運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2018-06-15 第196回国会 衆議院 地方創生に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年六月十五日(金曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 渡辺 博道君    理事 加藤 寛治君 理事 後藤 茂之君    理事 新藤 義孝君 理事 牧島かれん君    理事 山口 俊一君 理事 亀井亜紀子君    理事 下条 みつ君 理事 竹内  譲君       あべ 俊子君    安藤 高夫君       池田 道孝君    石原 宏高君       大西 宏幸君    岡下 昌平君       加藤 鮎子君    金子万寿夫君       神谷  昇君    神田 憲次君       小林 茂樹君    左藤  章君       田中 英之君    平  将明君       谷川 とむ君    中谷 真一君       長坂 康正君    平井 卓也君       八木 哲也君    義家 弘介君       渡辺 孝一君    神谷  裕君       武内 則男君    日吉 雄太君       堀越 啓仁君    松平 浩一君       白石 洋一君    緑川 貴士君       森田 俊和君    渡辺  周君       太田 昌孝君    浜地 雅一君       大串 博志君    宮本 岳志君       谷畑  孝君     …………………………………    国務大臣    (地方創生担当)    (まち・ひと・しごと創生担当)          梶山 弘志君    内閣府副大臣       田中 良生君    内閣大臣政務官     長坂 康正君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 米澤  健君    政府参考人    (内閣地方分権改革推進室次長)         加瀬 徳幸君    政府参考人    (内閣地方分権改革推進室次長)         大村 慎一君    政府参考人    (内閣地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君    政府参考人    (内閣子ども子育て本部審議官)        川又 竹男君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 境   勉君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           椎葉 茂樹君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           成田 裕紀君    政府参考人    (農林水産省大臣官房審議官)           山北 幸泰君    政府参考人    (環境省大臣官房審議官) 近藤 智洋君    衆議院調査局地方創生に関する特別調査室長     近藤 博人君     ————————————— 委員の異動 六月十五日  辞任         補欠選任   大西 宏幸君     神谷  昇君   小林 茂樹君     岡下 昌平君   古川 禎久君     八木 哲也君   渡辺 孝一君     安藤 高夫君   長谷川嘉一君     日吉 雄太君 同日  辞任         補欠選任   安藤 高夫君     渡辺 孝一君   岡下 昌平君     小林 茂樹君   神谷  昇君     大西 宏幸君   八木 哲也君     古川 禎久君   日吉 雄太君     神谷  裕君 同日  辞任         補欠選任   神谷  裕君     長谷川嘉一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案内閣提出第五四号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 渡辺博道

  3. 渡辺博道

    渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 渡辺博道

    渡辺委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。田中英之君。
  5. 田中英之

    田中(英)委員 おはようございます。自由民主党の田中英之でございます。  本日は、地方分権一括法案の第八次、これに関しての質疑という形で、質問の機会をお与えいただきました同僚、先輩の委員先生方、本当にありがとうございました。  限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  地方分権取組について、本当にこれまで約二十五年間、続けていろいろと議論してきていただきながら進めてきたことであろうかと思います。  とりわけ、第八次地方分権一括法案、ここまで至るまで、地方分権推進に関する平成五年の決議というものがありまして、「国民が待望するゆとりと豊かさを実感できる社会をつくり上げていくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政あり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。」とした上で、「地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである。」というふうになっております。  また、地方分権改革有識者会議により、「個性を活かし自立した地方をつくる 地方分権改革の総括と展望」というものにおいて、国民ゆとりと豊かさを実感できる社会実現するというこの考えが引き継がれてきたというふうに思っております。  そして、今回、今は地方分権改革地方創生、この連携重要性が強調され、総合戦略においても、地方分権改革推進は、地域がみずからの発想と創意工夫によって課題解決を図るための基盤となるものであって、地方創生において極めて重要なテーマであると位置づけて、地方分権改革に関する提案募集に関しても、提案最大実現を図っていくというふうに言われております。  そこで、決議から二十五年、これまでの地方分権改革によって、国民ゆとりと豊かさを実感できる社会実現が一体どのような形でどれぐらい現実的なものになってきたのかということ、また、地方創生との連携として、地方分権改革取組をどのように地方創生に生かしていこうというこの考えがどのようになっているかということと、あわせて、この地方創生取組を進めていくことによってどんな社会実現を目指そうとしているのか、このことについてまずお伺いしたいと思います。
  6. 田中良生

    田中大臣 お答えいたします。  まず、地方分権改革の起点となりました地方分権推進に関する決議から二十五年が経過をいたしました。その間、国と地方関係上下主従から対等、協力関係に転換するとともに、三位一体改革ですとか、地方に対する権限移譲あるいは規制緩和など、地方自主性自立性、これを高めるための改革を積み重ねてきたところであります。  平成二十六年からは、提案募集方式に基づきまして、地方の声に対しましてきめ細かく対応することによりまして、地域課題解決し、住民サービス向上を図る具体的な取組、これを推進してきたところであります。  例えば、地方版ハローワークの創設によります自治体就労支援充実ですとか、過疎地域等における救急隊編成基準緩和によりまして、救急車現場到着時間の短縮など、こうしたものを実現してきたところであります。  今後とも、地域からの提案最大実現を図るとともに、地域実情を踏まえた住民サービス向上、そして、結果といたしまして、国民ゆとりと豊かさ、これを実感できる社会実現に資するように地方分権改革を進めてまいりたいと思います。  以上です。
  7. 田中英之

    田中(英)委員 ありがとうございます。  二十五年間、いろいろと本当に取り組んできていただいたものだと思います。  やはり、住民サービス向上という意味では、今御提示いただきました、ハローワークの件でありましたり、また過疎地域救急、こういったもので安心して暮らしていただけるような環境を築くということ、これがある意味では地域住民皆さんにとりましても大切な部分でもあろうかと思いますので、更にこれまでの取組なんかを生かしていただきながら、地域の暮らしやすさというものを築くために、この地方分権というものを活用して進めていかなければならないと思いますので、その点についてもお願い申し上げていきたいと思います。  そして、提案募集方式というものがとられてきたわけでございます。地方分権改革も、国主導から、地域における実情課題に精通している地方発意に根差した息の長い改革スタイルが好まれるとされて、この提案募集方式というものが平成二十六年以降実施されてきたわけであります。  そして、地方分権改革有識者会議やまた提案募集検討専門部会のこの二つの合同会議指摘からも、地方公共団体において、住民サービス向上住民が実感できるような施策推進するため、地域に根差した分権改革の定着、充実を図るために、住民関心を一層高め、改革プロセスへの住民参加を促すため、住民参加型のワークショップなんかも福島県の郡山なんかで行われたと聞いております。  そこで、これまでの四年間、一年に一回でありますので四回実施されてきたわけでありますけれども、地方分権改革提案募集方式をどのように評価されているのか。年一回ということでありますけれども、今後の実施回数なんかも含めてお答えいただきたいと思います。  さらには、ワークショップ取組でありますけれども、住民関心を高め、地方分権改革への住民参画というものをこれからどのように推進されていこうとするのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
  8. 大村慎一

    大村政府参考人 お答え申し上げます。  まず一点目でございますけれども、提案募集方式につきましては、地方発意に基づいて、住民に身近な課題現場の知恵と工夫で一つ一つ具体的に解決するものでありまして、土地利用、防災、子ども子育て支援高齢者障害者支援、雇用等さまざまな分野にわたる提案に対しまして、きめ細かく実現対応してまいりました。  また、提案件数につきましては、住民に最も身近な市区町村からの提案の割合が増加傾向にございまして、平成二十九年には初めて都道府県からの提案件数を上回ったところでございます。  一方、提案募集検討に一定の期間を要しますので、募集は年に一回とさせていただいておりますけれども、地方からの相談は年間を通じて受け付けておりますほか、随時全国説明会やセミナーを行いまして、地方の声をできる限り丁寧に伺っているところでございます。  提案募集方式につきましては、地方側からも評価をされておりますので、今後も継続させていただきたいと考えておりまして、これまでの成果課題を踏まえて、地方意見にも耳を傾けながら、地方分権改革のより一層の前進に向けて充実を図ってまいりたいと考えております。  また、二点目のワークショップ等のことでございますけれども、提案募集方式、今申しましたように、住民に身近な地域課題提案を通じて解決できるということが特徴であると考えております。  このため、各自治体提案検討に当たりましては、地域住民参画していただく場を設けまして、地域の声を踏まえた提案が行われることによりまして、住民自治充実にもつながる可能性があると考えておりまして、意欲ある自治体連携した取組を進めているところでございます。  今委員から御指摘いただきました郡山市における住民参加型のワークショップ、こちらにつきましては、郡山市の主催、内閣府の協力によりまして、平成二十九年に二度開催をいたしております。市内の町内会関係者の方、民生委員皆様企業関係者、また学生等皆様に御参加をいただきまして、郡山市の市役所の職員と市の行政課題について議論することで住民地方分権改革に関する理解を深めていただき、また、こうした議論を踏まえながら市の方でも提案検討をしていただいたというところでございます。  今後、こうした住民参加型のワークショップですとか、地方創生関心のある大学との連携等を通じまして、地方分権改革に対する住民参画がほかの団体にも広がるように促していきたいと考えております。  また、地方分権改革成果住民皆様に実感をされるように、提案募集方式に関する成果事例集の普及、地方分権改革シンポジウム開催ですとか、ホームページを活用した丁寧な情報発信に努めてまいりたいと考えております。  以上です。
  9. 田中英之

    田中(英)委員 ありがとうございます。  この提案募集方式、次に聞くところでも少し触れますけれども、特に二十九年の募集ではふえたというふうにも聞いております。そういった意味では、地方自治体なんかも、やはりいろいろと手続をするようなときにでも、ひょっとしたらこれをこちらに任せてもらった方がもっともっとスムーズにいくということは、恐らく仕事をしていかれる方々はよくわかるんだと思います。ですから、そういった声が上がってきたときには、いろいろと協議をしながら、失敗があってはいけませんので、できる限りの推進というものを決議のもとに進めていただきたいなとも思います。  また、ワークショップなんかも、確かに、役所の方々団体方々でいろいろな手続事というのでどうしてもハードルが高くなってしまうようなことがあるんだと思います。ですから、なかなか住民皆さんに、実はこういうルールを変えてもらったらという、直接的にはないのかもわかりませんけれども、地方分権というものを進めながら、住民皆さん自分たちの町のことにちょっとずつでも参加していくという意味では、このワークショップ方式というものは大切かなというふうに思っておりますので、また、そういう事例集なんかにも載せていただく中で、いろいろな地域でそういった取組をも推進していっていただければなというふうに思っておりますので、お願いしたいと思います。  今、地方からの提案がふえてきたということでございます。二十九年は前年よりも多い三百十一件提案があったというふうに伺っております。自治体においては、地方分権改革に対する温度差、また自治体の大なり小なりというのもあって、なかなか単独では取り組んでいくのは難しいところもあるとも伺っています。しかし、そういった市町村からの提案を一層掘り起こしていく必要性があるともこれは言われております。  そこで、過去を見ると、町村とか小さい団体、こういったところからの提案がなかなか少ないということから、募集要項にも共同提案ということが受け付けられることになっているというふうに聞いております。この共同提案に関してどのように評価をされているか、お伺いしたいと思います。
  10. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えをいたします。  共同提案でございますけれども、平成二十九年の提案におきましては、例えば、全国知事会全国市長会全国町村会地方団体による共同提案、また、九州地方知事会九州山口県内の全市町村による共同提案ですとか、また山梨県の南部地域町村による共同提案、こういった形でさまざまな広がりを持った提案が見られたところでございます。  御指摘共同提案につきましては、より多くの地域のさまざまな支障を共有し、また、力を合わせて課題解決を目指す観点から大変に意義のある取組だと考えておりまして、解決に向けた動きがより強化されますとともに、特に町村など小規模な団体を始めとして、市町村全体への裾野のさらなる拡大にも資するというふうに考えております。  今後とも、こうした共同提案に向けた地方公共団体における取組支援をしてまいりたいと考えております。
  11. 田中英之

    田中(英)委員 ありがとうございます。  小さくなればなるほど手続上の問題なんかでやはり時間がかかったり手間がかかるということもあるのかもわかりませんが、そういったところこそ少し見ていただきたいなという思いがありますので、共同で出されるなんというところに関してはこれからひょっとしたらふえてくるかもわからないと思いますので、その辺の取組も更に充実させていただければというふうに思います。  それでは、この法案の中で少し変わるところ、そのことについてもお伺いしていきたいと思います。  災害対策基本法の一部改正について触れたいと思います。  阪神・淡路大震災東日本大震災災害に対するさまざまな考え方が、この間の災害で多くのことを学んできたというふうに思います。  二十八年四月に発災しました熊本地震、これにおいては、九州知事会皆さんが、被災市町村ごとに、一県と区域内の市町村が一体となって支援する対口支援方式カウンターパート方式ですね、この形をとってこられたというふうに聞きました。支援する県が責任を持つことによって有効な支援活動が行われてきましたけれども、対応職員派遣根拠とか、また費用負担指揮監督権あり方、こういったところに法制上で課題が出たというふうに伺っております。  災害が発生したとき、現場自治体職員も被災するということでありますが、一方で、やはり仕事として、避難所の運営、家屋の被害調査罹災証明の発行といった業務がやはり多くなってくるんだと思います。行政職員の数が不足した事態が起こるわけでありますので、そういった意味では、他の都市との連携というものが重要視されてくるというふうに思います。また、県をまたいであった災害なんかはなおさらなんだというふうに思います。  そこで、今回の法改正によって課題が解消されることになるんだというふうに思っております。被災都道府県から応援の求めを受けた都道府県が、その区域内の市町村に対し、被災市町村への応援を求めることができることを明確化するということであります。その災害対策基本法改正というものを、地方分権観点からどのような意義があるかということを、少し大きな話ですけれども、お伺いしたいと思います。
  12. 加瀬徳幸

    加瀬政府参考人 お答え申し上げます。  今回の災害対策基本法改正は、被災都道府県応援要請を受けました都道府県が、区域内の市町村とともに被災市町村応援する場合の法的根拠災害対策基本法に位置づけるものでございます。  本改正につきましては、委員からの御指摘のとおり、平成二十八年の熊本地震におきまして、都道府県市町村が一体的な応援を行うに当たりまして、市町村によっては、一体的な支援災害対策基本法根拠がないために、派遣職員が誰の指揮監督に属するかなどについて不明確であるということから、職員派遣を逡巡するなどの事実があったことなどを踏まえまして、九州地方知事会等から出された提案対応するものでございます。  この改正によりまして、地方公共団体間の自主的、主体的な広域応援体制を強化しますとともに、被災地支援が更に迅速かつ効果的、継続的に行われることが期待されるということでございます。
  13. 田中英之

    田中(英)委員 恐らく、災害が起こったときなんというものは、指揮監督部分とかがなかなかスムーズにいかないということであると、やはり余計混乱を起こすことになろうかと思います。  今回、九州知事会皆さんからまとめられた経験上のことを、やはり、あって困るのが災害でありますけれども、そういったときにしっかり機能するようにしていただくためにも、今回の法律改正というものは重要であるというふうに思っておりますので、大変このことについては評価をさせていただくことができるんだというふうに思っております。  次に、またちょっと別の法改正部分について触れたいと思います。  認定こども園の一部改正でございます。時間が少しなくなってきましたので、はしょって申し上げますけれども、こども園ができて、そして、このこども園というのは四類型ありますけれども、お父さん、お母さんが働いているとか働いていないにかかわらず入れるものであるというふうになったのが今回の認定こども園の制度であろうかと思います。  今回は、幼保連携認可というものを、都道府県政令市中核市、これはそれぞれが持っていますけれども、それ以外のところに関しては、都道府県認定権限を持って、中核市なんかがないということで、今回、この法改正ということに至ったというふうに思っています。  そこででありますけれども、幼保連携型の認定こども園と、それ以外の認定こども園で、認定認可権限が、これまで都道府県中核市、ここが分かれてきた理由というものをまずお聞きしたいのと、そして、政令市、これ、実は昨年変わったということでありますので、なぜここを分けられたかということ。  もう一つ、今回は面積基準のことがあったと思うんですが、面積基準緩和と言われると少しやはり心配されるのが、子供たちを育んでいくその期間の中での質とか、そういったことが問われるわけでありますけれども、このことについていかがか、お答えいただきたいと思います。
  14. 大村慎一

    大村政府参考人 三点お伺いいただきました。お答えをいたします。  まず一点目でございますけれども、認定権限都道府県中核市と分かれていた、そういった理由でございますが、最初、平成十八年の認定こども園制定当初は、認定こども園認定都道府県が一律に行うとされていたところでございます。  その後、平成二十四年に、保育所四つ類型認定こども園総合こども園ということで統一をいたしますとともに、その認可都道府県に加えて指定都市中核市も行うこととする総合こども園法案国会に提出されたということでございます。  しかし、当時の国会の御審議を経まして議員立法による法改正が行われ、一旦、総合こども園に統一する案であった四つ類型のうち、幼保連携型の認定こども園認可につきましては、都道府県に加え、指定都市中核市も行うこととなったんですけれども、それ以外の三つの類型認定こども園認定については従来どおりとされまして、都道府県のみが認定を行う仕組みが残ったというふうに承知をいたしております。  また、二点目の、政令市と一緒に認定権限移譲しなかった理由でございますけれども、これは、昨年の提案募集に際しまして、両方、指定都市中核市権限移譲の御提案をいただいたんですけれども、まず指定都市間で意見が調ったので、昨年は指定都市移譲対応がありました。  また、その後、平成二十九年におきましては、前年を上回る数の中核市から、中核市への権限移譲を求める提案が出されまして、検討を進めた結果、今般の改正に至ったということでございます。そして……
  15. 渡辺博道

    渡辺委員長 質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
  16. 大村慎一

    大村政府参考人 はい、済みません。  三点目でございますが、保育の教育や質の維持、これにつきましては、今回、権限移譲でございますので、あくまで保育の質への影響自体には、認定権限移譲だけなので問題はないと思っておりますが、また、昨年も指定都市に対しましてやりましたように、丁寧に、技術的助言を含めて中核市に対して対応していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  17. 田中英之

    田中(英)委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  18. 渡辺博道

    渡辺委員長 次に、武内則男君。
  19. 武内則男

    武内委員 立憲民主党・市民クラブの武内則男です。  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案について御質問をさせていただきたいと思いますが、冒頭、二十五年、地方自治体で勤務してまいりました。地方政治にかかわり、そして国政にかかわって七年がたとうとしています。やはり、この四十二年間を見てきて、今ある政治の状況、あるいは行政の状況について、あるべき姿について、大臣のお考えを少しお伺いをしたいというふうに思います。  いずれにしても、分権一括法というのは、国と地方関係のみならず、国家行政サービスあるいは地方行政サービスをどう住民側に提供していくのか、それから、住民の立場に立ってやっていくのかということが最も求められていることだというふうに思いますので、基本的なところで冒頭質問させていただきます。  森友問題です。  これは今回、私、国政の場に上がってきたのは昨年の十月ですから、地方でずっと見させていただきました。一年四カ月が過ぎようとしています。この森友問題が今調査によって明らかになってきたもの、それは、いわゆるそんたくがあったかないかは別にして、こういう状況、いわゆる一人の自殺者を出してしまったという事実が生まれてきています。  国家行政は、確かに議院内閣制で、総理大臣を含め、各省のトップは政治家が務めます。地方は、二元代表制のもとで、各省に属する各部の部長は行政マンが務める。そうした行政機構の中で、こうした事態が森友をめぐって生まれてきた。これは大臣が聞いていなかった、知らなかったということで済まされるものではありません。  こうした事態を受けたときには、事実関係をしっかりと明確にしながら、そして調査をしながら、地方であれば、懲罰委員会にその事実を報告し、どう処分をするかも懲罰委員会で決定がされ、処分がされ、その処分の内容をもって、知る知らないにかかわらず、その部のトップであり、あるいは市長とか知事はその責任を明確にしなければならない。でないと、継続した行政というのは保つことができません。  そうした行政に携わってきた一人として、今ある問題について、なぜ財務省のトップは全く責任をとらない、そして総理も何もこのことについて責任を明確にしない、そうした今あるいわゆる国家行政が本当にこのままでいいのかどうか、私は、きちっと責任をとって、そして行政を前へ進めて、継続性を持って、そして国民の信頼を得るべく動いていくべきだというふうに思っていますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  20. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 一連の公文書をめぐる決裁後の書換え、改ざんにつきましては、公文書への信頼、そして行政全体への信頼を損なうということで、大変大きな形で受けとめておりますし、反省もしております。  私の立場で申し上げますと、公文書の担当、国家戦略特区、また地方創生に関する担当ということでありますが、真相をしっかりと究明した上で、そして再発防止のための対応をしっかりとやっていくということだと思っております。  先般、財務省のヒアリングを、第三者の外部の有識者が入る公文書管理委員会でヒアリングも行いました。そして、防衛省についても行ったところでありますけれども、それらについて、どうすれば再発の防止ができるかというところまで突き詰めて、しっかりやってまいりたいと思っております。  なお、総理大臣、財務大臣に関しましては、私からのコメントは控えさせていただきたいと思います。
  21. 武内則男

    武内委員 それでは、加計についてお伺いします。  せんだって岡山理科大へ訪問させていただきました。実は、四十二年前、私、工業高校でしたので、岡山理科大の工学部へ推薦で行く、岡山理科大は下見に行った学校でして、まさか四十二年たって、こういう問題が起こって訪問をするとは思ってもいなかったんです。  岡山理科大のアポをとった上で、当日、正式な手続も踏んで、そして当事者はいないということをもって、岡山理科大の事務局長に丁寧に御対応いただきました。若干、二十分程度でしたけれども、やりとりもさせていただきましたし、当然、学校の中に入るとかということではなくて、校門の前でもなくて、離れたところで事務局長と歓談をさせていただきました。  今回の加計学園をめぐっては、プロセスにおける理屈は言いません。しかし、参議院の予算委員会の国政調査権に基づいて、事実について出せというふうに言われ提出をしてきた愛媛県の文書も読ませていただきました。  実は、自治体にいたときの経験から、自治体の課長や課長補佐が、僕も類似した事業をやってきたんですが、幾ら自分たちが何とかしたいと思っても、総理秘書官と官邸で会ってレクやお知恵をかりるなんということは見たこともなければ経験したこともありません。なぜ、そういう一自治体の課長や課長補佐が官邸にまで行ってレクを受け、こうしたらいいですよという知恵もいただいてやってきたのか。これは、全ての事実がこれから明らかになっていくんだろうというふうに思います。  しかし、こうした状況の中で、あの文書を見れば、本当に自治体の行政マンとしてきちっとした文書の整理がされています。読めば、なるほどなというのがよくわかります。こういう事業が、愛媛や今治が一生懸命やりたいと思っていた事業が前へ進むとなれば、逆に、自治体職員は一言一句必死になってメモをとって、そして、帰ったらちゃんと上司に報告をし、こういう流れになっていきます、こういう状況が今後生まれ、我々としてはこういうことをもって事業の申請をしたいと思いますということを報告を上げるんです。その過程において愛媛県が出してきた文書はきちっとしたものだというふうに私は評価しています。  そうしたものが出されて、世に明らかになる、国会での議論がある。突如として、加計学園が、あの二〇一五年二月二十五日における総理と加計理事長の面談という部分だけを切り取って、これはうそでした、自分がうその情報を愛媛県側、今治側に提供してしまいました、一枚のファクスでメディアに送られました。そのことに対して、しっかりと事実を確認をしたいということでお伺いをしたんです。  前段申し上げたように、自治体職員は必死になってそれはやりますので、ここにうそ偽りがないというのは、私もそのとおりだというふうに思います。その一部を切り取ってやられる。全部の自治体職員とは言いませんが、もし私がその当事者であれば、何だ、俺らは加計学園のうそによって自分たちがだまされてこの事業の申請をやってしまったのか、そこが出発点になってしまったのか。ここは行政マンとして、コンプライアンスやあるいは法令遵守を始めとした公務員としての倫理に基づいて仕事をしている多くの地方公務員にとって、こんなばかにされた話はありません。本当にそれが事実なのかどうか、加計学園側にはきちっと説明をする責任があると思います。  そして、こういう問題の発端をつくり上げてきた、そもそもの今の政府、内閣の責任は重大だと思っています。そのことにきちっと総理始め関係する閣僚については、そのみずからに科す処分も含めて、しっかりと出処進退を含めて明らかにする、けじめをつけるということが必要になってこようかと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
  22. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 まず、加計学園の事務局長の言葉につきましては、我々はちょっと検証のしようがないということでありまして、これは当事者間での信頼に基づくものということでありまして、愛媛県、今治市、そして加計学園との間でしっかり話し合ってほしい、信頼の回復を図るのであれば図っていただきたいと思っております。  ただ、その前提となる加計学園の理事長と総理の友人関係というのは、総理も今まで何度も答弁で申し上げてきたかと思いますけれども、その当時には会っていないということと、こういったことについては一切やりとりしていないということに尽きると思っております。  そういった中で、この愛媛県の獣医学部の申請が愛媛県と今治市の提案ということで出てまいりました。これはまだテーマを取り上げるかどうかというところの提案でありまして、それ以前に新潟が提案をし、また、それ以降は京都府が提案をしているということでもあります。  ですから、このことが全てにつながるということではないと思っておりますし、テーマを選んで議論をしていって、その後に結論が出てきたということでありますから、これらについては、このプロセスを検証していくということで丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。
  23. 武内則男

    武内委員 行政のあり方として、今の現状のままでいくと、かいつまんで総論的に言うと、会計検査院から森友については指摘される、前にもおっしゃったと思いますが、こういうときに地方なんというのは、もし補助金の返上なんということになれば全員処分ですよ、全員が、担当者を含めて。しかし、今回、議論のプロセスの中において、それは申しわけなかった、今後気をつけます、今後起こらないようにこういうことをしていきます、それで済むなら会計検査院は要りません。  もう多くの地方自治体で、多分、今の国会における、国家行政をめぐってうごめいている、起こっている事実を見たときに、では、地方にとって、あるいは国民にとって、何だ、何でもありかというような社会をつくり上げていく危険性を大きくはらんでいると思います。  こうした危険性をちゃんと取り除いて、政治や行政が信頼をちゃんと取り戻して、そして、我々が出す法律やいろいろなものについては、発布するものについては、きちっと議論を経て、国民皆さんのサービスの向上につなげていくんだという当たり前の行政に、政治にやはり戻していく責任は今の内閣にあります。  そのことを申し上げて、八次における分権一括法について質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、地方分権改革あり方についてですが、住民自治を基礎として、地域が主体的に政策を判断することができることが大変重要だというふうに思っています。  ですから、できるだけ国は地方に介入せず、地方が主体的に利用できる税財源の拡充であったり、そのことを通して地方の自由度を高めていくということが非常に重要だというふうに思っておりますが、分権改革に関する大臣の基本的なお考え方についてお伺いいたします。
  24. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 委員のおっしゃるとおりであると思っております。  分権改革は、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであります。地方公共団体の行政にとって極めて重要なテーマであり、平成五年の衆参の決議から始まったものでありまして、そして平成七年に地方分権推進法が成立をした。そして、一次から四次まででしっかりと国から地方へという基盤固めをした上で、第五次からこういう形で、市町村提案募集型という形になっているわけであります。  今委員おっしゃるように、財源もしっかり伴っていけば、この一つで伴っていけばいいんですけれども、今なお総務省も含めて、あと税の決め方に関しても別な形で行っておりますので、それらに並行するような形で議論はしてきているのは事実でありますけれども、分権と財源が一緒にしっかり移譲する形が私も望ましいと思っております。
  25. 武内則男

    武内委員 ありがとうございます。  そこは、大臣言われたように、そういう移譲がセットでいくということは非常に大事なことですし、同時に、自治体にも実は責任が求められます。主体的に自分たちが判断をし、住民の税金を使って、国から来たその財源をもとにして主体的に判断をするということは、その責任は自治体に問われます、失敗も含めて。  ですから、より緊張感を持って、地方分権改革の延長線上における住民サービス向上、福祉の向上にきちっとそれが寄与しているかというのは、この評価はその自治体に住む住民皆さんがされるわけですから、そこに大きな責任を負うということも地方自治体の方も十分わかった上で、一九九三年、ちょうど私、分権一括法ができて、やったときに、議案を書いて、高く評価をした一人でして、上下主従から対等の関係に、できれば通達だとかいろいろなことをのけてくれて、もっと自由度を高めてほしいなというふうに思ったのがちょうど二十年前でした。  それから、やはりこれが具体的に八次まで来たという状況で、今大臣の基本的考え方に基づいてそれが具体化をしていくように、ぜひ役所一体となって進めていっていただきたいなというふうに思います。  ちょっと中身の具体的なところに入りたいというふうに思います。  平成二十六年の四月に、提案募集型やあるいは手挙げ方式が導入をされました。ただ、その四年間を見てみると、市区町村は、若干二十九年はふえているんですが、市区町村数千七百十八から比べれば、まだ、この百三十というのは、本当に評価できるのかというのは若干私も思いがあります。  少ないのではないかというのが私の思いなんですが、この提案方式について、地方公共団体からも一定の評価はいただいておるかと思いますが、大臣として、この四年間、手挙げ方式あるいは提案型というものに取り組んでこられたその実績から、どう評価されているか、お聞きしたいと思います。
  26. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 今委員からお話ありましたけれども、この四年間の取組につきましては、地方団体知事会、市長会、町村会からは一定の評価を得ているところであります。  ただ、やはりおっしゃるように、市区町村からの提案が少ないということもございます。これは、制度の周知も含めて、もう一度しっかり足元を見詰め直して周知を図っていくことが必要だと思いますし、先ほど委員からありましたように、法律だけではなくて、政令、通達又は運用も含めてどういう形にしていくかという相談も受けております。そして、丁寧にこれらについても答えるようにしますし、それについて変化があった場合には、関係箇所はもちろんのこと、ほかの市町村自治体にも、丁寧にその運用につきましても、今、周知のための場を持ったり、また、事例集をつくって皆さんにわかっていただくための努力をしているところでありますけれども、しっかりとまた市町村全体に周知を図った上で手を挙げていただきたい。  そして、目の前の行政ができるだけ自分たちで決められるように、時間がかからずに市町村民、住民の方にスムーズにそういったサービスができるようにという趣旨のもとに、これらの制度を進めてまいりたいと考えております。
  27. 武内則男

    武内委員 ありがとうございます。  二十六年四月にできて、分権改革に関する募集が実施をされ、提案型やいろいろなものができてまいりました。  地方からの提案募集については、二十六年度が九百五十三件、二十七が三百三十四件、二十八年度が三百三件で、二十九年度が三百十一という状況だというふうに理解をしています。  市区町村からの提案も、二十七年度百二件が、二十八が百五十四、二十九が百九十八というふうにふえてはきていると思いますが、そうはいっても、なかなか厳しい現状が実は手挙げ方式の中でもあるんじゃないかなというふうに思っています。  というのは、内閣府の地方分権改革推進室が実態調査を公表しておりますが、今後の地方分権課題について、都道府県では地方税財源、市町村では地方分権に伴う事務増加に対応するための体制整備を挙げる自治体が多かったと承知をしています。  裏を返せば、基礎自治体としての市町村は、一方で事務や権限移譲をされていく、それはもう事務量は当然ふえてまいります。その一方で、この間ずっと、二〇〇四年の地財ショック以降は、人員の削減だとかを含めて非常に厳しい状況が地方を直撃をして、そして交付税は削られ、いろいろな努力をしながら何とか継続をしてきて、しかし、人員の抑制というものがどんどんやはり、国の指導があるかどうかは別にして、行われてきたということで、実は現場は相当きつい状況にあります。  ですから、通常であれば正規職員対応すべきところを、非常勤、臨時職員なんかを含めて、多くのそうした人たちに行政の中でフォローをしてもらわないと、とてもじゃないけれども行政が回らないということで、臨時、非常勤を含めて数が相当ふえてきていて、やはり、事務量はふえる、人員は削減をされるということで、とてもじゃないが国に提案をしていく状況ではないというのが実態だというふうに、地元に帰っても、自治体関係者に聞いても、やはり基礎自治体では相当厳しいというふうにお伺いをしています。  ですから、この間、四年間の実績に基づく評価の方でも、大臣の方からもお話がありました、しっかり進めていく上で、この提案方式というのは、いわゆる量の分権、事務あるいは権限としたものが、量の分権として捉えたときに、今後やはりそうした市区町村を始めとした小さなところが本当にこうしてやりたい、自分たちのところはこういうふうにしたいというふうに手を挙げようとしたときに、挙げられる環境をちゃんとつくってあげることのできる質の分権改革にやはり変えていかなければ、なかなか、これが今後、手挙げ方式とはいえ、伸びていく状況にはないのではないかなというのが、地方を回っていた実感です。  そうした、今後の市町村のことを考えれば、地方への人的あるいは財政的支援をするという質の分権改革をぜひ進めていかなければならないし、そこが一番最も今求められているのではないかなというふうに思っていますが、今後何らかの対策を講じる予定があるのか、御見解をお伺いいたします。
  28. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 委員おっしゃるように、個性を生かした自立した地方をつくるためには、人件費に充てる財源も含めた、国と地方の役割分担を踏まえた適切な税財源の配分を通じて、地方の税財源を充実確保をすることが必要不可欠であると思っております。  私どもも単独で地方団体のお話を聞く場合もありますし、それぞれの個々の市町村のお話を聞く場合もあります。政府全体として、六団体との懇談会を頻繁に開いております。そういった中でも必ず出てくるのが税財源の話であります。  税に関しましては、偏在もある、そして人口が少ないところほど課題がたくさんあるんですね。税で行わなければならないことがたくさんあるということも含めて、税全体の体系であるとか再配分のあり方であるとか、そういったことをしっかり地方分権とあわせて、並行して議論していく必要があると思いますし、誰もがその認識を、我々も持っておりますので、決めるところは、場所は違っても、できる限りそういったものとあわせた議論をし、実現を図ってまいりたいと思っているところであります。
  29. 武内則男

    武内委員 ありがとうございました。  本当に、そこが具体的に進んでいけば、確かに地方創生本部だけで物事は当然できるものではありません。それは各省、特に総務省を始めいろいろなところとの連携をしっかりとりながら、あるべき姿を追求していく中でそうした人員や財源というものが充実をしていけば、そのことにしっかり応えて、みずからの判断でいろいろなことを政策決定をして、そして住民サービス住民福祉がより向上していく、そういう真の地方分権実現をしていくのではないかなというふうに思っていますので、ぜひ大臣の御奮闘を御期待をしたいというふうに思います。  そして、この法律に関連してなんですが、今回の第八次が提案をされています。事実確認だけしたいんですが、第七次分権改革において、幼保連携認定こども園以外の認定こども園に係る認定権限都道府県から政令市移譲されました。この移譲に伴って、政令市への財政支援はあったのでしょうか。
  30. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  御指摘の第七次分権一括法による幼保連携型以外の認定こども園認定権限都道府県から指定都市への移譲に関します事務の費用に当たりましては、子ども・子育て制度を所管する内閣子ども・子育て本部と関係府省において、閣議決定に基づいて適切に財源措置がされているものと承知をいたしております。
  31. 武内則男

    武内委員 わかります、言っていることはわかるんですが、では、そうした第七次における財政支援に基づいて、今回、第八次では、幼保連携認定こども園以外の認定こども園に係る認定権限都道府県から中核市移譲されます。  地域実情に応じた子育て政策というものを推進するということは大変いいことだというふうに思います。この権限移譲に伴う中核市の事務負担については相当留意をする必要があるのかなというふうに思います。  中核市であれば、私の出身である高知市なんかも数千人の職員がいます。中核市への移行も行政マンとしてやってきましたが、一定の人員が要るので、いろいろなやりくり、それでも相当臨時、非常勤は多いんですが、やりくりをすれば何とかなるかなというところがぼんやりとは見えてくると思うんですが、やはりそれでもこうした新たな事務を担い、その権限に基づいて地域でしっかりと実情に応じた子育て政策をやっていくことができる、こうしたことは大変喜ばしいことなんですが、それに必要な人員の確保と、いわゆる交付税なんかにおける財源的な措置というのはしっかり考えておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  32. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えをいたします。  今御指摘いただきました、認定こども園認定権限都道府県から中核市への移譲でございますけれども、この移譲に当たりましては、事務の円滑な実施に支障が生じないように、中核市に対しまして丁寧な対応を行っていくことが非常に重要であるというふうに考えております。  提案募集方式の実施に際しまして、閣議決定された対応方針を決めておりますけれども、その中で、地方公共団体移譲された事務、権限が円滑に執行されますように確実な財源措置を実施すること、そして、あわせて、事務が円滑に行われますように、マニュアルの整備ですとか技術的な助言、研修や職員派遣など、こういった必要な支援を実施していくということにいたしております。  そういう観点から、今後とも、この対応方針に従いまして、中核市に対しまして必要な支援を行っていくということで、特に、国から中核市、また都道府県中核市の間についても、十分に、いろいろな説明会等も通じまして、関係府省と連携して事務、権限の確実な着実な移譲ということができますように対応してまいりたいと考えております。
  33. 武内則男

    武内委員 済みません、ちょっと聞き取りにくかったんですが、いわゆる、例えば国から都道府県なんかに移譲する場合ということであれば、当然、国でそれまでその事務事業を担ってきたわけで、これがきちっと都道府県へ移行する場合には相当な関係を持ってやれるんだと思うんですね。  今回の八次の分権は、都道府県から中核市へ移行する。政令市はそれなりの権限が与えられていて、移譲されてきたとしても行政経験とそのプロセスあるいはノウハウを持っていろいろなことが展開可能だと思うんですが、中核市に対して都道府県から行くときに、具体的に財源だとか人的支援だとかいろいろなことをどういう形で想定をされているのか、もうちょっと詳しく、わかるように説明してくれませんか。
  34. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えをいたします。  都道府県から中核市への移譲ということでございますけれども、まず第一に、国から自治体中核市への支援といたしまして、今申しました財源措置やマニュアルの整備ですとか、それから技術的な助言、研修や職員派遣などについての、そういったことについてやっていこうということで、説明会ですとか、それからいろいろな通知なども子ども・子育て本部から出しましてやっていくということが一つございます。  それから、県と市町村の間につきましては、もともと一部の団体では事務処理特例ということで移譲していて、そういったノウハウができている団体もありますけれども、それ以外にも、ふだんから、認定こども園幼保連携型においては中核市認定権限を今も持っておりますので、そういう中で一定のノウハウはある部分もございますけれども、いずれにしても、やはり都道府県中核市との具体的な連携ということが重要なので、そういった話合いの場を持っていただくですとか、そのような全体的な呼びかけを各地の説明会等を通じて丁寧にやっていくということが必要だろうというふうに考えております。
  35. 武内則男

    武内委員 規模が違うので一概に比較できないんですが、中核市へ移行するときに何が困ったかといったら、やはり定数をふやさなければならないし、当然、県から保健所機能を持たされるわけで、移行されてくるということで、保健所機能を保つために、五年間ぐらい県の職員に出向という形で来ていただいて、そこで人的交流だとか連携をきちっと図りながら、スムーズな中核市への移行について相当丁寧にやってきたということを経験させていただいています。  規模からいえば、今回、幼保連携型の認定こども園以外の認定こども園に係ることですので、規模的には小さいんですけれども、しかし、そこにはやはり人的体制をどう組むのか、通知とかいろいろなマニュアルだとかということもおっしゃってはいるんですが、現場では準備に時間を要し、そして施行されれば、そこからはそこに責任が発生をして、その事務をしっかり執行していかなければならないというところに入っていきますので、ぜひ、どういう人的支援の仕方があるのか、あるいはどういう連携の仕方が人を通して行うことができるのか、そこは真剣に、相当やはりそういうのを移行させる中核市側ともしっかりと協議をしていただいて、スムーズな移行に最大限の努力を払っていただきたいということを要請をしておきたいというふうに思います。  次にですが、今回、権限移譲で、認定こども園について、地方裁量型の認定こども園というふうになるんだと思いますが、これは、移譲された中核市においても、この事務権限を持つ以上、ここはやはり条例できちっと定めていかなければならないというふうになるんですか。
  36. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  今御指摘のように、この幼保連携型の認定こども園以外の認定こども園認定に当たりましては、認定主体が、主務大臣が定める基準を参酌して定めた設備及び運営に関する条例基準、これに適合するかどうかを審査するということになっておりまして、この認定主体は今回は中核市になりますので、今回の権限移譲により、御指摘のように、中核市が条例を定めるということになってまいります。  それに際しまして、やはり、その中核市への権限移譲に当たりまして、先ほど申しましたように、マニュアル、助言、職員派遣などの必要な支援ができるように、我々としても内閣府の中で子ども・子育て本部と連携して対応してまいりたいと考えております。
  37. 武内則男

    武内委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。  そうすると、人的、財源的、いろいろな、国と中核市、国と県、この三者における協議がきちっと進んでいくんだろうということを想定をした上で、その場合、保育の質というものをきちっとやはり確保していくためには、監査体制、これが求められていくんだろうというふうに思います。  政令市への移行の施行はこの四月から始まっていますというふうにお聞きをしていますので、検証はまだこれからだというふうに思いますが、中核市への移行についても、そうした監査体制の確保についてしっかり国としても対応していくべきだというふうに思いますが、検証ができていない中での御回答になろうかと思いますので、若干そこも踏まえた上で、ちょっと御回答、御答弁いただけたらと思います。
  38. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  権限移譲に伴う、質の確保をしていくという中で、御指摘の監査ということは非常に重要であろうと考えております。  今現在、認定権限のある県の方で施設監査ということを行っております。また、中核市の方では施設型給付を行っておりますので、そういう意味で、確認監査というものを既に行っております。  そういう意味で、今度、中核市が一元的に監査を行うことができるわけでありますけれども、しかし、都道府県としては全体的にその県内を見ておりますので、そういう監査の関係においても引き続き連携して行っていくということについてはまた周知をしていくということで、しっかりとこの監査ということについても行われるように取り組んでまいりたいと考えております。
  39. 武内則男

    武内委員 ありがとうございました。  もう残り少なくなったんですが、最後に、実は第三十次の地制調の委員もやらせていただきました。地制調の会議で、各有識者の皆さんと一緒に、やはり地方分権、そして地方制度のあり方、いろいろなことを議論をさせていただいて、この分権改革も進んできたというふうに、私の中だけですけれども自負をしておりまして、やはりこうした地方分権改革、真の分権改革がきちっと進んでいって、そして地域が主体性を持って判断をし、そして地域がその責任を負い、二元代表制の中におけるチェック機能としての地方議会が働き、そして住民が本当によかったねというふうに思ってもらえる。いわゆる住民と議会と行政というものが、きちっとこの三者の合意形成をとりながら、地域でよりよいコミュニティーづくりであったり、まちづくりであったり、福祉であったり、子育てやいろいろな政策が具体的にやはり進んでいく。  ほとんどの事務事業は地方自治体が担っていますので、その基礎自治体が担っている前線をしっかりとやはり元気にしながら、そして、そこに働きがいと誇りを持って仕事ができていけるような、そういう環境整備、体制整備というものを、やはり国会の中の議論の中においてでも、しっかりそこを据えて、分権改革の議論というもの、あるいは地方交付税交付金を始めとした地財計画の議論というものもされていくべきであろうというふうに思っています。  野党ではありますが、そうした国と地方あり方や今後の地域あり方を問うていくときは、政党や与野党関係なく、しっかりとそこは議論をしながら、よりよい国づくり、社会づくりに進んでいく、その決意を申し上げながら、再度のお話になります、ちゃんと今の政府・与党、政権は、今の現状を直視してしっかりと対応していただくことを求めて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  40. 渡辺博道

    渡辺委員長 次に、大串博志君。
  41. 大串博志

    ○大串(博)委員 無所属の会の大串でございます。大臣、またよろしくお願いします。  分権、地方創生でございます。きょうは分権一括法、八次の審議、審査でありますけれども、おおむねの内容に関しては、私は、一つ一つ分権が進むということ自体は望ましいことだと思いますし、大きく異を唱えるものではありません。  ただ、今の安倍第二次政権になって地方創生大臣というものをつくられて、地方創生取組をされている。言葉は私はいいと思うんですよね。地方に行くと地方創生という言葉がよく聞こえるようになった。  しかし、これは本当に、私も実は佐賀県、大変な地方部ですよ。人口減少を抱える農村、漁村、たくさん抱える中で、皆さん地方創生という言葉に渇望されているような結果を出すようなことになっているか、あるいはそれができるような仕組みになっているかというと、私は実は非常に疑問に思っていまして、そういった大きな観点から質疑をさせていただきたいというふうに思います。  今回の一括法、ずっと積み重ねてこられて、八次まで来られた。これはこれでいいと思います。しかし、今、手挙げ方式提案募集方式ということでやられていらっしゃいます。昔のいわゆる分権委員会、そこでいろいろな議論をして、政府と分権委員会のもとでやり合って分権の個別の玉をつくっていく時代から、今は各市町村都道府県から提案をしてもらって、あるいは手挙げをしてもらってということになっている。これはこれで地方自主性を高める、みずからやっていくんだと、先ほど政府委員の方からも説明がありました。これはいいんですけれども、ただ、私のイメージとしては、小粒にならないかなという気がしてならないんですよね。  まず大臣にお尋ねしますけれども、この提案募集方式、手挙げ方式、もう二十六年から始まっていますけれども、十分な成果を上げていると御認識ですか。
  42. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 今委員おっしゃるように、平成五年の衆参の決議に始まって、分権一括法、そして、今度は第八次の分権一括法案ということでありますけれども、第四次までは、事務、権限、そして枠づけ、義務づけの大枠での話をしてまいりました。そしてその後に、今、地方からの手挙げ方式ということでありますけれども、地方提案するということにも大変大きな意義があると思いますし、また、住民に一番近いところで、どういったものが本来の地方自治の業務かということを意識していただいて提案してもらうということも重要なテーマであると思っております。  そういった中で、ただ、一方では、市町村提案数が少ない、市町村がまず手を挙げていないところが多いという課題がありますので、これらをしっかり、この数回の反省をもとに周知を図っていくということが大切であると思いますし、一つ一つのテーマについては、法律改正、また政令や通達の改正、また運用の解釈、そういったところまでしっかりと、地方自治体との連携をとりながら、お互い意識をしてやっていくことは非常に意義深いことであると思っておりますし、ある程度の成果は上がっているものと思っております。
  43. 大串博志

    ○大串(博)委員 私は、地方から提案をいただく、あるいは手挙げをしていただく、これはいいと思うんです。  ただ、やはり地方創生のかなめは、地方市町村あるいは都道府県、形の議論に入るとなかなかこれは難しいところがあるので、私は、実態の、いわゆる権限、そして財源も含めたところを大胆に地方移譲していく、それで本当の分権の社会をつくっていく。  私たち野党側では、よく補完性の原理と言いました。まずは、地方でやれることは地方で決めてもらう。市町村で決めること、基礎自治体で決められることはそこで決めてもらってやってもらう。それができなければ都道府県でやってもらう。さらに、それでできなければ国が残りをやる。こういった補完性の原理というものを非常に大切にする議論も展開してきたわけでありますけれども、そういう大枠を変えていくような大胆な取組には今なっていないと思うんですよ。  地方皆さんが、今与えられた権限と財源と、先ほど武内委員の方からは人的資源という話もありましたけれども、の中で、これは少し緩めてほしいな、変えてほしいなというようなものを挙げてこられる。それだけだと、国の仕組み自体を大きく変えるような結果には至らないと思うんですね。地方の今の苦境を抜本的に立て直すような取組には至らないと思うんですよ。  そのいい例が、今回のこの提案方式においては、いろいろな例外があって、真っ先に税財源の移譲というのは対象から除かれていますね。地方の方から税財源をこういうふうに移譲してくれという話はしてはならない、冒頭からこう決められているわけですよ。  もちろん、単に地方が財政的に楽になりたいというだけの理由をもって、税財源を分けてくれとか、あるいは予算をくれとか、それだけだと議論が深まらないのでという観点はわかる。しかし、やはり、大胆な権限移譲とそれにマッチする税財源の移譲、これをしていかないと、地方が本当に独自性と独創性を持って地方独自の発展形態をみずからつくっていくということには私はならないと思うんですよ。  大臣、国と地方の税財源配分、これを提案方式から除く、そもそもから除外するというのは私はやめた方がいいと思うんです。いかがでしょうか。
  44. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 これは大変しゃくし定規なお答えになると思いますが、議論する場の違いでそういう形をとっておりますけれども、必ずやはり税財源の話は出てくるわけであります。  地方交付税交付金の話もそうですし、地方独自の税財源、そういったものも含めて、並行して、場所は違っても議論をしていくということで今対応しているところでありますが、なかなかやはり、限られた資源の中でどうしていくか、国も地方も頭を使いながら、悩ませながら、これらを解決していかなくちゃならないと思いますし、地方創生には財源があることが一番いいことに決まっているんですけれども、知恵も出していただく、そして意識も変えていただく、そういうことも含めて、いろいろな周知を図りながら努力をしているところであります。
  45. 大串博志

    ○大串(博)委員 私は、単に地方に財源をもっと届けるべしとだけ言っているわけじゃないんです。地方に自主的な財源、自主的な権限、これがあって初めて地方は自分独自の、その地方に応じた独創的な発展モデルをつくっていけるんだと思うんですね。それをやるのがまさに地方創生大臣であり、かつ地方分権の担当でもいらっしゃる梶山大臣ではないかと私は思うものですから、大臣の力量に私は非常に期待しています。ですから、ぜひ、総務省とけんかするぐらいの勢いをもってしてやはり地方創生大臣が引っ張ってもらわないと、この国の大きな仕組みを変えるようなことにはならないんじゃないかなというふうに思います。  私はずっと財務省で役人をやっていたときに、地方分権関係の財務省側の仕事をしていたんですよ。税財源の移譲なんて言葉が地方分権の議論で必ず総務省の方から入ってくるわけです。財務省側は、これはだめだ、税財源移譲なんて絶対だめだ、これをもう百年戦争みたいにやっていたわけです。  ただ、これは活力がありましたよ。地方皆さんからは税財源をくれと、しかし、俺らもしっかりやるという覇気もあった。今もあられると思います。そういう闊達な議論が国と地方との間で対等に、言葉は悪いですけれども、激しい議論をもってしてやるぐらいの、地域が力を出すんだ、こういうふうな議論になった方がいいと思うので、私は、この提案方式、手挙げ方式、悪くはないと思いますけれども、国柄を変えるような地方創生地方分権、この方向に持っていけるように、ぜひ大臣には辣腕を振るっていただきたいと思うんですね。  加えて言いますと、地方創生大臣というものがつくられて四年になります。私は大臣に本当に辣腕を振るっていただきたいと思うんですが、この地方創生という言葉の中で、本当にそれに見合う結果が出てきているのかというのは疑問に思っているんですね。  大臣、どうですか。今まで四年間の地方創生取組、これは一体どういう成果を上げてきているんでしょうか。
  46. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 今委員指摘地方創生については、始まりまして四年目になりました。これまで、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいて、さまざまな施策、税制であるとか、また地域づくりも含めて、予算も含めて対応してきたところであります。  取組成果につきましては、総合戦略の中間年に当たる昨年度、外部の有識者の方に、私のもとに検証チームを開催をして、地方創生の総点検を行ったところでありますけれども、できているものとできていないものがあるというのが結論であります。  そして、少しずつできているもの、雇用づくりとか、また子育ての対応とかそういうものはできているんですけれども、東京への一極集中というのはどうしてもやはりとまらない、そして十二万人の転入超過に今もなっている、そういうことも含めて、これをどう是正するか。そして、さらにまた、その人たちが地方に戻ったときに、そこに住み続けて子育てができる、そしてその地域に一生住み続けることができるようなまちづくりということも課題になってくるわけであります。  これは五年の計画ではありますけれども、二〇六〇年の人口というものをもとに始まっているわけであります。第一期の計画は次の年度で終わりますけれども、私の思いとしては、ずっとこれを続けていく、そして、地方の方にも、千七百十八の市町村、区を入れると千七百四十一の市区町村にしっかりこのレールの上に乗っていただくということが、同じ思いで、同じ方向性で乗っていただくということが大切なことであると思っておりますが、残念ながら、まだ四分の三。四分の一の自治体に関してはまだこの交付金を使われていないということでありますから、そういったことも含めて、危機感を共有しながら頑張ってまいりたいと思っております。
  47. 大串博志

    ○大串(博)委員 地方創生、いわゆる成果をアウトプットかアウトカムかで考えるわけですけれども、私はアウトカムで考えるべきだと思うんですよね。政府の政策評価も大体アウトカムで捉えるべきとなっている。アウトカムで捉えると、人口減少、特に若年年齢の減少等々、非常に厳しい数字がやはり続きますよね。だから、なかなかアウトカムベースで数字を出しにくいというのはよくわかるんです。  だから、そういう中で、どういうツールを持って内閣府で政策を進めていくかというと、私は、一つは、基本的に大きな論点は予算だろうと思うんですけれども、予算面でいうと、私は非常に、むしろ大臣に申しわけないぐらい、つつましやかなものしか大臣にはツールが与えられていらっしゃらなくて、もっと大胆に安倍政権としては大臣に予算の権限を持ってもらって腕を振るってもらうようにした方がいいと思うんです。  地方創生関連予算といっていろいろ整理されています。整理されていますけれども、コアは地方創生推進交付金の一千億円ですね。私にはそう見えます。ずっと予算を担当していたので、どれが一番コアかというと、大臣が実際使えるお金はこの一千億円ですよね。そのほかの地方創生予算と言われるものは、ある意味、整理学の、各省の担当ですよね。  後ほど議論しますけれども、まち・ひと・しごと創生事業費、これは地方交付税交付金ですけれども、六千億円の枠で、特別交付金も含めると一兆円というわけですけれども、これは地方交付税の話ですね。  いわゆる地方創生推進交付金一千億円、これ、まず一千億円という額はいかにも私は少ないと思うし、これは一体どういうふうな使われ方をしているのか、何を目的とするものなのか、各省の予算とどこが違うのか。各省もそれぞれ、農水省なら農水省、経産省なら経産省、国土交通省なら国土交通省、どこでも、地方の振興に資する予算、どれもある意味地方の振興に資する予算といえばそうですよね。それと一体どこが違うのか、差別化できているのかというところあたり、地方創生推進交付金一千億円、これは本当に成果を生む形になっているんでしょうか、有効に活用されているんでしょうか。いかがでしょうか、大臣
  48. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 正直に私の感想を申し上げますと、やはりもう少し予算があった方がいいには決まっているんですけれども、地方創生事業費の一兆円とあわせて、各省庁にもそれぞれの地域社会資本整備であるとか社会保障の関係の費用がございますけれども、そういうものの組合せを地域の知恵を生かしてどうしていくかということもこの地方創生の大きな課題であると思っております。  例えば、目に見えるものとしてはインフラの整備ということになりますけれども、それが全てじゃありませんけれども、国道につながるアクセス道路、市町村道、なかなかやはり予算がない、それとあわせて、国道の方の整備の時期にあわせてやっていくとか、やはり、ほかの省庁の予算にあわせてどう組み合わせていくかという、予算が少ないなりの知恵の見せどころであると思っております。  それぞれの地域に関して言えば、二十八年度から二千三百三十六の事業を今行っておりまして、交付金が活用されてきているところでありますが、それぞれの地域でKPI、その指標を立てていただいておりますけれども、幾つかの指標がある事業もありますが、一つでも達成されているものは約八割ということでありまして、それぞれの地域も含めて地方創生に資するものであるという考えであります。
  49. 大串博志

    ○大串(博)委員 私は、ちょっとこれは予算も少ない、もっとこれが多ければいいというのも、僕もそういう気持ちもあります。ただ、フォーカスされていないと思うんですよね、この一千億円。結局は、ほかの役所もいろいろな予算を使って事業を行い、地方創生に資する活動をしている。しかし、この一千億円の予算の到達する方向性を見ると、やはり各省とかなりダブりがあるように見える。こういうフォーカスのきいていない形の予算を使っていて本当に効果が出るんだろうかという疑問があるんですね。  それともう一つ、まち・ひと・しごと創生事業費、これは一兆円、人口減少対策が六千億と行革努力の分が四千億、こうなっていますね。これもいわゆる地方創生予算の大きな部分としてカウントされているんですけれども、これって本当に地方創生予算と考えていいのか。そもそも地方交付税ですよね。  地方交付税、きょうは政府委員も来てもらっていますね。地方交付税というのは何のためのものですか。
  50. 境勉

    ○境政府参考人 お答えいたします。  地方交付税は、各地方団体の標準的な財政需要、これを賄うために地方団体に対しまして交付をいたします地方の一般財源という性格を有しているものでございます。
  51. 大串博志

    ○大串(博)委員 そうですね。基準の財政需要を満たすために、基準の財政収入の足りない部分を調整する、財政調整機能ですよね。  財政調整機能であるにもかかわらず、今回のまち・ひと・しごと創生事業費一兆円に関しては、人口減少等々の指標に応じて、いい指標を持てば、それだけ交付税がふえるような仕組みになっている。逆に、行革努力をすればするほど、より多い交付税が渡るような形になっている。つまり、勝者というんですかね、いい成績を上げた人により交付税が行くような形になっている。これって財政調整機能とは全く逆の方向に行っているんですね。政策誘導ですよ、政策誘導。総務省による補助金だと、交付税の補助金化だと私は思っているんです。  これは、総務省は権限を持てていいかもしれない。しかし、地方分権という考え方からいくと、真っ向から逆に行っていますよ。こんなことをしていて何が地方創生だと私は正直言って思うんですね。  どうですか、総務省の方、これは地方交付税の考え方からすると全く違う方向に行っていないですか。
  52. 境勉

    ○境政府参考人 お答えいたします。  今先生御指摘ございましたように、地方交付税は地方の固有財源との性格を有しておりまして、また、国が特定の施策を奨励する国庫補助金等とは異なりまして、使途の制限ができない一般財源でございます。  この一般財源である地方交付税を各団体に交付をする、配分するに当たりまして、各団体の財政需要というものを測定する必要がございます。このまち・ひと・しごと創生事業費に係ります地方交付税の算定と申しますのは、各団体地方創生に取り組むための財政需要、これを算定して交付をしているものでございます。  この中で、その一部を御指摘のように取組成果に応じて算定をしてございますが、その考え方と申しますのは、地域経済活性化あるいは人口減少対策等に積極的に取り組んで成果を上げた団体では全国標準以上の財政需要が生じているというふうに考えられますことから、全国的かつ客観的な統計データを指標として算定に反映するという考え方をとっているものでございまして、地方団体の財政需要を踏まえた適切な算定であるものと考えているところでございます。
  53. 大串博志

    ○大串(博)委員 詭弁ですね。成果を上げているというところはそれだけ財政需要がある、詭弁ですね。こういう詭弁を用いてやっている事業が私は成果を出すとはとても思えないんです。  大臣に最後に御意見を伺いたいと思いますけれども、例えば先ほどの手挙げ方式の抜本的でなさかげん、それから推進交付金のフォーカスの足りなさ、それからこの創生事業費の本来とは違った筋道など、こういったことを含めると、私は、大臣にはぜひ、もっと抜本的な権限と、それこそ、大臣権限と財源を持って地方の代表として辣腕を振るっていただきたい、そういう仕組みを変えていただきたいと思うんですが、意気込みをぜひひとつよろしくお願いします。
  54. 渡辺博道

    渡辺委員長 申合せの時間が経過しておりますので、大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。
  55. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 地方分権地方創生のために全力で取り組んでまいります。ありがとうございます。
  56. 大串博志

    ○大串(博)委員 終わります。
  57. 渡辺博道

    渡辺委員長 次に、宮本岳志君。
  58. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。  この第八次地方分権一括法案は、提案募集方式に基づいて義務づけ、枠づけの見直しを行うというものでありますけれども、この間の提案募集方式は、地方の創意を生かすというようなものではなく、それを錦の御旗に国が責任を持つべきナショナルミニマムを突き崩し、地方自治体を国策に誘導する手段に使われていると言わなければなりません。  その典型例が、三月十六日、当委員会で大臣と議論した学童保育指導員の配置基準や資格基準を従うべき基準から参酌基準に引き下げる基準緩和検討であります。  三月にも申し上げましたけれども、就学児童に対する保育ニーズが高まり、学童保育が足りていないこと、学童保育の指導員が慢性的な人手不足であることは私も重々わかっております。しかし、その原因は、三月に大臣が答弁したような硬直的な基準に問題があるわけではありません。一番の問題は、労働条件と処遇の改善が進んでいないことであります。  内閣府に聞きますけれども、内閣府は、劣悪な学童保育指導員の低賃金、労働条件について掌握をしておりますか。
  59. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  処遇の状況について私どもが直接把握をしているということはございません。  ただ、私どもの議論の中で、厚労省と十分な連携を図って議論していきたいと思っております。
  60. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 直接つかんでもいない、それは厚生労働省に聞いてくれと。  前回、厚生労働省からは、平成二十八年度の調査結果を答弁してもらいました。指導員の約七割程度は非常勤職員やパート、アルバイトが占めていること、給与も年額二百七十万円にとどまっているということが明らかになりました。  そこで、内閣府に聞くんですけれども、この従うべき基準の廃止や参酌化を要求している自治体はどれほど学童保育指導員の処遇改善の取組をしてきたか、つかんでおりますか。
  61. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  私ども、先ほど申しましたように、この点について直接把握しているわけではございません。厚労省の方で把握していただいておりますけれども、全国知事会ほか三団体提案でございますけれども、また、それ以外にも共同提案団体などもございます。そういう中で、処遇改善を実施している団体が一定程度あるというふうに聞いております。
  62. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 まともにつかんでいないんですよ。  処遇改善の努力を尽くした上で、それでも指導員が集まらない、これは、従うべき基準が厳し過ぎるというのならともかく、どれだけ処遇改善の努力をしたか、それもつかまずにやろうとしている。それでは、処遇が悪いのか、基準が悪いのか、全くわからないと言わなければなりません。  では、厚生労働省に聞きたいと思います。  放課後児童健全育成事業の設備及び運営に係る従うべき基準の廃止又は参酌化を提案する市町村における放課後児童支援員等処遇改善等事業及び放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業の実施状況を、厚労省、答えていただけますか。
  63. 成田裕紀

    成田政府参考人 参酌化に係る御提案全国知事会等から出されたものであり、支障事例を抱えている自治体の全てを把握しておりませんが、当該提案に係る共同提案団体として具体的に把握している五件、七市のうち、平成二十九年度において、放課後児童支援員等処遇改善等事業を実施している自治体は二市、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業を実施している自治体は四市であると承知しております。
  64. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 厚労省から提出された資料を皆さんにお配りをしておきました。資料一を見ていただきたい。提案している市町村、七市町村のうち、二つある処遇改善事業を両方ともやっているのは茨城県ひたちなか市のみ。静岡県伊豆の国市や山口県防府市などは、処遇改善事業を何一つせず、基準の廃止や参酌化だけを求めております。  自治体提案が学童保育指導員の処遇改善の努力をきちんと尽くした上でのものなのか、それとも、処遇改善はそっちのけで基準崩しだけを求めているのか、それを判断するにも、今まさに自治体の状況をつかんでいたのは厚生労働省だったと言わなければなりません。  にもかかわらず、この従うべき基準の参酌化という子供の命、安全にかかわる大事な問題を厚労省の社会保障審議会から無理やり地方分権の場に取り上げるという、こういうむごい閣議決定をやったわけでありますけれども、なぜやったんですか、大臣
  65. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 放課後児童クラブの置かれている状況は、都市部と地方部など、地域実情に応じて大きく異なるものであり、それらの異なる状況に対し全国一律の基準が適用されていることで、クラブの円滑な運営に支障が生じていることが課題考えております。  学童保育の安全性の確保等、一定の質の担保は極めて重要であります。このことも含めて、地域実情を踏まえた柔軟な対応により、今後とも放課後児童健全育成事業が地域のニーズに応えて円滑に行えるように検討してまいりたいと思いますし、地域にもしっかりとした努力をしていただきたいと思っております。
  66. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 答えになっていないんですよ。基準が障害だということが検証されていないということを私は言っているわけですね。  私は、この間の地方分権改革有識者会議提案募集検討専門部会における議論を一通り読ませていただきました。  まず、昨年九月一日の第六十回専門部会では、地方団体から意見を聞いております。これを受けて、十月十六日の第六十四回専門部会には、厚生労働省の成田審議官が担当課長や室長とともに呼ばれております。  冒頭、高橋部会長は、原則論として国が基準を示す必要があることに異論はないが、従うべき基準とするかどうかが問題であると切り出し、地方団体から、放課後児童クラブ人員基準について従うべき基準となっているため、事業展開ができないとの声が出されている、標準や参酌すべき基準とすることもできるが、従うべき基準にしなければならない理由について御説明いただきたいと成田審議官に迫りました。  これに対して、成田さんは、国の制度として放課後児童クラブを実施している以上、子供の安全や適切な環境確保のために必要最低限の基準が必要である、保育や養護等についても従事者の資格及び員数については従うべき基準とされていると、当然の回答を行っております。  成田審議官、間違いないですね。
  67. 成田裕紀

    成田政府参考人 昨年十月の地方分権改革有識者会議におきましては、放課後児童健全育成事業の従うべき基準の参酌化に係る御提案に対し、厚生労働省からは、人口が少ないなどの理由により放課後児童支援員の確保が困難であるなど、放課後児童健全育成事業を行う自治体からの支障事例について、その解決ができるよう努めること、一方で、児童の安全確保や放課後児童クラブの質の確保を図る上で従うべき基準を設け、放課後児童支援員の配置や研修受講を全国一律に求めることが必要であることなどを回答したところでございます。
  68. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 そう回答したわけですよね。ところが、これに対して矢のような批判が浴びせられております。  大橋構成員からは、地方団体は従うべき基準とすることについて地方側に十分な説明がなかったと言っているとか、義務づけが許されるのは、第三次勧告により真に必要な場合に限られており、当事者に十分な説明がなされるのが筋だと言い、参酌すべき基準とすることを念頭に検討せよと迫りました。  伊藤構成員は、従うべき基準でなければ安全性や質が担保されないという考え方が分権の趣旨からは納得できない、ことし参酌化を求める提案として、運営上の不安が表面化していることを踏まえ御対応いただきたいと迫りました。  それでも成田審議官は、従うべき基準を設定した上で配置基準や認定資格研修の受講を全国一律に求めることは必要、その点について柔軟化することは困難と言いつつも、個別の案件には地域実情を踏まえて対応する旨を答えております。  すると、勢一構成員は、地域実情を踏まえた対応を行っていただくということだが、地域実情を踏まえた要件を判断する主体は国でなければならないのか、分権の仕組みとしては、地域実情に合わせて地方公共団体が遵守しなければならない基準を判断すべきだと主張し、徹底的に厚労省を袋だたきにしていると私は受けとめました。  成田審議官、ここであなたは説き伏せられてしまったんですか。
  69. 成田裕紀

    成田政府参考人 昨年十月の会議におきましては、厚生労働省として申し上げるべきことを申し上げた上で、最終的に年末の閣議決定になったというふうに考えております。
  70. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 この議事録を読む限り、成田審議官はよく頑張って踏みとどまっております。  ところが、昨年十二月二十六日、放課後児童クラブに関する従うべき基準の参酌化を地方分権の場において検討し、平成三十年度中に結論を得るなどという閣議決定が行われると、完全に流れが変わるんですね。  ことし二月十九日に開催された第七十回専門部会では、ついに吉田子ども家庭局長が、従うべき基準の見直しについては、幾つかのテーマがあるが、平成三十年八月を目途に具体的な検討を進めてまいりたいと折れました。  大橋構成員が、今から結論の話をすべきではないと思うが、現行の児童福祉法第三十四条八の二の第二項において、放課後児童クラブに従事する者と員数については従うべき基準であることが明記されている、当該条文の改正等も視野に入れて今後の検討を進めていただけるという理解でよいかと聞きますと、吉田局長は、厚生労働省として誠実に対応させていただきたいと言い、高橋部会長は、最後に、現在、厚生労働省で新たな放課後育成事業のあり方について検討していると思うが、従うべき基準の廃止、縮減の方向で今後の制度設計についても御検討いただきたい。部会長がそう結んでおります。  厚労省、これは完全に屈服したということですか。
  71. 成田裕紀

    成田政府参考人 厚生労働省といたしましては、閣議決定にございますように、地方分権の議論の場において検討し、平成三十年度中に結論を得ることとしているというふうに理解しております。
  72. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 このやり方は本当にひど過ぎると言わなければなりません。  私は、この議事概要というものを読んでいて、かつてこれとうり二つの議事録を読んだことを思い出しました。今治市に新たな獣医学部の設置を認めた国家戦略特区諮問会議の国家戦略特区ワーキンググループの議事録であります。  平成二十七年六月五日に今治市と愛媛県から提案ヒアリングというものを受けますと、三日後の六月八日には関係省庁ヒアリングということで、民間委員らが獣医学部新設を認めない文部科学省を袋だたきにいたしました。あの構図にそっくりだと言わなければなりません。  大臣、これは結局、地方分権改革なる看板を掲げて、専門性を有する所管官庁が子供の安全や保育の質の面からナショナルミニマムをないがしろにすることはできないというものを、とにかく形式批判で袋だたきにして規制緩和を迫る、まさにあなた方安倍内閣のお決まりのやり方ではないんですか、大臣
  73. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 提案募集方式によって地方分権改革として地方から受けた提案につきましては、地方分権の議論の場において議論し、対応方針を決定することとしております。その際、提案を受けた関係府省は、対応検討するに当たり、必要に応じて関係する審議会等の御意見を考慮して検討を行っており、内閣府として、関係府省の審議会等の議論を排除する、又は関与させないような仕組みをしていることは従来からないと思っております。  また、この放課後児童クラブの件に関しましては、地方団体から参酌化を求める意見が繰り返し表明されたことを踏まえて、厚生労働省だけで判断するのではなく、地方分権の議論の場でしっかりと地方公共団体意見を踏まえて検討することを確認的に明記をしたものであります。  地方団体は、地方公共団体の声が無視されることを危惧しているところもございます。
  74. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 ならば、配付資料二を見ていただきたい。内閣府が私に提出した第六十四回提案募集検討専門部会、当時の構成員名簿であります。  内閣府にこれは聞きますけれども、この八人は全員が行政法や行政学が専攻の法学者ではありませんか。一人でも子供の専門家はおりますか。
  75. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  私どもの有識者会議の議員は、行政法、行政学を通じて地方公共団体の行政全般について精通している皆様であるというふうに考えております。
  76. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 改めて確認をいたしました。全員が行政法、たったお一人行政学でありますけれども、学童保育や子供の保育についての専門家はただの一人もおられません。  内閣府に重ねて聞きますけれども、このメンバーが学童保育現場を視察したり指導員の話を聞いたりということをやったことはありますか。
  77. 大村慎一

    大村政府参考人 お答え申し上げます。  必要に応じて、先生方の視察、私ども、全国に向けて、提案に当たって視察等も企画しておりますので、そのときには参加していただくこともあります。  たまたま現在までの段階ではそういった放課後児童クラブに直接行っていただいているということはございませんが、ただ、先ほど大臣から申し上げましたとおり、関係府省との間できっちりとそこのところは議論を積み上げて丁寧な形でこの分権の議論をやっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  78. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 だらだら言いわけしなくていいですよ。行っていないんじゃないか。  しかも、上から三人目、何度も出てくる高橋滋法政大学法学部教授は部会長でありますけれども、規制改革会議行政手続部会の部会長でもあるんです。  大臣、何で学童保育現場を知らない行政法学者に子供の命や安全、発達にかかわる学童保育指導員の基準のことを決めさせるのか。決められるわけがないではありませんか、大臣
  79. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 先ほども申し上げましたように、内閣府として、関係府省の審議会等の議論を排除するような仕組みにはしておりません。  そして、これらについても安全性の確保は当たり前のことでありまして、それらも含めて地方自治の範囲ということで考えております。
  80. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 関係府省の議論を排除するものではないというふうに何度もお答えになるので、では確認しますけれども、社会保障審議会の専門部会は、ここでもきちっと議論していいんですね、大臣
  81. 大村慎一

    大村政府参考人 お答え申し上げます。  私ども、厚労省と十分に連携して検討していくということが前提になっております。  そして、地方分権の場で議論するということを書いたのは、これは確認的に書いたものでございまして、そもそも地方分権提案については、もともとこの有識者会議の議論の場で議論していく、これは全般にそうでございます。  ただ、地方団体から、いろいろな経緯があり、強い声があったので、地方分権の議論の場ということを確認的に書いたものでございますので、ある意味、一般的にこういう形をとっておるということでございます。  そういう中で、厚労省の審議会で議論していることは私どもも十分に存じております。そういう点の御審議を踏まえて厚労省では私どもの方にいろいろな形でお話をいただくということになっておりますので、当然に、全体的なことについて総合的に、先ほどいただいた処遇の件も、それから従うべき基準の件もトータルで、私ども、そもそも、これはあくまで、放課後児童クラブのサービスを十分に供給してお子さんたちの待機児童を解消したい、こういう観点からやっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  82. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 いや、子供のためになるかならないか、命と安全にかかわるから議論しているんですよ。そこまでおっしゃるのであれば、社会保障審議会児童部会の専門委員会の議論をしっかりと尊重しなければならないと思います。  閣議決定で、従うべき基準の検討社会保障審議会児童部会の専門委員会から取り上げて、行政法学者ばかりの地方分権の場で決めるというような愚かなことは直ちにやめることを求めて、私の質問を終わります。
  83. 渡辺博道

    渡辺委員長 次に、谷畑孝君。
  84. 谷畑孝

    ○谷畑委員 日本維新の会の谷畑孝でございます。  本日議題とされましたいわゆる第八次地方分権一括法案は、昨年末に取りまとめられた平成二十九年の地方からの提案等に関する対応の方針の中の法律改正事項に関して、十五法律の一括改正を行うものでありました。このように、地方からの提案に基づき地方分権改革取組が進むことは非常に意義のあることだと思っております。  この提案募集方式はことしで五年を迎えるわけですが、地方からは、毎年、現場で困っている具体的な支援についての切実な提案が寄せられているわけであります。これまでに、長年地方からの要望が強かった農地転用許可権限移譲地方版ハローワークの創設など、多くの提案実現してまいりました。  せっかく提案を出しても結局は全然実現しないということでは、頑張って提案を出してみようという地方の意欲も失われてしまいます。政府においては、ぜひ、地方からの提案最大限の実現を図り、地方分権改革を着実に進めていただきたい、このように思っております。  そこで、地方からの提案が毎年一体どのぐらい実現しているのか。過去四年の提案実現対応の割合は、平成二十六年には六三・七%、平成二十七年には七二・八%、平成二十八年には七六・五%、平成二十九年には八九・九%となっており、年々上昇してきています。  そこで、お伺いをいたします。  四年目となる平成二十九年は提案の八九・九%に対応するというこれまで最も高い結果となったわけですが、これについてどのように評価をしているか、内閣府の見解をお伺いします。もっと上へ上がっていくのか、維持できるのかという点を含めてお願いを申し上げます。
  85. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  今委員指摘のとおり、平成二十九年の提案募集におきましては、内閣府において各府省と調整を行ったものについて、提案実現また対応できるものの割合が約九割ということで、地方現場で困っている支障を解決してほしいという切実な御提案についてきめ細かく実現を図ってまいったというふうに考えております。  これは、地方から提案に先立って事前相談を丁寧に受け付けて支障の事情を明確にするなど、提案内容の充実を図ってきたということもありますし、また、御指摘のように、提案募集方式の開始から四年たちまして、その仕組みが定着して、霞が関の関係府省からも非常に真摯な対応が得られたということもあるというふうに考えております。  今後、こういった形で、地方の方の提案充実してきましたし、また各府省の対応も得ておりますので、必ずしもことしと同じ割合ということではないかもしれませんけれども、できるだけ高い形で何らか実現対応できるように、引き続き着実かつ強力に、地方提案をいかに実現するかという観点で進めてまいりたいと思っております。
  86. 谷畑孝

    ○谷畑委員 提案募集方式地方発意に基づく取組であり、これまで、地方公共団体への義務づけ、枠づけの見直しや、国から地方公共団体への事務、権限移譲など、一定の成果を上げてきていると感じます。  その一方で、五年目を迎える中で、見えてきた課題もあるのではないでしょうか。その一つが、住民に最も身近な基礎自治体である市町村からの提案の数です。内閣府によれば、市町村提案団体数は、平成二十六年が六十八団体平成二十七年が三十九団体平成二十八年が九十六団体平成二十九年が百三十団体と推移しており、市町村からの提案がふえているものの、まだまだ少ないように感じます。  提案募集方式のきっかけは、平成二十六年六月に地方分権改革有識者会議が取りまとめた「個性を活かし自立した地方をつくる 地方分権改革の総括と展望」であると理解をしています。その文章の中に、改革推進に当たっての重要事項として、基礎自治団体考え方を酌み取ることが挙げられています。  本文を引用しますと、「都道府県のみならず、住民に最も身近な市町村の意向に配慮しながら、改革を進める。国から都道府県への事務・権限移譲等を検討する際にも、住民に最も近い基礎自治体である市町村の意向を十分受け止める。」とあります。  現状のように市町村からの提案が少ない状況では、市町村の意向を十分に受けとめているとは言えないのではないでしょうか。もし市町村現場において何も困っていることはないというのであれば問題はないかもしれませんが、恐らくそうではないはずです。国の制度は不便だ、使い勝手が悪いと思っていても、その改善意識がないために、又は提案募集方式の存在も知らないために、提案を出していない市町村が多数あるのではないでしょうか。あるいは、通常業務で手いっぱいで、提案を出すのにも手が回らないという市町村もあると思います。  そこで、大臣にお伺いいたします。  地方分権改革の本来の目的は住民サービス向上にあり、その実現のためにも、住民に最も身近な市町村からの提案をふやしていくことが重要であると思います。内閣府としても、市町村からの提案を受け身で待つのではなく、提案促進策を検討すべきと考えますが、今後、市町村からの提案をどのようにふやしていくつもりなのか、大臣の所見をお聞きいたします。
  87. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 近年、市区町村からの提案増加傾向にありまして、平成二十九年には市区町村からの提案数が都道府県からの提案数を初めて上回ったところであります。また、提案を行った市区町村数も増加傾向にあり、大分県や山梨県では広域団体である県や町村会が市町村からの提案を後押しする例も見られるなど、改革の裾野が着実に広がっていると認識をしているところであります。  しかしながら、過去四年間の提案募集において、これまで提案を行った市区町村数は依然として市区町村全体の一二・八%、二百二十三団体にとどまっておりまして、今後、市町村からの提案を一層ふやしていくことが課題考えております。  このため、内閣府としましては、市町村に対しまして提案募集方式の活用方法を周知、普及するために、わかりやすい事例集やハンドブック等の支援ツールを用いて、内閣職員が全国各地に赴き、研修や説明会ワークショップ等を多数開催するとともに、市町村の事務的な負担を軽減をしているところであります。日ごろの業務で抱いた疑問やアイデアを気軽に内閣府に相談できる体制や、提案を通じた自治体の業務の簡素化や、手続の簡素化による事務負担の軽減などにも取り組んでいるところであります。  今後とも、こうした取組により、より住民に身近な市町村からの提案が活発に行われるように、提案募集方式を積極的に普及させる努力をしてまいりたいと考えております。
  88. 谷畑孝

    ○谷畑委員 どうもありがとうございました。  昨年末に閣議決定をされた、平成二十九年の地方からの提案等に関する対応方針の中身を見てみますと、実は、法令を改正する、地方公共団体に通知するなどのように、措置する内容が具体的に決まっているものばかりではありません。中には、引き続き検討するとして、翌年以降、継続して検討することになっている事項も多々あります。  実際、今回の法案の内容を見ても、例えば不動産の鑑定評価に関する法律など、平成二十八年に提案され、引き続き検討するとされていた事項について今回措置するというものもあります。地方からの提案最大限の実現を図るという意味では、このように引き続き検討するとされている事項についてもおろそかにすることなく、提案実現するよう最後まで対応していく必要があるのではないでしょうか。  また、関係府省に任せきりにするのではなく、提案募集方式を実施している内閣府として責任を持ってきちっと対応していくことが必要だと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  対応方針において引き続き検討するとされている事項について、内閣府としてしっかりと各府省の検討状況をフォローし、実現に向けた対応をとっているのか、内閣府の取組についてお伺いいたします。
  89. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  今いただきました政府の対応方針において引き続き検討するということになっているもの、これは、関係府省とも連携しながら、内閣府において適切にフォローアップを行って、検討結果につきまして、逐次、地方分権改革有識者会議に報告をして公表するということにしております。  具体的には、まず、おおむね三カ月ごとに、対応方針の各府省における措置状況を調査いたしまして、その結果を内閣府のホームページにおいて公表いたしますとともに、検討期限を踏まえながら検討状況を有識者会議に報告し、提案実現が確実に図られるようフォローアップを行っているところでございます。  今後とも、こうしたフォローアップを継続的に行いながら、提案最大限の実現を図ってまいりたいと考えております。
  90. 谷畑孝

    ○谷畑委員 基礎自治体権限を強化する枠組みの一つとして、指定都市中核都市制度があります。地方自治法の改正により平成二十七年四月から中核市の指定要件が人口二十万人以上に引き上げられたこともあり、本年四月には、私の地元でもあります大阪府八尾市など六市が新たに中核都市に移行いたしました。これにより、住民に最も近い基礎自治体において、より幅広く、きめ細やかなサービスの提供が行われるようになると思います。  第八次地方分権一括法案でも、中核市権限の強化の一つとして、認定こども園法の改正により、認定こども園認定権限都道府県から中核市移譲されました。地方において権限と裁量のある事務が拡充されることは望ましいことでありますが、これまで国や都道府県が行ってきた事務について円滑に事務、権限移譲されるためには、地方において十分な事務体制を確立し、必要な研修等が行われていくことが必要であると思います。  そこで、お伺いをいたします。  ことし四月には新たに大阪府八尾市など六市が中核都市に移行し、本法案でも中核市への事務、権限移譲に関する改正内容が含まれております。第八次地方分権一括法案に基づく事務、権限移譲に必要な支援について今後どのように行っていくのか、政府の取組をお伺いをいたします。
  91. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  権限移譲の実施に当たりましては、そういったもとのところのノウハウの蓄積というものを移譲先に引き継ぐということが非常に重要であると考えております。  そこで、提案募集方式の実施に際しまして、閣議決定をした対応方針におきまして、地方公共団体、今回中核市移譲された事務、権限が円滑に執行されるように、確実な財源措置を実施するとともに、マニュアルの整備、そして技術的な助言、研修や職員派遣など、必要な支援を実施するということにいたしております。  今後とも、対応方針に従って、今回の中核市への移譲について必要な支援が講じられるように、移譲対象事務の権限を所管する関係府省と、この場合ですと子ども・子育て本部ですけれども、十分に連携して対応してまいりたいと考えております。
  92. 谷畑孝

    ○谷畑委員 地方自治法に定められているとおり、住民に身近な行政主体である基礎自治団体ができる限り住民に身近な行政を総合的に行うことが原則であります。  基礎自治団体が担えない事務は広域自治体である都道府県が担い、国が担う事務は外交、防衛等の国家としての存立にかかわる事務等に限定をする、いわゆる補完性の原理によって事務を配分し、地方のことは地方が決められる制度設計を進めていくことが地域自主性を高めていく上で大事だと思います。  こうした原則のもと、その趣旨、目的、規模などにより、国、都道府県市町村はそれぞれの行政事務を担っておるわけでありますが、こうした事務、権限の中には、住民の声を一番身近に聞くことができる基礎自治団体移譲することで、住民がよりよいサービスを受けられるような事務、権限はまだまだあるのではないかと思っています。  そこで、お伺いをいたします。  今般の改正においては、広域自治体から基礎自治体へ事務、権限移譲する改正として、認定こども園法の改正により、幼保連携認定こども園以外の認定こども園認定等の権限移譲をする内容が含まれております。今回の移譲によってどのような効果が期待できるのでしょうか、内閣府にお伺いいたします。
  93. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  今回の改正は、幼保連携型以外の認定こども園認定は、現在、都道府県の事務、公的給付は市町村事務とされていることによりまして、一つは、中核市にとって施設側との一体的な調整がなかなか難しくなっているということ、また、二つ目に、事業者にとっては園の設立に当たっての手続が煩雑となっているということを聞いておりますので、そういったことから多くの中核市から提案が出てきたというふうに考えております。  この改正によりまして、中核市におきましては、行政窓口が一本化されて事業者の利便性が向上するということ、そして、自治体が子育て環境の充実を図る上で、地域実情を踏まえながら、より主体的に保育、教育のニーズの受皿確保にかかわることができるようになるというふうに考えております。
  94. 谷畑孝

    ○谷畑委員 最後の質問になるわけですけれども、行政機関は、その担う重要な役割の一つとして、地域住民の生命と財産を守る、地震や津波に伴う火山噴火、豪雨、台風による河川の氾濫、土砂崩れ、竜巻、いろいろなことに対応する必要があるわけであります。  そこで、今般の災害対策基本法改正では、被災都道府県からの応援の求めを受けた都道府県が、その区域内の市町村に対して被災市町村への応援を求めることができることを明確化する内容となっていますが、今般の改正意義は何でしょうか、内閣府にお聞きいたします。
  95. 米澤健

    米澤政府参考人 平成二十八年の熊本地震に際しましては、例えば、避難所の運営、罹災証明書の交付事務等につきまして、被災市町村職員では対応し切れない多くの事務が発生いたしました。それに際しまして、九州知事会が調整し、例えば、福岡県が県内の福岡市、久留米市等の市町村と一緒に熊本県の益城町に応援職員派遣を行っていただきました。  このように、発災直後から、応援する都道府県が県内の市町村と一体となって被災市町村に対する応援を実施することにより、短期集中的にこれまでより格段に多くの応援職員派遣することができたところでございます。  一方で、応援する側の都道府県が県内の福岡市や久留米市等の市町村応援職員派遣を求める場合に、応援職員がどの首長の指揮監督に属するか等につきまして、現行の災害対策基本法上では判然としないといった課題があったところでございます。  今般の改正は、そうした課題を踏まえまして、応援の求めを受けた都道府県がその県内の市町村に対して被災市町村への応援を求めることができることに加えまして、その際、応援職員指揮監督応援を求めた市町村長が行うこと等の原則を明確化するものでございます。これによりまして、地方公共団体間の広域応援体制が強化され、迅速な応援の実施に資するものと考えてございます。
  96. 谷畑孝

    ○谷畑委員 時間が来ましたので、終わります。  ありがとうございました。
  97. 渡辺博道

    渡辺委員長 次に、白石洋一君。
  98. 白石洋一

    ○白石委員 国民民主党の白石洋一です。どうぞよろしくお願いします。  まず、第八次地方分権一括法案について質問させていただきます。  ここには十五法律があるんですけれども、中でもマイナンバーについて特にお伺いしたいと思います。  お手元にお配りしている資料の中で、7と8であります。マイナンバー制度による情報連携の項目を追加する、これが7ですね。一から五まであって、いろいろな事務を円滑化することができる、利便性を向上することができる。その中で、特に地方税法上の規定があるものについては8のところで対応している。これが7と8の仕組みで、中身については、予防接種とか、児童慢性特定疾病であるとか、特定医療費、身体障害者、知的障害者に係る事務でありますね。  これを見て質問なんですけれども、このように、今は、地方自治体がこんなところを改善してほしいということで持ち込んできて、それをパッチワークのように改善しているという形でマイナンバー制度の利用を広めているところでありますけれども、しかし、同じような連携をしたらメリットがあるんじゃないかというところを、内閣府、政府の側で網羅的に、つまり、出たとこ勝負ではなくて網羅的に見直して、それによって想定されるメリットそしてデメリットも踏まえた上でこれを書き上げてリストアップして、そして地方自治体意見を受けた上でマイナンバーの利用を広げていくという形にしたら、更にマイナンバーの利用が広まって利便性は向上する。  もちろん、センシティブなところ、個人情報に係る敏感なところはありますから、それらについては配慮しつつ、あるいは地方自治体意見も踏まえながらもマイナンバーを広めていくというふうにしたらいいんではないかというふうに思いますけれども、政府の見解を伺います。
  99. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  マイナンバー制度におきます情報連携は、マイナンバーで特定した同一人の情報を、専用のネットワークシステムを用いまして異なる行政機関の間でやりとりする仕組みでございます。これによりまして、対象となる行政手続におきまして住民票の写し、課税証明書の書類等が不要となるというものでございます。  この情報連携の対象となる事務あるいは情報につきましては、マイナンバー法の検討過程におきまして、マイナンバーの基本的な利用範囲であります税、社会保障、災害の分野におきまして、アンケート等におきまして地方公共団体の御意見も伺いつつ、具体の行政手続の制度を所管する関係府省とも検討し、定めてきておりまして、基本的には、これらの対象範囲についておおむね網羅できているものと考えてございます。  一方で、実際に情報連携の運用を始める中で、実務を担う地方公共団体等から、制度制定時には十分把握ができなかった連携項目あるいはさらなる利便性の向上への御意見もあるところ、これらを踏まえまして、これらの関係省庁と相談しながら必要な制度の改善等を行ってきております。今回の法案もその一環でございます。  さらに、マイナンバー法におきましては、その附則におきまして、この法律の施行後三年を目途として、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるものとするという見直し規定もございます。現在、関係府省とともに検討を進めているところでございます。  マイナンバー制度は多数の制度に共通して活用される基盤でございますので、御指摘のように、異なる行政手続において、いわば横串の観点を入れて検討することも非常に重要な視点であると考えてございます。今後の見直しにおきましても、これらの視点を十分認識し、地方公共団体の御意見を伺いながら、関係府省とともに必要な検討をしていきたいと考えております。
  100. 白石洋一

    ○白石委員 見直しのサイクルはあるということですから、ぜひ見直しの際には、こういったパッチワークで出てきたものを類推的に、網羅的に見直していただきたいなと思います。  地方創生ということで、次の質問に移ります。  ちょっと法案とは離れるかもしれませんけれども、雑紙のリサイクルについてなんです。  地方でそれぞれ地場産業というのがあると思います。私のところでは、製紙、紙パルプ、そして紙加工の産業が集積している四国中央市というところがありまして、そこで受けたお話をもとにお話しさせていただきます。  お手元の二枚目のところで、三十九、古紙の流通機構とリサイクルというのがありますけれども、ここで、紙・板紙生産の総量というのは二千六百五十一・五万トンというところがありますけれども、その原料となっているのは主に二つでありまして、一つはパルプ、チップからパルプをつくるものですね、これが九百六十・二万トン。その下に古紙とあります。古紙が一千七百十一・八万トンということになっています。つまり、ほぼ一対二の割合なんですね。  これは余り知られていないことだと思うんですけれども、紙というのは、七割近くが古紙でできているんですね、三割強ぐらいが新しい木を刻んだもの、これを溶かしてつくっているということです。ですから、紙・板紙にとって古紙というのは非常に大事な原料で、ここの価格、この入手ができるかどうかに大きくかかっているというのが紙パルプ産業なんです。  それで、古紙は大事だということで、この下のところにあります四十のところですけれども、回収率を上げて上げて、特に新聞古紙というのはかなり回収率は上がっている。加えて、茶色の段ボール、これも相当なところまで来ているんですけれども、それ以外のところ、印刷用紙系古紙、雑誌、OA古紙であるとかその他のもの、これは四五・四%なり四九%なりでまだまだ低いんです。これを国としても音頭をとって上げられないかなというのが私の質問のポイントなんですね。  皆さんがお住まいのところとか、あるいは議員宿舎でも、ああ、こんなものがリサイクルに出される、分別して出さないといけないんだというふうに思ったことはあると思います。自分のところではこれは分別しなくていいものが、ほかのところに行ったら分別しないといけない。つまり、地方自治体によって、古紙リサイクルに熱心なところと、そこまでいかないところがあるわけですね。それは、もちろん費用との兼ね合いとか、あるいは自分のところの焼却炉との兼ね合い等もあると思うんですけれども、やはり資源リサイクルを進めていかないといけない。紙だけじゃありません、プラスチックもそうです、鉄やアルミ、そういったものも資源リサイクルをして循環型の社会に移行していくということが大事だと思うんです。四十一のところにあります。日本はまあまあ進んでいるかもしれません。  しかし、次のページのところですけれども、容器包装リサイクル法による全市町村に対する分別収集実施市町村の割合の推移というふうにありますけれども、進んでいるのは、やはり、アルミとかスチールとかペットボトルはわかりやすいし、売ったらお金になりやすい、あるいは分別がきれいにされていて処理しやすいというものは割合は高くなっているんですね。平成九年から急激に上がっています。  しかし、紙製容器包装、例えば菓子折りだとか、あるいは紙のバッグであるとか、こういった紙製の容器包装等はまだまだであります。こういったものを、飲料用紙製容器であるとか、これは牛乳のパックですね、それから段ボール製容器と同じぐらいに近づけていくことができないかということで、これをぜひ、自治体の方でやっていたりやっていなかったりすることがあると思います、それを国としても、回収を高めるために、この紙製容器というのは雑紙といいます、これら雑紙もほかのものと同じように義務化することはできませんでしょうか。この点、政府の御所見をお願いします。
  101. 近藤智洋

    近藤政府参考人 申し上げます。  雑紙の分別回収につきまして、資源回収の一環として取り組まれておられます自治体がありますこと、環境省としても承知をいたしております。  例えば、京都市におきましては、平成二十七年十月から雑紙の分別義務化を開始されておられます。同市の調査によりますと、二十五年度の紙ごみ量と二十八年度の紙ごみ量を比較いたしますと、約三万トン、紙ごみ量として約二一%の削減の効果があったと承知をいたしております。  委員御承知のように、一般廃棄物の処理自体は自治事務でございますので、市町村における分別区分の設定自体は、当該市町村のごみ処理体制の状況、それから、今御指摘のございましたように、費用や焼却炉の状況等に応じまして市町村が設定しているものでございますけれども、リサイクルを進めます環境省といたしましても、市町村における雑紙を含め各種の資源の分別回収が進みますよう、その内容や効果等について、今後とも関心を持ってしっかり注視してまいりたいと考えているところでございます。
  102. 白石洋一

    ○白石委員 ごみの回収は自治事務であって、国としてはソフトな誘導をする立場でありますという答弁だったと思うんですけれども、雑紙を回収してくれたら相当ちゃんと使いますよということを、先ほど私が示したような紙パルプの材料の構成等をパンフ等にして、自治体の首長であるとか、あるいは自治体の環境関係方々説明していくということが大事ではないかなというふうに思うんです。  と申しますのは、私が先ほど申し上げた紙の町四国中央市の、同じ選挙区ですけれども、その隣だったりちょっと離れていくと、非常に大ざっぱな資源回収のやり方だったりするわけです。一つのところでは非常に意識が高くて、それは、経費だけではない、資源、環境が大事だという思いでやっていると思います。  ですから、その意識を持ってもらう。知らなかったよという首長とか自治体関係者もいらっしゃるかもしれません。そういったところを意識を持ってもらうために、環境省として、パンフ等をつくってそれを説明する、あるいは説明の材料を提供するということをしていただきたいなと思うんですけれども、そこについての御所見はいかがでしょうか。
  103. 近藤智洋

    近藤政府参考人 申し上げます。  平成二十八年度に市町村住民団体等が回収し資源化いたしましたごみ約八百八十万トンのうち、紙類、紙パック、紙製容器包装は約三百九十万トンと約四四%を占めており、紙類の資源化は重要な課題であると認識をしております。  このうち、紙製容器包装等につきましては、自治体において分別収集が促進されますよう、容器包装リサイクル法の基本方針におきまして、市町村は適切な分別収集の一層の推進に努める必要があるとしておりまして、また、自治体向けの説明会開催し、容器包装リサイクル法に関する必要な情報提供や分別推進の依頼をいたしたりしているところでございます。  また、産業界におかれましても、自主的なリサイクルの取組として、回収率の目標設定や分別容易化などの環境配慮設計の考え方を示すほか、市民や自治体連携した周知啓発を行われていると承知をしております。  環境省におきましては、今委員指摘のありましたように、関係自治体や事業者とよくコミュニケーションしながら、引き続き、普及啓発を含め、循環型社会の形成に向けまして、雑紙を含めた紙類のリサイクルの取組推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  104. 白石洋一

    ○白石委員 一番最後のところで、環境省としましては取組に努めていきたいと思いますということなんですけれども、それを具体的に、もちろんリサイクルについて啓発活動をやっていらっしゃると思います、その中で、ぜひ、紙というものの大切さ、古紙というのはまた生き返って、自分が使っている七割が古紙なんだということをわかっていただいて、そこもまた強調して、知らなかったよという人にはわかっていただくということをしていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  地方で所有者不明土地というのがたくさん出てきております。それは、住宅地、山林、そして農地ですね。住宅地、山林について、それぞれ対策も打たれていると思うんですけれども、きょうはちょっと農地について質問したいと思います。  私のところでいったら、農地といっても大体大ざっぱに二種類あると思うんですね。一つは、田んぼ、畑の農地。それともう一つは、果樹園、山の傾斜地のようなところの農地。それぞれ所有者不明土地が出てきて困っている。  これは耕作放棄地というところから出てくるんですけれども、耕作放棄地のもとをたどったら、それは所有者がわからない。実際、圃場整備をしようとすると、つまり田んぼ、畑の土地区画整理をしても、やはり所有者不明土地が出てきて、そういったところは手をつけられないから隅の方に置いておいて、合意できるところからやっていくしかないというようなところが出ています。  さらには、果樹園のところでは、自分の隣が耕作放棄をしていて、特に果樹園のところというのは結構大ざっぱなところもあって、耕作をしなくなったら途端に、誰のものやらよくわからない、境界もわからない、もう山に戻ってしまっているというのが現状であります。  そんな中で、政府は、この四枚目の配付資料ですけれども、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律というのを、この前、先日通されたばかりというふうに聞いております。  これについて、詳細はこの中のとおりなんですけれども、要するに、使っている人で共有者がわからない場合については、市町村に頼んで、そして、農業委員会が探索、探してみて見つからなかったら、不明者のみなし同意としてそれを公告して、利用権を設定するというものであります。  これは主に共有者の動きとして見られておりますけれども、新規に農業を始めよう、田んぼ、畑あるいは果樹園をやってみようという人にとって、このスキームを利用する場合の流れはどのようなものになるでしょうか。
  105. 山北幸泰

    山北政府参考人 お答えをいたします。  今、新規就農に当たってこの利用をということでございました。  新規就農する場合には、一般的には、農業大学校ですとかあるいは農家で研修を経て基礎的な技術を身につけていただく、そうした上で、農業に必要であります農地ですとか、あるいは機械、資金の調達をしていただく、そういうことだろうというふうに思います。そのためには、まずは、市町村段階で農業委員ですとか普及指導員、あるいはJAの営農指導担当者、融資担当者、あるいは政策金融公庫、そういったところが新規就農をサポートするような仕組みというのを設けていますので、まずはそこに御相談をいただくというのが現実的かなというふうに思っています。  その際、今御指摘の農地でございますけれども、身近なところでは、市町村の農業委員会のあっせんを得る、そういったようなこともあろうと思いますし、まさしく委員指摘いただきましたように、今回のスキームでそういった所有者不明農地を農地中間管理機構が借り受けるということになっておりますので、この機構は借受け希望者を公募という形で募集しているということでございますので、そういったところに応募していただく、そういった形で農地を確保していただくということになろうというふうに思っております。
  106. 白石洋一

    ○白石委員 一般の方にとってはJAは比較的目に見えてわかるんですけれども、このスキームにはJAというのはないわけですね。農業委員会が動くということになっていますけれども、農業委員会というのは一般の方にとってはちょっとよくわからない。実際たどってみたら、ああ、市役所の中の課にあるんだということがわかったり、あるいは別の建物であったりする自治体もあるみたいですけれども、ほとんどは市役所だということだと思います。  所有者不明農地というのはどんどん出てきているわけですから、このスキームを広く周知して、そして使ってもらい、あるいは使い勝手が悪いところについてはそれを改善していくということが必要だと思うんですけれども、その周知の仕組みについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
  107. 山北幸泰

    山北政府参考人 お答えをいたします。  先日成立いたしました農業経営基盤強化促進法等の一部改正法につきましては、農地の有効利用をしていこう、あるいは、集積、集約化を進める上で、相続未登記農地の所有者のみならず、例えば、今御指摘ございましたように、隣地の所有者ですとか、あるいは新規就農者など、広く周知していくことが重要だというふうに考えているところでございます。  現在、実際に農地を、言ってみれば貸し手と借り手というのをマッチングする、そういう仕組みにつきましては、農地中間管理機構が中心に、市町村ですとかあるいは農協にその業務を委託するといったような形で進めているところでございます。新制度の周知につきましても、こういった機関と連携して進めてまいりたいというふうに思っています。  また、今いろいろ御指摘ございましたように、例えば、愛媛県におきましても、御指摘のとおり、まだ所有者不明まではいっていないけれども、離農して不在村地主になっているというような樹園地がたくさん出てきているというふうに聞いております。  そういう中で、えひめ中央農協においては、例えば、入りたいという人たちを何とかそこに入れてあげようというようなことで、機構と連携の協定を結びまして、そういった新規就農者のための手助けをする、あるいは、農協がみずから機構から農地を借りて、そこで一定期間研修をさせて、そこで独立させていこう、そういった動きも出ておりますので、そういった優良事例につきましても私どもの方で取りまとめまして全国に周知していく、そういったようなことを含めて周知の徹底に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  108. 白石洋一

    ○白石委員 審議官は先ほど、農地中間管理機構の役割について、例えば、こんな畑、こんな果樹園がありますよということで募集をかけていくということをおっしゃっていて、それをいろいろな手段で、農協とかいろいろなところに委託してやっていくんだと思うんですけれども、ちょっとこれは質問通告になかったんですけれども、その表現であれば、農地中間管理機構が一旦、借り先も見つけないまま借り受ける、先に借り受けて、それから借り先を見つける、こういったこともあるんでしょうか。  あるいは、借り先がちゃんと見つかってから一方のところから借りる、あるいは、借りるためのこういったフローに基づいて二十年なり借り受けるということなんでしょうか。
  109. 山北幸泰

    山北政府参考人 お答えをいたします。  中間管理機構の役割としては、言ってみれば、貸したいという人たちの出てくるものを借り受けて貸していく、そのときにできるだけまとまった形で貸していくというのが一番の本来の仕組みでございますけれども、現在、公募というふうに先ほど申し上げました、その中では、やはり借りたいという希望の方が現在は上回っている状況ということでございます。そういう意味では、それを待っているというだけではなくて、そういった借り手のニーズに応じてできるだけ農地を探すといったような役割というのも期待しているところでございます。  それが現在順調にいっているかというと、まだ不十分な点はあるかと思いますけれども、そういった機能を有しているということでございます。
  110. 白石洋一

    ○白石委員 ありがとうございます。  借り手希望者の方が上回っているということなんですけれども、最後の質問になると思うんですけれども、どうやってもこれは貸し借りなんですよね。所有者というのはちょっとさておきということで、使える人がいるんだったら使ってもらうということなんですけれども、所有者不明農地の所有権も踏み込んでいくときがそろそろ来ているんじゃないかな。  戦後、兄弟皆平等に分割相続するということで、それから相続が二回転、三回転してきたら、所有者が非常に枝分かれしていきます。そうすると、こういった所有者探索というのも非常に困難になってくると思うんですね。ですから、所有権放棄とか、それをもって移転させるとか、それをまとめ上げていくとか、こういった仕組みが必要なんじゃないかなというふうに、もう現場のところでは思い始めております。すっきりしないんですね、貸借というのは。  それで、農地中間管理機構が一応先に農地を確保してから探しに行くということがあるのであれば、農地中間機構が先にそれを所有して在庫にして、そしてそれを売るとか、あるいは、地方公共団体が一旦所有する、使わなくなった土地を公に返すというようなスキームが必要になってきていると思うんですけれども、これについての検討施策についてお願いします。
  111. 山北幸泰

    山北政府参考人 お答えをいたします。  農地につきましては、農地法で、農地をちゃんと利用するという責務がかかっているということでございますので、そういう意味では、所有者がその責務を果たせないような場合には、まずは貸していただいてその有効利用を確保していこう、そういうような観点から今回のスキームを提案させていただきました。  御指摘のとおり、所有権の問題というのも顕在化してきているということは確かにそのとおりだろうというふうに思っております。これは農地の問題だけではなくて、人口減少ですとかあるいは超高齢化社会が進展しておりまして、相続多発時代を迎えようとしているということで、まさしく、御指摘のとおり、所有者不明土地全体の問題だろうというふうに考えているところでございます。  このため、中期的な課題として政府全体で取り組んでいるところでございまして、本年六月一日に閣僚会議で決定いたしました所有者不明土地対策の推進に関する基本方針におきましては、本年度中に具体的方向性を示した上で、二〇二〇年までに必要な制度改正実現するというふうにされているところでございます。  現在、法務省に立ち上げられました登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会におきまして具体的な検討が進められているところでございますが、農林水産省も本研究会に参加をいたしまして積極的に協力しているところでございます。
  112. 白石洋一

    ○白石委員 ぜひ事業官庁として進めていただきたいな、ちょっとペースが遅いんじゃないかなという気がしますけれども、この点について、ちょっと質問通告はしていないんですけれども、梶山大臣、やはり地方創生にとって、こういう所有者不明土地、住宅も農地も山林もたくさん出てきて、それをどう生かしていくかというのが課題になっています。使わなくなった土地は公に返すということについて、もし感想等ありましたらお願いします。
  113. 梶山弘志

    ○梶山国務大臣 人口減少が著しい地方においては、特に所有者不明の土地、農地、また山林、そして空き家が発生をしているのは事実であります。そこで、移住希望者に対して、また就農希望者に対して、市町村の役所の窓口がワンストップでそういうものの受付をしているのも現実としてあるわけであります。  そういったものをしっかり交付金で応援してまいりたいと思いますし、時間をかけた形でその問題の解決にも私どももお手伝いができればと思っております。
  114. 白石洋一

    ○白石委員 しっかりお進めください。  どうもありがとうございました。終わります。
  115. 渡辺博道

    渡辺委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  116. 渡辺博道

    渡辺委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。宮本岳志君。
  117. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案に反対の討論を行います。  第一は、幼保連携認定こども園に係る居室の床面積の基準を、一部地域で従うべき基準から標準に緩和することです。  現在の面積基準は子供の安全な保育を保障する最低基準であり、国際的にも非常に低い水準と言わなければなりません。基準の引上げこそ求められており、待機児童などを理由に標準へと緩和することは、子供の命と安全にかかわり、認められません。  第二は、准看護師試験の事務を指定試験機関に委任することを可能とすることです。  日本の医療と看護を支えている准看護師を低賃金で雇用できる制度へ固定化、存続することにもつながりかねず、容認できません。  第三は、マイナンバー制度による情報連携のさらなる拡大は、特定個人情報の漏えいの危険を一層高めることです。  特に、障害者施設や老人ホームなどへの入所措置等の費用徴収で、現在、地方税法で課せられている守秘義務をわざわざ外して情報連携を行うことは、特定個人情報の漏えいリスクを広げるものです。本人や扶養義務者の収入状況に関する報告を罰則をもって義務づけることも重大です。  最後に、幾つもの省庁にわたる規制緩和等を一括して法案としながら、法案担当大臣法案の個々の内容については答弁する立場にないというのでは、本委員会での十分な審議は行えません。個々の法案は所管の委員会で審議すべきであり、一括法案というやり方は改めるべきであるということを申し上げ、反対討論を終わります。
  118. 渡辺博道

    渡辺委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  119. 渡辺博道

    渡辺委員長 これより採決に入ります。  内閣提出参議院送付地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  120. 渡辺博道

    渡辺委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 渡辺博道

    渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  122. 渡辺博道

    渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時八分散会