○大西(英)
委員 自民党の大西英男でございます。質問の機会をお与えをいただきまして、ありがとうございます。
今、盛山先生からの御
指摘もありましたけれども、我が
日本列島、異常気象に伴い、あるいは気候変動に伴い、いつ、どこに、どれだけの
災害が起きてくるかわからない、そんな大変危険な
状況の中にあります。そして、私どもが住んでおります江戸川区におきましては、ゼロメートル地帯という、水に対して極めて厳しい
状況の中で七十万人近い区民が生活を営んでいるわけです。そうした中で、今日までも、さまざまな台風だとか水害によって大きな
影響を受けてきたわけでございますけれども、これに
対応して、治水
対策に全力で取り組んできています。
その中でも、高規格堤防、スーパー堤防の
整備については、
全国に先駆けてさまざまな努力を積み重ねてきているわけです。
この高規格堤防についてはいろいろな意見があることも承知しています。例えば、下流でどんな立派な堤防をつくっても、中流や上流の堤防が弱ければ
防災的にしっかりとした治水
対策効果が上げられないのではないかという御意見もあります。
しかし、皆様御承知のとおり、よく昔から言われます。一滴の水が小川となり、幾つかの小川が大河となってこれは海に注いでいくわけですから、やはり最下流こそ
強化をしておかないと、上流部分での大量な雨や水を安全に海に流していくことは、これはできないことは自明の理であります。
そしてもう一つは、スーパー堤防、高規格堤防といっても、部分的にこれが完成しても何の意味もないじゃないか、堤防が全て完成をして初めて
効果があらわれるのではないかというような意見もあります。
しかし、私どもの
地域で、後でお示しをしていきますけれども、部分的にスーパー堤防が完成した。それが、仮に水害のときの、高台化で命の丘となっていくわけで、この
防災対策上の
効果というのは絶大なものがあります。
さらに、このスーパー堤防
事業とともに、まちづくりも積極的に進めております。それは、区画整理を進めたり、あるいは、消防自動車も入れないような狭隘な
道路を拡幅したり、そうした、まちづくりにとっても快適で良好な町ができ上がってくるというのがこのスーパー堤防の
効果の一つです。
お手元に資料をお配りをしておりますけれども、これは荒川右岸スーパー堤防、小松川
地域の施工前、裏を見ていただきますと、施工後、このような本当に快適で、安全で、
安心な町が実現をしているわけです。
この小松川地区の工事というのは、昭和四十四年に基本構想ができ上がりました。そして、三十三年かけてようやくでき上がったんです。スーパー堤防
事業も盛り込みまして、これは約十二年かかって完成をして、総工事費は約七千四百億円。これは国費も投入されてでき上がったわけでございまして、これは堤防の上に桜をずっと植えてありまして、千本桜といって、私どもは
日本一の桜の名勝ではないかと思っています。お時間があったらぜひ見学をしていただければありがたいと思います。
さらには、江戸川右岸スーパー堤防、私どもの江戸川区というのは、右岸は江戸川、左岸は荒川に囲まれた
地域でありますけれども、その江戸川沿いの北小岩地区で、先日、スーパー堤防が一部完成しました。これは施工前の写真で、裏をめくっていただくと、見事にそれが移転をされて、今、徐々に建物が建ってきております。これはこの
地域の
災害時、水害時にとっては命の丘になります。そして、今は快適な町並みが着々と進んでいるわけであります。
私は、こうしたスーパー堤防の成果を目の当たりに見ている自治体の出身議員の一人として、この
事業を更に拡大をして拡充をしていくべきだと考えております。
そんな中で今私どもの
地域の大きな
課題は、篠崎公園という八十八ヘクタールに及ぶ大きな都立公園があるんですけれども、これをスーパー堤防
事業と合体をさせて、そして、江戸川、これは右岸になりますけれども、スーパー堤防をつくり、この公園の高台化をすることで、ある意味では
日本一の
防災拠点ができ上がるのではないかと思います。これらについては、まだまだこれからの大きな
課題が山積をしています。
特にこれは、高規格堤防
事業、これが今後どのように進めていけるのか、どれだけの
予算措置を講じてこれを積極的に国が取り組んでいくのか、これにかかっているわけでございまして、今後のスーパー堤防
事業の
必要性、そして今後の
事業の進め方について、決意を含めて御意見をいただきたいと思います。