○
初鹿委員 おはようございます。
立憲民主党の
初鹿明博です。
トップバッターですので、まず
最初に、この
委員会の運営について一言申し上げさせていただきます。
まず、きょうもこの
委員会が
委員長の職権で立てられているということに、非常に憤りを感じております。そして、今回
議題となりましたこの
水道法も、
趣旨説明を、我々
野党、
立憲民主党を始めとする
野党が
出席をしない中で行われたということを、非常に遺憾に思っております。
我々は、
審議をしないと言っているわけではありません。我々が求めていることに余りにも
皆さん方が不誠実な
対応をとっているから、抗議をしているのであります。
まず一点、
生活困窮者自立支援法についてでありますが、十分な
審議時間が確保されないまま、ゴールデンウイーク前に、強引に与党だけで
採決まで行いました。これに対して我々は
補充質疑を求めてきており、それがまだ十分に行われておりません。
そして、
年金についてでありますけれども、この
年金についても、調査の
報告書が出てきました。これについての
集中審議を求めておりますが、これもかなっておりません。
そして、一番我々が強く求めてきておりますのは、目黒区で起こった
児童虐待、この事件について、現地の視察、そして
集中審議をこの間求めてきております。これらについて一向に
対応をされていないということを、非常に私は憤りを持っております。やはり
政治はスピードが大切だと
思います。
児童虐待の問題がクローズアップされている今ここで
国会が動かないでどうするんだという
思いを持っております。
そして、
審議の順番についても申し上げさせていただきますが、働き方
改革法案が
衆議院を通って、そして、
参議院での
審議時間が足りないということで
国会が延長をされたわけでありますが、そういう中で、
参議院を通って
衆議院に送られている
医療法の
改正案を
後回しにして、先にたばこの、
健康増進法の
改正案の
審議をし、そして
水道法を今度は次にやってくるというやり方は、私は非常に不誠実だと
思います。
医療法、
医師法が残っているということは、この
国会で、きちんとこの
衆議院で
採決が行われなければ
廃案になるということであります。我々は、この
法案は賛成したいと思っているわけですよ。そういう
法案を
後回しにして、
審議時間が足りなくなる、
審議日数が足りなくなると
廃案になるということで、この
水道法の
審議を拙速に進めようということにならないようにまずしていただきたいということを申し上げさせていただきます。
その上で
質問に入らせていただきますが、まず、今回の
水道法の
改正ですが、十七年ぶりの
改正ということで、我々も、今の
水道事業、このまま、今の規模のままで進んでいったときに、本当に大丈夫なのかという懸念もありますので、
広域化を進めることや、
インフラを縮小していったり、ダウンサイジングを行っていくということ、これに資するような
改正であるならば、そこは賛成をしていきたいというふうに思っております。
そういう面では、今回の
改正案の中に、我々と
思いを一に、一致しているところも多くあるんですけれども、残念ながら、我々としては、
民間に
水道事業を譲り渡す
コンセッション方式の導入ということは、これは認めるわけにはいかないというふうに思っております。
そういう前提で
質問をさせていただきますが、まず
最初に、きょうは
国土交通省の
秋本政務官にお越しいただいておりますので、まず
秋本政務官に
質問をしていきたいと
思いますけれども、
水道を考える上で、その
水源となる
ダムの問題も切っても切り離せない問題ではないかというように思っております。
私は今、超党派の
議員連盟の、
公共事業をチェックする
議員の会の
事務局長を務めておりまして、これまでずっと
大型公共事業の問題に取り組んできております。そういう中で、
ダム事業の、特に
利水面で見ると、過大な
需要予測をして、本当に水が必要かどうか疑わしいにもかかわらず大きな水の
需要をつくり上げて、そして
ダムを建設することを認めさせてきているということがたびたび見られるわけであります。
その典型的な例が、私は八
ツ場ダムだというように
思います。八
ツ場ダムは、
民主党政権のときに一旦
中止ということを表明しましたが、残念ながら
続行ということになりました。このほかの
ダムについても、かなり
ダムの
見直しということが当時の
民主党政権のもとで行われてきましたが、残念ながら、三・一一の大震災が起こって、そこで少し
見直しということに対する
見直しも行われ、
続行が決まった
ダムが
幾つかありますが、今振り返ってみると、あのとき冷静さを欠いていて
続行を決めてしまったけれども、改めて、本当に必要かどうかということは検証していくことが今求められているんじゃないかと
思います。
そこで、
皆さんのお
手元に
資料をお配りさせていただいておりますけれども、まず、八
ツ場ダムの
利水面での
必要性ということで、
関係自治体が出している水の
需要予測を添付させていただきました。
東京と
千葉と
群馬と
茨城をつけておりますが、
東京の
資料は、一日一人当たりの
最大給水量の
推移と、一日
最大給水量の
推移を出しているんです。
まず、
東京都の場合、二〇〇三年に
予測をしているんですね。それで、二〇一二年に新しい
予測を立てています。黒い実線が
実績なんですけれども、見てのとおり、
実績はどんどんどんどん
右肩下がりで下がっているにもかかわらず、
予測は基本的に
右肩上がりにしている。一枚めくっていただいて、一日の
最大給水量についても、多少、二〇一二年の試算では
右肩下がっていますが、そもそも
最初、二〇一五年の
スタートの段階で、
実績と百万立米も違うようなところから
スタートをしているという、非常に私は不適切だと思うんですね。
同じように、
千葉県の
傾向も見てください。
実績は、ほぼ
横ばいから
右肩に下がってきているにもかかわらず、当初の
予測も、新しくした
予測も、全部
右肩上がりです。
もう一枚めくっていただいて、
茨城県。
茨城県も、非常にこれは差が顕著ですよね。
実績は
横ばいですけれども、
予測は非常に
角度のついた、急激に水が必要になるような
右肩上がりの
予測を立てている。
群馬県も見てください。
群馬県も、ずっと
右肩下がりなのに、
見直しても、こんな六十度ぐらいあるような
角度で
予測を立てている。こんなことがあり得るのか。
こういう
予測を立てて、
利水面で必要だからといって、八
ツ場ダムは五回も
計画が変更されて、五千三百二十億円まで
事業費を膨らませたわけであります。同じような過ちを絶対に私はしてはいけないと
思います。
そこで、きょう、
石木ダムという長崎県にある
ダムについて
秋本政務官にお伺いしますけれども、この
ダムも、四十年近くにわたって住民が
反対闘争を行っていて、
事業の、
工事の
差止め訴訟が提起されました。結審がされて、七月の九日に判決が言い渡されることになっているということであります。
お
手元へ追加の
資料を出しましたが、
佐世保市の水の
需要の
予測も見てください。八
ツ場ダムと変わらないように、全体的な
傾向は
右肩下がりになっているのに、はるかに、ワニの口が開いたかのように、大きな
需要予測をしているわけですよ。これで水が足らないから
ダムが必要だというのは、私はいかがなものかなと思うんですね。
そこで、私からの提案ですが、
予測値と
実績が、例えば三年とか
一定期間、大きく差が出た場合、しかも
傾向に違いが出た場合、
右肩上がりの
予測を立てているのに
右肩に下がっているというのが出た場合には、一旦
工事をとめて
予測をやり直す、そういう
仕組みを
ダム事業では取り入れるべきではないかと
思いますが、
政務官の御
見解を伺います。