○篠原(孝)
委員 これは時間が少なくて質問だけで、答えはいいですけれ
ども、やはり
中心に農林水産業を置いていただく、これが一番ふわふわしないでいいんです。だけれ
ども、その観点が消えているんです。
これは通告してありませんけれ
ども、お二人、
大臣と政務官、一社一村運動というのを御存じですか。(
梶山国務大臣「一村一品じゃなくて」と呼ぶ)一社一村運動というのを。
では、レクチャーします。隣の韓国、米韓FTAで、シンガポールや香港と同じ国になってもいいという大胆なことをして混乱しているわけですが、それでは農村は立ち行かないということで、各社が田舎の村と提携してそれを助けていこうという運動を二〇〇四年から始めているんですよ、サムスン電子を
中心に。そうやって農村をバックアップしなかったら
地方は崩れてしまう、韓国の国の形がおかしくなると。会社が、わかりますよね、そこの農産品を購入するんです。ふるさと納税とか、お金も絡んでやっている。会社がそこの農産品を買い、そこにレジャーに行き、金を落とし、そして
地方を
活性化しよう、こういう具体的なことをしているんですよ。
見習うべきだと思いますけれ
ども、我が国にそんな声はさっぱり出てこない。出てくるとしたら、
梶山大臣のところからしか出てこないんです。こういうのがあるんです。覚えておいてください、ぜひ。
そして、農村愛、こういうもの。これは長野オリンピックのときに似たようなのがあるのを御存じですかね。一国一校というので、それぞれの小学校、中学校がそれぞれの国の担当になって歓迎してやったんです。これは、今度の
東京オリンピックやなんかにも、そのまま
参考になっているはずなんです。
一つの小学校、中学校が歓迎してと。心の交流も生まれますしね。
だから、
企業全体も、農村を、
地方を何とかしようと協力しているんですよ。賃上げだけが協力じゃないんですよね。こういうのがあるんです。
そして、いい傾向があらわれているんですね。
三ページ目の資料を見てください。日本農業新聞です。
全国紙はなかなか報じませんけれ
ども。この資料もよく見てください。最近のものを、ことしになってからの記事のわかりやすいものを。
一番最初の左側、田園回帰の潮流くっきりと、総務省が過疎地着目し
調査、
移住増
地域が三・七倍にという、一番上の表です。百六十八
地域しか
移住者が増加していなかったのに、三百九十七になったというのが上の表。
それで、総人口に占める
移住者の
割合がふえているのは、左側、二〇〇〇年から一〇年では二百五十だったのに、二〇一〇年から一五年で六百三十一になっている。
しかも、ここからが大事なんです。いいですか、十代以下一二%、二十代二二%、三十代二三%。五七%が三十代以下なんです。お年寄りじゃなくて、若い人たちが鋭敏なんです。こんな
東京にいられるかと。それは、いろいろなのがあったからだと思います。東日本大震災もあったと思います。価値観が変わったと私は思いますよ。
どうでもいいことかもしれませんけれ
ども、私が農林水産副
大臣のときに秘書官をやっていたのはふるさとが山形です。今、鶴岡の例って出されましたけれ
ども。あの大震災の日に、奥さんの父親のお葬式に、奥さんの出身が石巻だったんです、あの災害に出くわしたんです、現場で。すぐ帰ってくると言っていたから、僕は、ここは立派なんです、帰ってこなくていい、
東京なんかかわりは幾らでもいる、そっちで役に立ってこいと言って、石巻市役所で大活躍してきました。人生観が変わりました。農林水産省をやめて
地元に帰りました。今、そこの市長をやっています。
こうやって、
若者は鋭敏ですから、感覚が変わってきたんです。
それでは、次、右のを見てください。
半数が、豊かな自然を求めてということで、「気候や自然環境に恵まれたところで暮らしたい」、「働き方や暮らし方を変えたい」と。これで一番下、「良好な環境で子育てしたい」と。
ほかの資料もあるんですけれ
ども、みんな表だらけになっちゃいけないので。半分以上が、転居前からいろいろな形でつながりがあった人たちがこういうふうにしていると。
それから、これは条件が大事でして、資料二に移りますけれ
ども、生活ができて収入ができるというのが……。ちょっと資料に入っていない。
それから、必要なサービスがあることをやはり心配しているわけです。必要なサービスって何でしょう、
若者。まず学校なんですね。小学校、中学校、保育園。
都会の待機児童問題ばっかしががたがたされます。多分、
大臣の茨城県の
地元でも、都心に近いところは待機児童問題があると思いますが、こんなことを言っては失礼ですが、北の方なんて待機児童なんてとっくの昔に消えて、保育園はなくなる、小学校はなくなる、中学校はなくなる、高校はなくなる。だから
若者がいなくなるんです。
移住相談件数がこんなにふえた。
それで、問題は、
移住希望地ランキング。右が一七年です。済みませんね、我が長野県がトップです。別に私がいるからではないですけれ
ども。長野、山梨、近いところ。それから、静岡、広島、福岡、
岡山というのは、これは多分、
東京に近いし一部都会的なのがあってという、ちょっと違うと思うんです。八位の福島から宮崎、富山、愛媛、高知、まあ客観的に見て、こちらは、のどかなところで生きたいという。和歌山は、同じように、
東京に近いという。
東京に近くて、そこそこ田舎っぽくて、「ひよっこ」で大人気だった茨城県が入っていないんですね。何でなのか。それぞれ国民の趣味というのは。人が悪いなんて言われていないし、何もないんですけれ
ども、近場ですし、いいです。だから、どうやってこうやって選ぶのかもよくわかりませんけれ
ども、しかし、これは、若い人たちがこれだけこういうことを言い出してきているんですよ。
日本農業新聞、その裏を見ていただきたいんですが、これは私の
地元の信濃毎日新聞も、いろいろなところのを言っています。老後
移住が一九・一%、
地方都市にと。住みよい、
移住に関心がある、
企業が
支援してくれたら
地方に住みたい。在宅勤務とか、こういうことを大胆にやればいいんです。それで、
地方に住んでと。
そして、幸いなことに、二ページ目の、医療
関係での大都市と
地方の隔たりというのを見てください。これは、ちょうどいいなんて言っちゃ悪いんですが、人口十万人当たりの医師数を見てください。京都府は、京都府立医大もあり京都大学もある。
東京は山ほど大学があるから多いんです。徳島、高知と、田舎の県なのに何で多いのかと思う。
山口筆頭
理事にちょっと
先ほど申し上げましたけれ
ども、医学部は、どう教育したって二百人、三百人の定員はできないんですね。百人なんです。そこで六年なり
研修をやっていたらそこに居座る人が多いから。だから、徳島、高知、あとほかにあります島根とか鳥取とか、そういうのなんですよ。大学というのは、そういう意味では大事なんです。逆に、右側の方は、埼玉、茨城、千葉は、人口がどんどんどんどんふえているっきり、近くに医学部ができない。
東京は遠いというからこういうふうになる。
下から二番目の表を見ていただきたいんですが、また長野県自慢になってしまいます。平均在院日数、日数の少ない順番。神奈川、
東京、千葉が上から三番目です。当たり前です。若い人たちが一番いるからです。こんなのは病院に長くいるはずがない。長野県は、一番長寿の県なんですけれ
ども、四番目に病院にいる数が少ないんです。真面目に働いて、外で兼業農業をやって、手間暇かかる果樹だとか野菜だから、年寄りのやるのが必要なんです。ところが、我が日本の農政は、そういう年寄りがやる農業をやめて、大規模ばかりする。これは私からすれば全く真反対の
政策だと思います。医療費はどれだけ長野県の方が少ないかということは、こういうことから見るとわかるんです。
そして、空き家について言っております。空き家が
全国で一三%、それで、長野県、一九%。私は、若い人たちにどんどん来てもらえばいいんじゃないかと思っております。
これは、ぜひ、
移住大チャンスです。
若者の
移住について大胆な
政策を何か打ち出していただきたいと思いますが、何かお考えになっていることはありますか。