○
定塚政府参考人 お答え申し上げます。
幾つか御
質問の点があったかと思いますけれども、まず、相談
支援の人員体制ということそのものについてでございますが、この
生活困窮者自立支援制度については、自治体直営でやっていらっしゃるところと、それから
社会福祉協議会そのほかの民間団体等に委託しているところと両方ございまして、どちらかというと委託を多く使っているというところが多くなっております。
いずれにしましても、相談
支援をしっかり進めていくということが肝でございますので、さまざまな課題に対する相談に対して包括的に対応できる相談員の配置が重要であるということ、これは
審議会の中でも繰り返し述べられてきたところでございます。
こうしたこと、あるいは
支援員を何人配置しているかということと新規相談件数との間の関係というのも、これもデータでとってみましたところ、やはり相関関係にある、
支援員が多いところは相談件数も多くなっているというデータもございましたので、今回の
法案では、自治体に対して必要な人員配置の努力
義務を創設をして、人員体制の整備を促すこととしております。
また同時に、
支援実績の高い自治体を補助に当たって適切に評価をしていくということで、全国的な人員配置の充実や
支援実績の向上を図るということと、人員配置の
状況を全国の比較で客観的に把握できる、
自分のところの自治体が一体どのぐらいかということが把握できるような仕組みを設けるということで、人員配置が厚いところと薄いところとございますけれども、薄い自治体の底上げを促すということとしているところでございます。
また、人数とともに質も大変重要でございますので、都道府県による市町村の相談員に対する研修の実施などに関する事業も今回の
法案では法定化をしているところでございまして、この費用への補助の仕組みも設けているということで、人員配置を各自治体において進めることについて、質、量双方の側面から
支援してまいりたいと考えているところでございます。
また、
地域の民生
委員であるとか、あるいは
地域包括ケアということと絡めて
支援をしていくべきではないかという御
質問、全くそのとおりでございまして、実は、
地域の民生
委員の
方々、既にかなり困窮の事業にも応援、
支援をしていただいております。全国で今、民生
委員、児童
委員の方、二十三万人程度いらっしゃるわけでございますけれども、
地域住民の
生活状況を把握し、見守りをしていく中で、このうちはやはり困窮だよ、なかなか解決、難しいよ、複合的でという場合に、この
生活困窮の
支援窓口につないでいただいているというところ、たくさんございまして、我々としても、そのようなつなぎをぜひお願いしたいということを民生
委員サイドにもお願いをしているところでございます。
また、
地域との関係でございますけれども、これは、やはり
地域においていろいろなケースがふえている。例えば、
介護が必要な八十歳の御家庭のところに五十歳の引きこもりの方がいらっしゃるとか、いろいろ複合的な事案を抱えている。あるいは、先ほど御
質問でも出ましたように、
自分で相談に行けない、だけれども困窮とか困り事を抱えているというケース、たくさんあるわけでございまして、こうしたケースに対応していくためには、
高齢者を
対象としている
地域包括ケアシステムということをもう少し広めまして、必要な
支援を
地域で包括的に確保するという
考え方、これを普遍化して、
高齢者に限らず、その
地域で
生活上の困難を抱える方を
対象としての包括的な
支援体制をつくっていく、こういうことが必要であるという考えに立っているところでございます。
こうした体制をつくるためには、御
指摘いただいたとおり、
地域で助け合うというようなこと、あるいは、支えられる側、支える側と二つに分けるのではなくて、支えられる側も支える側に回る、
高齢者の方も
自分でできることは支える側に回るといったような、
地域で互助をしていくような
地域力の強化をしていくということ。
また同時に、住民で努力するということだけではなくて、やはり住民同士では解決できないことは
行政もしっかりと
責任を果たすということで、住民と
行政がしっかり協働して支えていく。個人や世帯が抱えるさまざまな
生活課題を、公的な体制による
支援と相まって、
地域住民、
行政が協働して解決をしていくということが重要であると考えておりまして、こうしたことから、昨年の通常国会で
社会福祉法の改正を行っております。
こうした中で、
地域の共生
社会の実現ということで、
社会福祉法の中では、新たにこうした
地域住民が交流する拠点の整備などの
地域づくりの取組をするということ。また、身近な
地域で、
高齢者、障害者、
子供などいろいろな相談がありますけれども、相談を包括的に受けとめられるような場を整備していただくということ。また同時に、そうした相談の中で、難しい課題については相談
支援機関が協働して課題を解決するネットワークを組むということ。この三点について自治体が整備をするという努力
義務をかけた包括的な
支援体制の整備というものを進めていこうという改正を行っておりまして、これがちょうどことしの四月から施行されて、進めようとしているところでございます。
こうした取組の中では、今、改正をお願いしております
生活困窮者自立支援制度の相談
支援、まさに難しい複合的な課題を解決するための中核的な役割を果たすということが期待されているところでございまして、まさに
生活困窮者自立支援制度と今申し上げたような
地域包括ケアが更に深化をした
地域の共生
社会実現のための取組、これを一緒に取り組んでいくということが必要ではないかと考えております。
ちなみに、こうした
地域の取組については、
厚生労働省としてもモデル事業を実施しておりまして、
平成二十九年度は全国八十五自治体、
平成三十年度においても、引き続き予算をつけまして実施をしてまいりたいと思っておりますので、こうした取組を含めて進めてまいりたいと考えております。
〔
委員長退席、橋本
委員長代理着席〕