○杉本
委員 日本維新の会の杉本和巳でございます。最後のバッターですが、よろしくお願いします。
二〇一一年の三月十一日、タイムマシンがあったらその前に戻りたいというのが率直な気持ちです。なぜかというと、実は、この部屋で、その震災のあった一年前に、引退されましたけれども、共産党の吉井英勝
先生が、当時は私も所属させていただいていた民主党政権で、
委員長の席はたしか東
委員長だったかと思うんですけれども、吉井
先生が経産
大臣に最終的に質問しましたけれども、全電源喪失の可能性について質問をされました。
それまで、私も本当に新人の
理事をさせていただくというような
立場である中で、
原子力安全・保安院を呼んで、非常に難しいというか、副
大臣、政務官とか、そういった方に質問するという流れがはやりになっていた当時にあって、そういった
質疑を吉井
先生がされ、しかも、経産省関連の
組織が全電源喪失の可能性がないと言われ、しかし、その一年後にあの
東日本大震災が惹起したということは、まことに今もって遺憾であるかと思っております。
それでもう
一つ、今、菅元総理がいらっしゃいますけれども、名誉のために申し上げたく存じますが、私がよく予算
委員会で、皆さんに笑われますけれども、傍聴席に座っていることがありました。今でも座ることが多いんですけれども、そんなときに、今もう引退されたもう一人の
国会議員である松本竜
先生が当時防災担当
大臣をされておられまして、そして、
小熊さんの
質疑でもありますけれども、東京電力さんの当事者能力とか当事者意識とか、こういう点を思い出していただきたいんですけれども、松本竜
先生はその予算
委員会の傍聴席で、私に対して、おい、杉本、菅総理じゃなかったら、これよりもっと甚大な被害になっていたと俺は心から感じているぞというお言葉をいただいております。
いろいろな御
意見はあると思いますけれども、私はそのお言葉は重いなというふうに今でも思っておりますので、ちょっと僣越ですけれども、皆さんにお伝えしておきたいと思っております。
さて、
原子力の平和
利用という言葉はよくあって、そんな言葉に我々は惑わされており、また、アメリカのウェスチングハウスだとかGEを東芝や日立が子会社化するというような流れがあったりしましたけれども、ここでまた、ちょっと長くなって恐縮なんですけれども、ロバート・オッペンハイマーという名前を皆さんは御存じでしょうか。原爆の父と言われ、
米国の物理学者、核兵器開発、初代ロスアラモス国立研究所長、マンハッタン計画を主導、原子爆弾の開発プロジェクトの指導的
役割という方ですが、名誉のためにこれも申し上げますと、一九三〇年代のころは、宇宙物理学の領域を研究され、中性子星あるいはブラックホールの先駆的研究をされておられたという方がおられます。
この方の後悔の言葉をちょっと紹介しておきたいと思うんですが、オッペンハイマー氏は、後年、古代インドの聖典バガバッドギーターの一節を引用して、この引用というのは、ビシュヌ神の化身クリシュナが戦いに消極的になった王子アルジュナを鼓舞するための一節ということで、言葉としては、我は死に神なり、破壊者なり、こういう言葉をオッペンハイマー氏は、原子爆弾が広島、長崎に落とされた後、語っておられるんですけれども、核兵器開発を主導したことを非常に後悔しているということを吐露されています。
この
委員会のテーマは、
原子力問題
調査特別委員会という大きなタイトルでありますので、きょうは
更田委員長様に来ていただいていますけれども、皆様にはこの
認識も共有していただきたいとお願いを申し上げます。
また、直近のニュースですと、再生エネルギー主力電源化というようなことで、
原子力がまだベースロード電源という言葉が生き残ってしまっていますけれども、政権が何度かかわる中で、いつしかこの日本の
原子力の開発がフェードアウト電源となりゼロ電源となることを私は願っておりますし、残念ですけれども、現在の三〇年度の電源構成比率は、再生エネルギーが二二から二四、原発が二〇から二二という従来
目標は据え置かれているということは残念に感じているということは付言させていただきたいと思います。
さて、質問にちょっと入りますが、私は二〇一三年三月の予算
委員会で、安倍総理に質問をする前に、もっと重要だということで、当時の
田中前
委員長に質問をさせていただきました。日本の地殻、地層、岩盤などの新しさ、脆弱性について、そもそも論として
原子力発電に向いている国柄なのか、あるいは不向きな国柄なのかということを質問させていただき、はっきりしたことは言われなかったやの記憶もあるんですけれども、向いていないやの御答弁をされたという記憶がございます。
フィンランドに行っていただくと、オンカロをごらんになった方もいらっしゃると思いますけれども、フィンランドという国は、
国会議事堂が岩盤の上に突っ立っています。そのような国柄で最終処分場というようなものの建設がされているわけでありますけれども、新しく着任された
更田委員長は、この日本の地殻、地層、岩盤、地盤、どういった御評価をされておられるかを確認させていただきたいと思います。