって雪おろしをされる方も最近出てきている。結果として、事故が生じるということで、命にかかわるような問題にもなっているというのが現実でございます。
これを防止するためには、やはり何らかの、これは
日本全国どこで住んでもちゃんとした暮らしができるような総合的な施策が必要ではないかなと思います。
また、地方自治体にとっての負担というのも結構大きくて、住宅が一軒あれば、そこはやはり除雪しなければいけない、これは市町村の責務になります。しかし、雪寒道路の基準というのが、やはり、若い人が大勢いて、周りは全部自分たちでやるんだというような状況のときに定められた基準のまま、現在まで変わっていない。結果として、除雪が十分できない中で、地方自治体の財政にも大きな負担をかけているというようなことになっております。
要援護者への支援、産業
被害対策、資金確保、行政の総合力というものをしっかり発揮をした中で、どこで住んでもやはりあしたの未来を実感できる
日本、これをしなければ都会に集中して、結局、人材供給源の地方が疲弊する中で、残念ながら
日本全体が縮小していくということになってしまうのではないかと思います。
私の選挙区の大先輩である
田中角栄元総理、豪雪は災害だということを言われました。都会への人材供給元である地方、この条件不利地域を放置をするということになると、
日本全体の活力が低下し、どこでも住める国づくり、これは理想と現実の乖離が広がっていくんだと思います。
そこで、官房長官にお尋ねしたいと思います。
今般の豪雪の状況からもわかるとおりなんですが、どこでも住める国づくりの実現のためには、地方創生のみならず、経済再生も必要です。さらには、一億総活躍社会、これが実現できる政策を総合的に進める必要があると考えております。
内閣の基本的な
取組についての見解を教えていただければと思います。